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菊菱工廠のブログ一覧

2023年06月27日 イイね!

展示会無事終了のご報告

6月24日(土)から26日(月)に掛けて開催いたしました、ホリデイズPresents 菊菱工廠コレクション VOL.2が無事終了いたしました。
お越しいただいた方はもちろん、皆さまに篤くお礼申し上げます。

今回は戦前の国産扇風機に焦点を当てた展示会でしたため、前回より更にマニアックな内容となった一方、統一感が出て会場の雰囲気とも合っていたと感想を頂くことができました。

今後、第三回の予定は今のところございませんが、趣味のレストアは変わりなく続けて参りますので、当ブログにも変わらずその様子をアップしていきたいと思います。
引き続きよろしくお願い申し上げます。

以下は期間中に撮影した写真となります。

































Posted at 2023/06/27 22:23:13 | コメント(0) | トラックバック(0) | アンティーク家電 | 趣味
2023年06月17日 イイね!

三菱電機扇風機「電子コンパック」の沼

今日はパジェロのオイル交換へ行ってきました。
ディーラからセールのお手紙を頂き、それが今日・明日だったので予約したのですが…まさかのピンポイント夏日。
前日比+9℃で30℃越え…こんな事ある?
嫌がらせかっての…

で、車もガスが少ないのかエアコンがほぼ効かず。
仕方ないので日陰でボデーを冷まし、コンデンサに水をかけて凌ぎました。

唐突に暑くなられると体調がついて来ませぬ。
予約したのは二週間前、一週間前から天気予報に戦々恐々する日々でした。
というのも、未だ体調不良が完治していないせい。
自律神経というのはまこと難しいもので。
暑いと途端に動悸やら吐き気やらがしてくるのだから困ります。
とはいえ、途中から持ち直せるくらいには回復したのがまだ進歩です。



さて、今回は珍しく近代的な機種、それもレストアではなく、比較・紹介と予想といった内容になります。
普段以上にピンポイントな深堀りをしています。
的外れで面白くないかもしれませんので、それでもOKと言う方は是非どうぞ…

※一部機種について情報を頂きましたので、修正・追記しています。



昭和も40年代、西暦で言えば1960年代後半となると、扇風機は一段と進化を遂げました。
それまではスイッチ等の小物パーツに留まっていたプラスチックはファンにも採用され、やがて基台などの強度が要る部分もプラスチック成型で作られるようになりました。

そのため、金型の費用回収は必要なれど材料費が安いので、スケールメリットにより低価格化ができました。
外観の大幅な変化と共に重量が軽くなり、量産性向上・輸送コストの低下もあった事でしょう。
「扇風機は手軽な夏の家電」という、現代のイメージへ近づいて行きました。

そんな中、既にタイマ装備がメジャーとなっていた事から機能的な面でも新しさが求められたようです。
そこで各社は「電子制御」に注目するわけですが、三菱電機が採用したのは「電子スイッチ」。
即ちタッチスイッチでした。

元々それ以前から、「コンパック」というブランド名(PCとは無関係)を展開していた同社。
「シーズンオフは元箱にコンパクトに収納できますよ」という意味で、場所を取りがちな扇風機の収納面改善をアピールしていました。
その一つとして加わったのが「電子コンパック」でした。

電子コンパックの第一号に当たるのは、1968年(昭和43年)発売のR30-SX。
種別は30cmお座敷扇。



実機がこちらです。
3台買ってようやく美品に巡り合えました。

電子スイッチがどういった物か、早速見て行きましょう。
本機そのもののレビューはレストアの際にでも…



同機の操作部です。
なるほど押しボタンがありません。
透明パネルに透けて見えるのは、タイマのダイヤル。
左の謎エンブレム入りのつまみは、首振り角度切り替えのノブになります。

電源を入れるには、向かって右の「電子スイッチ」と刻印のあるメッキプレートに触れるだけ。
すると…



左下にある「1」のランプが点灯し、最低速(この頃流行した超微風)で運転が始まります。
後はタッチする毎に2→3→OFFとシーケンシャルに切り替わる…という機能です。
切り替えにはステッピングリレーを用いており、動作する度にガチャンと盛大な音がします。
メカが動いているぞ、という気分にさせてくれる面白い機能です。



タイマダイヤルの見える扉を開け、レバーを引くとタイマユニットが外れます。
これにも電子スイッチの文字のあるプレートが付いています。
そして隣には3本平行線のハーネスが。





これらを繋げれば有線リモコン機に変身します。
操作は同様に、リモコンの電子スイッチに触れるだけ。

実はこの分離型のリモコン機能、電子スイッチ以前からありました。
R30-X系の機種が搭載していたようで、ピアノスイッチ部分がごっそり外れてリモコンとなるものでした。

それに比べて、本機はリモコン機能に電子スイッチの恩恵を生かしていると言えましょう。
出力別のボタンが要らないので明らかにコンパクト化に成功していますし、それごと格納して目隠しするデザインにもできました。

そして面白いのは、電子スイッチなら配線一本とタッチ部分さえあれば良く、分岐は容易です。
なのでリモコン格納部の蓋には、裏に接点があります。
蓋を閉じると通電し、蓋の表のプレートがスイッチとして機能する…という仕組み。
現代なら「ふーん」で済んでしまう機能ですが、当時としてはかなり異色というか画期的だったのではないでしょうか。

という事で、今年の夏はこれを整備して使いたいなぁ…と思っております。





まだだ ! まだ終わらんよ !
これだけでは「昭和の面白メカ搭載家電」の紹介で終わってしまいます。
もう一歩…いや、二、三歩? 踏み込んでみましょう。
電子コンパックも中々深い沼ですよ…

まずは電子コンパックについて、私が現時点で把握・予想している機種一覧を記しましょう。
資料は三菱電機が公開している、「三菱扇風機 形名順 販売年度一覧表」。
同シリーズは1968年のR30-SXから始まり、1970年代前半まで展開されたようです。


・R30-SX系
 SX~SX5、SX4のみ欠番だが実機は存在する(SX2の廉価版との事)
 電子コンパックの最大派閥(本流?)
 SXだけが金属製モートルカバー仕様
 旧設計の最終型と思われる

・R30-SF系
 SF, SF5, SF6の三種
 SF2~4は欠番
 72年発売のSF6が最後の電子コンパックかも

・R30-X系
 電子スイッチ以前からのリモコン機能搭載シリーズ
 高級ラインと思われる
 その内電子スイッチ仕様なのはSX10だけらしい


こんな感じです。
シリーズ通しての特長としては、信号機カラーの出力インジケータがあるという点でしょう(初代・SXだけはアンバー色統一)。

ここでまず面白いのは、リストに無いSX4が実際には売られており、割と簡単に入手出来てしまった事(詳細は後述)。
そしてX系では、10番目に当たるであろうX10だけが電子スイッチ仕様になっているらしい事。
X系はそれだけ見ればかなりの機種が展開されており、全て同系ならば83年のXZまで続いています。
その中で特異的に一機種だけがそうなった…と言うのが不思議です。
69年発売なので、同年のSX2と一緒に展開したのかなとも。

では次に、私が沼に足を踏み入れた出来事を…



そもそもの事の発端は3年ほど前。
R30-SFを入手したのに始まります。



こちらです。
今30~40代の方なら、「祖父母の家にあったorまだ現役」と言った感じの機種ではないでしょうか。
新しめ(当方比)なので上記の製造年一覧にも載っており、それによると1970年(昭和45年)発売との事。
最大の特徴は当然ながら「電子スイッチ」。
型式名サフィックスの「SF」は、まさかScience Fiction…?
なわけ無いか。



操作部の寄りです。
右下の長方形メッキボタンが電源スイッチで、これを押す(この表現が重要)ごとに首にあるランプが順に点灯、速度が切り替わっていくという仕組みです。
上記のSXと同じくシーケンシャルミッションというか、バイクのロータリミッションみたいな動作ですね。

しかし…これは正直、機能が面白くて買ったもので状態は今一でした。
ガーニッシュのメッキは剥げてるわ、モートルケースのプラは劣化してコナフキンになってるわ…
それでやる気をなくしてお蔵入りとしていたのですが、今年に入って話が動き出しました。



それなりに程度良いの同型を入手したのです。
色まで一緒で双子のよう。まぁそうなんですけど。
で、本来なら入れ替えで手放そうとしたのですが…動作確認した際の感触が何か違う。
こちらはスイッチがタッチ式なのですが、先に来た方はしっかり押し下がったような…



気になったら最後、確認してみるまで気になりっぱなし。
ともかく底面を開けてみると…





上が先に来た方、下が後から買った方です。
普段は金属ボデーに回路らしい回路も無い機種ばかり扱っているので、扇風機の中にプリント基板あがると新鮮に感じます。

思った通りスイッチが全く異なっており、それに伴って基板上の実装部品まで違っています。
トランジスタの世代すら違う。
先に来たのは今も一般的な樹脂パッケージですが、後から来た方はメタルカンパッケージ。

全くの同型で製造番号すら一緒(恐らくシリアルではないのでしょう)なのに、こんな地味なところが違うとは…
これだから古い家電集めは面白いのです。

さて、外から見たり使ったりする上で何が違うのかと言えば、「スイッチが押し込めるかどうか」。
つまり物理接点が有るか無いか…接点有一郎と無一郎。読みは「ありいちろう」と「なしいちろう」?

この記事を書こうとした時には放送前だったのに、もう最終回ですよ半天狗殿。
玉壺殿はもう少し引っ張るかと思ったのだが…やはりネタ枠だったか。
だがそれも良し。

さて、無一郎はタッチ式なのでボタン自体に導電性があり、触れると冷たい金属キャスト製。
で、当然繋がっている線は一本。
それに指が触れた事を基板のトランジスタで受け、最終的にステッピングリレーが動く仕組みです。
トランジスタの簡易チェック方法として、テスタで通電しつつベースに指で触るというのがありますが、たぶんそういう回路なのでしょう(適当)。

一方の有一郎は、安心確実なマイクロスイッチ式。
スプリングでモメンタリ動作になっているプラ製ボタンを押すと、マイクロスイッチが内部で押されてリレーが動きます。
そのためトランジスタも数が減っており、回路自体が簡略化されております。

じゃあ何でこんな違いが生まれたのさ? という点についてはいくつか予想が付きますが…
時間が経って更なる混乱を呼ぶ事態になってしまいました。



記事の構想を練っていた3月頃には、2台のSFしか無かったのです。
しかし今では一族が両手程にまで増えてしまいました。
だって安いんだもの。

で、この3台は全て「R30-SX2」。
ですが単なる色違いではありませぬ。



ピンク羽根:独立タッチスイッチ(恐らく本来の姿)



紫羽根:集合タッチスイッチ



青羽根:独立物理スイッチ

…全部違うやんけ。もう訳が分からん。
そして案の定、裏蓋の回路図と製造番号は全部一緒。
R30-SFが時透兄弟ならSX2は半天狗殿か。だと1台足りないな。

という事で、そうなんです。
この電子コンパックシリーズ、どうも「同型なのにスイッチが違う」というパターンが多々あるようなのです。

SX2以外にも、無理矢理物理スイッチ化されたお陰で、誤操作防止ロックが表示だけ残っているSX3なんかがあります。
そして存在自体が謎なのがこちら…







R30-SX4。
公式の製造年一覧に存在しない、欠番の機種です。
これがSX2の4台目になる…かな?
というのも、裏面のモールドを見てみると…



R30-SX2。
見た目もそのままですが、正体はSX2のリネームなのです。
それも化粧パネルの型式名の上からシールを貼っただけ…
剥がすとSX2って書いてあるんだろうな。
ベルファイアのステップ部エンブレムみたく。
なお、本来連番となるSX3は右端に一個ボタンorタッチスイッチがあるだけで、インジケータは首に縦並びとなっています。

欠番の理由は、参考としたリストはあくまで事故防止目的に急ぎ掲載された経過年数一覧なので、単に資料が出てこなかっただけの可能性があります。
あるいは裏面モールドのように「私の本当の名はSX2だ」という事で、管理上はSX2に含まれているのかも。

しかし依然として、何故か1個飛ばした機種の焼き直し的に販売された…というのが府に堕ちません。
SX3は大胆にボタン集約オンリーのデザインとしたので、不具合があった時の対応が難しかったのでしょうか?
実際、物理ボタン化されたSX3もあるので、パッソセッテがコケて(失礼)シエンタが復活した時のように、ピンチヒッター的復活だったのかもしれませんね。

…あれ、CM見た時から「これは…」と察したもんなぁ。
そういう不人気車は大好きなので、決してdisる気は無いのですが。


6/18追記
コメントにて情報を頂きました。
SX4はSX2の廉価版との事で、元箱もSX2のままだったそうです。
なので、「扱い上はSX2に含まれる」が正しいようです。


という事で、以上のように妙な仕様変更をされた個体が散見されるのが電子コンパックの沼なのです。
引き続き追っていきたいと思いますが、「どうしてこうなった」は今のところ下記を予想しています。


1.リコール的な修理が行われた

今でも車でよくあるリコールですが、タッチ式という当時先進的な機能を家電に盛り込んだわけですから、不完全な部分があったとも思えます。
それが回路上の設計の話で、例えばタッチスイッチの繋がるトランジスタがしょっちゅう壊れる(静電気等々)とかがあれば、メーカーとして補償した可能性もあります。
その際に物理ボタンに変更され、改修前後でこのような違いが生まれた…と言うのはどうでしょうか。

販売期間的に大きな違いがあるでしょうが、初代ファミコンのボタン修理が似たような事例でしょう。
初期の四角いゴム一体成型ボタンは耐久性に難があり、途中からは修理にもマイナー後のプラ製丸ボタンが使われるようになった…というアレです。
回路は変えずとも金型改修を要し、改修前後で姿が変わってしまったという点が共通しています。

疑問点としては、単なる改修としては手が込んでおり、馬鹿にならないコストがかかった手法であろうという事でしょう。

なお、回路側の変更はさほど難しくなかったものと思われます。
R30-SXに限らず、同シリーズには有線リモコン搭載機が多くあります。
SFならΦ3.5ジャックの脱着式が、SX系もSX2以降なら、右側化粧パネルを開けると非脱着式のそれが収納されています。

SX2以降のリモコンがそもそも物理スイッチなので、その機能は元より実装されているのです。
タッチ式から物理式へ改修する事を考えれば、単にタッチ式に使うパーツを外せば良い訳です(アースやバイパス等の処理はありますが)。


2.本当に単なるマイナーチェンジ

これは言葉通り、故障率や製造コスト等々から単純にマイナーチェンジが入っただけという予想。
最もシンプルですが、可能性は十分にあるでしょう。

回路部品の年代が具体的にいつ頃、というのが今一把握しきれていないのですが、同じプリント基板から部品が省略されているという点も含め、SF有一郎の方が新しいのは確かなはず。
上にも書いた通り、修理として捉えた場合にスイッチ部品の素材・構造が変わっていますから、成型方法の違いから金型を新たに用意したはずです。
ボタンの戻りスプリングやマイクロスイッチのステーをはじめとする一連の交換・追加部品が「リペアキット」として開発されたのか疑わしい…いうのが理由になります。

SFの翌年・翌々年に発売のSF5・SF6も、それまたスイッチ周辺のデザインが異なる者同士のようです。
そのため、「この一機種を直すために、わざわざしっかりコストをかけてまでリペアキットを用意するか?」という疑問が出てくるのです。

タッチ式スイッチにしても、電子コンパックの始祖はこの2年前に発売されたR30-SX。
2年とはいえノウハウが蓄積されているはずですから、新機種開発にあってはウィークポイントは改善するのが普通でしょう。
あるいは、初期生産分だけR30-SX他の余剰部品が使われた可能性もあるにはありますが…

そして、こちらの推測にも釈然としない点があります。
「電子スイッチ」という名称と刻印された回路図との不一致もそうですが、今一度R30-SFスイッチ裏を比較した写真を御覧くだされ…





ボデー側、グレーのプラのスイッチが収まる部分に、プッシュ式ボタン用のガイド穴が両者とも開いているのです。
タッチ式でボタンの上下しないSF無一郎の方にも、同じくボスの刺さる穴がある…これが謎なのです。
あたかも「物理ボタンに変更されるのが決まっていた」とでも言うような。

これはもしかすると、このR30-SF以前から同じ基台の金型を使った別モデルがあったのかもしれません。
それが物理ボタンを採用していたから設計と部品自体は存在しており、R30-SFで採用したタッチ式が「やっぱりダメだね」となって修理の際に先祖返りした…
なんてストーリーも考えられます。
そうすると、元からガイド穴があったりボタンにボスがあったりしても不自然ではありません。

または単に金型設計上開けた穴を上手く使っただけ…とか。
こっちの方が自然でシンプルか。

しかしながら、年表から似たような年式・型式をいくつか当たってみたのですが、これといった機種は該当せずでした。
本当に解き明かすなら、手当たり次第に似た機種を買って分解してみるしか無いでしょう。
現実的ではありませんが…


という事で、結果真相は忘却の彼方。
これも「古いモノにまつわるロマンの一つ」として楽しもうと思います。




いかがだったでしょうか。
いつも通りネタを放り込んでしまいましたが、理由のよく分からない仕様違いがいくつもある…という面白い発見がありました。
引き続き、電子コンパックの沼は探索を続けようと思います。
…戦前機種に比べて安上がりでもあるし。

しかしプラの劣化が一番の悩みどころ。
1970年代の三菱製や日立製は、モートルカバーのポリ系樹脂がガサガサになっているのが多いのです。
おまけに臭いし。変質によるカルボン酸の臭いだそうですが…
なので現時点で言える結論は、

「電子コンパックは初代のSXが至高」
(シリーズ中で唯一プラ部品が少ない世代の設計で、デザインも良いから)。

これに尽きる。

次回はR30-SXのレストアになりましょう。
あるいは、第二回展示会のご報告。
展示会の方が先かなぁ。
Posted at 2023/06/17 22:48:45 | コメント(1) | トラックバック(0) | アンティーク家電 | 趣味
2023年06月10日 イイね!

超美品、「菊水形ガード」のレアな初期型 三菱電氣扇「16吋・甲型ギア仕様」(大正14年頃)

夏冬関係なく扇風機まみれな自室。
いつもならスギ花粉の時期はとっくに終わっている筈が、今年は特に鼻の調子が悪く、これも古い扇風機達(の塵)のせいかなぁと思う今日この頃でございます。
薬を再開したら見事に治まったというのが妙に腹立たしい…
また今週末から止めてみよう…

さて、そんな扇風機屋敷に新たな仲間が加わりました。



見ての通り、戦前の三菱電氣扇です。
目の細かいファンガードより、大正後期以降の物とまずは判断できましょう。
これは「菊水形ガード」とも呼ばれ、当時(三菱電機が神戸造船所内にあった頃)の広告に載っている名称です。
手持ちの昭和9年版カタログにも書いてあります。
古事記には書いていない。当然だ。

本来の名は「菊水形扇風機金枠」。
意匠登録第27365号で、大正13年12月29日出願、大正14年5月8日登録となっています。

そしてこの個体は、このアングルなら「羽根が真鍮無垢なのね」という程度の特徴ですが…



背面。ギアボックスにご注目あれ。
なんと甲型ギアではありませぬか。
大変レアな「神戸時代・甲型ギアの16吋」なのです。

もうこの辺は好きな人じゃないと通じないディテールになりそうですが、見つけた時は感動したものです。
何しろ、「三菱の16吋型は名電以降」とばかり思っており、まさか神戸時代からあるとは思っていなかったので。
いや…もしかするとそれなりに出会っていたかもしれないのですが、記憶に無いのです。
不勉強なだけだったら失礼…

とはいえこの個体自体も興味深く、隣県からワンオーナで出て、尚且つ大変オリジナル度が高い。
一見して奇麗なのがその証です。
そもそも未再生個体でファンや銘板が光っているのが奇跡的。
ビス類も手を付けた様子が無く、電線のスプリングも全く無傷。
痛みやすいパーツがほぼ完璧なまま揃っている…これだけでも価値大です。

強いて挙げれば、首振り切り替えのノブが無いという点ですが、これには秘策があるので大丈夫です。



では、いつものように「これはどんな製品か」を考えてみましょうか…

三菱電機がその社名で扇風機製造を開始したのは、「初号扇12吋」がデビューした大正9年以降。
それ以前は三菱造船または三菱造船電機製作所の名で出ておりました。
日本語名と英語表記は切り替わりにズレがあったようで、日本語で「三菱電機」と説明書にある一方、銘板の英語表記は「Mitsubishi Electrical Engineering Co.」が暫く続きました。
名電移転かそれ以降に「Mitsubishi Electric」に変わったと見えます。
扇風機自体は大正7年からスタートとの事なので、純粋な造船銘を冠したのは2年に満たない短期間だったようです。

そして三菱造船から独立を果たし、名電こと名古屋製作所へ拠点を移したのが大正10年であり、名電での扇風機製造開始は昭和9年からだそうです。
この辺の動きが大変目まぐるしく戦前の古い時代という事もあり、製品への記名と実際の製造拠点、製造年との兼ね合いははっきりしません。
とはいえ大体こんな感じとの事です(以前三菱電機へお聞きした結果より)。

そして国産扇風機全体のトレンド変遷を考えてみますと、概ね下記のようになります。


1.
明治末~大正初め頃、本体黒塗装・真鍮無垢ファン・雷光ガードで各社スタート

2.
大正末~昭和初め頃、事故防止のためガードの目が細かくなる
と同時に、ファンを塗装仕上げとする流れが起きる

3.
戦時中は軍向けの製造へ注力し、戦後はファン・ガードのデザインと色の変更から再スタート
これら大幅なMCは、進駐軍からの要請に答えたもの(工業デザインの採用)

4.
素材が変化し、金属は鉄・亜鉛合金からアルミ合金となり、ファンを皮切りにプラスチックの割合が増加
昭和40年代終わり頃には全体がプラ製の機種が登場


それに本機を当てはめれば、2の時期にあたります。
芝浦製作所で言えばガードネット(鳥籠型)や煽風型、睡蓮の出始めた辺りです。
その上で菊水形ガードの意匠登録年を重ねれば…大正14年頃で間違いないでしょう。
やはり意匠登録や実用新案の記録が残っているのは、年代推定の大きなエビデンスとなります。

ところで、芝浦が初の細かいガードであるガードネットを意匠登録出願したのは、大正14年5月19日。栗花落さんは三十路になったくらいか。
一方三菱の菊水形は年の瀬も迫った前年12月29日出願で、芝浦のガードネットが出願される9日前に登録されています。

もしかすると、両社バチバチの改良バトルがデザインでも繰り広げられたのかもしれない…そう考えるとアツいですね。
ガードネットから煽風型の間が3か月弱しかない、と以前書きましたが、妄想を膨らませば「三菱の菊水形を見た芝浦が梃入れしてきた」とか思うと更に…


なお余談ですが、本機(の12吋版)の設計は初号扇とほぼ同じで、ガードのデザインが最も大きな違いとなっています。
ですがオークション等の市場を長年見ていると、圧倒的に菊水形ガード仕様の方が多く出てきます。

単純に初号扇の方が古いからレアリティが高い、という事も言えそうですが、実際の製造期間をちょっと考えてみましょう。
初号扇のデビューは大正9年、そして菊水形ガード登場が大正14年ですから、初号扇の製造期間は多く見積もって6年。
一方、神戸での菊水形ガードタイプの製造は、大正14年から名電での扇風機製造が始まる昭和9年直前までの凡そ9年ほど。

その差は3年と結構大きいですが、初号扇の6年も、本当であればそれなりの期間です。
恐らくは、普及と製造力強化のタイミングによるものでしょう。
あるいは安全性向上のため、後から菊水形ガードに交換された個体もあったかもしれません。
そうすると銘板等も仕様は同じですので見分けはつきません。
なのでより正確に表現するならば、「ガードまでオリジナルの初号扇はレア」という事になるのでしょうか。

でもそうだったら、芝浦の雷光ガードが多数現存するのと矛盾してしまいますね…
まぁ、あちらも2000番台なのに睡蓮ガードの奴とか、大阪市電気局ガードとかありますし…


また本機の立ち位置ですが、他社の16吋同様に「家庭向きより業務向き」だったと思われます。
どのメーカも似たようなもので、16吋型の風はかなり強力で、風切り音も中々の迫力です。正にレシプロ飛行機の趣。
そしてかなり高価でもあったため、色々な意味で一般家庭にはオーバースペックだったと考えられます。
今で言うなら、リビング用に工場扇は買わないよなぁ、というイメージかと(値段はさておき)。

そのため各社とも16吋型は現存数が少ないのですが、そもそも後発となった三菱ではほとんどが名電時代のものと見えます。
ファンが塗装仕上げで乙型ギアなのが理由となります(逓信省型式認定がある個体も見られますので)。

そんな中で「実は神戸時代からあったんだぜ」と知らせてくれたのが本機でした。
いやはや、17年ほどオクに張り付いていながら知りませんでした。
こんな発見があるというのも、古物集めと考察が楽しい理由となりましょうな。


後は蛇足と言いますか、副産物的に発見した事もありました。
この記事最後の写真を撮るのに名電時代の機種を出してきましたところ、その銘板にあった実用新案・意匠登録番号が気になりました。
それで調べていたところ、昭和2年3月23日に「電氣扇風機」という同社の意匠登録があったんです。
番号は33296号。一台の扇風機全体を意匠登録したという事でしょう。

前にも書きましたが、神戸時代と名電時代では、同じ菊水形ガードでもスポークの数等が違うんです。
それに塗装仕上げとか諸々のMCが入った事を考えると、自分がここで「名電時代」と呼んでいるオールブラックのタイプは、この昭和2年以降の製造という事になる可能性が出てきました。




という事で、前置きがかなり長くなりました。
正しく蘊蓄コーナーに相応しいですね…

さて、既に奇麗な本機ではありますが更に輝いて頂きましょう。
レストアパート、始まります。
ガイアが俺にもっと輝けと…誰だお前。



まずはガードを開けてファンを外します。
もうこの時点で奇麗。
未再生でこれだけ光っているファンは初見です。

そしてロックのイモネジも全く荒れていません。
回しにくい位置なので、大抵はドライバを引っ掛けたササクレがあるのですが…
で、嬉しい反面注意が必要です。
当然荒らさないようにする事になりますが、長年触れていないという事は固着している可能性が高いという事。
案の定固まっていましたので、早々にCRCとトーチの出番でした。



これまた奇麗な袋ナットでございます。
次はこれを外すのですが、芝浦その他だと8mmソケットで行ける中、三菱だけは少し小さい。
恐らく6.5mmくらい…もしかするとインチかも(測ってません)。
なので仕方なく頭のすり割りを使いますが、これまたしっかり押し付けて荒らさぬように回します。
下手にモンキーを使うと、モートルケースをガリッとやりかねないので痛し痒し。
運よく緩み掛けで軽く回りましたが、ヒヤヒヤものですな…



マイクスタンドになりました。
次はモートル配線を外します。



奇麗な裏面。
フェルトの脚はさすがに虫食いが多いですが、それでも機能するだけ残っているのが奇跡的。
説明書きに至ってはほぼ完全な状態です。
真鍮ビスが黄金色なのも、最早恐ろしい程。
君は一体、どんな環境に保管されていたんだい? ちょっと教えておくれよ。



正直に開きました。
と、ここで思わぬ出会いが。

絶縁紙の代わりに、何かの公告らしきを切り出した厚紙が入っていました。
「人工頭脳テ」まで読めます。
バリオードや微調整、「テ」に続く見切れを予想すれば、「人工頭脳テレビ」でしょうか。

で、検索したところ…予想通り、ナショナルが販売していたテレビのようです。
「シリコン・バリオードを組み込んだ…」という紹介文もありましたので間違いないでしょう。
昭和35年のナショナルR7A「ゴールデンゲート」、14型テレビだそうです。

この紙は段ボールではなく、プラモの箱のような厚紙。
カラー印刷という点からすると、本の裏表紙広告かもしれませんね。
あるいはテレビに同封されていた説明カード的な。
こんな丁寧な手作り部材が入っている点からも、いかにこの個体が大事にされていたかが伺えましょう。



折角なので説明書きを正面から。
神戸時代の物は説明書となっています。名電以降は宣伝ラベルになります(それは後程)。
全文読めるだけでも貴重です。



碍盤です。当然ながら奇麗。
電源線は麻紐で抜け止めが施してあり、これはてっきり後施工かと思いきや…



モートル配線にも同じ施工が。
どうやらオリジナルのようです。
これは再現しなければ…
にしても奇麗な状態です。しつこいようですが、こんな状態の個体は滅多に出会えません。



ここでちょっと寄り道を。
最初から気になっていた首振りのノブ…これ、ノブが無いだけでなく、切り替えの上下動がスカスカなんです。
それで蓋を開けてみた(幸いにも手で開けられる状態でした)ところ…
スプリングが何か変。





取出して洗浄。残念ながら折れていました。
しかし曲げた跡もあり、何とか機能を維持しようと前オーナが努力された形跡が見えました。
本当に君は大事にされたんだなぁ。



断面の寄りです。
色は白っぽく、細かい凹凸のある平面な断面なので、ほぼ間違いなく自然に折れたのでしょう。
後で代わりの部品を作ってあげましょう。

さて、神戸時代の三菱電氣扇は次がまた難所です…



既に終わった後ですが、三度奇麗な捻子頭。
三菱はモートルケースの留めボルトがすり割りビスとなっており、リア側はマイナスドライバ強制です。
これを何とか傷めずに開けなければいけませんでした。
名電時代になると、すり割り+六角頭のボルトとなって回しやすく進化しています。

三菱に限った事ではないのですが、古いマイナスビスは溝幅が狭いのが普通です。
なので、現代だとかなり細いドライバでなければ奥まで入らない事が多いのです。
そして錆や油で固着している事も多い。
無理に回そうとすれば、当然頭を傷めるわけで…
なので最近はジャンクのドライバを削り、歯を薄くした改造ドライバも使うようになりました。
これが神経を使う理由です。



開きました。1か所だけちょっと荒らしてしまいましたが、最初から油と熱で攻めた結果の勝利。
そして見慣れぬ位置にグリスが溜っています。



エンドベルの裏面。
軸から漏れたか、補充の際の何かなのか。
これまで経験無い箇所の堆積です。



ではギアボックスの洗浄に入りましょう…
の前に、折れていたスプリングの再生を。
上手い具合に合う線径のSUS針金があったので、数度トライしつつこんな感じになりました。
小さい曲げ箇所は、ビシッと奇麗にはいかないものです。
ペンチを当てたササクレは取り付け前に整えましょう。

純正品はバネ鋼を使っているらしく、かなりテンション強めです。
本当は同程度にできれば良かったですが…線は手に入っても曲げられんだろうな…
適した工具か治具が必要かと。



こんな風に嵌ります。
そして左側のシャフトの太い部分、この平面にスプリングの直線部分が沿うのです。
そうすると首振りONとなり、途中で無理がかかるとスプリングが広がって空回りし、保護クラッチの役割を果たします。
理屈は同じながら、乙型で登場する板バネ+ボール式の方が、他社でも取り入れておりメジャーでしょう。



洗浄完了しました。
三菱の甲型はしっかり分解できるので、洗浄もしやすくて助かります。
遊星ギアの台座まで外せるのが素晴らしい。
遊星ギアは2個ある内の1個が単なるスペーサとなっており、簡略化してあります。
これは過去に修理した12吋も同様なので、コストを抑える工夫でしょう。
扇風機の首振り程度の負荷であれば、何も真面目に2個入れる必要も無い…という事かと。



カムに繋がるギアも小径なので、古いグリスの取り残しは最小限に留められます。
普段芝浦ばかり扱っていると有難みも一入。





こちらは遊星ギア上部のプレート。長年の運転による摩耗痕が両面に見られます。
中央の削れは上に重なるクラッチ付きヘリカルギア、左右穴の削れは遊星ギアによるもの。
裏返して組もう。



途中経過です。
この様に遊星ギアは一個だけ。



追加のグリスは本体組み立ての際として、とりあえず蓋をします。
そしてノブが復活しておる。



はい。今回の自作コーナーです。
この個体は最初に書いた通り、首振り切り替えノブだけが惜しくも欠品でした。
ビスが残っていたため割れてしまったか何かでしょう。
なおビスは左捻子、これも無かったら地味に一大事です。
初号扇は右捻子ですのでMCが入っています。

本題ですが、甲型ギアという事でノブ形状は乙型と若干異なります。
少々薄手の作りなんですね。
で、初号扇12吋のノブを型取りして、プラリペアで複製してしまおうという作戦です。



両面型を作るのは面倒なので、表面だけ型取りしました。
後は適当にプラリペアの黒を盛って固めます。
手で触れる部分だけに、塗装すると剥げてくるだろうな…という予想より、初めから黒成型してしまいます。



とりあえず抜き出し。
流石に型取りしただけあって、これだけで結構な再現度です。
後はバリを取り、裏面を成型すればOK。





成型は「轆轤引きごっこ」で。
DIY系ライフハック動画に出てきそうな感じですね。

こうしてドリルに付けて回し、棒ヤスリを当てて均一に削るのです。
初期の旋盤にも似たやり方です。長いバイトを手持ちしていた頃の。





はい完成。
少々裏面が雑ながら、ほぼ再現できたのではと思います。
強度も樹脂なので不安は残りますが、プラリペアはABSが主なのでまぁ大丈夫かと。
後は削った面にリキッドを滴下して、表面を均せば仕上げ完了でしょう。

…と言うのがさっきの写真になります。
偶然にもスプリングも自作で純正よりテンション弱めなので、プラ製ノブとの相性は良いでしょう。
もしかすると、スプリングが折れた原因とノブが失われた原因は同じかもしれませんね。
転ばしてしまったとか。



続いてファンの再生に入ります。まずはクリア剥離の図。

過去に再生歴の無さそうな未再生品で、ここまで奇麗な物は出会った事がありません。
という事は、元々何等かの処理がされていそう…と予想すればその通り。
ニスかクリアが塗ってありました。
それが功を奏し、この状態が維持されたようです。
とはいえ、半端にはがれて斑状態になっている個体も多いため、却って仕上りにも邑が出るのが定番だったりします。





そして酸化膜除去完了。
もうこの時点で相当な奇麗さです。
今回は液体ピカールのみで十分でしょう。
あまり番手の低い物を使えば、むしろ傷を増やしそう。



一番状態の悪い裏面の一枚でもこの程度。



一枚磨きました。この輝き、素晴らしい。
三菱の羽根は特に光沢が出ますが、ベースの状態が良かったので文字通り磨きがかかりました。





ものの一時間で完了。
いつもこうならどれだけ嬉しいか。
まぁ苦労したらしたで達成感もあるのですが…



と、何故かファンから手を付けてしまったので、急ぎ本体を組むべく清掃を開始。
此方はモートルケース。
とはいえ、これまたパーツクリーナだけで済んでしまう状態の良さ故、サクサクと完了できました。





この輝き(2回目)。
三菱製は漆焼き付け塗装を売りとしていたので、状態の良い個体を引くと本当に素晴らしく光ってくれます。
単に油汚れを落として空拭きしただけなのですよ。

なお取っ手はビスが固まっていたため、無理せず外さないまま清掃。
天面を向いている一番上にあるビスなので、痛めてしまうと目立ちます。



続いて基台も。
銘板以外が終わった状態。



銘板近影。
しつこいようですが、未再生できちんと真鍮の色が出ている物は非常に稀です。



なので磨いても大幅な変化は無し。写真だと特に…
とはいえちゃんと光沢は出ています。



スイッチ銘板もこの通り。



こちらはグリースカップ。
元から黒塗装だったようですので、今回はこのまま清掃だけとしました。
フェルトが珍しく赤っぽいのは元からの色でしょうか…?
あるいはグリスに染まったか。



ファンガードもほぼ清掃や補修の必要無し。
ここまでやってしまって、ファンに油を塗らないとひと段落とは行かないのです。
酸化防止のため。



後は仕上げ作業のようなもの。
軽くファンガードの汚れを落とせば、エンブレムを磨くくらいしかありませぬ。



できました。
細かいですが、神戸時代の三菱電氣扇はエンブレム全体が真鍮無垢。
名電以降、ファンが黒塗装の個体はエンブレム周囲と裏面も塗装仕上げです。
今回は裏面もかなり奇麗でしたので、固定爪で入り組んでいる事も含めて敢えての手つかずとしました。
油を塗っただけです。





そして完成。コントラストの効いた仕上りが素性の良さを物語ります。



今回も電源コードはオリジナル。
プラグは破損は無いながら歯がぐらついていたので、松下のダイヤカットタイプに交換。
逓信省認定アリなので時代は少々後ですが、M矢マーク入りでもあります。
時々出てくる、ちょっと特別なプラグなのです。

このプラグは好きなのですが、自社製を持たないor松下製家電にしか使いたくないのがネック。
例えば芝浦はマツダブランドのプラグがあったので、手持ちがあればついそちらを使いたくなります。



最後に比較写真を撮ってみました。
まずは迫力の16吋並びです。
オールブラックの方は名電時代、昭和9年版カタログに掲載のタイプとなります。
こちらは銘板形状等、同じ型でもいくつかマイナーの違いがあるようです。



背面。昭和9年の方は乙型ギアが無事を保っている貴重な一台になります。
これは結構前に入手した個体で詳細を忘れていたのですが、今回のものに劣らぬ美品でした。
で、裏面を見てみたのですが…





これが宣伝ラベルになった名電以降の貼り紙。
染み一つ無いミントコンディション。
フェルト脚もこんなに綺麗だったんですね。





甲乙ギアボックスの違い@16吋。
こうして並べると、漆の色合いも違いますね。
神戸時代の方は若干茶色く、鉄の下地も透けている箇所があります。



続いて同時期の大きさ違い並び。
外装仕上げも同じなので兄弟か親子のようですね。



そして冒頭にも書いたギアボックスの違い。
奥の16吋はギアボックス側面に軸の逃げがありますが、手前の12吋にはありません。
内部のギアまでは比較していませんが、少なくともケースはそれぞれ専用品だった事が分かります。





後は銘板の仕様。上の写真が16吋です。
様式自体は同じようですが、電圧の数値部分が打刻式となっており、尚且つ空欄です。
そしてシリアルも、12吋が番号だけなのに対して16吋は頭に「L」が付いている。
LargeのLでしょうか。それとも単にロット分けなのかなぁ。




さて…これで一応、手持ちの戦前型はほぼ整備が完了しました。
まだ2、3台残っていますが、これらは急がぬ物故ゆっくりと取り組もうかと…

次はまた時代を飛び、今年の夏に使いたい一台に取り組みましょう。
今度は一気にハイソでハイテクな奴を。
いや、1960年代後半だからハイソはまだまだ早いか。
でもハイソカー的な意味合いなら合っている、そんな機種ですよ。
Posted at 2023/06/10 20:54:43 | コメント(0) | トラックバック(0) | アンティーク家電 | 趣味
2023年06月03日 イイね!

扇風機展、第二回開催のお知らせ ~HOLIDAY'S presents 菊菱工廠コレクション VOL.2~

昨年11月に道具屋ホリデイズさんにて開催頂きました、当方の扇風機展。
その第二回の開催は6月頃としていましたが、この度正式に日取りが決まり、フライヤーも完成しました。





6月24日(土)~26日(月)、11時~18時(最終日は16時まで)です。

今回のタイトルは「大正から昭和初期の国産扇風機たち ~似た者同士の集い~」。
前回が黎明期から昭和40年代頃までの歴史を振り返るラインナップだったのに対し、戦前の機種にフォーカスした内容としてみました。

そして「似た者同士の集い」という事で、僅かな違いを持つ機種を色々と揃えました。
それはサイズであったり、色であったり、機械的設計であったり…

展示機種はまだ詰めている所もございますが、現時点で23台の出展が決まっております。
当日にはもう少し増えるかもしれません。
前回と同じ個体も一部登場しますが、初めて展示するものも多くございます。


…という事で、非常にマニアックな内容となっております。
が、ご興味とお時間、そしてお店との遠近が許しますならば、是非お越し頂きたいと思います。
Posted at 2023/06/03 20:42:57 | コメント(0) | トラックバック(0) | アンティーク家電 | 趣味
2023年06月03日 イイね!

謎の「GM」エンブレムはオリジナル? 川崎造船 川崎型電氣扇(昭和10年頃)

「まさか2台目の川崎型を入手するとは思わなんだ。」
これが第一の感想でした。
実に14年ぶりに扱うオルビットシリーズです。
当時でも結構なお値段だったのが更に値上がりし、全く同じ物なら別に…という心境だったので。

そして珍しくオークション仕入れではございませぬ。
お声がけ頂いたのは道具屋ホリデイズさん。
「君以外には売らないつもりで仕入れたぜ(意訳)」という熱いメッセージを頂き、此方も答えねば無作法というもの…で購入いたしました。
いや、その個性や状態の良さから買わずにはいられなかったのですよ。流石の目利きです。

そして驚きなのは「川崎型が東北の市場で出た」という事実。
プロの古物商が品を売り買いする市場でも、東北では戦前製扇風機自体があまり出てこないそうです。
中でも初出しの高級機種は、オークション同様にほとんど関東以西から出てくるのです。
当時の経済状況や電気事情が主な根拠ですが、気候的な違いもあるかもしれません。
これも買った理由の一つなのですが…

とまぁ、まずは手入れ前の姿をご覧いただきましょう。





オルビット型としても知られる川崎造船の扇風機、「川崎型」です。
何だが落ち込んでいるみたいな項垂れ方ですが、丁度この位置で停止しただけなので仕方なし。
現状はロータの抵抗が大きく、モートルは唸るだけ。
ファンも曲がっており、ガードに接触してしまいます。

このシリーズは時期によって呼び名が異なりますが、この個体は川崎型なので昭和5年以降の型でしょう。
昭和5年に国の優良品認定があり、その際にオルビット型から名称を変えたらしいです。

「オルビット」は英国の会社で、正式には「Orbit Traversing Fan Co.LTD」というそうです。
その特許を使ったのが川崎の一連の機種でした。
なら「本家」はオルビット社製なのかと言えばどうもそうでもなく、同じ英国のVerityというメーカらしい。
オルビットの正式社名で検索しても、Verity製しかヒットしないのです。
或いはVerityはOrbitのブランド名なのかなぁ…でもMade Under Licence Fromって書いてあったし。

いずれにせよパテント料の関係でしょうが、川崎造船製は名称と共に機構も変化がありました。
この個体は前期型の二型とでも言いましょうか、ビッグマイナーが入った後の型と見えます。

次にファンの構造に注目。
前期型は一対の羽根を一体成型した部品を2枚重ねた構造が特徴ですが、この個体は一般的なハブ+個別の羽根をリベット留めする構造。
一見すると芝浦製あたりを流用したかのようですが、水滴形に近いシルエットは2枚重ねのファンとよく似ています。
Verity社のオルビットシリーズとも。

その形のファンは国産他社には無く、また後期型で同様のハブ式になりますのでオリジナルと見て良さそうです。
この意味でも「前期の後期」という事になるかと思います。
加えて昭和5年から昭和12年(布引製作所への製造権移管)までの間に後期型へのFMCも入ると考えれば、年数を割ってちょっと偏らせて大体昭和10年くらいかな、と判断しました。
…でもシリアルは先に買った方よりこっちが若いようです。もしかして逆か?

そしてこの個体で何より気になるのが「GM」のエンブレム。
本来は土星(のような輪のある天体)に「川崎型電氣扇」とリバーマークが入りますが…
これは見た事がありません。

ホリデイズさんも色々調べて分からなかったとの事で、自分も検索を重ねた上で川崎重工に質問させて頂いたのですが同様。
恐らくは百貨店仕様のような存在か、あるいはOEM的なものかと思いますが、正体不明です。
交換された形跡が一切ないため、後から適当な物に差し替えたのでは無さそうなのですが…
もし誰かご存じでしたら、ご一報くだされば有難いです
(みんカラブログはメンバー以外コメントできないので、Twitter・Instagram等でも構いません)。
GMというとシェビーとかの方が出てくるので、その点でも検索しずらかったり。

なお、百貨店では過去存在した店も含めて当てはまりそうな名前はありませんでした。
もしかするとブランド名なのかもですが、もうそこまで行くと片手間には追いきれませぬ。



それではレストアに参りましょうぞ。
もう長い事触れていない機種なので、慎重に…



まずはガードの外しから。
ファンはやはりオリジナルと見えます。
羽根の形状が水滴形に近く、そのようなメーカは他には無いはず。

少々曲がりがありますが、曲げ直してみれば真鍮ではなく鉄でした。
他社も真鍮無垢から塗装仕上げに変化した時期なので、目の細かいガードと併せて当時のトレンドと言えましょう。



この丸いモートルが川崎の特徴の一つ。
機雷というか何と言うか、ちょっとだけ不気味感を覚えるのは私だけでしょうか…?
だがそれも良い。



次に裏蓋。
富士電機同様、この形の川崎型はモートル配線が基台内部を通っています。
分解に当たっては配線を外したいのですが…これ、ゴム脚もオリジナルで触れた形跡すら無いですね。
凄い。凄く凄い。
そしてビスが見えない。ゴム脚の裏に隠れているようです。



という事で役立つのは先人の知恵…ならぬ先に来た個体。
こちらは所々状態が今ひとつで、裏蓋は見ての通り前オーナの木製手作り。
ビスも後年のプラマイビスに変えてあります。
ですがお陰でビス位置が分かりますので、ゴム脚の破壊は最小限に留めたいと思います。
本当は状態を変えたくない思いもありますが、開けなければ再生が進みません…一つの割り切りです。



上手く行きました。
製造以来、凡そ90年ぶりに開けられる裏蓋…
って、ゴム張り付いてんな。おまけに絶縁紙も。



一応、ダメージを最小限に抑えようと努力した結果です。
絶縁紙は芝浦や三菱と違って油紙的な物でした。
基台へ残った方も奇麗に剥がして、最後にはきちんと補修したいと思います。
この辺の構造を見ても、やはり売れ線のブランドは作りが良いと感じます。
メンテまで考えてあるという点で。



紙剥がし完了。
これがフルオリジナルの川崎型の基台内部です。
単相隈取り巻き線のモートルなので、線も2本。
よって自ずとトランスも小さくシンプルになり、すっきりした内部となっています。
スイッチもオリジナルで状態良好。
先に来た方は接点が失われており、捩った銅線で代用してありました。
なので自分自身、オリジナルの接点金具を見るのは初めてです。



スイッチ部の寄り。
配線の端末処理は、今や貴重な当時施行の折り返し式。
これが綿打ち・袋打ちの正式な作法なんです。
糸で縛るのも当時から多かったですが、本来はこうするのですぞ。



トランスを除けてスイッチを見やすく。
この電源コードも当然オリジナルですが、初めから結んで引っ張り対策をしてあったのですね。
また、モートルへ行く線にも紐がかけてあり、トランスの固定ボスに引っ掛けてあるのが面白い。
これも引っ張り対策でしょう。

ロータリスイッチですが、見ての通り右回転しかできない構造です。
表のスイッチ銘板にも右向きに矢印が書かれています。
ここの手入れもしたかったので、裏蓋は開けざるを得ませんでした。
それにしても配線も奇麗な状態。良いですね。

加えて結線がスイッチ端子のみで済んでいるので、ビス・ナットを外すだけなのが楽で良し。
単相モートルの恩恵の一つかと。



これでモートルを外す準備は整いました。
ですが軽くする意味もあり、先にロータを抜きます。
写真はそれにあたって首振りギアをバラす段階。
スクリューギアとヘリカルギアの噛み合いがありますので、先にギアを外さないと抜けないはずです。
…抜けなくもないかもですが、痛めたくないので。



前回がもう14年も前なので、構造も覚えておらず。
よって初めて見るつもりで慎重に進めます。
まずは無事にギア周りが取れました。
グリスは茶色くなっていますが、固まらず粘度が落ちる方向に変質…これがまた臭い。



エンドベルが取れました。中々なホコリです。
誇り高い…違う、そうじゃない。
前期型のステータは隈取巻き線が特徴的です。





いよいよもってモートル分離。
ステータの入ったケースは、単体で見ると余計丸さが際立ちます。
配線が布巻きなだけに爆弾と導火線のようです。



ギア周りを洗浄しました。
普段目にしない構造の首振り機構です。
川崎の前期型はモートル後端のリングを回して首振りの作動・停止を切り替えますが、改めて部品を眺めると色々と意味が分かってきました。
いや、前回はそこまで考えずに進めたもので。

首振り作動中から停止にする場合…
リングを回すとモートル軸の後端に接しているピンのテンションが抜けます。
ピンの前にはスプリングがあり、スクリューギアをモートル軸へ押し付けています。スプリングを後ろに下げる動作です。
するとスクリューギアはヘリカルギアとの噛み合い・回転で次第に後ろへずれて行き、モートル軸との凹凸勘合が外れて首振りが停止します。

…成程。よく出来ていらっしゃる。
普通のノブ上げ下げ式なら、シンプルにクラッチの入り切りなので分かりやすいですが、これは中々凝った機構ではないでしょうか。
わざわざ軸とスクリューギアを分けた理由もここにあったんですね。



こちらはエンドベルと一体のギアボックス。清掃完了後です。
こうして見ると、XYZの三軸方向に開口されているんですね。





ロータも奇麗になりました。
川崎型はスクリューギアが別になっているので、ロータには凸型の接手があるだけです。
例によって通気孔がありますが、よくある4つ穴と違ってこちらは小径の6つ穴。
その全てが蛾の繭跡で塞がっているという、これまた珍しい状態になっていました。
どれか一か所ならしょっちゅうなんですが…数が多い上に満室だったとは。
何れも退去後でしたため、単なる繭だったのが幸いです。





こちらは基台とモートルを支えるY型アーム。
本当はこれも分離したかったのですが、イモネジを外してCRCを吹いても全く動かず。
2本ロッドの機構もあるので、無理して分解しない方が良いパターンでしょうか。
パーツクリーナ流し込みと注油でスムーズになりましたので、それで良しとしましょう。
少々スッキリしないですが…あるいは、こういうことも、ある。ねぇケーニヒさん。

下の写真は首振りカム本体。
本来はロッドの繋がるステーと分離するのですが、油の固着でこの時点では外れず。
ちょうどギアボックスを下面から塞ぐ構造のため、油溜めとなるよう深い皿型になっています。
まぁそれ自体は芝浦や三菱も同じですが、かなり深い造りです。
そしてこれがほぼ平面になる位にはグリスが堆積していました。



次は本体の磨き。
塗装が何であったかは最早覚えておりませぬが、状態は良さげ。
点錆も全体に渡っているものの、それだけなのでむしろ良い味を出しているくらいです。
そして磨いてみればイイ感じの輝きに。



此方はスイッチ銘板。
構造上擦れやすい部分ですが、若干薄くなっているだけで状態良好。
アルミ銘板なので大して磨く必要もなし。



本体銘板も同様。
手を付ける前でこれなので、本当にさらっと磨く程度で済みました。
アルミ銘板はこのように奇麗なままの物もあれば、白く粉を吹いて腐食してしまい、真鍮銘板より却って手の付けられない事もあります。
真空管ラジオだとこのパターンが多いですね。





続いてモートルケースも磨きに入り、一気に組み立てまで。
ここが光ると丸さがより強調される気がします。
しつこいようですが、絵に描いた爆弾フォルム。
あるいはボム兵。結局爆弾じゃないか。



ロータを戻してギア回りも組みました。
組付け自体は問題なく終わりましたが、動作確認で不調が発覚。
首振り動作をさせると途中でカリカリ言って止まる。
どうも切り替えダイヤルのロック部が軽く摩耗しており、テンションが微妙に弱い模様です。

あとはモートル軸と接しているピストンとの接点…ボールが入っていて抵抗とならぬよう工夫されているようですが、それが摩耗してしまい「押し」が足らないのも原因らしい。
何度か組んではバラしをして、ワッシャをいくらか挟んで調整しました。
少ないと噛み合わず、多いと首振りOFFでも引っ掛かる…微妙な調整でした。

本当はボールなら良いんだろうなぁ。思い切り軸の端面に当たるパーツなので。
しっかりグリスは入れましたが。
まぁメンテ無しで長時間運転とかしなければ大丈夫でしょう。



一瞬パンケーキか何かのようですが、裏蓋です。
分解時に破けてしまった絶縁紙を貼り直しましたが、思いのほか上手く行きました。
これだけちゃんと残っている個体、どのくらいあるのでしょう…実は結構あったりして。



蓋を戻しました。
分解時にも書いた通り、ビス穴の箇所だけゴム脚を切り欠きました。

これを組んでいて思ったのですが、ゴム脚は元はコの字断面の縁ゴムになっていて、絶縁紙の端を包むように取り付いていたようです。
ビスを回す時には捲っていたのでしょう。



こちらはグリースカップ。
元から奇麗でしたので、磨いた後の仕上りも自然になりました。
給油の軸は定番のフェルトではなく毛糸か紐のような感じ。
しっかり押し込まないと軸に接しないような…



この後、本体は分解時の写真通りの戻して作業完了。
ファンの磨きもありませんのでエンブレムの再生に移ります。

本来の川崎型ではこの部分もアルミですが、この個体のGMエンブレムは真鍮製。
やはり何らかの特別仕様らしいです。
サイズと厚み(本来のは凸型に反っています)が足らず、少々遊んでしまいます。



真鍮銘板と同じエッチングだからか、磨くとどうしても陰刻部が薄くなります。
いや、細いバフを付けてリュータでも使えば良いのでしょうが…どうも面倒でして。



で、こうなりました。
再生施工です。
前回の芝浦2024型から少々手法を変え、より良い仕上りを目指してみました。





そして完成。最初のしょげた感じが一変して自信を取り戻したかのよう。
エンブレムの仕上りも良い。酸化防止の油を塗れば、もうオリジナルと変わらない見た目に(自画自賛含む)。



スイッチつまみも清掃だけでこの通り。
矢印の白塗装がほぼ完全に残っています。
ロックのイモネジは最初緩んでいて、つまみも引っ張るだけでスッと抜けたのですが…
よくぞイモネジ共々残っていてくれました。



首振り切り替えのリングです。
ヘッドと言いますかエンドと言いますか、この部分だけ真鍮無垢なので磨いています。
リングは鉄なのでそのままに。

ここにもよく見るとマークが付いており、今の切り替え状態が分かるようになっています。
…と言ってもかなり小さいですが。
ここも新品時は白か何か塗ってあったのでしょうか。
真鍮のエンドには微妙に残っているようにも見えます。



特徴的なバックショットと2軸リンク。
やはり川崎型はこのアングルが映える。
バエるじゃなくてハエる。

なお、前期型で首振りをストップさせると上下方向にも固定されてしまうので、基台と真正面を揃える場合は「仰け反り」「俯き」のどちらかになります。
後期型は個別に切り替えができたようなのですが…扱った事が無いので詳細不明。





電線・プラグは付属してきた物を再利用。
電源線は一部表面が解れているので、本当なら交換したいところですが…基台内部の写真の通り、端末処理の美しいオリジナルらしきものでした。
なので敢えて使いました。
一応それ以外は無事っぽいので。

また、本体とプラグの各境目にはスプリングが入っていました。
芝浦等とは異なる巻きの粗いタイプで、鉄製が故に数か所折れていました。
これも何とか無事な部分を使って残しました。
元々はかなり長かったようです。
川崎重工所蔵の個体は、モートル配線のぼぼ全体を覆う長さの様に見えました(写真を見る限り)。









では最後に、元から居る方と2ショット。
同じ機種なのでエンブレム以外はほぼ一緒です。
ファンの構造が違うくらいでしょうか。

とはいえ状態の良さは今回の方がかなり上でした。
首振り機構の消耗以外は…
当初曲がっていたファンも良い塩梅に修正でき、ブレなく回るようになりました。
当時は噪音とされた単相モートルの軽い唸りも、今では心地良い響きです。



さて次回…

いきなり現れた「甲型ギアの神戸製三菱16吋」、地味ながら初の存在確認。状態良好。

です。
…あんまりロボアニメっぽくならなかったな。
それ狙ってたのかよ。
Posted at 2023/06/03 20:28:35 | コメント(0) | トラックバック(0) | アンティーク家電 | 趣味

プロフィール

「仕上げ進行中 vol.2 http://cvw.jp/b/2115746/48592454/
何シテル?   08/10 22:31
菊菱工廠と申します。 「工廠」なんて言いましても、車いじりは飽くまで素人。 電装系なら結構自前でこなします。 ちょっとした金具作りなんかも。 ナ...
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