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菊菱工廠のブログ一覧

2022年10月30日 イイね!

扇風機の展示会を開催頂ける事となりました。

学生時代から古い扇風機を集め始めて、かれこれ15年程が経過しました。
これまで手掛けてレストアを完了したのは、正確には数えていませんが60台以上になると思います。
手放した物や部品取りとして入手した物も含めれば、100台近くが手元に来たはずです。

その中で今も所有しているのは50台程ですが、単なる趣味ながらプロの骨董屋さんにお認め頂き、展示会を開催頂ける運びとなりました。





題して、「菊菱工廠コレクション~工業デザインの興り 扇風機の100年」。

明治末期から始まった扇風機の歴史は凡そ100年、一世紀となります。
その内の前半50年ほどに的を絞った展示として、明治末期から昭和40年代の機種を20台程展示いたします。

展示の扇風機は全て当方所有の物で、私がレストアを行った動態保存機になります(数台ほど未再生の機体あり)。
会場ではリクエストを頂ければ動作状態をお見せする事もできますので、令和の秋にエレクトリックな風を感じて頂ければと思います。

画像の通りですが、開催は仙台市青葉区上杉の「道具屋ホリデイズ」さん店内をお借りします。
日程は11/26(土)・27(日)となりますので、興味がございましたら是非お越しください。

※なお、今回は企画展示になりますので、当方の扇風機他については販売いたしません。ご了承ください。
Posted at 2022/10/30 19:52:22 | コメント(0) | トラックバック(0) | その他 | 趣味
2022年10月30日 イイね!

過去のレストア記録 ~ 昭和5年頃 芝浦製作所 C-7058型「養蚕用送風機」

これまでレストアしてきた扇風機は、手放した物も含めると恐らく60台程になると思います。
現在手元にあるのは50台程度かと思いますが、学生時代に購入・整備した物もあり、みんカラを始める遥か前の物が多数です。

という事で、記事の充実を図る意味でも、これまでの整備を振り返って投稿したいと思います。
日付は迷いましたが、投稿は現在時間として、本文中に作業した年月を記載する事にします。


レストア振り返り企画の第六弾。
人間用ではない扇風機、「芝浦製作所 C-7058型 養蚕用送風機」です。

入手は2015年3月31日でした。




入手時の様子です。
塗装剥がれと経年の汚れがある以外は良好な状態で、動作は…したんだっけかなぁ?

基本的に戦前の芝浦製と同じ設計ですが、まず一目見て羽根が鉄製でありガードもシンプルなデザインなので、コスト重視である事が伺えます。
ぱっと見は普通の芝浦製かその改造機なので、レアリティの高い機種ではありますが、そもそも注目もされないようです。
まさに通好みな旧型商用車のようですね。

で、ガードが外周二重リングの放射状なので大正末期頃の同社製がベースっぽく、雷光型を直線にして材料費・加工工程を省いたものと思います。











とりあえず分解します。
やっぱり睡蓮等の芝浦の構造そのものですが、違いもあります。
初めの写真の木板は後付けの脚ですが、5枚目の写真にご注目。
モートル受けのベアリングが、樹脂製ブッシュに置き換わっています。
首振り機能は付いていますが、ボールベアリングよりも安価に済ませたのでしょう。

モートルの配線は劣化しているものの、色分けも判別可能。
後でビニール線の三つ編みにしていたので、恐らく断線していたのかな。







続いて首振りギアボックスの分解清掃…ですが作業時のアフターの写真なし。
恐らく、普通の芝浦と同じなので撮る程でもないと思ったのでしょう。
この頃はブログをやる気もなかったので、写真はあくまで自分用の作業記録という意味合いが一番でした。
「借44」という書き込みから、業務用途だったのが容易に想像できますね。

なので代わりに、先ほど追加整備した際の写真を載せます。
当時の私の修理ではグリスをしっかり詰めなかった事が多く、途中で間違いだと気づくまではこのようにスカスカでした。
今はちゃんと新しいグリスで満たされています。





そして銘板です。
メインの銘板は普通は大きく作られますが、変速表示と同じ寸法とされ、ここでもコストカットがなされています。





磨きました。
羽根を磨かなくていいのは楽ですね。







現在の姿です。
羽根もそのまま油を塗っただけなので、ぱっと見はほとんど変化していませんね…
エンブレムを磨いてタッチアップし、モートルへ行く配線にエンパイヤチューブを被せたくらいでしょうか。
被せるにあたっては太さを軽減するため、三つ編みを解いて捩じり直しています。

電源線は元々付いてこなかったので、当時物のポニーキャッププラグと共に臙脂の袋打ち電線にしました。
運よく入手できた良品の当時物ですが、また手に入らないかなぁ…

なおこちらの機種、ガードの特長からすると大正末期頃の型の雷光ガードをストレートにした感じですが、それ以外にも以下の特長があります。

・型式名がC-7058である(大正期の機種名は4桁数字のみ)

・首振り機構下部のカムが円盤型(昭和期の睡蓮の特長で、大正期は返しの付いた皿型か、その次は返しの浅い鐸型)

という事から、恐らくは昭和に入ってからの製造ではないかと思います。
C-7032睡蓮の派生型として、同時期なんじゃないかなぁと。
この個体はギアボックスが交換された形跡もありませんので、総合すると昭和5年頃の製品なんじゃないかと思います。

性能的には睡蓮をはじめとする芝浦電氣扇と何ら変わりありませんが、本機の風に限っては蚕の気分になれる…かもしれません。
Posted at 2022/10/30 19:27:58 | コメント(0) | トラックバック(0) | アンティーク家電 | 趣味
2022年10月30日 イイね!

過去のレストア記録 ~ 昭和25年頃 東芝 C-4752型

これまでレストアしてきた扇風機は、手放した物も含めると恐らく60台程になると思います。
現在手元にあるのは50台程度かと思いますが、学生時代に購入・整備した物もあり、みんカラを始める遥か前の物が多数です。

という事で、記事の充実を図る意味でも、これまでの整備を振り返って投稿したいと思います。
日付は迷いましたが、投稿は現在時間として、本文中に作業した年月を記載する事にします。


レストア振り返り企画の第五弾。
今回はこれまでと一変して戦後の機種、「東芝 C-4752型」です。
正式な年式と名称は不明なものの、後述の理由から恐らく昭和25年頃の「ひまわり(R-1)」ではないかと思います。

こちらを入手したのは2015年1月23日。
扇風機集めに季節は関係ないのです。
部屋には一年中、10台以上の扇風機が飾ってあります。





こちらが入手時の様子。
経年の汚れがある以外は良好な状態を保っており、動作もしました。

東芝とはなっていますが、羽根ガードのプラ製エンブレムは「SHIBAURA」と「SEW」です。
これは東京電氣と合併して東京芝浦となる前の、芝浦製作所時代の名称・マークです(東京電気側は「マツダ」で、真空管・電球メーカでしたのでラジオ等はこちらが有名です)。

同じ本体デザインながら、エンブレムが筆記体で「Toshiba」となっているものもあるので、ちょうどブランド名切り替わりの中に居た機種なのでしょう。
恐らく花の名前が付いているはずですが、資料がないので不明です。
しかし全く同じ形状・型式名のものも持っていて、そちらは正体が判明しています。





これ。
4年後の昭和29年に発売されたC-4760型「ひまわり(R-1)」。
入手は2008年でした。
で、「C-」から始まるカタログナンバーは違うのですが、銘板に「TYPE」とある方の型はどちらも「ADF-30R-1」なんです。

なので、エンブレムと色が変わっていますが物は一緒です。
これより名称も同じなのでは…と予想しています。
なおラジオの小鳥シリーズ同様、東芝自身も把握しきれないほど多数展開されたようです。











まずは分解から。
戦前型の設計を基にしているので、慣れているとほぼ考えずにばらせます。
それでいてアルミ合金多用で軽くなっている(と言っても5kg位はありますが)ので、扱いも楽で良いです。

碍盤も戦前ベースではありますが、よりキッチリできているというか、仕上げが良くなっているのを感じます。

なお、C-4760の方は碍盤が結構変わっています。



黒塗装され、形状も円形ではなくなっています。
逓信省届け出番号も異なるので、ビッグマイナーチェンジ的な感じだったのでしょうか。

モートルへ行く電線はビニール被覆の3芯となっており、布引電線からの時代の変化が現れています。
この時代は電線やプラグもビニール化・プラスチック化が進み、本体色に合わせて作り分けられていました。
なので、オリジナルのプラグ・電線が付属してこないと当時を再現したレストアは難しくなります。
プラグは時たまジャンクセットがオークションにでてくるのでつぶしが効きますが、電線は機会を見て集めておかないと苦労します。
今新品で手に入るのは、白・黒・灰の3色がメインですし、多芯に至っては黒と灰しかほぼ選択肢がありません。





首振りギアボックスの分解清掃…ですが、なぜかこの時は写真が少なく清掃後の写真がありません。
例に漏れず煮凝りグリスになっていますので、奇麗に入れ替えました。
綺麗に…現在の状態ですが、かれこれ7年も経っているので既に変色しています。
致し方なし。



生首状態のモートル…これだけ見ると、本当に戦前型の色違いだと良く分かります。
これもちゃんと清掃したのですが…写真がありませぬ。



東芝こだわりの4枚羽根です。
アルミプレスで作られているので、中央のスピンナーと裏面のハブ以外、羽根部分は完全な一体物です。
三菱のエトラ扇に続く形で幅広タイプを採用した東芝ですが、羽根ガードと共にこの「幅広4枚羽根」も常に意匠登録していたそうで、東芝製扇風機の特長として位置付けられていました。





羽根ガードは幅広羽根の採用で安全性が高まったために、大正期以来の目の粗いデザインとなりました。
大胆にクロスしたデザインは、こうして単体で置いてみるとふっくらとした可愛らしさが際立ちます。何だかメロンパンみたいです。
脱着は羽根を付けた状態で行いますが、少々無理をしつつ羽根に捻じ込む感じになります。

中央のエンブレムは透明プラに文字を陰刻する形で成型されており、裏面から塗装で文字とマークを描いています。
当時よくあった手法ですが、陰刻になっているのが裏面なので表面は平面になっています。
しかし両端でしか支えられていないので、長い年月の中で割れてしまい、失われている個体も見られます。

プラスチックが他の部品にも使われ始めるのは、もう少し後の時代からです。









作業後の写真が大幅に不足していて申し訳ないところですが、現在の姿です。
元の状態が良かっただけに、単に奇麗になっただけといった感じです。
とはいえ、電源・モートルの電線に限らずプラグまでオリジナルというのは珍しく、またSEWロゴのこの機体というのも希少です。
重量や性能的に戦前型より実用的なので、今使うにしてもあまり抵抗なく使える部類の機種です。

オリジナルのプラグはプラ製で最中合わせのタイプと異なる、ビニール一体成型タイプです。
これも一応組立式となっておりまして、センターの茶色いキャップを外すとプラグの刃の部分が引き出せるようになっています。

ちなみにC-4760ひまわりのプラグはこちら。



これが最中合わせタイプの方。マツダエンブレム入りです。
これは当時のラジオにも標準だったタイプなので、東芝の真空管ラジオを買うと運が良ければ付いて来ます。
ケーブル共々本体色に合わせてあるので、製品ごとに色が様々あるようです。

C-4760にしろ今回メインのC-4752にしろ、個人的にはとにかくデザインが可愛いと思っているのですが皆さんはどうでしょうか?
当時流行のパステルカラーにガードのふっくら感とか、宙に浮いたエンブレム、基台もビス穴のリブが無い雫型になっていて、いい感じにレトロで落ち着く形だと思うのです。
Posted at 2022/10/30 19:02:26 | コメント(0) | トラックバック(0) | アンティーク家電 | 趣味

プロフィール

「仕上げ進行中 http://cvw.jp/b/2115746/48580997/
何シテル?   08/03 23:12
菊菱工廠と申します。 「工廠」なんて言いましても、車いじりは飽くまで素人。 電装系なら結構自前でこなします。 ちょっとした金具作りなんかも。 ナ...
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