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イイね!
2018年12月30日

吸排気効率化に合わせた燃料増量

年内最後の更新になると思います。
今年も一年、整備記録でやろうよな内容にお付き合い頂き、ありがとうございました。
といいますか、もう一年が経ったという実感が湧きません…去年末も同じ事を書いた気もしますが。


さて、今回はチューニングなネタになります。
勉強になりますし楽しいのですが、まぁ自己責任ということで。

今年は1月のマフラー製作に始まり、吸気系パイプの金属化とアルミ製インタークーラへの交換等をしてきましたが、効果としてはイマイチな感じでした。
確かに40~80キロ間の加速は少し良くなったのですが、「こんなもんなのかなぁ」といったところ。
特に高速道路で80~100キロがノーマルより重くなってしまい、上り坂では失速する始末…これではデチューンじゃないか。
どうしたものかと思いましたが、よくよく考えると忘れていたことがありました。

それは燃調。

ディーゼルはエアフロが存在せず常に最大量の吸気をしていますから、回転数や出力の変化には燃料の噴き方や量が肝になるわけです。
これまでで吸排気を一通り高効率化しているので、エア量は増えているはずです。そこにノーマルと同じ条件で燃料を噴いているわけですから、燃調は薄くなっていて当然です。

ということは、燃料不足を解消…燃調をベストないしベターにしてやれば、もっとパワーが出せるのではないか。またディーゼルが黒煙を吐くのはエアに見合わない量の燃料を無理に燃やそうとするからであり、今は薄い状態から適正にもって行きたいわけなので、燃料増量しても黒煙は増えないのではないかという予測が立ちました。わかっている人からすれば至極当たり前のことなのでしょうが…

さて、我がパジェロの4D56は機械式なので、燃料増量をするならパワーロッドことブーストコンペンセータシャフト(以下ブーコンシャフト)をいじる必要があり、このことは知っていました。
ですが、ブーコンシャフトは安易にいじってしまうと途端にスモークディスチャージャと化してしまう事も知っていて…何となく手を付け辛い感がありました。余り酷いと周囲の印象以前に車検にも通らなくなります。
また噴射ポンプの蓋を開けるというのもちょっと勇気が要ります。小心者ですねぇ。

そんな折、とある本が入手できました。


題して「ディーゼルパワーアップチューニング」。ブーコンシャフト関連で画像検索中に見つけました。こんな本があったのか…
これはディーゼル搭載のSUVやRVに対して、オフロード・クロカン性能ではなく速さに焦点を当てていた異色の本、オプション・フォー(Option4)の内容をまとめた虎の巻らしいです。
Optionというと、スポーツカーのチューニングで有名なあの本やビデオのこと。しかし四駆向けの本が出ていたとは知りませんでした。

この中にはディーゼルの仕組みそのものを解説するページがあり、今更ながら勉強になりました。そして、車種別・エンジン別のチューニングメニューには、しっかり4D56も載っています。
L型パジェロは1台のみでしたが、同じ4D56のスターワゴンとストラーダのページがかなり参考になります。
そして当然、ブーコンシャフト関連の項目もあるわけで…ようやく背中を押されました。

ほぼ同時にこちらも着弾。


ZEAL製パワーロッド(4D56用)。買うまでに約1年悩みました。
ヨンクブーム当時は各社から出ていたと聞くパワーロッドですが、今や新品で入手できるのはこれくらい。
というか、機械式ディーゼルのチューニングについては情報が絶滅に近い状態です。せいぜいブーコンシャフトを削るなり交換するなりしましたな程度。調べ方が悪いのかなぁ。
今時検索すると、ヒットするのはクリーンディーゼルのロムチューンや吸排気チューンばかりです。相変わらず時代に逆行する趣味だなぁ。


それではいよいよ、ブーコンシャフト交換と行きましょう。


まずボンネットを開けます。そしてインクラを外します。


パジェロはインクラが上置きなので、本日用のある噴射ポンプはその下。よって外す必要があります。
インクラレスならそのままアクセス可能かと。


こちらが噴射ポンプ…のブーストコンペンセータ。機械式ディーゼルの中でもターボ付きに特有の装置です。
その役割は、ブーストの掛かり具合によって燃料を増減すること。この蓋の中にはダイヤフラムがあり、ブースト圧で押されてブーコンシャフトが上下する仕組みです。
ブーコンシャフトにはテーパがついており、それに沿って内部のピンが動き、燃料が増減される…というわかりやすい構造です。

それではいよいよ、蓋を開けましょう。


こちらがダイヤフラム。ダイヤグラムではありませんのでご注意。それは列車運行表です。
R/Cカーをやっている方なら、オイルダンパでおなじみですね。
この蓋はボルト4本で止まっていますが、フロント側の2本は他のステーと共締めなので注意。その内片方は下側がナットです。

これを抜きますと、


もれなく純正ブーコンシャフトが付いてきます。特典じゃないっての。
ナットを外して分解します。


こんな並びで組んであります。
ジュラコンか何かっぽい白い樹脂製カラーは、ブーコンシャフトの下限位置を決めるリミッタ役です。
上記の虎の巻によると、これを1mmほど削ってやると高速時(フルブースト時)の燃料不足対策になるそうです。そりゃそうだ。

ここで定番の、純正・社外比較をしてみましょう。


右が純正、左がZEALパワーロッド。共に偏心しており、回すことでピンの動き方(即ち燃料の噴かれ方)を変えることができます。
純正の方が上下に幅広く削ってありますが、ピンの当たった跡を見る限り一部しか使っていない様子。
対してパワーロッドの方は、先端から見て行くと早々に細く(テーパの勾配が急に)なっています。
つまり、ブースト上昇に対してより早く燃料を増量していくような削り方なのです。

次に、お互いに最も削ってある箇所を向けてみましょう。


最も燃料を多く噴く位置同士ですが、顕著に違いが見て取れます。左のパワーロッドでいきなりこの位置を使うと、恐らく煙幕仕様になるでしょう。

虎の巻を読んで改めて納得したのですが、黒煙が多く出るシチュエーションの一つが発進加速時です。つまり、ブーコンシャフトで言うと先端付近を使う時。
ここで余分に燃料を噴くと無駄分が黒煙と化してしまうので、先端付近は純正と同形状とするのがポイントの一つということになります。
そしてタービンを回してブーストが上がり、シリンダ内のエアが増えるタイミングで燃料増量…とすると、うまいことスモークレスとパワーアップの両立になるわけです。

ということで、まずは一番燃料を絞った箇所…から気持ち増やす位置で組んでみることとしました。


ペンでマークした箇所が最も増量される位置。噴射ポンプ内部のピンは写真左(フロント方向)にあるので、90度回転からやや中心よりを使う感じです。
あとは元通りにして、ついでにエアクリを交換して完了となりました。
心配していたブーコンシャフトの潤滑は、純正ロッドを見る限り普通のグリスのようでした。違ったらすみません。

その日の午後、ちょうど支店止めの荷物受取りに出かけるので、ちょっとバイパス道で変化を確認してみました。
結果は…思わず笑ってしまう程、加速が良くなりました。といってもまだ周囲の普通車よりは劣りますが。
心配していた黒煙も、油温が上がるとほぼ出ていないようです。夏なら問題外となりそう。
これで発進加速で軽四とハイブリッドに置いていかれることは減るでしょう。
また当然ながら、ハイギアでの加速も良くなっています。やっぱり燃料不足だったようです。
そういえばあの一番暑かった日、高速での失速時には、かなり踏み込んでも黒煙は出ていなかったような。
虎の巻には「機械式はポンプチューンが効果大(但し調整は慎重に)」と書いてありましたが、これは本当ですね。あとは程々に調整してみましょう。

…こうなると、次はブーストアップに興味が出てきます。現在はノーマルなのでメータ読みで0.5+αといったところです。
おや、既にこんなものが。




ほとんど情報が枯れていたリリーフバルブ(TRUST製、日産用)に、わざわざ中古を探したブーストコントローラ。
コントローラはkg表示が欲しかったので、敢えて中古としました。偶然にも虎の巻に載っている機種でした(笑) ブーコンと書くとブーコンシャフトと混ざるので、コントローラで。
虎の巻には4D56だと0.9kgくらいとされていましたが、もう少し抑えても良いと思っています。
最速を目指すわけではないですし、なるべく無理をかけたくありませんから。


次回は…増設ランプの配線、できたらいいなぁ。寒すぎて屋外作業は辛いです。
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Posted at 2018/12/30 20:27:41

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この記事へのコメント

2020年1月13日 21:55
はじめましてデリカトラックキャンピングカー に乗ってます。アミハマと言います。記事を読んで大変興味を持ちました。一つ質問ですが教えていただけませんんか?燃費は悪くなりますよね。
僕のデリカはハイフローターボとエアクリを湿式に変えてます。もう少し出だしを良くしようとマフラーのワンオフを考えてます。
コメントへの返答
2020年1月13日 22:46
はじめまして。菊菱です。
コメント頂きありがとうございます。

デリカキャンパーのハイフロータービン仕様とは凄いですね。
こまごま散財しているので、私はまだその投資額を用意できていません(笑)

さて、ご質問頂いた件ですが、通勤で乗っていた感じ(片道約7キロ、山上りあり)では、燃料増量の前後ともリッター6~7キロで大差ない感じでした。
ただ、ターボを効かせて長距離を走ると目に見えて燃料を食います(ブースト時の増量をしているので当然ですが…)。
きちんと測ってはいませんが、それまで一般道での遠出で10キロ程度走っていたのが、上記の通勤レベルかそれ以下に落ちたように感じました。
パワーロッドのセット位置にもよりますが、ブーストのかけ方に気を遣えば、ノーマルに近い燃費で走れると思います。

また、マフラーワンオフについてです。
私はショップの勧めでメインΦ50で製作しましたが、当時の四駆雑誌を今さら見てみたところ、社外マフラーでΦ60のものも多いようでした。

個人的には見た目+ディーゼルターボ特有のタービン音がよく聞こえるようになり気持ちいいので、それだけでもワンオフの価値はあると思います。
長くなりましたが、よろしくお願い致します。
2020年1月14日 0:16
丁寧な回答ありがとうございました😊
Nox解除も考えてまして
もし参考になる事が有れば教えて頂きたいです。
お友達でDPF着けて解除された方居ませんか?
大阪のとある業者に問い合わせた所 4D56ディーゼルターボはお勧め出来ないとの事でした。最悪車両火災になると言われてどうしたもんだか迷ってます。
コメントへの返答
2020年1月14日 19:35
いえいえ。お役に立てれば何よりです。

Nox解除ですか…キャンパーでもベースが貨物だと規制対象なんですね。
残念ながら、私の周りでDPFを着けた人は居ません。DPFの最後のFがフィルタなので、排気抵抗の増加から来る影響で火災の不安があるのだと思います。
動力性能的にも落ちるのではないかと…

ここからは私の安易な想像なので間違っていたら申し訳ないのですが、デリカトラック・バンには確かG63B/4G63搭載のガソリン車があったと思います。
仮に載せ替えした場合、規制対象外にならないでしょうか?

プロフィール

「大型・逆回しの3FB コロン商会 商館時計 23型 明治25年頃 http://cvw.jp/b/2115746/48438982/
何シテル?   05/18 23:51
菊菱工廠と申します。 「工廠」なんて言いましても、車いじりは飽くまで素人。 電装系なら結構自前でこなします。 ちょっとした金具作りなんかも。 ナ...
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