2016年12月11日
古いラジオの変わった古書~放送局型受信機の栞(第二輯)
久々に真空管ラジオ関係のものを買ったのでご紹介。
戦前のラジオの資料で、その名も「放送局型受信機の栞(第二輯)」

昭和15年発行、「輯」は「集」の異体字とのことで、第二集とも書けますね。
で、そもそも放送局型受信機って何ぞや? という点ですが…
真空管ラジオ好きならきっとご存知、通称「局型」。
早い話が、戦時下の各社統一仕様ラジオってことです。
放送局というのは、写真の通り日本放送協会(現:NHK)のことで、日本放送協会の決めた仕様に従って、現存するメーカでは松下無線(現:パナソニック)や早川金属工業(現:シャープ)などが生産していました。
仕様を統一しておけば、メーカごとに性能の優劣が出ず、価格も一定で普及できます。
開発にあっては、独・テレフンケンの省資源ラジオを参考にしたとか。
後ほど書きますが、3機種が主に販売されました。
以下はその一つ、放送局型123号受信機の仕様が書かれているページです。

ということで、そんな局型ラジオの仕様が書かれているのがこの本なのですが、表紙を開いてびっくり。
当時のカタログも挟まっていました。

行軍中の兵士が表紙写真という点でも、当時の時局がうかがえます。
陸軍でしょうか。
開いてみますと、


放送局型11号、122号、123号が載っています。
上記のように○○号という名前で売っていましたが、これは開発番号由来らしいです。
2機種は3桁となっていますが、「122番目とその次」ではないそうです。
細かい点を見ると、11号のシャーシ後部にアンテナ端子盤があるため、初期型と見えます。
また、123号はその後の更なる資源節約のため前・中・後期と3種の外見(内部の部品、配線等も変化)が存在しますが、掲載のものは本来の姿(前期型)になります。
3機種が揃って間もないか、あまり経っていない頃の発行と思います。
そして、これらの実機が手元にあります。

11号(松下無線製、昭和17年製造)

122号(ミタカ電機製、昭和18年製造)

122号(日本精機製、製造年未確認)

123号(山中電機製、前期型、箱付き入手、昭和16年製造)

123号(タイガー電機製、中期型、製造年未確認)

123号(大阪無線製、後期型、昭和19年製造)
いずれも修理して受信可能になっていますが、ミタカ電機の122号は限りなくオリジナルに近く状態が良かったため、あえて修理していません。通電禁止の盆栽仕様です。下の日本精機製は修理してあります。
これら機種について説明を書きたいと思い、下書きしてみたものの…長くなりました。
曖昧な記憶のまま書くのもなぁとも考え、今回は潔く省略です。
ネット上にも多く情報のある機種ですので、知りたい方は検索してみてください。
より詳しい方が、開発の経緯等から紹介されています。
…日課のオク検索ワードには、まだ「真空管ラジオ」を含めていますが、かれこれ数年は本体を購入していません。
当時考えていた欲しい機種・年代が大体集まってしまい、良いなと思えば到底手の出ない価格で取引される機種(ナショナル当選号など)ばかり…
ここにエントリを書いている通り、メインの趣味は車になっていますし。
当分はラジオ収集は休止になりそうです。
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Posted at
2016/12/11 22:27:53
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