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イイね!
2020年11月08日

祝・L型パジェロ純正フロントバイザー入手 レストアと取り付け

11月になりました。そして、昨日で拠点を移してから無事に一年を迎えられました。
去年の引っ越し当日に比べて、かなり暖かい日になりました。



さて、今回はURかSSR級(都〇機構やハイ〇ックスにあらず)のパーツ、5年ほど探してやっと出会えたモノを入手できましたので、そのご報告とレストアの記録になります。
タイトルの通り、L型パジェロの純正フロントバイザーです。

まずは念願のパーツなので、少々語らせてくださいな。今回はレストア工程も普段より細かく撮ったので長いです。

さて、同じバイザーと言ってもサイド用では、最終的に3種(レギュラー、ワイド、エクシード)になったこともあり、また定番アイテムでもありで何度か出品されていました。
しかしフロントバイザーは装着車が非常に少ないようで、オク出品は今回入手のものが直近5年で恐らく初、中古車でも同期間で2、3台しか無く、実物に至っては手元に来るまで見たことが無いというものでした。
少々脱線しますが、今でも三菱純正サイドバイザーは「エクシードバイザー」なんですが、このパジェロの例ではレギュラーとワイドに対するエクシードで、縦方向まで覆われる大型の樹脂製スモークタイプです。その後、時代と共にすべてスモーク樹脂タイプに収束した流れから、この名称が残っているのだと思います。
なお、うちのパジェロのはベースグレードGLにふさわしいレギュラータイプです。

そもそも純正フロントバイザーの存在を知ったのは、実車購入と前後して始めたカタログ集めでした。
各マイナーごとの車両カタログと共にオプションカタログも集めましたが、その中に掲載があって知ったものでした。


これ。MZ560011 フロント・ウインド・バイザー。
83年6月版のオプションカタログより。


装着車全体だとこんな感じです。
フェンダーミラーのエステートワゴン、いいなぁ。バグガードにウインチも付いてるし。

ちなみに、手元にあるオプションカタログ(82、83、85、86、87、88、89年)の内、写真付きで載っているのは、この83年版と85年版だけ。入手できていない84年版も同様でしょう。
82年には設定が無かったようで掲載が無い他、86年以降は「その他」って感じで文字だけになっていました。
つまり…あまり人気が無かったのでしょう(笑)
となると余計に欲しくなるのがマニアやオタクというものの習性でして、特にデコトラ好きでSUS製フロントバイザーに思い入れのある身としては、ぜひ入手したいものでした。
とはいっても、そもそも数の無いマイナーなオプション。既に持っている人は好きで買った人でしょうから手放さない、解体に出てくるような状態の個体にはほぼ付いていないだろう…ということで、気づけば5年が経っていたのでした。
その間、解体屋さん巡りはしていないのですが、オクは出物を逃さぬべく複数のワードで日々巡回していました。

そして去る10月半ば、多数の解体部品と共に唐突に出品されたのでした。
開始価格は高めでしたが、レアリティを考えれば妥当なところ。厳戒態勢(笑)で挑みましたが、思いのほか入札合戦にはならず(ただしブルバーバンパーに次ぐ高額パーツと化して)穏やかに終了。無事手元にやってきたのでした。
他のパーツを見ると、e/gフードにエンブレムが追加されていたり、ルーフラックにライトポッド用カウルが製作されていたりと、結構手の入っていた個体のようです。なんとなく、健在な頃はうちのパジェロに似た姿だったのかも。

ということで前置きが長くなりましたが、届いた実物がこちらです。


おぉ…ついに来た。この目では見たことが無いパーツなので、届いてみて初めて分かるポイントがいくつかありました。

まず、サイドバイザーとは構造や仕上げが違うということ。
当然と言えば当然ですが、スパンが長く直接風圧を受ける箇所なので、板厚が全く違います。それに伴い、表面はサイド用が凹凸プレス模様なのに対しフロント用はそのまま鏡面研磨です。
サイド用は薄いので端部は折り返し処理ですが、フロント用はモール装着で仕上げてあります。
窓側中央部は別パーツで1段高くなっており、空気抜きのスキマとなっています。両パーツの接合はリベット止め。

フロント側のモールはセンターに白ラインの入った黒…に見えましたが、カタログ写真を見るとメッキモールらしい。30年の間に劣化してこうなったのでしょう。
取付面側はフロントウインドウに接するので、モールというよりは溝ゴムのようです。


裏面…真っ黒ですねぇ…
SUSにしては酸化が酷いと思ったら、大部分は塗装でした。初めから塗装されていたのかは不明ですが、モールの接着剤より下に塗ってあるようなので、仕様なのかも。反射防止でしょうか。
ちょっと検索してみたところ、キャンター用純正バイザーでほぼ同じ作りの新品…という画像が出てきましたが、やはり最初から艶消し黒で塗ってあったようです。
同タイプのバイザーが標準装備だったという5代目サンバークラシック後期のモノも、同様に裏は黒塗装だったようです。
いずれにせよ劣化が酷いので、一度落とす必要があります。これから寒くなるし、塗るにしてもそれはしばらく先の話。


ここからは再生と取り付けのパートになります。
まずは取り付け金具を再生します。


バイザーの取り付けは、両サイドを取り付け金具でAピラーに引っ掛け、そのロック機構で適当なテンションを掛けてフロントウインドウに押し付ける仕組み。いわゆるパッチン錠です。見た目は平荷台トラックのエビカンが小さくなったみたい。
で、そのパッチンには更に解放防止の抑え金具がナット止めされるのですが…ボルト側がモロッと折れてしまいました。写真中央、さび色が見えている部分です。
バイザーが総SUS造りの中で溶接ボルトだけが鉄製で、30年の風雨で腐食したようです。M4っぽいですが、断面はしっかり細くなっていました。
片側の抑え金具が残っていたのは幸いですが、他方は当の昔にボルトが折れ、そちらの抑え金具とは今生の別れとなってしまったようです。

ということで、折れボルトの再生と抑え金具の製作をやっていきます。
まずはボルト。定番ですが、既存ボルトをドリルで開口してしまい、皿取りして皿ビスが埋まるようにします。


まずは折れたボルトの頭部分を平面にして、開口のためポンチを打ちます。センターは目勘。
写真はポンチの前段階。平面が円形でないことからも、錆びでボルトが細くなったことがわかります。




いきなりできました。うまいことセンターにΦ4ほどの穴を開け、裏面を皿取りしました。
ここにはSUSのM4皿ビスを入れますが、鉄部が残っているのでタッチアップなりサビチェンジャーなりを塗っておきましょうか。
わざと錆びさせてビスを固着させるってのも…いやいや、サビチェンジャーにしとこう。


お次は抑え金具の製作。
写真は1個だけある本来の抑え金具と、テストで曲げたt1mmの端材。
オリジナルはt1.5mmのSUS板から作ってありますが、これの製作には課題がありました。
小さなコの字曲げをどう作るか、というところです。
長穴加工については、以前にリアデフレクタの脚を作った際の「フライスごっこ」(ボール盤にXYステージを付けて送り機構とし、フライスっぽくしたもの)で経験済みなので大丈夫でしょう。
一方の曲げ加工、これもデフレクタの脚製作で導入したプレスベンダがありますが、正直に作ろうとすると相当小さなポンチとダイスが必要です。
しかしこの金具一個のために特殊なポンチは用意できないので、ちょっと強引にクランク曲げして、あとは叩いて作ることにしました。


これはフライスごっこ中の風景。ちょっとぶれましたが、ここだけ見るとかなりそれっぽいでしょう。
実際は軸の剛性不足でビビリが酷いので、しっかりオイルを掛けつつゆっくり削る必要があります。
エンドミルはΦ6の一張羅(笑)


ということでできました。左が今回製作した方です。
適当に作った割にはほぼ再現できたのではないでしょうか。ピッタリ幅の端材があったのも幸運でした。長穴内のバリはルータで処理。
というか…オリジナルは長穴のセンターがずれすぎじゃないかなぁ。素人自作品の方が整ってるてどうよ。でもこのおかげでハードルが下がった気がしたのもまた事実。


お次はバイザー本体の再生。
まずは裏面の塗装を落とします。


初めは酸化膜だとばかり思っていたので、以前から気になっていたハイトレールを買ってみました。
主成分はリン酸ということで、普段使っているサビアウト(AZ製)と似ていますが、希釈前提に2分以上の漬け置き禁止なので濃度が段違いなのでしょう。他にも酒石酸とか入っているようで、それも効き目が気になるところ。
バイザー裏面では相手が塗装だったのであまり効果は無かったのですが、表面の水垢落としと別件の酸化膜落としには大活躍しました。




ハイトレールの途中で「これ、塗装じゃね?」と気づき、リムーバを塗ったら一発でここまで落ちました。
使いかけだったので後半で足りなくなり、急遽買い出しに走ることに。


こちらは表側の洗浄前です。
SUSパーツの隅に溜まった30年分の水垢…これが大変頑固で、研磨剤で挑むと苦労します。更には周囲まで研磨されるおまけつき。
ここで力を発揮したのが、先ほどのハイトレールでした。


少々時間はかかりましたが、ここまで落ちました。3倍希釈で数回ブラシ洗いの結果です。
しかし、汚れ落とし重視でしっかりハイトレールを使ってしまったので、全体的に白ボケしてしまいました。
まぁボトルにも「SUSに使って白ボケしたら、研磨剤で磨いてね」と書いてあったので、後で磨くこととしましょう。


ここで、これって強力なサビ落としだよな…と思いつき、別途整備中の扇風機の羽根(真鍮製)にも使ってみました。
以前からサビアウトでざっくりと酸化膜を落としてから磨いていましたので、それが少し楽になるかもしれません。


大成功。普段のさび落としよりもしっかりと落ちました。右上のやたら綺麗な箇所は、試しに仕上げ磨きしてみたところです。
以前のパターンだとこの後はバフ掛けですが、あれもまた結構な労力で半ばうんざり(ドリルが古くて重いせい)でしたので、このまま手磨きで仕上がるなら大きく負担減になります。
この扇風機は大正期(恐らく)の精工舎製。レストアについてはまた後日ご紹介できればと思います。




本体の磨き完了。
さすがに30年屋外使用のダメージはあり、モールの縁は酸化跡でラインができています。まぁモールで目立たなくなる箇所なんでこの辺で。
寄ってみると粗が(笑)これも当時モノの味ということで納得しましょう。


取り付け金具も磨いて、ピラーに接する部分のスポンジ貼りも完了。
後は仕上げのモール取り付けです。


これはモールを取った状態の端部ですが…仕上げ雑(笑) というか仕上げてないでしょこれ。
キレキレ以前にギザギザしとります。写真の部分に至っては線が曲がってささくれも残ってる始末。でも、明らかにシャーリングで切った跡ではないし、他の方法で切るとこうなるよね…というのもわかるので嫌な気にはならず。
これも大らかな時代の名残でしょう。


さて、そんな端部を隠すメッキモール…ということで真っ先に思い付いたのは、ドアエッジ用のドレスアップモール。
初めに買ったものは片面メッキタイプで、しまったと思い全面メッキタイプを買い足し。どちらも安く売っていました。
実際にはめてみるまでは全面メッキの方を使う気でいたのですが…


片面の方がモール自体が薄手でカッコいい。しかもメッキ面を外側にして巻いてあったので、メッキに皺が寄っている箇所が無い。
更にはモール自体が黒く、バイザーもSUSで鏡面なので非メッキ部分が目立たない…よって片面メッキの方を採用。


窓側は溝ゴムってことで、対候性を意識してEPDM製を買ってきました。
しかしながら、フロントバイザーというとデコトラのイメージがあり、Aピラーやルーフといったボデー側で固定するものと思っていましたが、フロントウインドウに押し付けるタイプがあったとは。
当時の四駆パーツガイドを見てみると、他の車種でも同様のバイザーが多数ありましたので、結構メジャーなようです。
考えてみれば、風圧で上と後ろに引っ張られるモノなので、フロントウインドウ(窓枠内側)に当てて位置決めするのは理にかなっていますね。


他車種の例。'90-'91 国産輸入4WD最新パーツカタログ(GOLD CARトップ)より。

ということで、いよいよ取り付けに入ります。
説明書も情報も無いので、考えながらやっていきましょう。


まずは一人で作業する都合上、バイザーさん自身でその場に留まってもらいます。
丁度良くライトバーがあるので、ラッシングベルトで吊りました。
続いて、片方ずつ金具を調整しながら引っ掛けていきます。
しかし養生マットって便利。


運転席側ができました。こちらはアンテナブラケットの逃げのため、切り欠きがあります。


助手席側も同様。製作した抑え金具はこちらに使いました。
ランプ配線が通っていたのをすっかり忘れていましたので、今後もう少しきれいに通したいところ。




最後に全体と装着後の姿。いつもなら何かと手間取るのですが、今回は各段階の作業がサクッと進んだので思いのほか早く取り付けできました。
これで欲しいパーツは大体揃いました。残すは縞板サイドステップと、以前購入し損ねた、テール・リアナンバー周りのガーニッシュくらい?…まだあるじゃないか。
今後はいよいよ弄りから維持りになるところでしょうか。そうなると別の車に乗りたくなりそうな。
まずは冬タイヤに交換しないと。ホイールがボロいから替えちゃおうかしら、なんて。
ブログ一覧 | | クルマ
Posted at 2020/11/08 22:03:14

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