今年初めてのアンティーク家電ネタです。
私は長年(といっても10年ほど)、古い扇風機を集めてきました。
古くは明治末期のアメリカGE製、最近のものでは、80年代の「ちょっと懐かしい形」のものまで多数です。
その間、オクのチェックもほぼ毎日してきましたが、初めて見た機種がありました。
それがこちら。
KDKこと川北電気企業社(製作所の時代かも)製の、8吋と思しき型です。
川北の扇風機は、碍盤の製造を松下幸之助氏が受注したエピソードで有名ですが、
今日入手可能な当時のものは、大体が黒の4枚羽で12吋のモデルです。
それと同デザインで16吋もありますが、あまり数は出てこないようです。
で、この機体は初めて見ました。
それはそれはまさに衝撃的で、表面のメッキ仕上げといい、モータケースやそのステーといい、何とも当時の海外製を意識した設計を感じました。
いや…黒いモデルも各社、提携していた海外製に準じていましたが、これはその中でも、特に意匠性というか装飾性に凝ったモデルといえます。
たぶん、1930~40年代のものだと思います。
同様の小型・交直両用機は、三菱電機製を所有していますが、そちらは黒で、12吋モデルをそのまま縮小した感じのものでした。
早速整備してみました。
まずは分解。
モータを取り出したところです。
上はファンの付く側から見た図で、手前の金色の円筒はグリスボックスです。
下はロータ部分。カーボンブラシを使うタイプで、交直両用の扇風機です。
次に外したファンです。
2枚羽のプロペラを2枚重ねて4枚羽にしている構造です。
川崎造船の扇風機…オルビット型、のちに川崎型も、同様のファンでした。
写真節約のため端折ります…
他、モータケースやステー、基台等を磨いた後に組立てました。
最初の写真と違うのは、追加ガードをつけていないからです。
螺旋状のガードは追加のようで、この十字型ガードの前後からはめ込みで固定されていました。
次に、追加ガードも付けた状態です。
下はKDKのエンブレムです。
定格もここに書かれているため、型式等を示す銘板はありませんでした。
この機体は保存状態が大変良く、コード、中間スイッチ、プラグとも純正と思われます。
スイッチにも、KDKの刻印が入っています。
後ろから見た図です。
砲弾型と呼べそうなモータケースを、Y字型のステーで支えています。
ファンとガードを外すと、クラシカルなマイクのようなデザインです。
最後に、ステーについている表示板。
特許出願中だそうです。
ラジオの話と記憶していますが、古い時代には「意匠登録」のことを「特許取得」と表現することがあったそうです。
なので、これもそうなのかも。
今回の機体は、小型で部品が少なく、また状態の良いメッキ仕上げだったことから、とても手入れが楽でした。
なので、週末だけで作業が済んでしまいました。
ところで、今このエントリを書いている自室には、この小型を含めて7台の扇風機があります(笑)
今後も細々と、ラジオともども増えていきそうです。
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Posted at
2015/01/11 22:22:07