• 車種別
  • パーツ
  • 整備手帳
  • ブログ
  • みんカラ+

菊菱工廠のブログ一覧

2025年08月24日 イイね!

真下を向く天井扇 三菱電機 CY-30B 昭和39年

前回に続く戦後の扇風機となりますが、今までと異なるタイプを手掛けてみました。
と言っても…実は予習済みだったりします。



ここで先に余談を挟みますが、今年になって2度ほど、私の扇風機を買いたい旨のコメントをいただきました。
手放したくない機種のため、売却可能なら返信を…という内容に従ってスルーさせていただいたのですが、2度目のコメントは別の記事にいただきました。
最初は少なくとも夏の前でしたから、結構期間が開いていると思います。

全く違うタイプの機種に対して文面が全く同じ(恐らくは一字一句)だったので、何となく他意を感じて…もしくは感じたい部分を感じ取れず、今回も申し訳ありませんがスルーです。

当方のコレクションが欲しい方が居られましたら、手放す際にはオークション出品が基本となりますので、そちらで出物をチェックいただけると幸いです。





では本題に入ります。

三菱電機の天井扇、CY-30B。
昭和39年発売と、同じ三菱グループならA30デボネアと同期になります。
同社製でのタイプ名称はサイクルファン。

天井扇は卓上扇以上に置場に困る事と、設置するならするで大掛かりとなるため、今まで扱ってきませんでした。
以前に住んでいたのが賃貸物件というのもあり。
いや…興味自体が薄かったのが一番の理由かも。

そんな折、今年に修理依頼をいただいたのが同型で、「こんな機種があったのか」と面白くなってしまった次第。
工作室に是非ほしいと、地道に探していたのでした。



こちらはタイトルの通り、唯の天井扇ではないのです。
本体からは紐が伸びています。
電源スイッチは上の写真にあるボックスなので、別の役割がありまして…

正体は「旋回角度調整」のレバーに繋がる紐。
滑車がある通り天井から釣り下がり、引いている間は無段階に旋回角度が変化します。

最大→最小→最大…と繰り返すので、丁度良い所で紐を離せば、その角度で旋回をスタートするという機能です。
なので、旋回角度をゼロにすれば、真下を向いたまま静止して送風できるという…

便利かもしれないけれど、要るかを言われたら微妙。

そんな良い意味で変態な機種なのでした。
このよく出来た首振り機構が、数年後のコンパックシリーズに繋がったのでしょう。

そしてこの個体、状態良好なだけでなく取付板まで付いて来たのですが…



まさかの三菱純正。
天井の弱い和室に取り付けるためのもので、要領を記した説明書が貼られています。
これは地味に貴重品でしょう。

尚、「和室は天井が弱い」は現代でもそうらしく、照明を増設したりする場合にも荷重に注意なんだとか。





参考までに、こちらは別に持っている同年代のナショナル製天井扇。
初期のサークライン蛍光灯器具よろしく鎖で吊るもので、それこそ真下にしか向かない簡易なものです。
ナショナルの代わりに東芝のカタログで同様の品を見れば「和室用」との事。
補強板を設けずに本体重量を減らすパターンもあったようです。
それでもシーリングファン的な風の送り方はできますから、イロモノ枠という訳ではなかったでしょう。
どれだけ有用だったかは別として…



話を戻して、こちらはスイッチボックス。
次に載せる写真の通り、変調スイッチとカタログにはありました。
紐を引く度にカチカチと切り替わり、レンジは停止~3速。

スリーダイヤの向き的に天吊りかな…と思いきや、流石に壁付けの模様。



ここでカタログを見てみます。
運良く本機デビュー年の64年版が手に入りました。



CY-30B。スイッチボックスも写っていて縦を向いています。
カタログ写真の為かもしれませんが、まぁ壁に着けるのが自然ではありますね。
同じ機能を持つ40cm版はCY-40Eだそうです。末尾の違いは何でしょうね?

前年のカタログも持っていて、そちらにはベースとなったであろうCY30-AFが載っています。
修理依頼の際には部品取りとして同梱されており、実機を同時に見た事があるのです。

そちらは旋回角度調整の機構が無い以外は同じだったと思いますが、ビスがほぼマイナスだったりコンデンサのケースサイズが違ったりと、「AF→Bで改良されたんだな」というポイントも見て取れた記憶があります。

付属品にある「冬季用化粧カバー」は、扇風機を外した後のベースに付ける蓋だったと思います。
しかし…天井扇も季節ごとに脱着するのがメジャーだったのでしょうか?
本機の系統は確かに脱着が容易ですが、多くはそのままだったんじゃないかと、勝手に想像してみたり。
しかも本機ならば、紐の滑車やスイッチボックスまで繋がっていますので、本体の他に外す物が多いという…

そしてそもそも、天井扇自体が一般家庭にはあまり無かった気もします。
って、それ言っちゃうと実も蓋も無いな。


という事でレストアを始めます。



まずは順当にガードとファンを外します。
この頃の機種によくある「ガード外しはファンとの知恵の輪」です。

で、ファンが固着していると思ったらこれ。
軸がしっかり錆びていました。
後で削っておきましょう。



引き紐の滑車。向きを間違わないように。
…紐が通ってるから間違いようが無いですね。



基台の裏面、内部です。
オイルコンが付いてます。



埃を取ると製造年月が分かりました。
本機のデビューは1964年ですが、この個体の製造は翌年4月のようですね。
オイルコンは無事ではあるものの、劣化やPCBの懸念があるので交換します。



配線図を兼ねた銘板の張り紙。
名称は30cmサイクルファンB。
色名の末尾は恐らく設定された年でしょう。

ちなみに三菱電機のこの色は表記が2種あるようで、「ニューグリン」と「ニューグリーン」が確認済。
多分、長音記号無しの方が古いと思います。
その前は恐らく「若竹色」。その表記のも手元にありまして。



さて、大分スッキリしました。
更に分解を進めます。



旋回クランクのスナップリングです。
これを取ればそのまま引き抜けます。



フレームの向きも記録しておきます。



モートルが分離しました。



クランク部分を開けると円盤が入っています。
これが正に旋回角度調整の機構となります。
解説は綺麗になった所の写真にて。



モートルを開けました。
流石に真上を向いているので…埃が凄い。
油と混じってます。



コイルとロータは然程でもなく。
ロータの後ろ側はカップが付いていて、グリスが垂れないようになっています。



ギアボックスも年代相応。
天井取り付けとあってかガスケットが入っています。
減速方式としては卓上扇の初期(大正一桁頃)のものと似ています。





気分を変えてファンとガードの方へ。
メッキの錆を落とします。
結果は後程。



旋回動作のクランクを分解しました。
内部には板バネが入っており、基台側・モートル側の各軸とは摩擦で動力を繋ぎます。

擦り跡がある方がモートル側となり、軸には平面カットがあります。
そのため無理がかかれば滑りますので、保護クラッチの役目も果たしています。
この辺の工夫が、後のコンパックに見られる凝った首振り機構へ進化していったのでしょう。





塗装部の磨きに入ります。
酷い汚れはありませんので、軽く磨くだけで十分綺麗になる範囲。
結果は組み立ての写真にて。





錆びていたロータは、ドリルに付けて回しながらワイヤブラシで清掃。
ファン側軸受けはボールベアリングで、シールレスだったため養生。
スプレーグリスで給油しました。



ギアボックスのアフター。
樹脂製のヘリカルギアはグリス色に染まってます。
元は乳白だったのではと。



モートル組み立て中。
綺麗になりました。



旋回角度調整機構。
中央のビスは完成後も見える位置なのでメッキです。

円盤周囲には窪みがあり、手前右側にはC断面のレバーが見えています。
レバーは紐に繋がっていて、紐を引いている間だけ円盤に接触=窪みに嵌ります。

すると旋回動作を止める事となりますので、円盤から出ているボスに刺さっているクランクが滑り出します。
モートル側は平面カットがある分だけ抵抗に強いため、この時は滑らないんですね。
で、丁度いい塩梅のところで紐を離せば、その角度で旋回を再開します。

要はクランクの角度を変える事で、モートル軸がどれだけセンターからズレるかを調整しているんです。
上手く考えてますね。



磨きの済んだパーツを組んでいきます。
この段階が一番楽しかったり。

モートルを吊るフレームはボールジョイントで支持されますが、微調整はジョイント自体のねじ込み具合とロックナットの締め具合。
良い感じの所を探って固定します。



スイッチボックスとコードも奇麗になりました。
四隅のビスもメッキでしたのでさび落とし済。



ほぼ組み終わりました。



コンデンサも交換。

これ、いつもマルツで買っているのですが、長年通った上杉店(仙台営業所)は店頭販売を終えるとの事です。
仙台営業所自体は業販向けに存続するので、通販の店頭受取拠点として個人も引き続き利用可能だそうですが…

思えば、初めは五橋に開店し、当時学生だった自分は「アキバの電子部品屋が仙台にできた」と嬉しかったものです。
公式発表によると2004年との事。もう21年も経ったのか…
それから細々とではありますが、ずっと通い続けた訳です。
大袈裟に書けば人生の約2/3の期間。

ニッチな店なので仕方ないかなと思いつつ、寂しくも思います。
場所も11月頃に移転するらしい。仙台駅付近の予定との事です。
これからは送料節約のため、店頭受け取りで通う事になりそう。
…サバーバンで行ける場所になったら嬉しいな。駅付近だと難しそうだけど。



という事でレストア完了です。
ガードやファンの清掃は写真を端折ってしまいましたが、メッキの錆び落としとファンの汚れ落とし・軽い艶出しでOKでした。

よく見ると、カタログ写真とはコードの引き出し穴が逆同士になっていますね。
というのがこのブログを書いていて気付いた間違い。
下記の通り配線モールまで付けてしまったので、何とかして戻したい…



普段ならここで終わりますところ、今回は天井扇なので取り付け工程が入ります。

場所は工作室の中央からやや窓寄り。引っ掛けシーリングからある程度距離を取った場所です。
既にブラケットが付いていますが、固定は本体の荷重がかかる位置に3か所と、滑車の付く腕の先に1か所。
本体側2か所を野縁に直接打ち、残り2か所はアンカー施工としました。

アンカーはいつものFischer SX。
開口して差し込むだけの簡単施工ながら、石膏ボートを始め幅広い下地に打てる便利なアンカーです
(吊り下げ禁止とは書いてありませんが、恐らく本来とは異なる用法のため自己責任です)。



設置するとこうなりました。
スイッチボックスはブラケットを作り、スチールラックの長穴を使って固定。
意外とコード長に余裕が無く、何とかこの位置に収まりました。



戦後も暫く経った時期の製造ですので、1速が最低速となります。
こちらは旋回角度最大。



最小。真下を向いてます。
無段階調整なので、厳密に真下を向かせようとすると結構難しい。
角度調整の紐はかなり長く、座ったまま操作する事も想定されていたのでしょう。


以上、手持ちとしては初めてとなる天井扇のレストアでした。
卓上より部品が少なく、ある程度簡単に済む印象でしたが、こちらはこちらで気を遣うポイントが異なり、面白さもありました。
置き型でない都合上、これから増やしていく事は無いかもしれませんが、偶にはこういった味の違う機種も良いものです。
Posted at 2025/08/24 23:35:22 | コメント(0) | トラックバック(0) | アンティーク家電 | 趣味
2025年08月10日 イイね!

仕上げ進行中 vol.2

車庫証明や登録の打ち合わせもあり、またまたお店へ行ってきました。
作業もしっかり進んでいましたので、その記録です。
お店横のスペースのため写真は少なめ…角度違いなので実質2枚。



一番大きいのはここ。
サイドモールとエンブレムが付きました。



89~91年の最終型の特徴でもある、モールに重なるサイドエンブレム。
私の個人輸入した新品を持ち込んで、オリジナルと同じ位置に付けていただきました。
1500だと国内にあるのですが…2500はそれ位レアって事でしょう。



リアのエンブレムも付きました。
ブログのヘッダはこれの取り付け前に撮ったもの。



これで塗装・エンブレム・モールが全て新品になりました。
グリルとバンパー、テールもなので、全体のオーラはまるで新車です。
ウインドウのランチャンネルやウェザストリップ等は、後で自分で替えようかと思ってます。

それと撮り忘れてしまいましたが、ワイパーも付いていました。
ただウォッシャの調子が悪いようで、一時的に社外品と別スイッチで対応になる予定です。
納車後に手直しするのも楽しみの内。なので問題ありません。

手元に来た後は運転に慣れる所から始まるわけですが、弄りの方は細々した部分の手直しをしつつ、オリジナル+αなカスタムを目指したい予定。
初年度登録がビレットブームの頃とあって、ステア等々にヤレたビレットが入っていますので、それらの純正戻しもあります。

そして、車検取得のための所謂「改善」も各所行われており、いよいよもってゴールが近づいて来たのを感じました。
今月中に来てくれると嬉しい…
Posted at 2025/08/10 22:31:26 | コメント(0) | トラックバック(0) | 車(サバーバン) | クルマ
2025年08月03日 イイね!

仕上げ進行中

ゴールまであと少し、ダカール海岸までやってきた気持ちの今日この頃。
パリを発ったのは何時の事やら。無事ゴールできたのならそれで勝利なのです。


という事で、納車関係の打ち合わせと先日忘れたエンブレムの持ち込みに行ってきました。
リア用センターキャップも携えて。



今日はウマに乗ってました。絶賛仕上げ作業中でございます。
何気なく撮った一枚ながら、背景も相まって実に良い感じです。



諸々進んでおります。
フロントバンパが付きました。
ボデー塗装とグリルも新品なので、フェイス周りの輝きが眩しい。
このコントラストは新車や新品揃えの特権ですね。



タイヤも入れ替わってました。
見込んだ仕上がりになるか少々不安でしたが…これまたジャスト。
隣ではローライダーなキャデラックが整備中でしたので、全体の引いた画はまた今度。
それではここで改めて。

計算通り。完璧~。



とはいえフロントは若干はみ出るので、ラバーフェンダーを付けていただきました。
ちゃんと補強板+ビス止めの真面目な奴です。
端のカットラインはその場で打ち合わせ、ペンで書いた角度に決定。



ルーフマーカーも完成目前。
以前のはルーフの塗装剥がれにレンズバキバキでした…
雨も日も当たりますので劣化は仕方ありませんね。



リアに回りました。
こちらもバンパは新品。
テールレンズも新品なので隙ナシ。
持ち込んだエンブレムも再生していますので、新車レベルの美しさになる事でしょう。



リアタイヤもこんな感じに。
僅か1インチの差ですが、見た目に与える影響はやっぱり大きい。
妥協しない詰めって大事です。



そして拘りのサイドバイザー。
一応新品があるようなのですが、運悪くどこも品切れ。
LMCではバックオーダー扱いになってましたが、「実は廃盤でした」では悔しいので、割高ですが当時モノを輸入していただきました。
旧車の部品は「ある内に買っておく」が鉄則です。予算と場所の許す限り。

この辺りは派生車種の悩ましい所で、2ドアのC/Kトラック用はブレイザーにも使えるので、普通に売ってるんです。
しかし4ドアとなると、サバーバンとクルーキャブしか無いのであまり売れないのでしょう。



後はいよいよ車庫証明や登録の話をいたしまして、遅く着いてしまったのもあって長居せずお暇しました。
実際に完成しつつある姿を目の前にすると、不思議と焦る気持ちが落ち着くものです。

そしておまけ。



今年も月下美人が咲きました。
一輪とはいえ美しい…これが一晩で枯れてしまうのは何とも勿体ないですが、その儚さもまた価値と美しさなのです。
Posted at 2025/08/03 23:12:19 | コメント(0) | トラックバック(0) | 車(サバーバン) | クルマ
2025年07月27日 イイね!

パーツ諸々の準備

雨ばかりの梅雨は嫌なくせに、晴れ続きで連日猛暑日というのも困りもの。
我儘と言われればそうかもしれませんが…極端なのが困るのです。
個人的には暑いのが体調に響くので、多少晴れが恋しくとも気温が控えめの方がマシ…なのかどうか。
駐車場に苔が生えないのがせめてもの救いか。多少はあるんで、雨の日は水族館の香りがしますけども。
去年も同じ事を書いた気がする…


さて、サバーバンの納車も見えてきた所で、ちょいちょい進めていた小物の準備をご紹介しておきます。
暫く前に撮った写真もあり、ようやく載せられた感が。



まずはこちら。
ダッシュボードの助手席側、エアコンパネルに付くエンブレムです。

読んで字の如くシルバラードのものですが、89~91年にしか無いタイプ。
88年まではフェンダーに付いていたものと揃いのデザインで、もっと大きいものでした。
ピックアップ(C/K30以外)は88年からOBSにFMCしていますので、サバーバン・K5ブレイザー・C/K30の最終型だけのエンブレムです。
この辺のモデル変遷が結構入り組んでいて、把握まで時間がかかりました。
最終型とあってかリプロ展開が無く、地味に貴重です。

うちのサバーバンはメータパネル共々ビレット仕様になっていて、メータはオーバレイらしいので外せばウッドグレインかもしれませんが、エアコンパネルは吹き出し口一体の交換式。
風向きも変えられないしエンブレムも無いし…なので、近い内に純正戻ししたい箇所です。



外したのはこのパネルから。
「C10」に付いていたとの事ですが、アルミ地なのでそもそもはブレイザーかな。
或いはショートベッド・レギュラーキャブの最終型30とかいう変態だったり…
ともあれ、見切れている左側はアルミが剥がれており、しっかり折り目が付いてしまっているのでジャンクです。

で、このエンブレムも写真の通り、ボウタイ部分がP剥げしています。
なので再塗装。



一端ゴールドを全て剥がします。
メッキの上から塗ってあるため、何なら爪でも剥げる。
文字のメッキ部分は先に点錆除去しました。
オリジナル主義でないならこれでもOKかも。



いきなり塗ってますがマスキング済です。
テープではエッジが出ないと思い、滅多に使わないゾルを使用。
なんやかんやでやり直す事3回ほど。
ゴールドは適当に選んだホンダ用のタッチアップで、エアブラシ塗装です。



ガンメタ部分の微妙な剥げも補修して完成。
リアエンブレムで使ったのと同じ色。
後は良い状態or新品のエアコンパネルが手に入れば完璧です。
吹き出し口もパネルに付くので同時に新品にします。

オリジナルのウッドグレインはあまり好みじゃないので、88年以前っぽくアルミ仕様にしてみようか。
どうせドア側も剥げつつあるようなので。




続いてはこちら。
かなり前に引き取ってきていたバグガード。デフレクタですね。
細長いので端の方を寄りで。

これも当時モノで絶版品なのですが…状態も相応。
全体的なくすみと小傷、ビス穴周辺の歪み、アルマイトの劣化等々。



DEFRECTA-SHIELDという品名のロゴも、本来はメッキでプリントされていたのがシルエット状態に。
カッティングでできるだけ再現したいと思います。



という事で磨いていきましょう。
プラ用コンパウンドで本体を磨くついでに金具部分を擦ってみると、入っているワックスのお陰か多少マシになりました。
劣化したアルマイトに染みて行ったようです。



元はこんな表面。
照明の映り込みで汚れ具合がわかります。



アフター。結構良い感じではないでしょうか。
どうせ直立するので小傷は目立たない筈…という事で気にしない方向。
なお、金具との境目は水垢が酷かったので、砂埃落としも兼ねて先に洗っておきました。
水垢落しを何度か浸して、まぁ良いかなレベルで留めました。





曲がったところも叩いて修正。
プレスには入らなかった&変な跡が付きそうだったので、角材を当てて叩いてます。
とはいえ装着は納車後暫く経ってからでしょう…
まずは車体に慣れないといけませんし、足りない金具も作らないと。








続いてはこんなものが手に入りました。
これまた当時モノのMickey Thompsonセンターキャップ。
8穴のクラシックに着けていたとの事なので、チャレンジャーにも合う筈です。
概ね135mmという外径も合ってます。
6穴用まではたまに出るかもしれませんが、8穴用はやはり希少かと思います。

今回は2個のみの出品でしたが、うちのサバーバンはV2500。
四駆でフロントはハブが出ている(キャップは貫通タイプになる)ので、フロントにキャップが無くても違和感ありません。

ちなみに、バッジのデザインが異なるものがいくつかある他、バッジレスもあるらしい。
アルコア社では現在もピックアップ・モータホーム用ホイールを売っており、クラシックに似た丸穴の8本ボルト仕様がラインアップされていて、それ用センターキャップも使える可能性があるんです。

また、「8穴のアルコアチャレンジャー」についてもう少し調べたところ、シボレー同様OBS世代と称されるフォード F-350のカリフォルニア限定車(でしょうか?)として「Roll-A-Long」なるコンバージョン仕様があり、それにアルコアチャレンジャーが新車装着だったとの事です。
F-350なので当然8穴となります。

そして、前回のブログではPCD170mmもあったようだと書きましたが、16インチ・PCD165.1mmの7Jと8Jしか無かったのが正解でした。
2000年のアルコアのカタログ兼マッチングリストがネット上にあり、その記載が根拠となります。
フォードの8穴にPCD170mmが出る前の事、という理解で合っているでしょうか。





そして、ショップからはタイヤ到着のご連絡をいただきました。
ブリジストン DUELERのマッドテレーン、MT674。コイツを先日のアルコアチャレンジャーに合わせます。

マッドテレーンとしては少々マイナーっぽいですが、貴重なホワイトレターでパターンもなかなかカッコいい。
価格もブランドやジャンルのイメージほど高くなく、流石のBSとあってオンロードでも快適なタイヤです。

以前のパジェロで最後に履いていて、2cm細いジオランダーのA/Tより静かなのには驚きました。
シーランド比や溝の深さ故か、ステアも軽くなっていました。
但しコーナーではA/Tよりアンダーが出ます。そこを攻めるタイヤじゃないので当然です。

サイズはLT265/75R16、外径32インチ相当。
この車で4インチリフト・16インチホイールとのベストマッチを言うなら、タイヤ外径は(私の好みでは)33~35インチなのですが、僅か1インチの違いが見た目にどう現れるか…
楽しみな反面で少々不安。

だったら285とか315にすれば…というのも、ホイールが8jなので巾がありすぎかなぁと日和りました。
ナローボデーでホイールもさほど深くないので、タイヤはある程度細身の方が似合うと思うのです。

しかしながら、ローダウンでツライチを狙うにしろ、リフトアップとのマッチングを見るにしろ、タイヤ・ホイールのサイズ選びは奥深いですね…
Posted at 2025/07/27 22:17:30 | コメント(0) | トラックバック(0) | 車(サバーバン) | クルマ
2025年07月13日 イイね!

伝説のM/Tアルコア、幻の8穴チャレンジャー

昨日までの3日ほど、ようやく本来の梅雨らしい天気と気温が戻ってきました。
今日は晴れて気温も27℃と「子供の頃の夏ってこんな感じだったかな」でしたが、またすぐ暑くなるようです…

という良いタイミングもあり、緊急入手したサバーバン用ホイールをお店へ預けてきました。
仮合わせも済みましたので、今回はその記録です。


レストアが始まってから1年3か月程の今に至るまで、8穴の良いホイールを探すべく、扇風機や時計と共にオクのチェックを毎日欠かさず続けていました。
そしてこの度、納得の行くモノを入手できました。



梱包状態。
ラップをひたすら剥がしていきます。
大変で時間もかかるのですが、綺麗に剥がすのが好きなので。



1本分のラップ(笑)





出ました。
ミッキートンプソン アルコアチャレンジャー。
いつか履きたいと思っていたら、いきなり手に入ってしまいました。
見た目は要再生ですし値段も結構でしたが、後悔ナシの買い物でした。

M/Tのアルコアと言えばアメ車好きのみならず、4×4好きの方もご存じかもしれません。
スクエアボディ世代だと国内ならブレイザーが多いイメージ。
後はハマーH2も。

で、コイツは一体何者なのかと言えば…
コンペ系タイヤメーカとして知られるミッキートンプソン社が、トラック等のアルミホイールでも知られる総合アルミメーカのアルコア社と組んで製作された、アルミ鍛造ホイールです。
有名な割に情報が少なく、90年代後半から2000年代初頭までの僅かな期間のみ製造されたシリーズらしい…という事までが分かりました。
オフロード系では、丸穴(所謂レンコン系)とこのチャレンジャーの2種だったようです。

「ミッキートンプソンのホイール」は、現在でもディックシーペックと共に販売されていますが、このチャレンジャーは当時モノしかありません。
それでも丸穴のクラシック系は(現行のⅢまで出ている事もあって)よく見かける一方、スロットタイプのチャレンジャーは希少。
しかも大部分は6穴で、たまに5穴と言った感じ。
そのため8穴は激レアか、幻レベルと言ってよろしいかと思います。

なお、8穴でもPCD165.1mm(6.5インチ)とフォード用170mm(7インチ)の展開があったようです。





4本中2本はディスクブレーキのフロントに使っていたか、ダストが特に酷い。
ので、何とか刻印を読めるようにしました。
ALCOA FORGEDやMADE IN USA、T-DOTが刻まれてます。

サイズは8Jの16インチ、インセット0。
これならギリギリでフロントフェンダーに収まるか、ちょっとラバーフェンダーを付ければクリアできるはず…

タイヤは3年前製造で8分山のBF Goodrich ATのKO2。コンディション的にも行けそうですが…
265/70R16と、外径は新品時で778mm≒30.6インチで、4インチリフトでは若干小さいかもしれません。
とりあえずお店へ持って行きましょう。



エクリプスクロスに4本積めるか心配でしたが、意外にも行けました。
助手席を一番前に出して、ですが…護謨の馨しさよ。
養生マットを3枚持っていて助かりました。



最終的にはこう。
スピーカ穴をDIY補修したリアゲート内張りも持って行きます。
後は純正サイドモール(エンブレム穴とカットの見本用)と新品サイドエンブレムも。

が、帰り道で「リアエンブレムを忘れたじゃんね」と思い出したので、またお邪魔しないと。



到着&1本下ろし。

「まずは合わせてみよう」という事で、外で待っていてくれたサバ―君。
自然光の下で見るのは初ですが、やっぱり良い色です。
スタッフさんも「良い色ですねー」と言ってくださいました。







仮装着…良い。予想通りタイヤはちょっと小さいですが、既に画になってます。
ド定番のレンコンや渋い鉄チンも良いですが、これは素晴らしい。

肝心の出具合も、3cmでは厳しいながら5cmラバーで十分覆える程度です。
社長からも「カッコいいなぁ」とのお言葉。

この後はタイヤをLT265/75R16(外径32インチ相当)に入れ替えて一夏履き、冬タイヤの時期にホイールを磨く予定です。
冬タイヤは当初予定していたメッキホイールと合わせます。
そちらも新品で慣らしに時間がかかるでしょうから、早目に履き替えてしまうのに都合が良い。

ついでに若干はみ出すのも同じなので、ラバーフェンダーありで公認を取ってしまう方向。
しかしながら…8穴で引っ込み気味になる社外ホイールって少ないですね…

その後、当初は片方の前後だけ合わせて…が一旦4本換えましょうとなり、長らく仮に履いていたエコノライン純正をお片付け。
ちょっと離れた倉庫までエクリプスに乗せ、交換作業共々お手伝いしました。
何だか仲間と認めていただけた気がして嬉しかったひと時。

で…エコノラインの鉄チン、タイヤが小さいのに持ってきたアルコアより重いんですけど…
やっぱり鍛造アルミって軽いのね。
お陰でグローブの付け根で手首を擦ってしまい、妙な勘違いをされそうな跡が付きました(笑)



最後は本日いただいた1枚。
58インパラ&68エルカミとのシェビー3ショット。
三者三様の素敵なアメリカン。
Posted at 2025/07/13 22:54:53 | コメント(0) | トラックバック(0) | 車(サバーバン) | クルマ

プロフィール

「真下を向く天井扇 三菱電機 CY-30B 昭和39年 http://cvw.jp/b/2115746/48618862/
何シテル?   08/24 23:35
菊菱工廠と申します。 「工廠」なんて言いましても、車いじりは飽くまで素人。 電装系なら結構自前でこなします。 ちょっとした金具作りなんかも。 ナ...
みんカラ新規会員登録

ユーザー内検索

<< 2025/8 >>

     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
31      

愛車一覧

三菱 エクリプスクロス 三菱 エクリプスクロス
アウトランダーPHEVと迷った結果、偉大な先代、コルトプラスの跡を継ぐこととなりました。 ...
シボレー サバーバン シボレー サバーバン
Super Wagon, Texas Cadillac… それはアメリカで最も長く続くモ ...
三菱 コルトプラス 三菱 コルトプラス
家族の車です。 私が免許を取った際の練習にも活躍しました。よって、免許取得以前からの付き ...
三菱 パジェロ 三菱 パジェロ
荒野の山猫、パジェロの初代後期型でございます。 88年9月MC版、4D56 I/Cター ...
ヘルプ利用規約サイトマップ
© LY Corporation