• 車種別
  • パーツ
  • 整備手帳
  • ブログ
  • みんカラ+

菊菱工廠のブログ一覧

2025年01月19日 イイね!

サバーバン、再生進行中

昨年9月末、サバーバンが鈑金屋さんへ旅立ってから3か月半…
ショップ社長より新年のご挨拶と共に、待望の続報をいただきました。

いよいよ塗装へ向け、現在はボデーの朽ちた部分を補修していただいているとの事。
メタルワークと言われる作業です。
これが始まったという事は、後は塗装まで一気に進むかな…と期待が高まります。
工程や場所の占有を考えてもそうかなと。
本日はいただいた写真と共に、現況をご紹介したいと思います。

なお、鈑金屋さんの場所や社名については敢えて聞いておりません。
何より失礼ですし、聞いてしまったらちょいちょい近所を徘徊しそうなので…
ヤンデレかお前は。いやでも「ヤンデレ男子」タグは中々良き…





はい本題です。
今回いただいたのは主にリア周りの進行状況。
いかにもプロジェクトカー、レストア作業といった風景になります。

まずは左リアフェンダー。オーバーフェンダーで隠れていた下端が錆びています。
車種によらずあるあるな部分ですね。
積雪地だと進行しやすい所でもある。



で、実際の錆びてる部分がこう。
塗装で隠れていても、裏面から錆が進行して思った以上の面積に…というのも定番。
これがコワイのよ。



後側は切開まで進んだ写真です。
インナーパネルまで錆が及んでいるのが分かります。
下側に丸みを帯びているのは、スペアタイヤ積載スペースの裏側。

こうして無事な所までしっかり切り落とし、新たに鉄板を溶接してボデーを再生していきます。
ザックリやる事としては、

1.錆の無い部分まで切開
2.鉄板を形作りながら溶接
3.表面を仕上げて塗装

となり、正しく旧車レストアの手法。
言葉にするとシンプルながら、きちんと収めるにはプロの技が要ります。
勿論設備も。



後側は更に切り進める必要があったようです。
少しずつ見極めながら、最終的な切り取り部分を決めるのでしょう。
この写真は多分、アウター側パネルの仮合わせだと思います。

こうして納車日が朧気に見えてくると、色々考える事を思い出すもので…
この写真では仮付け&作業用の小さいタイヤですが、納車前には当然イイ感じのサイズにしていただきます。
入庫当初の37インチで大きすぎでしたから、やっぱり35インチ程度でしょうか。
もう少し下げてもいいかも。

ホイールはタイヤの入手性を考えて16インチ。こちらは既に、社長がお持ちだったシェビーバン用で決まってます。
8穴だからG30に履いていたのかな。
なお、この写真はフォード純正スチール(エコノライン用)で、左右で2種を見比べて決めた時のまま。

と、ここでちょっと違う部分へ。



現車確認時から気になっていた、左Dピラー上部。
ルーフとクオータパネルの継ぎ目、ルーフパネル側の錆び穴です。
他の個体でもここが錆びているのを見た事があるので、Squarebodyサバ―のウィークポイントの一つかもしれません。
塗装を落としてみれば、穴だけでなく肉厚も薄くなっている状態…

先ほどのボデー下部は水が溜まりやすい箇所ですが、他の影響が少ないのでまだマシかと。
しかし上部で若干天面を向いているとなると、雨漏りが心配になります。

で、これを…



切り取って奇麗な鉄板へ。

若干奥まっているのと折り目に切れ込みが見える事から、これは裏打ちの板でしょうか。
当たり前かもしれませんが、オリジナルの継ぎ目をきちんと残していますね。

よく見ればレインガーターも外してあります。
この車の場合、レインガーターはルーフパネルの耳じゃないんです。
オプションだったようで、ドア毎分割式のビス止めとなっていて外せます。
なので当然「無し」の個体も存在します。

ところで、切った貼ったを思い切ってできるのもフレームオンボディ構造の良い所。
車検での扱いも然る事ながら、モノコック構造ではピラーがより強度・剛性で重要な役割をしますので。
最悪ボデー側が錆びていても、シャーシが無事ならある程度耐えるというのも。



そして形が見えてくる。
この写真でDピラーはパテまで進んでいるようなので、先に上の写真を載せた次第。
次に注目すべきはフェンダーの処理で…



クオータパネル下部からフェンダーへと繋がるラインを出すべく、短冊切りの鉄板を継いでいます。
部材切り出し・曲げ&調整・溶接の繰り返しなので、これだけで結構な手間がかかるはず。
見ての通り、下端も地面と平行ではないので、手作りするとなると大変。
素人ながら真似事をしているため、「これは大変だろう」とは分かります。

なお、費用や時間をつぎ込めば、一枚もので叩き出しての製作も不可能ではないでしょう。
しかしそれはショーカーやヘリテージ級の車でやれば良い事。
仕上り・手間・コストのバランスを見極めるのもプロの腕なのだと思います。

そして、このように作業途中の写真をいただいているわけですが、半端な仕事をしていたら見せられない段階のはずです。
つまりは、見せても恥ずかしくない仕事をしているという事…大変ありがたいです。

「奇麗な旧車」には適当&雑な鈑金が付き物というのは、悲しいかなよくある現実と聞きます。
凹みを鈑金せずパテ山盛りで済ませる、アウターパネルだけ適当に直して中は錆びたまま…等々。
色を塗ってしまえば一見分からないだけに、こうして経過を見せていただけるのは本当にありがたい。



反対側、アメ車なのでこちらが助手席側。Passenger side.
運転席側と異なり、ある程度部分的な切開となっていますね。
ちょうどマフラーが真裏にある部分だけ無事というのは、熱で早く乾燥するため錆が進行しなかった…というストーリーでしょう。
マフラーがある事で水や砂が溜まりにくかったのかも。

しかしこの車外マフラー、一見地味ながらやっぱりカッコいい。
見た感じSUS製のようでしたので、磨くと更に素敵になりそう。



助手席側リアフェンダーの前側。
ここも面積分の如く短冊鉄板での再生ですが、フェンダーアーチの細い部分は縦の部材を仕込んであります。
ここだけ平面になるのと下が絞られる形状のため、この方が作りやすいのだな…とわかります。
そしてしっかりと下端の耳まで再現。流石でございます。

この後はフロントフェンダー下部の錆や細かい部分を同様に補修、その後パテとサフで面出しして塗装…となると思います。
と言っていたら更なる続報が。









ルーフの下地作りに入った模様です。やっぱり動き出すと早い。
斑に見えているのは鉄板の若干低い場所。パテ作業でよく目にする光景です。
左Dピラーとその前部分にパテが追加されているので、この後更に面出しするのでしょう。
そしたらいよいよサフかな。

ルーフ前方のマーカー、所謂デューリーマーカーは新品交換して残しますので、ソケット撤去・穴埋めはしません。
そして改めて見ると、オクで見つけて迷っていたフロントバイザーは買わなくて良かったと思います。
中央3か所のマーカーと取付位置が見事に被るので…

そういえばこの車、入庫当初はルーフだけ過去に黒の同色塗装をしてあったようで、それが捲れて剥がれている状態でした。
前オーナー様談として「乗れない期間が長くなってボデーの手入れができなかった」と聞いていますが、4インチリフトに37インチタイヤでしたから、広大なルーフの清掃も一苦労だったでしょう。
まぁ、ルーフラックの下を拭くのとどっちが面倒? と言われれば後者な気もしますが…

前車パジェロにはラックを載せていましたが、あれは完全にドレスアップでした。
確かにカッコいいし、後からBASURIを載せるには都合良かったのですが…
手入れ? 地獄だよ。

夏は汚れが溜まるし冬は雪が下ろせない。ラックの前にはサイドまで回り込むライトバーを着けていたので猶更。
なので最後の2年は冬に軽トラシートを掛けてました。
すると今度は、たるんだところに雨が溜まるっていうね。
更にラックの脚の塗装が痛んだり、ロゴステッカーが劣化したり…もう懲り懲り。

さて、オーダーしている色は、この89年式のDeluxe two-toneに沿った塗り分けで濃淡のメタリックブルー。
今後のタッチアップ等を考えて、敢えて国産車純正色で指定。これは社長のお勧め。
更にライトブルーで細いストライプが入りますが、これはオリジナルだとビニールのラインテープらしい。
でももしかすると、塗装で入れていただけるかもしれません。



という事で、生まれ変わった姿を見るのが更に楽しみとなりました。
納車前日なんて寝られないだろうな。年休必須か。

…こっちもリアゲートの内張りに手を付けないと。
スピーカの大穴を埋めて、カーペットを切り出して貼ります。
Posted at 2025/01/19 18:11:46 | コメント(0) | トラックバック(0) | 車(サバーバン) | クルマ
2025年01月13日 イイね!

地味に凝ってる奴 日立製作所 30糎標準型電氣扇 TO A3-30型 昭和13年頃

昨年は年男でしたが、更に前年末のディーラ倒産を切っ掛けとした車の乗り換えを急遽決めたり、最後には初のコロナに罹ったりと、色々あった1年でした。
とはいえ、結果無事に過ごせて何より。
今年も扇風機ネタは変わらずにやって行きますので、引き続きお付き合いいただければ嬉しく思います。



さて、今年最初の1台は、偶然にも本体と資料が短期間に集まった戦前の機種となります。
何となく「状態良いな」で本体を購入し、後で買った資料に偶然同型が掲載されていました。
詳しい年式特定が出来るとやる気も俄然出るものです。



こちら。
うちではあまり扱いの無い日立の扇風機で、型式はTO A3-30。







資料がこれ。
昭和13年発行と思われる、日立の製品一覧です。
古本のネット販売にて購入でしたが、内容紹介に「扇風機」の一言があったのが決め手。
写真は無い中「何か載ってないかな」が見事的中した形でした。

重電も手掛ける日立の製品一覧ですから、水力発電タービンから電気機関車、エレベータ、プラントの制御盤といった大規模なモノも載っています。
そして最後の数ページとなったところで扇風機が登場。
丁度よく同じ機種だったという訳でございます。





沿革が昭和12年までとなっているのが発行年推測の手懸り。
そして大陸の支店一覧も、この時代の特徴的な地名ですね。

本機で面白いのは、まずは命名規則。
戦後までファン径はインチ呼びが各社通例となっていたところ、こちらはセンチで書いています。
なので12吋ではなく30糎標準型電氣扇。
型式末尾の30もそうでしょう。

とすると、日立の初代モデルと目される雷光ガードのTO A-12は、12吋を指すのでしょうね。
日立は当初から独自開発、つまりは他社との違いに拘っていたようなので、早々にセンチ表記としたのもその一環でしょうか。

続いて本体を見てみましょう。





外観上は後に靡く形のファンが目を惹きます。
昔から時々出品されるタイプ、というのは知っており、いつか欲しいが決め手に欠ける…が続いていました。
エトラ扇のように特に決まった名前は無いようで、「効率の良い流線形の羽根」と書かれていました。

そんなファンばかり見てしまいますが、ファンガードの外周が単なる円じゃないのも凝っています。
この形を何と呼べば良いのか…フリル、とは違うだろうな。
横方向へ走る部材も、外周付近の2本だけ太くなっている凝りよう。
基台もポッテリした定番の水滴形ではない、富士電機のようなワンモーションカーブのスタイル。

なおこのガードのデザインは、基台が水滴形でファンも直線状の頃に出た物らしく、昭和9年版カタログではその組み合わせです。


モートル周辺は普通な感じながら、ギアボックス脇にも2穴の蓋があるのが特徴でしょうか。
スクリューギアが横向きに入っているタイプかな。
今年手がけたTO A-30が定番の縦型遊星ギア(内部は諸々工夫が見られました)だったので、そこからマイナーチェンジされた模様です。
更にこの後のモデルでは、砲弾型のカバーが付くデザインになるようです。

モートルへの配線は、日立特有のスプリング状チューブで保護されています。
これが非常に効果アリと見え、大体の戦前日立製では、この部分はオリジナル状態を保っていると感じます。

という事で分解整備に入ります。
今回もA-30の逆ネジみたいなトラップがあるかもしれないので…慎重に参ります。



まずはいつも通りのマイクスタンドから。
ガードを留める袋ナット…この機種の場合は丸いすり割りナットでしたが、数も揃って塗装痛みもありませんでした。
かなり良い状態。



埃と犬猫系の毛? が付いています。塗装は綺麗そう。



続いて底面。モートル配線を外します。
蓋はA-30と同じ作りですが、あちらにあったシリアル銘板がありません。
扇型の小窓は電源線の取り付け用。
しかしフェルト脚も完全に残っているとは…





開けました。
ナットが一部入れ替わっており、整備された痕跡が窺えます。
モートル配線がこの向きからの取り出しで、且つナット留めというのは大変親切です。



が、黄色線だけビニル線に変わっています。
どこかで継いである様子。ナットも手締めと六角の場所が入れ替わってます。



碍盤を単体にしました。
コンパウンド製と見え、小さくまとまったスマートな印象。



モートルへ参ります。
こちらのギアボックスは一見普通のタイプに見えますが、先に書いた通り、横に出ているメッキの蓋が個性的。





エンドベルには大阪市と思われる検査証の封印。
これまた綺麗に残っています。





ロータを外しました。
軸が太目なのが特徴ですね。
スクリューギアのピッチもかなり粗い。



一方のステータ。コイル側。
コイル部分は塗装してあり、防湿と保護がされています。
引き出し線のブッシュは差し込みできる構造。これもA-30同様。



ネックピースとの分離には、ロックピンを外す必要があります。
細いポンチ的な何かが無いと難しい寸法。
首を90度回した位置でないと切り欠きと合わず、通常の首振り範囲では抜け防止となる構造です。
よくある作りながら、こういうローテク(良い意味で)な工夫は思わずグッとくる。



取れました。
変な固着も無くスムーズに進みます。



全バラ完了。
続いて清掃と表面の磨きです。



お待ちかね(?)のギアボックス。
どんな構造でしょうか。



こんな構造でした。どんなだ。
一応トレインの通りに並べていますが、カウンターギアと遊星ギアで減速するのが定番なところ、軸を2度方向変換し、スクリューギア2段階で減速する方式です。
流石は日立。他の真似は徹底して避けています。



という事で清掃とエンドベルの塗装研磨完了。
こちらの方が並びが分かりやすいかしら。

なお、ギアボックス横から刺さる2段目(スクリューギア・ヘリカルギアのAssy)は、ヘリカル側のガスケットが砕けていました。
ロータの1枚も同様でしたので、自作して組もうと思います。

そして思ったのは「このギアボックスはどう作ったのだろう」という事。
大きな開口部が無い一体構造ながら、しっかり内部は必要な突起等が作られています。
まぁ考えれば、普通のカウンターギア式でも似た構造ではあり、きっと鋳鉄でしょうから、これもそうなのかなといったところ。
にしても他と比べて開口部が小さいので、殊更に気になった次第でした。







基台の清掃に入ります。
P剥げは下部の縁に少々程度で、汚れを落とせばかなり奇麗になりそうです。
銘板も現時点ではっきり読める。
出荷前検査の合格証までキッチリ残ってます。





ピカールで磨く事暫し、往時の輝きを取り戻しました。
いやホント奇麗。
流石に鋳型の粗い入隅部分は仕方ないものの、ここまで輝いてくれれば満足。



組み立てに向けて、足りないガスケットも作りました。
小さい方はギアボックス内、大きい方はロータ用です。



ギアボックス下面、首振りカムの付け根。
赤くなっているのは下地塗装で、錆止めの定番色。
この時代の扇風機で(目に見える形・別の色で)錆止め塗装がされているのって、結構珍しいのでは。
富士電機では鋳物の巣穴埋めにパテ処理してありましたが、それを兼ねているのかしら。





ギアボックス組み立ての様子。
グリスを入れてしまった後のため、見づらくてすみません。
2枚目の写真では、奥側からモートルのロータ軸が入ります。
それでちょうどXYZ軸の方向で減速・首振り動力取出しが行われます。



こちらはネックピース。
A-30と同じく、スライスしたドーナツ(ベーグル?)のような金具が入っており、仰角調整が固着しない工夫がされています。

この部分は各社とも個体差が大きくなる場所でして、固着していると分解に工夫が要ります。
時には清掃後も渋すぎる事すらあるため、ペーパがけして具合を調整した個体もありました。



ガード中央のエンブレム。
この時点で綺麗なので、軽く磨けばOKでしょう。

ファンは洗浄で済みましたので写真はありません。
…忘れただけです。
取り付けがきつかったためボーリングしました。



プラグはマツダ製が付いていたため交換しました。
マツダは芝浦製の扇風機等に使いたいと。

代わりに用意したのは、以前ジャンクのA-30から外したオリジナルプラグ。
ちょっとゴツい海外風の見た目が特徴で、当時の日立製はこれが付いていたらしい。

しかし配線は碍盤側共々鳩目仕上げになっておりました。
芯線の輪を鳩目でカシメて圧着端子風にしてある工夫です。
恐らくこの仕上げがオリジナルかと思います。同時に電線も。
なのでプラグだけ壊れて交換したか、あるいはこの時期の日立はマツダプラグなのか…
それは不明です。



完成です。
ファンの塗装は劣化で艶消し状態でしたため、例外的に油を塗りました。
今思えば磨いても良かったかも…
しかし目を引く羽根形状です。



リアビュー。
定番の芝浦や三菱とは違ったシルエット。
最初に紹介したガード周囲のデザインなどにも気づくと、意外な程緻密にアールデコなのが分かります。
どこまでも地味に凝っている奴ですね。
良い状態という見立ては当たり、見事に光ってくれました。



よく見ないと分からない位に地味ながら、分かると嬉しい拘り。
ギアボックスは他社より若干コンパクトに見えます。
これまたA-30同様、取り付け面にはガスケットが入ります。



最後は大先輩A-12、ご先代様A-30と共に。
いずれも昭和初期の機種ですから…100歳近くでございます。



日立エンブレムの変遷も分かりますね。



という事で、年末から始まり年を超えたレストアの報告でした。
次回は…なかなか攻めた個体が手に入りましたので、一気に昭和40年代まで飛んでみましょう。
Posted at 2025/01/13 18:45:07 | コメント(1) | トラックバック(0) | アンティーク家電 | 趣味
2025年01月05日 イイね!

サバーバンのパーツ集め~時計付きメータなど

今年最初の更新は、みんカラらしく車ネタで。
また1年間、どうぞよろしくお願いいたします。


Instagram投稿とは前後しますが、車がまだ来ていない内に部品が集まってきました。
去る2024年12月、茄子の時期となりましたので第2回の輸入を敢行。
アメリカ各地の出品者から購入したモノが、うちのサバーバンの地元でもあったLAへ集合、空輸にて到着しました。



かさばるものがありましたので2個口。
国際送料は諭吉さん改め渋沢さん2人くらい。
発送指示は熱に魘されながら。



中身その1。

大量の梱包材(アメリカ独特の香りのするあの紙)を抜き出して、出てきましたのがこちら。
まずは小物系…エンブレム類と純正シフトノブ、そしてジャッキ工具。
当時はコロナから病み上がり切っていない頃の事で、開梱だけで疲れる始末。



この「2500」のエンブレム、1500の方は国内でもちらほら売っているのですが、2500となると皆無。
実際に2500の積載量・牽引力を必要とするパターンは国内では稀でしょうし、一方でボデーは一緒なので、並行輸入車は2駆も4駆も1500が圧倒的多数なんでしょう。
そして、アメリカンなサイズを追求するなら一気に3500になりますから、敢えて2500を選ぶのは…変態か通か。

これはフロントドア前端に着くもので、モールに重ねるタイプと裏がフラットなタイプで型番前後賞。
うちのはモール付き(シルバラード)ですのでモール用。

シフトノブは現状ビレット製に換えてあるため、純正品確保の意味で買ってきました。
一応あちらもノブ部分がネジ込みで外れるのは確認済みながら、HURSTノブのピッチ変換アダプタが合うかどうか不安だったので。
しかし…



アンタ、スプラインなのかい。
これを合わせるにはタップを立てないといけませんね…
アダプタ以前の問題でした。
そのままビレットを使おうか。

ちなみにこちら、ステアリングコラムのチルト有無で内部の爪が違うようです。
ちゃんと自車がw/tilt columnかどうかチェックして買いましょう。



次。「SILVERADO」のバッジ。
リアドア後ろのピラーに貼るもので、これまた角の丸いのと角いのがあります。
89年式は角い方ですが国内に無いので輸入です。お安いリプロ品ながら良い感じ。

後はバックドアの「SUBURBAN FUELINJECTION」で、前回も買ったものなので割愛。
水染みから劣化していくようなのでスペアです。

ジャッキ工具については、ジャッキ本体しか無かった事に気づいて急遽購入。
サバーバンを含めたSquarebody世代各車は、ジャッキと関連工具がエンジンルームに格納されます。
年式やボデータイプによって若干異なりますが、各工具がタイヤハウスの上に金具で留めてあり、サバ―の場合は運転席側にジャッキ・助手席側にクランクとホイールレンチです。
それが微妙に写っていた写真を見たところ、固定金具しか無かったようでした。

国産車だとレバーとレンチを合体させてジャッキのクランクにするのが定番な一方、こちらはクランクが2つ折りの1本モノになっています。
車体が大きい上にサスアーム(ホーシング)へかけるジャッキのためか、かなりの長さになります。
クランクのピッチが何となく小さい気がするものの、恐らくはスクリュージャッキなのでしょう。

ところで君、「だろう」「でしょう」を多用するレベルで車買ったのかい?
そうさ…俺はまだ、実物を3回くらいしか見ちゃいねぇ…

誰と話してんだ。横浜最速伝説。
Limousineは2代目タウンカー後期、BlackDragonはC3コルベット前期で、アメ車もちょっと出てくるんですよね。アレ。



初めて現車確認した日の写真。
ジャッキはこの右端に写っている黄色ラベルの奴です。

パッと見は油圧のボトルジャッキながら、よく見ると回せるっぽい部分が。
説明書を見る限り、昔ながらのバンパージャッキらしいです。
クランクとレンチは左端、ウォッシャタンクの裏を通して固定します。

で、ホイールレンチは…まぁ装備品でしょうね。実用するのは手持ちの奴をソケット交換すればよろしいかと。



中身その2。大物です。
メータクラスタとステアリング。
ステアリングは前も買ったじゃない。というところですが…





この違い。分かるでしょうか。
前に買った方はシボ加工のみですが、今回の方は革巻き風にステッチ模様があり、プレスラインも追加されています。
前回のはアストロ他用で、ステッチ付きの方が本来のサバ―用なのです。
まぁ…どうせ社外にするでしょ、と言われればそれまでですけれども…グラントのウッドにしたいなぁと既に考え中。



ホーンパッド無しでしたので、前回のから移植して完成。
これでとりあえず純正戻しができる。



お次にメータクラスタです。これが今回のメイン。
81年以降のガソリン車用。ディーゼル車用は燃料計のコーションが「DIESEL FUEL ONLY」になります。
取外し車種は「81~87年のSquarebodyのどれか」以外は不明です。
後から気づきましたが、88年以降はトリップメータのリセットノブが付きます。

お目当ては写真の通り、左下の時計ただ一つ…まぁ不随するインナーパネルとレンズもですけれど。
これも年式やモデルで様々あったらしく、Squarebodyではここがただの蓋になっている場合と時計の場合があります(79年以前だと、上段も含めて4眼警告灯のパターンがあったようです)。
そして、サバ―は乗用ワゴンの味が強かったにも関わらず、一貫して蓋だったみたいなんですね…時計はオーディオに付いてるでしょ、という事か。

で、立派なオーディオを乗せる気のない私としては、メータが一個空いているのも気持ち悪いので埋めたいところ。
なので純正時計を移植してしまえと、メータごと買ってきました。
タコメータが無いのでそれでも良かったんですが…

うちのサバーもこのメータ同様、大きい2眼の片方が思い切り燃料計となっています。
ガス欠が時に生死を分けかねない環境や、イージーオペレーションを重視する設計思想が窺えるかと。
勿論、国産車同様タコメータの場合もあったようですが、細かい車種別の詳細はまだ調べきれていません。

それでサバーのメータについて調べると、時計無しメータはハウジングの裏面が塞がっている模様。そりゃそうか。
「蓋」についてもインナーパネルと一体成型のようなので、クラスタ丸ごとを買って正解だったようです。
しかし時計無しでも内部のビス用ボスは立っているらしく、ハウジングに穴を開けてしまえば移植できるっぽい。
プリント配線も時計の部分は丸く抜けているのが共通のようでした。

なお、時計は時刻合わせノブの位置で2種類あり、8時位置のこちらは81年以降用。
73~79年用は12時位置にノブがあります。
…80年はどうなんだろうか。前期グリルで唯一の角目だから前期準拠かな。

そして先に書いた通り、このメータにはトリップのノブがありません。
なのでうちの89年以前のタイプ…時計用のレンズ穴あけを避けたかったのに、結局要加工。
しかも時計の穴にはブッシュが入るので、加工跡は隠せるという…
現車が来たら見比べて考えるか。



メータの梱包箱にはこんなラベルが。
出品者さんのショップですね。
イラストもモンスタートラックに改造された最終型K5ブレイザー。
アメリカらしくて良い雰囲気です。



肝心の時計は、端子が錆びていて不安でしたが無事動作しました。
本来はコネクタながら、端子自体は平型250でした。使う時もそれで良いでしょう。

それにしても、Squarebody各車はリプロ・カスタムのパーツ供給やユーザ人口も多く、大体の事はDIYの方法が動画で見られます。
当然、時計を移植した方もおられまして、電源の取り出し位置も教えてくれていました。
人気のある車種だとこういった点が助かりますね…
「古いアメ車入門ならオールドシェビー」と聞く理由が窺える気がします。

という事で、来るべき納車を夢見つつ準備です。
時計の取り外しと清掃、レンズ・インナーパネルも外して綺麗にします。
現車のハウジング開口を済ませれば、後はこの3点の移植で良さそうです。



レンズが外れました。
いきなりインチの洗礼を受けまして、レンズの固定ビスは1/4の六角頭。ソケット買いました。
しかしシフトインジケータだけは7mmという謎よ。



ところで、メータには謎のデバイスが付いてきました。
調べるとクルコン用のスピードセンサだそう。成程。
ではこのメータも、何かしらのシルバラードから取られた可能性が高そうです。



レンズとインナーパネルを洗いました。
レンズの傷をどこまで磨けるかが勝負かな。
インナーパネルは、箱入りお菓子のトレーをちょっと厚くしたような感触。
バキューム成型かしらね。
一か所亀裂がありますので補修しておきましょう。





そしてこの傷を…





磨きました。先にInstagramへ上げた写真です。
この後に「ノブが無いな」と気づいた訳で…



一方の時計。
時刻合わせノブは軸が錆びていましたので、軽くペーパを掛けて塗装します。
併せてノブのメッキも錆び落とししてリフレッシュしましょうか。
動作も数時間ずつ見てみて問題無さそうでした。
筐体はブリキのおもちゃよろしく、スチールの爪を曲げて組んであります。
動いているので、無理せず分解はスルー。

なお、これ自体も単体でリプロの新品が手に入ります。
ですが、レンズ等々周辺の物も欲しかったので、敢えて今回は中古狙いでした。



こんなもんで良いでしょう。
なお、乗せられていた年齢の頃も含めて、アナログ時計の車は記憶上初体験。
「これがメータに付くのかぁ」と眺めつつのテストでした。
当然ながら常時電源ですので、キーを挿さずともずっと動いている訳です。


という事で、そろそろボデーの仕上がった姿でも拝みたい今日この頃でございました。
次の輸入ではフードマスコットでも買おうかしら。

ついでに言うと、前車パジェロはまだ販売中。
素性は確かなので狙うなら今です。
本アカウントを特定下されば、癖やら何やらのご説明もいたします故。
サバ―の納車とパジェロ次オーナ決定はどちらが先か。
Posted at 2025/01/05 22:13:59 | コメント(0) | トラックバック(0) | 車(サバーバン) | クルマ

プロフィール

「仕上げ進行中 vol.2 http://cvw.jp/b/2115746/48592454/
何シテル?   08/10 22:31
菊菱工廠と申します。 「工廠」なんて言いましても、車いじりは飽くまで素人。 電装系なら結構自前でこなします。 ちょっとした金具作りなんかも。 ナ...
みんカラ新規会員登録

ユーザー内検索

<< 2025/1 >>

   1234
567891011
12 131415161718
19202122232425
262728293031 

愛車一覧

三菱 エクリプスクロス 三菱 エクリプスクロス
アウトランダーPHEVと迷った結果、偉大な先代、コルトプラスの跡を継ぐこととなりました。 ...
シボレー サバーバン シボレー サバーバン
Super Wagon, Texas Cadillac… それはアメリカで最も長く続くモ ...
三菱 コルトプラス 三菱 コルトプラス
家族の車です。 私が免許を取った際の練習にも活躍しました。よって、免許取得以前からの付き ...
三菱 パジェロ 三菱 パジェロ
荒野の山猫、パジェロの初代後期型でございます。 88年9月MC版、4D56 I/Cター ...
ヘルプ利用規約サイトマップ
© LY Corporation