• 車種別
  • パーツ
  • 整備手帳
  • ブログ
  • みんカラ+

菊菱工廠のブログ一覧

2026年10月10日 イイね!

6極モートルの三菱電氣扇を発掘(戦前・名電製)

入手から時間が経ち、既に何度か目を通している筈の資料から、新たな発見に至る事があります。
今回は正しくそのような出来事でした。
当初はInstagramだけにしようと思ったものの、予想以上のボリュームになったためブログにしました。

初めに、この気持ちをなるべく平易に表現するならば…
「ニッチだったり地味だったりして販売台数の少なかったグレードの旧車を、偶然発掘した時の高揚感」でしょうか。
車好きにしか通じないか。まぁみんカラには似合いという事で。




さて、もう何度か修理記事の裏付けとして出している、昭和11年版の三菱電氣扇部分品型禄。
保護のため付けている透明カバーが劣化していたため交換したのですが、その時に何気なく、内容を見返していました。

16吋のマイカルタ(ベークライト)羽根や、薄銀茶色なんてのがあったのか。何台現存してるのだろう…などと思っていた折の発見でした。
先日レストアしたチョコレート色の高級タイプに使われているマイカルタ製のファンですが、12吋サイズにも2種類あり、それぞれ4極・6極の補記がありました。



下から4行目と5行目、電氣扇羽根 マイカルタ製高級扇用の4極と6極。
掲載写真こそ1種に集約されていますが、この向きでは実質一緒なためでしょう。

芝浦を例に、ピッチ角の違いを意味するものだとピンときました。
つまりは羽根の取り付け角度の浅い・深いの違いです。
端的に言えば6極モートルの方が力が強いため、羽根の角度を深くして風量を稼ぐ仕様になっています。

これの何が発見なのかと言えば、「戦前の三菱電氣扇にも6極モートル仕様があった」に尽きます。
通常は4極で、三菱の6極は存在しないと思っていました。

シリーズ全体の売れ行きは芝浦に劣らなかったものの、バリエーション展開としては数歩譲る印象のある三菱製。
市場に出てくる現存個体を見ても明らかで、単なる色違いでも三菱はごく少数。
ダイカスト部品の腐食割れ問題も影響大でしょうか。
芝浦も定番の「黒の12吋」以外は少ないながら、三菱よりは多く出てきます。

というところまでを記したタイミングで、こちらの写真を見ていただきたいのです。



この2台は共に三菱電氣扇の高級タイプです。
本体色こそ差があるものの、他は同一仕様だとばかり思っていました。
右は先日レストアしたもの、左は4年前にレストアした同一仕様(と思っていた6極モートル仕様)。

実に4年もの間、かなりのレアグレードだとは気づかずに置いていました。
分解整備までしたというのに。
世界はこれを灯台下暗しというんだぜ。









しかしこうして並べてみると…確かに羽根の角度が違います。
写真左側に置いた方(赤漆っぽい本体色)が、より傾けた物となっているのです。
スケールを当てた高さ比較では、上の写真になります。

ただ、差は根元で比較して約5mmと、こうして比べないと分からないレベルではあります。
このためか、三菱製は芝浦製と異なりファンガードの奥行が同じでしたので、全く気づきませんでした。
2台の整備に4年の差がある事も一因です。

尚、明るい方の塗装については実際に赤漆かもしれません。黒の方はカタログにそうアピールされているので。
或いは6極仕様の専用色か。ならガードとかも揃えるかな。





そして、モートル内部を見比べれば決定的。
コイルの巻き方が明らかに異なり、赤漆っぽい方(上の写真)が各ループが小さく6分割=6極仕様と分かるのです。
同様に、下の写真は4分割のループです。

この時代の扇風機は、交流三相モートル(疑似三相起動)で断りの無い限り、通常は4極。
少なくとも三菱と芝浦についてはそうで、川崎・日立・川北等の単相は所謂「隈取り巻き線」だったりします。





モートルの極数変更に対応するためか、碍盤のスイッチ部にも違いがありました。
上の写真・6極の方には追加の金具が付いています。

更に変速について、芝浦は4極は4段・6極は3段と違いがあった一方、三菱は4極も6極も同じ3段。
これも気づかなかった要因でしょう。

なお、戦前の三菱製は銘板に型式・型番が記されていません。
製造時期によりギアボックスや銘板の形状、羽根の仕上げが真鍮無垢か塗装かが違う、というくらい。
精々「Kobe」の記載があるかどうかで、神戸造船所内の頃か名電(名古屋製作所)移転後かの判断ができる程度です。
ガードや色が一緒の場合、細かい見分けは高難度。

そのため、明確な仕様差の現れているのは大変貴重で、高級仕様の6極とあれば正しくHidden Gemと言って良い存在でしょう。
今後はカタログなどの証拠を見つけたいところ。

そして、4極仕様と並べてこそ明確な違いが分かるため、2台揃ってようやく鮮明化される価値とも言えます。
4極の高級版(チョコレート色・マイカルタ羽根仕様)も貴重ながら、それ以外は通常版と同じなので、それらを比べても羽根のピッチ角やモートルの極数は同じ。
この事より、比較対象となる4極の高級仕様もまた、6極と揃って更なるHidden Gemたり得るのです。


…と、こんなに語っても凄さを伝えきれない事に、自身の語彙や文章の力に限界を感じてしまいます。
もっと小難しい言い回しでもして、それらしい表現にできれば良いのですが。
まぁ、そうしたらしたで、もっと伝わりにくくなるのでしょうけれども。
Posted at 2026/10/10 17:01:47 | コメント(0) | トラックバック(0) | アンティーク家電 | 趣味
2026年09月27日 イイね!

ベビコン色が物語る個性 日立16吋扇風機 昭和26年

今回は長期在庫品に手を付けました。
かなり前に買っておきながら、「いつか直そう」で放置していたものの一つです。



ちょいボロい、見ようによっては良い感じにヤレた戦後の一台。
探すと案外出てこない日立の40cmタイプです。

この色…タイトルにも書いた通り、日立って事でベビコンのシャンパンゴールドですよね?



銘板です。
正面に付いてるのは良いとして、電源線も正面付近から出てるってのは変な気がします。
まぁ今は置いときましょう。

特筆すべきは製造年の記載がある事。扇風機には結構貴重なんです。
戦前戦後の機種だと、KDKとか松下系の一部にあるくらいでしょうか。
1951年という事で、昭和26年製と分かります。

資料や情報は少ないながら、本機について分かる事を少々。

まず戦後直後の扇風機について、私はあまり資料を持っていません。
メーカ問わずで、所有する戦後のカタログやチラシは1950年代後半頃以降です。
なので、まず本機が51年製と確定している事で、一つの全体的な指標を得られています。

それが「布コードがビニルコードに変わった時期」。
電線自体の歴史から言えば、ビニルコードの国産が始まったのは1949年の事ですが、扇風機にもほぼ同時期から採用が始まっていたのです。
そのため、例えば多く見られる三菱電機の戦後製(12吋三線型や細目扇など)には、少数派ながら布コード仕様が存在しますが、それらが49年か50年以前の製造であろうと分かります。

芝浦もそうです。
丁度最近、布コード仕様ながら明らかに戦後製の芝浦扇風機が集まってきたのですが、資料が無いため名称不明なのです。
「ひまわり」およびそれらしき型にも数種あって、所有する最も古いタイプは布コードで、基台も戦前の睡蓮と同じ形です。
それが上記の事から、40年代末か遅くとも50年代初頭頃と、販売時期が数年間に絞られるのです。

なお…今書いた事は遠からず当たっていると思うのですが、ちょっとしたオチがこの後つく事となります。

さて、本機に戻りましょう。
ガードのデザインや塗色こそ戦後然としていますが、本体やファンの形状は正に戦前型。
同時期の他社と同様、戦前型ベースで仕立てた過渡期の機種と言えましょう。
ではベースは何かと言えば、昭和12年頃の機種となる筈。
持っているカタログにある12吋型では、以前レストアしたTO-A3-30というのがあります。
基台とファンの形状がよく似ています。



モートル後部は尖っています。
こちらも同時期のコンデンサ付き・3枚羽根の機種である「無騒音高能率扇」に似ています。
ベビコンのような色も、そちらに似ている色があった記憶。



エンブレムは現在とほぼ同じ、見慣れた大文字のHITACHI。
しかしよく見れば、中央が僅かに幅広なせり出しデザイン。

最初に書いた銘板と電線の違和感は…もしかして基台が逆向きなのかもしれません。
分解していけば答えが出るでしょう。
満足できる答えが得られなければ…そこでThe endさ…



では分解へ。まだ終わらんよ。
こちらはファンガードの固定ナットですが、ここだけ白塗装になっています。
後施工かどうかは不明。
本機はどうも途中で修繕が入っている予感。



やはり手入れされているようで、汚れに反して固着は無い模様。
16吋なのでマイクスタンド状態も一回り大きい。



裏面へ。
蓋は最小限の部分だけ覆うサイズになっています。
ゴム足はできれば交換したい状態。



モートル下面が見えたので撮りました。
首の軸がビス止めの別パーツになっているのは、少々珍しいかと思います。



蓋の内部です。
戦後製というのもあってか、大した汚れはありません。
電源線は2芯の赤白被覆が際どい状況。
モートルのコードは大丈夫そうですが…なんか違和感が。
汎用っぽいというか。



碍盤が取れました。
薄くチリが積もっている程度です。



線が外れたら起こしてモートルへ。
尖った後部をビス3本で外すと…



そのままギアボックスでした。
グリスがまだグリスの色をしていますから、やはり1回はメンテされていますね。

しかし、油が入るケースの地面と垂直な合わせ箇所が、ガスケットも無く凹凸だけとは…
結構思い切った作りです。
オイルではなくグリス限定でしょう。



モートルのエンドベル固定ボルトは1本交換済み。
頭の形が違う他、ピッチも違います。
途中から純正を継いだ模様。



エンドベルは前側が外れるという、変わった作りでした。
シャフトに紐というか糸屑が絡んでます。



モートルの外れ止めはピンの打ち込み。
ここはTO-A3-30も同じだった気がします。



先程の答え合わせです。
やはり逆組みになっていました。
首振りアームが裏返しです。
スイッチの向き的に敢えてそうしたのか、それとも単に間違ったのか。

そして、ネックピース側の固定ビスも、段付きビスから普通の皿ビスに替えてありました。
モートルのビスの継ぎ方(溶接でした)とかを見るに、敢えての可能性がありそう。
機械やモノ弄りを分かっている人による、使い勝手重視の改造という事です。



そして首の軸受けは、まさかの汎用ベアリング。
軸方向に荷重がかかるのって、このベアリングでいいんだっけ…?
普通はスラストベアリングを使うような…
実際、他の例ではそうなっていますし。



全バラできましたので洗浄へ。
まずは構造も気になるギアボックス。
いつもの通り並べてみました。

まるでパズルのように部品を組んでいく構造で、カニ目レンチの要る蓋が付くのもA3-30同様。
戦前設計が生きた結果だと思いますが、よく考えたものです。
どうしてもギアボックスを出っ張らせたくなかったんだろうなぁ。

構造的には大正初め、黎明期からある2段スクリューギア式。
ケース側は非分解のため、分解も組み立ても順序が大事なパズルです。

1.クラッチ受けギアにボール付きシャフトを組み、それをケースに入れる。
 この時、軸受け側の溝にワッシャ2枚を忘れず入れておく。
2.1のギア下にリブ付きワッシャを入れ(リブ上向き)、首振りカム付きシャフトをケースに通す。
3.切り欠きワッシャをリブ付きワッシャの上に入れて、カム付きシャフトをロックする。
4.ベークギア付きスクリューギアをケースに組む。
5.カニ目レンチ式のネジ蓋を閉める。

で良かったかと。
間違っているかもしれませんが…



ギアボックスの完成図。
グリスアップ後なので、あまり参考にならないかも。





洗浄しつつ、終わった物から撮影。
塗装面に薄く固まった油汚れが結構な曲者。

首振りアーム固定ビスのスペーサは作りました。
グリスを塗るとはいえ、摺動部にアルミってどうなの?とは思いましたが、外径がピッタリで加工性は非常に良いので…
ビス自体は皿でも良かったものの、ちょうどいい感じのが手持ちにあったので交換です。
なかなか自然になってのではと自画自賛。

また、ネックピースは真鍮製で、これまで他に見た記憶はありません。
基台は恐らくアルミ合金です。
この部分、大抵は基台と同じ素材のため鉄か亜鉛合金、戦後ならアルミ合金なんです。
敢えて真鍮を使ったのでしょうけれど、物資不足の他に理由を考えるならば…加工性でしょうか。
摩擦する部分に嵌めてあるリングは鉄でした。
色々と個性的な機種です。



続いてモートル。こんな感じの汚れ具合。
後側はギアボックスに連続するデザインのため、大きな開口部は前側のみ。
そのお陰で内部は結構奇麗。
コイルに塗装が乗っている事や、エンドベルの合わせ目には下地色しか乗っていない事からすると、ベビコン色はある程度組んだ後に仕上げとして塗ったようです。
他にも何かの例で遭遇した気がしますが…どの機種だったかしら。

そして、モートル引き出し線の掃除をしていると、違和感の正体がもう一つ判明。



モートルの線、替えてあったんかい。
いずれにせよ古いのですが、本体の製造年が51年なのに、コードの印字は59年。
どう見ても後から交換されてます。

なので、上に書いたコードの種類が云々の件は一つの指標にはなりますが、今回の個体はちょっと別でした。
でも52年製と分かっているKDKもビニルコードなので、そっちを基準にすれば良いかなぁ。



ロータも綺麗になりました。
これまた初見の設計で、前後のシャフトが異径。
後側が太いです。
スクリューギアもかなり粗く深い刃なので、高耐久仕様という事でしょうか。



組んで行きます。
珍しくフロントが開くエンドベルは、向かって左上と右下の対角箇所しかネジ山が切ってありません。
右上と左下は径も大きく、ただの貫通穴。
戦前設計だと組付け精度が出るか不安でしたが…寧ろ普段より良い感じ。一発で決まりました。
「2か所でも十分ですが?」という日立の煽り(自信の表れ)かしら。
戦後という事で、少しでも工数を削ろうという工夫かもしれません。





銘板も光を取り戻しました。
背景色が本体と違うのも、日立製汎用モートルやベビコン、ボール盤と同じです。
曲率から言うと、変速の方は12吋と共用のようです。

後は諸々組んで行けば出来上がり。



思った以上に綺麗になりました。
基台と首の関係も本来の位置に戻りました。



メッキの輝きも良い感じです。



電線は迷った結果、偶然持っていた日立のビニル平行線にしました。
色もまぁブッシュと合っていて良いでしょう。



どうせならと、プラグも日立に拘ってみました。
ポニーキャップ+ビニル電線で50年代感の演出を狙ってもみましたが…どうでしょうか。

大手家電メーカ製のプラグだと、本体と合っていないと使いずらいので良い機会。
複数個いただいたものですが、どうやら未使用らしいです。
しかも端子を固定するビスはプラスで…その頃まで日立もポニーキャップを作っていたようです。

テストしてみると、流石の戦前設計40cmで迫力が違います。
モートルは起動音程度しかしない一方、ファンの風切り音はかなりのもの。
サイズ的にも近くに居る前提ではなさそうです。
細身のファンなのにガードは大正期と大差ない粗さですし。



という事で、1台ながら長期ストックの消化が完了。
設計も過去の手入れも含め、色々と個性溢れる1台でした。
手入れの面については、意外とこう言った個体に出会う事は無く、今までは「重メンテは製造後初だろうな」というものばかり扱ってきました。

さて、次は何を手掛けましょうか。
まだまだストックはありますが…やるにもやる気が重要でして、どうも乗らないと放置してしまいます。
車もやりたいながら、まだ身動きが制限されている上、天気も雨ばかり。
気温も乱高下して体調が整わないので、秋雨も程々にしてほしいものです。
Posted at 2026/09/27 18:46:35 | コメント(0) | トラックバック(0) | アンティーク家電 | 趣味
2026年09月23日 イイね!

まさかのFZ-N1出戻り

これは一月ほど前、お盆休み中の事でした。
ついつい上げそびれていましたので、今更ながら載せておきます。


人とは違う、一風変わった携帯が好きな私。
とはいえ今まで使ってきた端末は、現在のCAT S61の前がパナソニック FZ-N1だった程度で、それ以前はごく普通のキャリア向け機種を、普通に買って使ってきました。

CAT S61は大変優秀な機体で、故障修理は一度もありません。
実に6年も毎日使っていながら、出荷時のバッテリがまだ2日か3日は使えます。
更に驚くべきは液晶保護フィルムで、これも出荷時のものが6年持っています。
流石に僅かな擦り傷はありますが、張り替えたくなる程の「傷らしい傷」が無いのです。
本来想定されるようなハードな使い方はしていないとはいえ、ほぼ毎日使った結果としては奇跡みたいなものでしょう。
正に異能生存体。

そして誰とも被らない機種である点や、レーザ測距やFLIRカメラ等の特殊機能が付いている点など、大変気に入っているのですが…流石にAndroid 9では古すぎます。

個人的には別に古くても良いのですが、Chrome(正しくは系列のブラウザ)がサポート外になってしまったのが致命的。
シンプルにセキュリティ的リスクもありますし、少しでも新しい方が良いのです。
せめてサポート範囲内程度には…

とはいえ、出ると思っていた後継機 S225が立ち消えになってしまった今、機能面やデザイン面で惹かれるのは軒並み中華ブランド。
単にMade In Chinaならば構わない(避けようも無いですし)ながら、ブランド自体となれば話は別でございます。
情報端末であれば尚の事(これは私個人のこだわりなので、だからどうこうと主張するつもりはありません)。


ではせめて、本命が出るまでの繋ぎは何か無いものか。


そう思い探してみると…ありました。

<写真>

Panasonic TOUGHBOOK FZ-N1。
まさかの出戻り。

しかしこちらは「FZ-N1E」でして、Android 11にアップグレード可能な後期型。
以前使用していたのは初期型の指紋センサ搭載モデルですから、そちらは6までしか上がりません。
厚みがある事からわかる通り、バーコードリーダモデルの大容量バッテリ装着機。

そしてこの個体は少々特殊仕様でもあります。
某システムにオプションとして用意されていたものらしく、ベゼルが専用のグリーンになっている他、専用の型番が与えらえています。
時々中古に出回るため、その一つを入手した形です。
…ヤマト仕様もドライバーさんのを見た事あるのですが、それは情報が全く無いですね。
そちらも予てから気になっております。

これなら使用感に違和感はありませんし、特殊性や堅牢性も申し分無し。
世代的にジャンク品が安く出回っているため部品も確保しやすい。
当時便利に使っていたバッテリウォームスワップ機能もあって、新品バッテリパックもまだ入手可能。
整備性確保のため各部がビス固定なので、ノートPC的に手入れできそうとも。

ですが課題もありました。

「SIMロック解除の対象機種に入っていないが可能なのか」と、「Docomo回線仕様機なので、SIMロック解除したところでau回線ではどうなのか」という2点。

前者は確認したところ可能との事なので、後はもう実験してみるしか無いでしょう。
では実験してみようじゃないか。
自称第一号レビューに続き、今度は別キャリアでの使用第一号として。



先に結果から。
できました。
UQ Mobileでau回線です。

SIMロック解除は(お盆期間直前という事もあり)前回同様コード発行にて自力解除しました。
マニュアル通り、イレギュラー無く完了。
尚、コードの載った紙にはSIMロック解除後の受信可能バンドも表記されるのですが、以前使用していたau回線仕様と同一でした。
ハード的に作り分けしている可能性は低いと思ったので、そこは予想通りでしょうか。
一方のキャリア固有バンドに頼る環境でない限り、不自由はあまり無いと捉えて良さそうです。

また、SIMは内部認証として使用するものなのか、指定のキャリアのものであれば開通している必要は無いようです。
iPhoneのアクティベーションはそうらしいので、同じイメージで良いのかもしれません。

続いてAPN設定、こちらは直接のトラブルは無かったものの、トラップがありました。
初期化された状態で入手した端末だったからか、APN設定後にWiFi経由でソフトウェア更新(FZ-N1のファーム)を行わないと、モバイルデータ通信が不可能でした。

KDDIの表示は出ているのに通信不可、「通信サービスがありません」になるのです。
これには焦りましたね…なまじ特殊仕様機なだけに、それの影響かどうかの切り分けができず。
携帯のこの辺りの事情にあまり明るくないというのも。

更に第二のトラップも。
色々設定してデータもコピーし終わったところで、SMSが送受信できない問題が発覚。
データ通信も音声通話もモバイルネットワークでできていたので、完全に原因不明でした。
結局は初期化で何とかなりましたが、その間も何故か初期設定のAPNで通信できた時間があったりと、よくわからない挙動でした(きちんとUQで打ち直しました)。
数日は様子を見ながら使ってみましょう。



少々時を戻しまして、外装交換の際の様子。
この時点で部品取りが5台集まっていましたので、一番傷んでいるのを分解検証用とし、残り4台から良いところを取って集めます。



外装は上下2分割。右の2つと入れ替えます。



マニアックな違いも発見。
下側カバーが嵌らない…と思ったところ、スペーサとして入っているゴムの大きさが違いました。
N1Eに初期型バーコードリーダ仕様の外装を移植しようとしているので、こういった違いが見られたのだと思います。





液晶保護フィルムも張り替えて完了。
写真の色が変なのはS61のカメラ特性ゆえです。


という事で何とか乗り換えに成功した、というご報告でした。

しかしS61を6年も使っていると、勝手の違いに戸惑うのがどうしても気になります。
あちらは正面下部の物理ボタン(中央2回押し)で画面点灯できたのが便利でした。
FZ-N1もボタンの割り当てを設定できるので近い事は出来るのですが、1回押しで反応してしまうので、何かのタイミングで無駄に作動させそうなのが…

逆に良い所はというと、大容量バッテリも含めて7個もバッテリパックが集まったので、充電タイミングの自由度が相当増しました。
消耗具合はこれから使いつつ確認の予定。
ウォームスワップ機能は以前も便利に使っていましたので、その恩恵に与れるのは嬉しい。

…今更720×1280のディスプレイは小さい(粗い)なと思いますが。
時々カメラやディスプレイの動きが怪しくなるし。
Posted at 2026/09/23 18:38:54 | コメント(0) | トラックバック(0) | PC・携帯電話等 | 趣味
2026年09月05日 イイね!

「戦前の国産定番機」の高級版~三菱電機 高級電氣扇 昭和8年

久しぶりの扇風機レストア記事となります。
「古い扇風機」というカテゴリの中でも主力を占める12インチ卓上型としては、本当にかなり久しぶりでございます。

そんな今回のお題は…



こちら。
今年入手した際、先にInstagramにだけ載せたもの。

三菱電機の戦前型としてはド定番の、名電製菊水ガードタイプ。
ですが箱に書いてある通り、本機はその高級バージョンとなります。

実は以前、ほぼ同タイプをレストアしています。
記事にしたと思っていたら、何故かしておらず…



2022年11月末開催の、扇風機展示会@道具屋ホリデイズでの1枚。右側の個体です。
この個体は赤漆をメインに使っているようで、今回の個体とは色味が異なりますが、赤系特別色でマイカルタ(ベーク)羽根という仕様は同じです。

で、今回の品。出品時は「若干の色違いだし、箱目的で同型を買うのもなぁ」と正直思いました。
同時期の三菱に見られるパーツの腐食割れ(乙型ギアボックスとネックピースがメイン)もあるので、レストアにはニコイチがほぼ確定という点も含め。

しかし最高額入札が海外バイヤーのようだった事と、金額的に許容範囲だったため購入してしまいました。
箱も含めて貴重な品なのは確かなので、海外流出を止めたかったのです。
正体を知っている者もきっと、少ないでしょうし…という自負もあり。

そしていざ届いてみると、予想以上にミントに近いコンディションである事が分かりました。



プラグがなぜか250Vタイプですが、コードが非常に奇麗。
チョコレート色タイプなのでオリジナルでしょう。



ギアボックスはまだ健在ながら、特有の劣化は始まっています。
奥に見えるのは大阪市電気局の検査封印。
この時期の扇風機にはよく付いてきます。



これはお決まりパターン。
首振りアームの付け根が折れています。
ここは素直に無事な固体か、あるいは戦後の細目扇系統からの移植修理となります。



早速分解に入りました。
裏蓋の塗装は艶が健在で、ラベルも新品のような美しさ。
電気局の検査証も何とか読める状態で残っていて、これもまた貴重。

これによると、昭和8年7月某日に検査(もしくは検査証発行)されたようです。
新品状態で行うのが普通でしょうから、素直に受け取れば昭和8年製となるでしょう。
昭和10年開始の逓信省型式認定もありませんので、それも裏付けとなります。

そこで出してくるのがこれ。





もう何度か登場している、昭和9年版のカタログ。
この中にも「チョコレート色の高級版」が記載されているのですが、「昭和9年の新製品」ではなかった事になりますね。



蓋の中も当然奇麗。
碍盤上面も同様で、モートルへ行く配線も色分けが判別可能。



配線を外しました…が、スプリングの向きが逆?
とりあえず進みます。



モートル内部も軽いチリ程度で、ホコリ満載ではありませんでした。



問題のネックピース。
腐食割れに伴い膨張しているので、壊しながら取り出す事となりそうです。



途中経過。予想通り。



そしてこちらは、代わりに用意した交換用パーツです。
通常カラーのパーツが無事な個体をドナーとさせてもらいましたが、ネックピースは戦前製、ギアボックスは戦後の物を塗装してあります。

戦後製でも12吋細目扇などのエトラ扇系統は、モートル周辺の設計変更が無かったためにポン付けできますが、素材が主に違います。
同時期の製品は芝浦も同様で、戦前設計で素材を変更したものをベースにしていました。定番の睡蓮の他、ひまわりR-1が代表例でしょうか。

ケースは亜鉛ダイキャストからアルミダイキャストになって軽くなり、クラッチの付くヘリカルギアは真鍮からベークへ替わっています。
後者はモートル軸と噛む箇所で、油切れになるとモートル側のスクリューギアが負けて摩耗するので、その対策でしょう。



さて、結果です。
見事に粉砕されてしまいました。
形を何とか留めていても、強度は著しく落ちています。
これが腐食割れの恐怖。



使う方の塗装剥離。
一度では済まずに2度掛け。



塗装できました。

クリエイティブカラーという工作用スプレーのチョコレート色が、偶然未開封で手持ちにありました。
缶が小さくて1本で足りるか不安でしたが、一度の吹き付けで乗る塗膜が厚い上、馴染みが良くて大変塗りやすい。
ちょうどよく使い切る形で完了。

どうしても色味は多少違ってしまうものの、まぁ許容範囲かと。
本当にこだわるなら調色しないと…それもいつかの課題でしょうか。



続いては組み立て向けての清掃。
オリジナル塗装の状態は良さそうです。



軽く磨いただけでこの艶。
良いですねぇ。





基台と銘板も磨きました。
ウエスの方にもそれなりに色移りしましたので、塗膜は柔らかめなのかもしれません。
少なくとも通常の黒(漆焼き付け)とは全く違います。
なお、それを見るに「茶色」というよりも「かなり濃い赤」と言った方が正しい色でした。



組み立てに入ります。
やっぱりこれが一番楽しい工程。
この「ギアボックスの部品一覧」は、当方修理記事の定番化しています。

オリジナル塗装も磨いてみたら茶色みが増し、新規塗装部分との差が少なくなりました。
大変嬉しい偶然。



モートルへ行く配線もゴム被覆が崩壊しているので、オリジナルと同じ色分けで収縮チューブを施工。



奇麗になったマイクスタンド状態。



こちらはファン。
形状こそ通常の三菱電氣扇と同じながら、マイカルタことベークライト製。
高級仕様の証はこれでございます。

磨いた後は撮り忘れたので完成写真にて。



続いてガードですが…今回ほぼ唯一の残念ポイント。
何か重い物でも落ちてきたのか、前後のファンガード上方が折れて曲がっています。
差し込み部も折れてしまっていました。



曲げなおしてこのくらいに。
フラットバー形状の狭い面に沿ったカーブは難しいですが、何とかなって幸い。

折れたところは位置合わせだけにして、半田や溶接跡を残さない方を優先しました。
菊水ガードは接合箇所が多いデザインのため、強度的にはこれで問題ありません。



後側も同様。寧ろこっちのが酷いか。
怪我の功名と言いましょうか、ガードも黒塗装の上から茶色を塗ってある事が発見です。
一部パーツは通常色が塗りあがった状態からのピックアップで製造されたようです。





エンブレム磨き。
この凹み部分の色も同じ茶色である事も、純正塗装であると判断できる要素です。



組んだら完成。
全体的に綺麗な仕上がりになりました。



背面。
ギアボックスの色味が違うのは分かってしまいますが、あまり目立たなくなりました。
配線保護スプリングが逆だった件については、正しい向きで組みました。
フレアになっている方が外に出ます。



プラグは手持ちにあった茶色のポニーキャップへ交換。
写真では黒く見えますが…



ファンの仕上がりはこんな感じ。
よく見ると「金属ではないな」と分かる質感。
ベーク成形の羽根をハブとリベット接合した後に塗装しているようです。



銘板背景も同色。いい色です。
三菱電機で意匠性重視の空調機器というと、2026年現在ではエアコン霧ヶ峰にそのラインがあります。
そのルーツを遡るとこれに辿り着く…のかもしれない。
凡そ100年の歴史があると思えば、目の前に確と存在するという事実に、改めてロマンを感じてしまいます。


という事で、今回も無事に仕上がりました。
次は長期在庫になっている個体に手を付けましょうか。
それとも別のネタか。
分かる人にしか分からない、地味に珍しい機種も手に入りましたので、それにしましょうか。
Posted at 2026/09/05 17:09:20 | コメント(0) | トラックバック(0) | アンティーク家電 | 趣味
2026年07月19日 イイね!

タミヤ マイティフロッグ(1983年)のレストア 1

ラジコン旧車レストア、本当はこれがメインかもしれない第二弾です。


今から25年程前の事、縁あって当時モノのマイティフロッグを譲り受けました。
タミヤの再販・リニューアルラッシュが始まる前の事で、当時は自分も小学生か中学生。
プレミアの付いた旧車は手が出ませんでしたし、そもそも手段が無かったですから、ボロくてもバーンファインドが嬉しくてなりませんでした。

ボデー裏に記した日付からすると、恐らく2000年の事だったのだと思います。
再販シリーズがちょうど同じマイティフロッグから始まるまでには、あと3年か4年という時。
破損や疲労のあるパーツも、専用品ならそのまま使っての手入れとなりました。



それがこちら。
パッと見は綺麗ですが、その手入れからも25年が経過して、また汚くなってきました。
ユージプロダクトのフロントダンパーとサイドガードは元々付いてたもの。

タイヤ・ホイールは手入れと前後して、当時通っていた模型店でデッドストック品が出てきたのを買っていました。
しかし今、新品が手に入るのに使い回す理由は…
ボデーも一度塗装を落として塗っていますが、不十分な箇所が多いです。



デカールも浮いたところをテープで押さえてました。



近くで見ると結構ヤレてます。
際どいビス穴を何とか誤魔化した記憶が。



フロントバンパ周辺は割れも多数。



ボデーの下はそれなりに綺麗か。
受信機も当然当時モノでスピコン仕様です。

という事で、この仕様を再現しつつ、新品にできる箇所はしてしまおうという企画です。
シャーシフレームもビス穴が割れているので交換します。
早速分解に入りましょう。



当初からフロントのボデーマウント位置が変でしたが、前オーナ氏は、組み立て時に本来のビス穴を使えなくしてしまったようです。
それで不要部品(モンスタービートル等に使うもの)を活用して、少々リアの方に立てたのですね。
フロントサスの間にそれが見て取れます。
ここは本来の位置に戻しましょう。



少々見切り発車して、注文した部品が到着しました。
主だった部分が新品になるので、度々言ってきたテセウスの船には、今度こそ近づいてしまいそうです。
ただ…同じ車種の再生産品を使っていますから、オリジナルの意味とも共存できそうに思います。
まぁそこは個人ごとの線引きという事で。



ほぼ新品キットを組んでいる感覚。
使えるパーツは洗浄して再利用します。
説明書は折角なので、当時モノを用意してきました。
この辺りまでが所謂「小鹿タミヤ」の時代です。





ユージプロダクトのフロントダンパーは、当時の手入れでは良い取り付け方が分からず、仕方なしに外していました。
元から上手く付いておらず、少年だった自分にも解決ができなかったのです。

しかし、当時は発展途上だったネットとは便利なもので…これが品番TM-8411であるとか、その説明書であるとかが出てくるんですね。
ビスの正しいサイズやラジアスアームの曲げ具合も判明しました。



このくらい。どのくらい?



工程を色々と前後しつつ、無事に付きました。
ロックナットが少々足りないので、後で付ける事として進みます。



ギアも洗浄して再利用。
ベアリングは純正の4個中1個がNGで、当時入れ替えていました。
何となく奇数なのが気になったので、2個以外はメタルシールのベアリングに。
大人の盆栽フルベア仕様。

尚、スパーは49Tの高速仕様です。



当時モノのフロッグ系シャーシで語られる「例のシャフト」。
この個体は無事です。
ブーツだけ新品にします。



次、ダンパー。
これも現行ではリファインされているので、当時モノで行きます。
オイルは漏れ必至なのと盆栽確定なので入れませんが…



このダンパー、何故か片方だけインナースペーサが入っていて、当時は取れませんでした。
前オーナ氏、入れてから「しまった取れない」で仕方なく放置だったのでしょうか。
そのせいで伸び具合が左右違っていて。
今は色々と工具が揃いましたので、ドリルで削って取り出しました。



樹脂パーツを多用するキットなので、旧車といえど進みは早い。
ロマン満載ながらレースは…なファイティングバギーの翌年がこれですから、一気に設計が進化した感があります。

モータはノーマル540で修理していましたが、いただいた時はこれが載っていました。
ご存じブラックモーター、青エンドベルのエンデュランスタイプです。
これに改めて給油して載せます。

調べてみると、これって現在のジョンソン540相当なんですってね。



合わせるのは当然スピコン。
実は別件で部品取り君を入手していたので、そちらから拝借しています。
接点清掃と折れた端子を線ごと交換、ギボシを付けて使用。



モータの配線テストも問題無く完了。



からのRCメカテスト。
プロポ無しで譲り受けましたが、どこかのタイミングで買ったFP-T2GSを合わせました。
これまたしまい込んでいて、カビが生えていたので清掃。





次のレストア対象車の部品と共に不足部品が到着。
シャーシが完成しました。

ダンパーのチューブはファイティングバギーのリザーバ用で、現在の名称はシリコン燃料ホース(40cm)。一度改良が入ったそうで。
これが狙い通り良いサイズでした。
Oリングは再販フロッグ用のもの。普通のダンパー用より一回り大きいタイプです。


キリが良いので、第一回はここで区切っときましょうか。
次回はボデー製作…ですが天気とやる気が今一つ。
自分はどうもメカ系を組むのが好きなようだと、今更ながら気づきました。
Posted at 2026/07/19 19:05:38 | コメント(0) | トラックバック(0) | プラモ/RC | 趣味

プロフィール

「6極モートルの三菱電氣扇を発掘(戦前・名電製) http://cvw.jp/b/2115746/49356483/」
何シテル?   10/10 17:01
菊菱工廠と申します。 「工廠」なんて言いましても、車いじりは飽くまで素人。 電装系なら結構自前でこなします。 ちょっとした金具作りなんかも。 ナ...
みんカラ新規会員登録

ユーザー内検索

<< 2026/11 >>

日 月 火 水 木 金 土
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930     

愛車一覧

シボレー サバーバン シボレー サバーバン
Super Wagon, Texas Cadillac… それはアメリカで最も長く続くモ ...
三菱 エクリプスクロス 三菱 エクリプスクロス
アウトランダーPHEVと迷った結果、偉大な先代、コルトプラスの跡を継ぐこととなりました。 ...
三菱 コルトプラス 三菱 コルトプラス
家族の車です。 私が免許を取った際の練習にも活躍しました。よって、免許取得以前からの付き ...
三菱 パジェロ 三菱 パジェロ
荒野の山猫、パジェロの初代後期型でございます。 88年9月MC版、4D56 I/Cター ...
ヘルプ| 利用規約| サイトマップ
© LY Corporation