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菊菱工廠のブログ一覧

2022年11月28日 イイね!

展示会無事終了のご報告

一日遅れとなりましたが、「HOLIDAY'S presents 菊菱工廠コレクション」が無事終了いたしました。

26・27日の2日間で、30名程の方々にご来場頂きました。
はるばる千葉県からお越し頂いた方も居られ、出展させて頂いた私としても大変有意義で充実した、刺激的な2日間となりました。

普段の仕事がデスクワークが多めで人との関わりも限られた範囲なため、その点でも非日常を味わえたのが新鮮でした。

そして何より「扇風機って深い世界ですね」と、複数の方に仰って頂けた事が嬉しいと感じております。
普段何気なく使っている家電の一種ですが、掘り下げてみると意外な程に深い歴史や、文化・時代を反映した進化が見て取れます。
それを少しでもお伝え出来たのなら…自分的には大成功だと思います。

今回会場として貸して頂いた友人のお店「HOLIDAY'S」では、今後も同様のイベントを企画・開催していきたいとの事です。
もし皆さんのご興味ある内容でしたら、またぜひお越し頂ければ幸いです。

以下は会場の写真となります。
開催前日と閉店間際に撮ったものです。





今回は時代ごとの変化を感じてい頂きたく、世代の古い順の順路としました。
まず出迎えるのは、明治末~大正の「黎明期の者達」です。

次に「黎明期の個性派達」。
各社が試行錯誤しつつ生み出された、個性的な機種を集めたコーナーでした。





三菱電機と芝浦製作所、それぞれの高級ライン機達。
一見すると、特に未再生状態では通常品と見分けにくい者達でもあります。

続いて「戦後の普及期」。
戦前型ベースのマイナーチェンジに始まり、次第にモダンになっていった時代の者達です。











この辺りに来ると多くの方が「懐かしい」と感じられる時代になってきます。
最後は「名脇役」として、ノベルティや販売店向け資料などのコーナーでした。
ラストはお店と当ブログのご案内にて終わりとなりました。







後は順路の全景。
総勢22台の展示となりました。






このような展示会は、実を言うと私は2回目でした。
最初は震災の年、役所の臨時職員をやっていた中でお誘い頂いたNPO主催のイベントでした。
それから早11年…このような形でレベルアップした展示ができた事は純粋に嬉しい思いです。

私もキャプションを何度も更新したり、展示機種を選択したりといった事がいざやってみると難しく、イベント準備の大変さの一片を知る事が出来ました。

今後、扇風機メインの展示会としては6月頃を仮決定としていますが、別の物を織り込んだりした形態での開催もあるかもしれません。
またその時には告知させて頂きますので、お楽しみとして頂けると幸いです。
Posted at 2022/11/28 21:58:07 | コメント(0) | トラックバック(0) | アンティーク家電 | 趣味
2022年11月20日 イイね!

過去のレストア記録 ~ 昭和40年 八欧電機 EF-365

これまでレストアしてきた扇風機は、手放した物も含めると恐らく60台程になると思います。
現在手元にあるのは50台程度かと思いますが、学生時代に購入・整備した物もあり、みんカラを始める遥か前の物が多数です。

という事で、記事の充実を図る意味でも、これまでの整備を振り返って投稿したいと思います。
日付は迷いましたが、投稿は現在時間として、本文中に作業した年月を記載する事にします。


レストア振り返り企画の第十一弾。
ゼネラルこと八欧電機の「EF-365型」です。電気機関車みたいな名前…

こちらの入手は2021年6月22日。遂に去年まで追いつきました。
とはいえ、まだ出していない古いネタも多いのですが…写真がその時々で使っていた携帯での撮影なので、データがPC内かSDのままか不定状態なのです。
その間に何度かPCも入れ替わり、時にはHDDが危うくなったりもしましたので。





入手時の様子。右のブルーが鮮やかな方が、今回主役のEF-365です。
写真は2歳違いの兄弟機、EF-367と並んで撮影。たまたま同時期に安く出物があったので、つい買ってしまいました。しかももう一台の年式違いも…

ちなみにこちら、実はそもそも八欧電機製ではありませぬ。
一際目を惹く羽根ガードのガーニッシュの奥、ファンが左回転である事がヒントですが、正体は富士電機製。恐らくはフジ サイレントファン。
2枚目の銘板写真にも写っていますが、「f」と「s」を重ねた富士電機のマークがひっそりと描かれております。
EF-365という型式名も、戦前の富士電機製と同じ「羽根直径+製造年」というルールに則ったものです。

一見するとデザインがちょっと個性的なだけの本機ですが、細かく見ていくとなかなか変態度の高い珍品(誉め言葉)でした。









この頃の機種は分解に少々苦労する事が多いです。
というのも、1枚目の通りモートルのカバーに首振り切り替えのワイヤーが貫通していて完全分離できなかったり、ワイヤ式の首振り切り替えのためにギアボックスも少々複雑だったりするからです。

別に混乱するレベルでもないのですが、後で組み方を忘れそうなので手を抜かずに写真を撮る必要があります。
忘れなければどうという事も無い、なんて言わないように。
どうしたって忘れてしまうのだよ…





こちらは底面の分解。
蓋を外すと変速・首振り切り替え等のメカが見えますが、この機種は珍しい「無段階変速」。
1・2・3といった段階スイッチではなく、2枚目の写真の通りレオスタット(と呼ぶべきサイズじゃないかなぁこれは)で丁度いい塩梅の風量へ持って行きます。
一見便利そうですが、修理後に試してみたらそうでもなく…別にスイッチで良くね? といった感じでした。
抵抗値のカーブが露骨に出ている感じで、高速側で急に強力になる味付け…まぁ一つの特長という事で。



ここで一つの歴史発掘。
電線が捩っただけで接続されている点を見つけました。
一応ビニールテープで絶縁はされていましたが、流石に新品からこれではなかったはず…つまり、一度は修理されているだろうという痕跡です。
この部分を切らないと分解が進まないので、ありがたく外させてもらいます。
黒い二本線はこちらで書いた合いマークですが…今見ると君の腕に似ているなぁ猗窩座殿。

なお、背後の下の方に写っているのは首振り切り替えのワイヤ。自転車のブレーキワイヤと同じ構造です。



本機が富士電機製である証拠です。
コンデンサには同社マークの他、FUJI DENKIと書かれています。そして1965とも。
富士電機製はコンデンサで年代特定ができるのが良いところです(長所として挙げるにはあまりにもマニアックですが)。



首回りパーツ清掃完了の図です。
本機の仰角調整は、ビデオ三脚のように背面に飛び出したハンドルで軸を緩めて行います。
メッキパーツは錆び落としで奇麗に。クロームメッキは見違えて奇麗になるのでやる気も出ます。







お次はモートルとギアボックス。
この時代になると、ギアボックスはエンドベルと一体化しているものが多いです。
またモートル自体が小型化され、ケースもアルミ合金で軽量化されたため、モートル後端にはカウンターウェイトが付いています。
写真3枚目は珍しい中間ナット付きボルトですが…どこの部品だったかなぁ。





首振りギアボックスの清掃ビフォーアフター。
減速方式は戦前の三菱から歴史ある「2段カウンターギア式」。
三菱の乙型と同様、三日月型の蓋もありました。ブリキ製なので良い感じに錆びが出ています。

クラッチも戦前型同様ですが、首振り切り替えがワイヤ式なのでクリック感なくシャフトが上下します。
またこの頃は季節ごとに注油するのが主流でしたので、引き続きオイルフィーダのフェルト軸が付いています。
とはいえタンクがなくなっている辺り、進化を感じるのも確かです。





今度は外装に移ります。
操作部ガーニッシュの清掃です。
メッキ枠は実際に金属製で、裏面で爪を曲げて固定する定番の方式です。
…この構造を扱うといつも思う事、「次はできないな…」。何故なら金属疲労で爪を折ってしまうから。



こちらは電源プラグ。
類別的にはよくある最中合わせタイプですが、珍しくサービスコンセント式になっています。
つまり、本機を壁コンセントなどに挿してもコンセント口が減らないのです。
今ほどコンセントが宅内に多くなかったであろう当時では、気の利いた構造ではなかったでしょうか。
他のメーカには見られないプラグですね。
…PCならNECのMate(スリムタワーよりもっとスリムな奴)についてきたのがこんなコードでしたが。





こちらはガーニッシュの下側。こちらもしっかり奇麗にしました。
右上のクランクは羽根の高さ調整用ですが、本来は四角い枠に操作説明のステッカーがある模様。残念。





続いてはプラ部品の補修。
これは基台から立ち上がる首の上端につくカバーですが、ビス穴の窪みが割れてしまっています。
というのも、普通のプラ製の癖して首の伸縮に使うスプリングの圧は全てここで受ける…という構造なので、経年で割れてしまうようでした。
分解すると、ビスの形そのままの欠片が落ちていました。
最初の写真で並んでいた方(EF-367)は2本のビス部分のどちらも割れており、完全にカバーが浮いてしまっていました。
プラスチックの使い方に慣れていない時代ならでは、という事でしょうか?
なので下の写真の通り、プラリペアでしっかり補強して治しました。





コンデンサ交換です。一応今でも使えそうですが、リスクを抱えたまま使うのは危険ですし精神衛生上も良くありません。
今回は2.5μが売っておらず、仕方なく2μの固体ACコンを使いました。
下の写真の通り、元の位置に奇麗に収まりました。
より合わせだった配線も半田付けし、きちんと絶縁しました。









という事で完成です。
メッキ部は全て錆び落としで酸化膜を落とし、輝きが復活しました。
各部の汚れも無くなりましたので、全体的に引き締まった印象になりました。

一方で、スイッチ部の塗装剥げは敢えてそのままにしました。
塗ってしまっても良いのですが、陽刻部だけ奇麗に塗る自信が…プラモやってた癖に。
後は手が触れる箇所なので、繰り返しの摩擦に耐えうる塗料というとプラモ用ではなぁ、という理由です。

3枚目の写真は先ほどのプラグですが、歯の部分の穴にどこぞの5円玉みたいなエラーがありました。
品質管理をすり抜けて、今まで生き残ったのですね。ある意味珍しい個性。

最後の写真はモートルに行く配線と首振り切り替えワイヤ。
この3本線より合わせを奇麗にするのが地味に大変でした。



以上、前回の三菱に比べて随分と写真が増えましたが、これもひとえに作業工程と意識すべき点の差異。
車もそうですが、高機能・高性能になるだけ手入れも大変になるのです。
戦前の機種は重くて音もレシプロ飛行機のようですが、状態が酷くなければ手入れは楽です。

とはいえやはり現代により近い機種。今年の夏はエアコンと共に本機が主役を張りました。
元がフジ サイレントファンなだけあって、動作音は静かです。まぁこの羽根形状ならどれも似たようなものですが…

しかし何度見ても飽きない奇抜なガードのデザイン、これが本機一番の特長でしょう。
数の多いルーバーに嫌気が差しながらも、ちゃんと掃除した甲斐があったというものです。
これだけスパンが長くて、柔軟性に乏しいクリアのプラ製パーツが無事に半世紀を過ごした…と言うのは奇跡的なんじゃないでしょうか?
ワックス入りのプラ用コンパウンドも一応かけてあります。
クリアブルーというのは夏に似合いますね。
Posted at 2022/11/20 20:07:29 | コメント(0) | トラックバック(0) | アンティーク家電 | 趣味
2022年11月20日 イイね!

過去のレストア記録 ~ 昭和20年頃 三菱16吋扇風機

これまでレストアしてきた扇風機は、手放した物も含めると恐らく60台程になると思います。
現在手元にあるのは50台程度かと思いますが、学生時代に購入・整備した物もあり、みんカラを始める遥か前の物が多数です。

という事で、記事の充実を図る意味でも、これまでの整備を振り返って投稿したいと思います。
日付は迷いましたが、投稿は現在時間として、本文中に作業した年月を記載する事にします。


レストア振り返り企画の第十弾。
三菱電機の「16吋扇風機」です。
戦前の16吋型をベースとする戦後型で、同時期の「12吋細目扇」と同系統なので製品名もありそうですが、今のところ判明していません。
この羽根は確か、同社の換気扇と同じだった気がします。

こちらの入手は2020年6月10日。あれ、川崎の方が後だったのか。



入手時の様子です。
同じ物が同じ出品者から2台出ていた内の片方でしたが、価格が倍くらい違ってしまったのが悔しいところでした。こちらの方が高かったのです。
この機種は時たま出てくる一方で人気が高く、奇麗な個体だと結構な値上がりになります…結構ってどのくらいだよと。
大体、自分的にはこの年代なら数千円~高くても1万円以下程度と思っていますが、これは何故か倍くらいな事もざらなようで。
今回はそれなりに使い込まれたヤレ具合なので、それ程ではない手出しで買う事ができました。







あまり写真を撮らなかったので、分解の様子もあっさりしてしまいました。
使い込まれた古い扇風機のホコリは、何故か茶色くなっている事が多いです。
碍盤はこの時代によくある真っ白。戦前モノ程古くは無いので、あまり染みや変色が出ていない事が多いです。
モートルに行く電線も、この頃から主流になったビニール被覆の3芯タイプ。少々硬いですが使えそうでした。





こちらはモートルのエンドベル。首振りギアボックスを分離してあります。
確かこの修理の辺りから粉末パーツクリーナを使い始めたのですが、あれは良いものですね。
苦労せず下の写真のようにきれいになります。
ただし塗装との相性は要注意です。







首振りギアボックスは戦前の「乙型」そのままです。
真っ黒に染まっていましたが、油を落としたら元のグリーンが復活しました。





後は組み立てて完了にしました。
ヤレ具合がいい感じでしたので、今回は敢えてセオリーを外して銘板もそのままとしてみました。

なので整備後の写真ですが、羽根ガードの向きが正しくなったのとプラグが付いたくらいの差しかありませぬ。
ホコリを気にせず実用に供せる感じになりましたので、エアコンの無い作業部屋に常駐させています。

最後の写真は4個中2個失われていた羽根ガードの固定金具。
適当なアルミフラットバーを切って曲げて、タップを立てて作りました。
本当はここも緑に塗ると違和感無いのでしょうが…面倒なんですよねぇ。
ここだけの為に似たような緑を探すのも…とか思ってしまいます。
いつか塗る事にしましょう。そうしましょう。

…でももう少し奇麗な個体も欲しいなぁ。
物欲は限りなし。
Posted at 2022/11/20 19:41:28 | コメント(0) | トラックバック(0) | アンティーク家電 | 趣味
2022年11月12日 イイね!

インドネシア風ザグレを作る 番外編:動作確認ついでに動画を撮りました

Assalamu`alaikum bosku?

ザグレRCの製作、ひとまず完成と言って最終回を上げてから2か月も経ってしまいました。
本当は葉が落ちる前に屋外で撮影したかったところですが、手遅れなので動作確認の動画をYoutubeにアップしました。
折角なので前後を少々丁寧にしていますので、そこそこ見栄えするかと…



エンジンスタート → 各種ランプ・ホーン動作 → ミュージックホーン動作

の順です。
ミュージックホーンは「アラビアホーン」としても知られつつあるBasuri BabyShark。
実物も車載しましたが、それはまた別の機会に…
これのためにMFCとは別の音声回路を積み、受信機対応の小型リレーを付けています。
プロポから鳴らせるのはこの3音ですが、直接操作ではもう3音収録しています。

しかし動画埋め込み機能なんて初めて使いました。
実はYoutubeに動画を上げるのって約15年ぶりでして、実は初めてでは無いのです。
結構初期の、まだあまり一般的で無かった頃からアカウントを持っていたのですが、いわゆるク〇リプに耐えかねて一旦退会してしまいました。

RCドリフト動画を中心に、製作過程と走行シーンの構成で作っていましたね…
真空管テレビでアナログ停波の瞬間を撮る、というのは結構な再生数に行ったので、見た事のある方もおられるやもしれません。

サムネイルは現地のトラック動画っぽく作ってみました。
「Panjang 140cm」の通り約140cm・重量10kg超えなので、まずは自宅の2階から降ろすのが大変…というかまだ試していません。
何処かへ持って行こうにも、恐らく木枠を組んでやらないとどこかしら壊しそうなので、まずはそこからというのがもう面倒で…

まぁまだ一部未完成なので、他の事がひと段落したらまた始めたいと思います。
屋外走行は来年かなぁ…

それではSampai jumpa lagi。
Posted at 2022/11/12 19:14:39 | コメント(0) | トラックバック(0) | プラモ/RC | 趣味
2022年11月09日 イイね!

過去のレストア記録 ~ 昭和30年頃 川崎電機 14吋扇風機

これまでレストアしてきた扇風機は、手放した物も含めると恐らく60台程になると思います。
現在手元にあるのは50台程度かと思いますが、学生時代に購入・整備した物もあり、みんカラを始める遥か前の物が多数です。

という事で、記事の充実を図る意味でも、これまでの整備を振り返って投稿したいと思います。
日付は迷いましたが、投稿は現在時間として、本文中に作業した年月を記載する事にします。


レストア振り返り企画の第九弾。
川崎電機の「14吋扇風機」です。
「AC. DESK FAN」と銘板にある以外、特に名前は無いようです。

こちらの入手は2020年7月14日。これ以降が今の家での手入れですね。







入手時の様子です。
普通に動くけどジャンク品扱いでの購入です。
羽根ガードの中央、プラ製エンブレムの上部に「リバーマーク」がある通り、川崎造船を出発点とする会社です。

元々は「オルビット型・川崎型」と称する扇風機で戦前に有名になりましたが、当時からイロモノ…もとい個性派だったようで、この頃にはすっかりマイナーブランドとなってしまったようです。
しかし一方で、川崎型の名を冠した鉄道車両用天井扇が有名になります。
本機は資料が無いので正式な製造年は不明ですが、各部の特長からすると昭和30年頃なんじゃないかなぁ…と思います。

そして、普段扱わないメーカなので少々観察してみました。
2、3枚目の写真がそれですが、首振り機能の切り替えが「つまみの締め具合」という簡易な機構。最早手抜きじゃないかい?
裏面を覗いてみると、まぁこちらは普通でしょうか。
色付きゴムブッシュが溶解→再硬化で崩壊しているのは、メーカを問わず当時モノの定番です。

しかしカムのビス穴が一つしかなく、首振り角度の調整はできないタイプです。
あと、アームとカムを結ぶビスが手回しタイプになっていますが…これはオリジナルなのかなぁ。











分解風景ですが、いきなり衝撃。パステルカラーの本体色に対するまさかのオキサイドレッド。
流石カワサキ…家電と言えどさび止めに抜かりないとは、機械屋ですね。ここだけやたら重厚感があります。

裏蓋はセオリー通りに壁掛け用のビス穴がありますが、何故か皿ビスで止めてありました。
作りが少々雑なので、もしかすると後から個人が作り直したのかもしれません。
スイッチ部は厚いベーク板を使ったシンプルな造り。
端子が全て現代的な圧着端子とビス止めになっているのも特徴でしょう。





マイクスタンド状態からの、モートル分離。
ここからは未知の「川崎の首振り機構」。慎重にバラしていきます。







ギアをバラして行くと、結果3枚目のような構成になっていました。
オキサイドレッドはまさかの上塗りでした…何でここだけこんな色にしたんだろ。
首振り機構の減速方法は色々とありますが、大方は遊星ギアかカウンターギアになっています。
しかしこちらは2段階にスクリューギアを使い、軸方向を2度変えています。珍しいタイプでしょう。
真鍮の大きい蓋があったり、モートル軸側のスクリューギアがロータと別体だったりするのは古いGE製にも似ている…ような気がする。



続いてプラ部品達。この時期はまだスイッチノブやエンブレム、プラグ程度でしたので、力のかからない小物が中心です。
電源コードが付いてこなかったので、何とか水色のビニル平行線を探してプラグも揃えました。プラグはナショナルです。





そして銘板。元からそれなりに奇麗だったので、大したビフォーアフターにはなりませんでした…



組み立て前になりますが、ここにも工夫点が見られました。
これはモートル下部の軸と軸受け、それのロックピンです。
戦前型ではこのロックピンは段付きビスとなっており、基台の外から取り付けするものでしたが、こちらは予めこの段階でモートルと組み、ピンを入れた状態で基台に取り付けます。
するとピンは左右を塞がれて抜けなくなり、ピンは軸の切り欠き部を通るのでモートルも抜けない…という事になります。
よく考えてあるなぁ。



という事で現在の姿…写真は今度開催の展示会、そのフライヤーです。
実は出展する内の一台なんです。右上に写っております。

本機はぱっと見た感じでは当時流行った形に添っていますが、羽根が14吋と言う半端なサイズだったり、首振り切り替えが捻りのない捻り(ネジ的な意味で)だったりと、苦戦してる感がにじみ出ています。

元々家電屋さんではない企業なのでそこまで力を入れなかった可能性もありますが、あまり日の目を見ずに消えてしまった機種という意味ではレアリティの高い奴だと思います。
かつてアルファロメオが軍用オフロード四駆を作ったら、オイルパンを無くすためにエンジンがドライサンプだった…何て事がありましたが、その逆というか、畑違いのはずが…という面白い機種ではないでしょうか。
Posted at 2022/11/09 22:03:37 | コメント(0) | トラックバック(0) | アンティーク家電 | 趣味

プロフィール

「仕上げ進行中 vol.2 http://cvw.jp/b/2115746/48592454/
何シテル?   08/10 22:31
菊菱工廠と申します。 「工廠」なんて言いましても、車いじりは飽くまで素人。 電装系なら結構自前でこなします。 ちょっとした金具作りなんかも。 ナ...
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