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菊菱工廠のブログ一覧

2025年03月29日 イイね!

初めてのバッテリ交換(この車では)

扇風機と時計、時々サバーバン。
そんな風になっていた最近ですが、久々にエクリプスクロスのネタができました。

早いもので、納車からもう2回目の車検です。
そして車検直前に気づいたのが「そういえばバッテリ弱ってたな」という事。
冷え込んだ朝の一発目、セルの音が若干低くなっていました。

思い返せば、納車以来替えた事がありませんでした。
ならば少なくとも4年は使っているという事…
納車直後にアイドリングストップキャンセラを付けたので、負荷が低くなっているとはいえ、そろそろ交換しても良い頃でしょう。

で、車検では予想通り交換お薦めがありまして…純正は高いと思ってはいたものの、まさか4万もするとは。
どうせいつものようにcaosにするつもりでしたので、そこだけパスしました。
…ブレーキパッドをダストレスにする機会は逃しましたが。




ということで交換していきます。
この車の場合、バッテリはインテークダクトの下。
外した状態がこちらです。



令和2年12月取り付け…5年目に入った所でした。
今更ながら、納車時に新品にしていただいたようです。



最近の車はメモリ関係が面倒なので、カーメイトのメモリキーパーを買ってきました。
モバイルバッテリやポータブル電源のUSBから給電し、OBD端子に挿すタイプです。
よく考えてありますね…
自分が知っていたのはシガーに挿す9V電池タイプでした。

このキーパーの場合は事前準備として、e/gフードを開けておいたり、イグニッションOFFでも動作する機器(駐車監視ドラレコ等)を切っておきます。
成る丈消費電力を低くするためです。

それからスマートキー車はリモコンキーを圏外にしておく…とありましたが、素直に電池を抜きました。
自分で電池交換するからその方が早いんだもん…

で、まずは左のLED(USBから給電)が光る事を確認。
それからOBDへ挿します。



エクリプスクロスのOBDはここ。
運転席足元・インパネ下端のコンソール脇です。



すると中央のLED(車載バッテリ検知)が光りますので、これで交換可能になります。



いよいよ車載バッテリのマイナスを外せば、LEDは右端(キーパーから給電中)に切り替わります。
これを確認してから新しいバッテリを繋げよとの事。



なお…この車、プラス端子と固定金具はソケットレンチお断り仕様です。
端子はまぁ首振りを使えば行けそうですが、金具と触れるのが怖い(マイナスは外しているとはいえ…)。
金具はボルトの飛び出しが長いので、どちらも素直にスパナを使いましょう。
共に10mmです。



外しました。新旧比較。
取り付けるのはパナソニックcaosのQ-105。
純正はQ-85なので少々容量アップです。
これでも純正の半額ですから、選ばない手は無い。

ちなみにQ-85はD23L相当なので、アイドリングストップを切っているならそれでも行けそうです。
とはいえ充電制御が云々とか、何かあった時に「これのせいじゃね?」とか言われるのも嫌なので、仕様に従って指定規格を選びました。
価格差も3000円でしたから、それで不安を抱えたくはありません。

そして純正の後ろにあるのは保護用プラダン。
これはそのまま使います。



予想通りトレーは汚かったので掃除しました。
メモリキーパーに使う電源次第ではありますが、キーパー自体の仕様で活動限界は30分。
それでも余裕なので、トレーが乾くまで他のところを拭き掃除。



諸々戻して完成。
後はダクトを付けるだけ。
車検の時にe/gルーム内も清掃してくれたらしく、全体は思ったよりも綺麗でした。

最後にリモコンキーの電池を戻し、イグニッションONでいつものラジオが鳴るのを聞いたのでOKと判断。
従来の車より少々手間は増えましたが、何が消えたか分からなくなるのとは比べられません。

ちなみに、アイドリングストップを切っていない車の場合、電流積算値(なんてものがあるんですね)の初期化が必要な場合があるとの事。
そうしないとうまく働かない場合があるんだとか…うちには関係なさそうです。
Posted at 2025/03/29 23:03:18 | コメント(0) | トラックバック(0) | 車(エクリプスクロス) | クルマ
2025年03月16日 イイね!

天賞堂の洋銀側 ファブルブラント商会 20型商館時計(山羊印、明治32年頃)

レストアベースで積んでいた時計を消化しようのモード中。
その実は扇風機がちょっと飽きたからだったり…するのかしないのか。

今回のベースはこちらです。





この状態だと判然としませんが、少なくとも銀側ではありません。
白銅か洋銀、或いは真鍮でしょう。



モノはファブルブラント商会の山羊印。
山羊と鴛(猟鳥)は普及帯の時計に付いたマークだそうです。
銀ではない証拠として、ホールマークと純度表示がありません。





機械はこんな感じ。
普及帯の時計ではありますが、刻印の通り天賞堂で販売されたもののようです。
シリンダー脱進機ではない事と、この刻印が購入の決め手でした。

いえ、シリンはダメではないんです…摩耗で大幅に狂ってるのがあって、調整も素人には無理なので避けているんです。

こちらの状態としては、テンプは無事&ゼンマイは巻けません。
切れている感じですが…端であれば直せる可能性があります。

この時計の年代としては、山羊印の意匠登録からすると明治32年2月15日(申請、登録は同年4月28日)以降。
明治32年は1899年、ダボ押し式時合わせが主流だった20年間の丁度真ん中に当たります。
…なので安易に明治32年頃で良いかなと。
前回とは対照的な適当さ。



早速機械を取り出してみました。
今回も特に書き込みなどはありません。
地板は直径19.45mmなので20型となります。

写真を忘れましたがナンバーズマッチです。



角穴車の裏は油がしっかりと。
接着剤のように粘度が増して、既に逆効果になっています。



さて香箱はと開けてみると…残念。見事に切れています。
そもそも別の箇所が一度切れたのを継いであるため、いい加減限界でしょう。
…継ぐ技術や道具も無いのですが。



無事に全バラできました。
交換する部品はゼンマイの他、「天賞堂」刻印のすぐ横にあるビスが合っていないようでした。
お陰でやたらと固く、ドライバが滑って小傷が…よりによってそこかよと。
ルビーは13石でした。

ゼンマイは手持ちを探ったところ、出どころ不明のジャンクが何とか合いそうです。
若干薄いので力不足にならなければ良いですね…



洗浄して組んでいきます。
ゼンマイは香箱へ入れていても「いつもより弱いなぁ」と感じる程度。
サイズは良い感じです。





ザラ回しとテンプを付けての動作確認。
平置きでは元気がよろしいのですが…立てると目に見えて振りが弱くなる。
初めは文字盤上(写真の状態から逆さ)にすると止まりましたので、薄紙で僅かにアガキを狭めています。

しかし主たる所、ゼンマイの力が足らんのでしょうか。
まぁ止まりはしないようなので、とりあえずこのまま1日動いてもらいます。

なお、サイズの違っていそうだったビスは、3番ブリッジ用と入れ替えたら収まりました。



ケースを磨いて完成です。
素材は洋銀が正解でした。
特に記載が無いので白銅かもしれませんが、以前修理した逓信省交換時計(ARGENTAN=洋銀)とよく似た色味なので、恐らく合っていると思います。

なお…やはりテンプの振りが弱く、歩度調整に難儀しました。
何とか日差+60秒くらい(12時上)に収まったようなので、完成として記事にした次第です。







こうして見ると銀とよく似ていますね。
但し蓋の裏側にホールマークが無い事、近くで見たり磨いたりしているときに感じる違いがあります。
Posted at 2025/03/16 19:55:47 | コメント(0) | トラックバック(0) | 時計他アンティーク系 | 趣味
2025年03月09日 イイね!

一つの”記念” R.シュミット商会 21型商館時計「大阪アルカリ會社勤続満拾年功労」(明治26年?)

皆さんは、大阪アルカリ会社という古い企業をご存じでしょうか。
「大阪アルカリ事件」として、公害事件に詳しい方には有名かと思います。

明治に創業した会社で、事件は大正に入ってからの事となりますが…簡単に調べてみると事件に関する記事が圧倒的に多く、会社自体についてはかなり情報が少ない状況です。
というのも、判決の内容が後に影響を与えた事件として知られているからでしょう。
また戦前に別の会社へ事業が移り解散しているので、そもそも資料が少ないのかもしれません。

詳細は様々出てきますのでザックリと述べますと、肥料工場排煙の亜硫酸ガスにより、周辺に悪臭が立ち込める・農作物が枯れる等の被害が出たというものです。
大阪地裁では原告が勝訴、大阪アルカリは控訴したものの控訴院(現在の高等裁判所)は「煤煙被害防止には煙突を高くすれば良いって分かってるじゃん」と棄却、結果大審院(同じく最高裁判所)まで争いましたが、大審院でも差戻として決着しています。

大審院での差戻審は控訴審同様、「設備が適切ならば、予想された公害が起きても過失は無い」とも取れる一方、煙突が低かったのが原因と指摘され、大阪アルカリ側に責任があるとしていました。
これが公害事件に関する日本初の最上級審判決とされ、本件が有名な理由となっています。
なお、舞台となった工場跡地は現在海の底へ沈んでおり、公害についての法整備も別途進んだ事から、共に役目を終えて歴史となったとする資料がありました。


…と、事件については簡単にこの程度の情報が集まるのですが、会社については下記のようになると思います。
例によってネット情報ですので、上記共々誤りがあるかもしれない点はご了承願います。

同社は明治12年に硫酸製造会社として創業し、大阪アルカリと名前を変えたのは明治26年の事とされています。
この年には、明治15年創業の硫酸瓶製造株式会社(ほぼ同名ですが、土から硫酸容器を作る窯業系会社です)から硫酸瓶製造も引き継いでいるとの事。
元々が官営工場の払い下げを受けた民間企業との事で、公害防止に関しても官営の気質が影響したのでは、と言われているようです。

件の肥料工場は明治39年に大阪市大野に設立され、事件が起きた(訴えが起きた)のはその1年後でした。
硫酸製造や銅の精錬を行っていた同社でしたが、化学メーカとして肥料製造もやっていたのですね。
現に当時の肥料のポスターが残っていて、古書店で販売されているようです。

その後は第一次大戦後の不況で業績が悪化、大正15年に解散となりました。
事業は大日本人造肥料株式会社(現在の日産化学)が引き継いだとの事です。



はい。普段と異なり前置きからとなりましたが、今回の時計がこちら。





外見は普通の商館時計。
ですが裏面中央には、菱形に硫のマーク。
大阪アルカリのマークです(菱に宝もあったようです)。



これが一番の特徴。
時計自体はヘロブ商会扱いのR.シュミット製ですが、上記大阪アルカリ会社の贈呈品なのです。
個人名が刻まれているので、その部分のみ画像修正しています。

「大阪アルカリ會社」
「勤續滿拾年ノ功勞ヲ賞シ職工○○○○(個人名)ヘ贈與ス」

以上より、勤続10年の記念品とわかります。
これによって年代推測がかなり絞られ、まずヘロブ商会がR.シュミットの時計を扱ったのは、明治23~27年の5年間。
ワーゲン・ヘロブ・直営と変遷した内の2番目で、最も短い期間です。
その中で勤続10年となれば、贈呈された方は前身の硫酸製造会社時代から勤めた職工さんだったのでしょう。
で、ヘロブ商会の取扱い期間と大阪アルカリの社名が被る時期と言えば、明治26年か27年になるのです。

ここで時計のシリアルを見てみると…3631と若い。
機械も鍵巻き兼用とあって、龍頭巻きダボ押しの初期タイプと見えます。
勿論シリアルの付け方は様々なので、一概に製造数とは言えませんが、恐らく明治26年になるかなと思います。
ダボ押しが1900年の前後10年程、始まったのが明治23年頃からとされる点にも合致しますね。

しかしながら、勤続10年の記念品に銀側の商館時計を贈るとは、同社の栄華が偲ばれるというものでしょう。
そしてその後の事件から解散を考えれば…何とも言えぬ気持ちになる一品ですね。
栄枯盛衰、盛者必衰ってか。よくぞ残っていてくれたものです。
自分は個人名の刻まれた記念品は基本的に手を出さないのですが、これは歴史的価値があると思い、例外的に欲しくなりました。

今回のタイトルの「記念」という言葉も、勤続10年記念に贈られたという以外に、事件で有名となってしまった企業の栄えた頃を伝えるものという意味を持たせてみました。
事件事故を伝える碑も「記念碑」ですから。
明るい事象をイメージしがちな言葉ながら、このような使い方もする…と、個人的に印象深い単語であるのです。

では中身を見て行きましょう。





機械取出し。
修理の記録などは特に無く、地板表の機構はシーソータイプ(勝手に命名)。
鼓車の役目は平ギアが担い、ダボ押しでシーソーが動作、噛み合う平ギアが香箱側と日の裏車側で切り替わります。
キチ車・鼓車の噛み合いで作られるラチェット機構も、シーソーが意図的にギアを歯飛びさせる事で成り立っています。



ナンバーズマッチです。



裏面です。
惜しくもスリーフィンガーではありませんが、イングリッシュレバーではあります。
香箱押えがちょっと凝ったデザインになっており、鍵でも巻ける構造です。
龍頭巻き初期の兼用デザインによく見られる雰囲気。



香箱押えに「Rod. Schmid NEUCHATEL」、地板に同社マークの刻印。
R.シュミットはそもそも時計工房のため、自社製エボ―シュを搭載しているのでしょう。



分解途中、一気に香箱まで来ました。
今回は巻き上げ機構がちょっと変わっているので、角穴車が2つあります。
本来の面と裏面、香箱の蓋側にも角穴車が付くんです。
丸穴車相当のギアは表側にあり、普通で言う鼓車の順番に咬んでいる感じ。

写真の方が巻き上げ用の平ギア、つまり鼓車役のギアと噛みあいます。
そして本来の位置にある角穴車は、コハゼでゼンマイの反発を抑える役目に特化しています。



という事で全バラです。
ゼンマイも無事で何より。
13石でしたので中堅クラスでしょうか。
やっぱり儲かってたんだなぁ…なんて。



いつものように洗浄、からのザラ回し。
特に問題無さそうです。



テンプを付けて試運転へ。
ダイヤル下の平置きでは元気ですが、逆にすると止まりそうになります。
テンプのアガキが少々あるのでしょうか。まぁ12時上の姿勢が基本と考えれば良いか…





今回もグラスバックベゼルの傷消しをしました。











いつも通りの流れですが完成。
精度的には悪く無く、12時上で緩急針を結構進ませて+60秒くらい。
ただ姿勢差は大きそうなので、あまりやりたくありませんが、ひげを調整した方が良いかもしれませんね。
でもあれ…かなり疲れるし失敗するリスクもあるので、本当に必要にならない限りは避けたいです。
飽くまで素人なので…
Posted at 2025/03/09 22:04:41 | コメント(0) | トラックバック(0) | 時計他アンティーク系 | 趣味
2025年03月09日 イイね!

サバーバン、遂に色が乗りました

ちょっとした内容なのでサクッとご紹介ですが…
ルーフの下地に入っていたサバーバンに、遂に上塗りが乗りました。
とはいえある程度はルーフから順に仕上げていくようで、道のりはまだ長い…と思います。







画像圧縮が結構かかっているようで、色ムラはそのせいかと思います。
或いはまだコートの途中だからか。

しかし2枚目の写真、左Dピラーはあの錆びた大穴やザックリ切開が嘘みたいな仕上がりです。
プロの鈑金屋さんなんだから当然だろ、と言われるかもしれませんが…





ここからの変化ですから本当に見事です。

ここから先はどう進んでいくのか…セオリーを知らないだけに分かりませんが、こうして写真を楽しみにしつつ待つ他ありません。

なおこの色、以前書いた通り三菱純正色(D90 ライトブルーメタリック)です。
ですが、70年代設計のボデーに乗ると当時っぽいカラーに見えるでしょう。
計算通りかな。
Posted at 2025/03/09 14:58:33 | コメント(0) | トラックバック(0) | 車(サバーバン) | クルマ
2025年02月24日 イイね!

良い事は大きい事と…? レッツ商会 23型商館時計(明治30頃)

約3か月ぶり? の時計ネタ。
素人には難しい調整の要る個体を連続で引いたりして、暫く扇風機へ戻っていたのですが、今度は慣れ親しんだ扇風機レストアがひと段落…という名のやる気落ち。
という事でまた時計に戻ってきた訳でございます。
積みゲーならぬ積み時計がありますので、それに手を付けて行きます。






今回のはこちら。
外見は毎度お馴染みの商館時計。
裏面の擦れ・凹みが無い奇麗なケースです。





扱いはドイツ商館のレッツ商会。
当方2個目の朝日印となります。

機械は取り立てて書く程の目を惹く個性は無いものの、ヤーゲンセン様式のブリッジ配置と控えめなコート・ド・ジュネーブが堅実な印象。
現状でも一応テンプが動くので、素直に清掃注油で復活してくれたらなぁ…と期待しつつ作業開始。

定番スタイルなだけに詳しい年代特定が難しいのですが、ダボ押しである事からすると大体1900年(明治33年)前後でしょう。
後に書く通り若干古そうなので、元号のキリを良くして明治30頃としましょうか。



機械を取り出しました。
整備歴の書き込みや工房の刻印などは無し。ちょっと残念。
ですがこの時計一番の良さは…



何と言ってもサイズ。
地板直径51.8mmという事で、23型の大型商館時計なのです。
見た目や機械自体が普通でも、これだけで希少性があるのでOK。これこそが個性。
大きい物が多い商館時計と言えど、地板はギリギリ50mm以下(22型以下)の個体が大多数。



ナンバーズマッチ確認。



機械です。
スタンダードな造りながら、どうやら石はきちんと入っているようです。
強いて言えば、筒かな芯を抜かないとブリッジを外せない構造が特徴でしょうか。

鍵巻き式であれば当然この構造なので、龍頭巻きダボ押しになってからそう経たない頃なのかしら。
といっても兼用デザインではないからなぁ…その一種と見て良いのやら何やら。



角穴・丸穴車の錆が気になっていたところ、角穴の押えが固着していました。
見た目のためにも錆は落したいですね。



香箱を開けました。ゼンマイは無事で一安心。
何気にジェネバ機構の跡があり、やっぱり地味ながらそこそこのグレードだった模様。
ここで石を数えつつ…



全バラ完了。
予想外にも15石でした。
大きさに全振りな奴かと思って失礼しました。
そういえば、ひげも青焼きブレゲ巻きだもんねぇ。



洗浄後、仮組みしてザラ回し。
セコンドの芯が曲がっていたので修正しました。
角穴・丸穴車の目立つ錆は除去。



からの、テンプを付けて試運転。
初めはテンプが振れず、何度か付け外ししましたが…原因はアンクルの渋さ。
アンクルの押さえを若干緩くしたら動いてくれました。

この時点では何とも言えませんが、精度も悪くはなさそうです。
ただ、鼓車のギアが減っており、巻き上げの最後の方で歯飛びします。
シムみたいなのを仕込んで軽減できるかしら。



その間にケース清掃へ。これは背面グラスバックのリム。
過去の調整や整備で開けた際に付いたであろうガリ傷があります。



傷を消す魔法(物理)。
銀は柔らかいので、ちょっとした傷の誤魔化しは楽で良いですね。











24時間の試運転で問題無さそうでしたので、磨いておいたケースに入れて完成。
大型ながら傷も凹みも無い奇麗なケースです。
前面風防も傷らしい傷が無いので、大事に扱われてきたのでしょう。

外観上も非常にプレーンで、ダイヤルの表記もローマ数字と目盛りのみ。
セコンドに10秒おきの数字があるだけ。
ダブルサンクは板の成型による「サンク風」です。
とはいえ機械が見た目で主張しない堅実な良さといった仕上げでしたので、この一見普通の外観にも合っています。
渋くて良いんじゃないでしょうか。
たまに見かける飾り彫り爆盛りの無銘品…あれの対極に位置する感じ。

心配していた鼓車の減りですが、当たり所次第でちゃんと巻けるようです。
無理せず扱えばとりあえず問題無さそう。
ギアの上下ではなく前後のバックラッシュが大きいのが原因のため、簡単には対処できないのです。

一方で予想通り精度が良く、緩急針センター・12時上で日差-10秒前後。
100年以上経っている時計を素人整備したのですから、理想的と言って良いのでは。
タイムグラファーアプリを見つつ、やや進み側にしておきました。

以上、ブランク明けに良い再生ができました。
これまでレストアに成功して、問題無く使える状態に至った個体は20を越えますが、やはり精度や外観の状態が良いモノは優先して使いたくなります。
しかしそうしていると消耗も早いので…「使いたくなる奴」を複数持っておくとローテーションできて良いのでしょうね。


次回…は何になるでしょう。
また時計か扇風機か、車の進捗報告になるかは分かりません。
時計ならば…かなり変わった一個がストックにあるので、それの手入れをしましょうか。
機種的には普通ながら、付加価値的に個性の強い一品です。
Posted at 2025/02/24 22:50:22 | コメント(0) | トラックバック(0) | 時計他アンティーク系 | 趣味

プロフィール

「真下を向く天井扇 三菱電機 CY-30B 昭和39年 http://cvw.jp/b/2115746/48618862/
何シテル?   08/24 23:35
菊菱工廠と申します。 「工廠」なんて言いましても、車いじりは飽くまで素人。 電装系なら結構自前でこなします。 ちょっとした金具作りなんかも。 ナ...
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