走行関連とエクステリアに続いて、色々問題を感じるインテリアについてもまとめてみました。
元々インテリアに関しては、購入要件ではなかったですし、コンソールデザインについてはごちゃしていて落ち着かない感じがしましたが、慣れるだろうという事で、使い勝手について確認した以外、購入時にはそれほど気にしませんでした。
3か月程乗って見ての感想を、総じて言えば、内装の質感レベルは、軽自動車のそれを少し良くした程度で、更に指先で触れると2ランクほど下がる感じです。
質感は別としても、しっかり作られていればまだ良いのですが、ジムニーと比べても作りの剛性感はかなり落ちます。今まで乗って来た過去のどの車と比べても、内装の作りがヤワなことが気になりました。
アウトドアでの使用を鑑みた、実用的でしっかりした作りであればハードプラスチックで作られていること自体は良いのですが、ヤワな作りをはじめとする内装各所の作りは頂けません。
ダッシュボードの真ん中辺りを指先で押すと、コヘコと動きます。ジムニーを含めて、今まで乗って来た車のダッシュボードだがこんなヤワな作りだった記憶は全くありません。
1)ダッシュボードの中央を指先で押すとヘコヘコと動くヤワな作りに驚きました。
前後ドアのトリムを指先で押すと、場所によって同じようにヘコヘコと動きます。このような状態なので、それ程大きな音で鳴らさなくても、低音でドアトリムが大きく振動して、かなり酷くボワンボワンした音になっています。
2)フロントドアのドアトリムも指で押すと動きます。軽自動車のジムニーでさえ、もっとしっかりと作られていたので、軽量化のためとは言え、この作りに驚きました。
3)リアドアのトリムも同様。
ディーラーで聞いたところ、車種にもよるが、最近のスズキ車は軽量化を進めるために、内装はどんどん薄くなっているようです。軽量化ため、敢えて薄く作っているのかもしれませんが、指先で押して簡単にたわむようでは問題ありです。リブを工夫するなど、考えるべき点があるように感じました。
また、品位が低いと言う点でいうならば、ドアトリムに取り付けられている、ウインドウ開閉スイッチボード表面に成型ヒケや成型材の流れ痕が認められます。今どきの車の成型品内装パーツ表面にこのような状態が見られるというのは残念です。この状況の部品がOKとなると、スズキ車のインテリアの品位は明らかに低いと感じます。
4)スイッチボードの表面には成型ヒケや、シボが付けられているにもかかわらず成型材の流れ痕が見えます。
インテリアデザインとして良いのは、500ccが入るボトルホルダーが合計9本分あり、アンダーシートトレイを始め、小物入れも多数あり、使い勝手が良い点です。ただ、蓋が締められるのはアンダーシートトレイとグローブボックスだけで、他は入れたものが丸見えになるので、車から離れる時には注意が必要です。
5)500ccのペットボトルが入るホルダーが、合計9か所もあり、便利です。
ドア側のひじ掛けはハードプラスチックの成形品に薄い布を被せただけの硬いものなので、肘を置いているとだんだん痛くなってきます。せめてここはシートのひじ掛けと同じにクッション材入りのものにして欲しかったです。横Gが掛かるような状況になると、シートのサイドサポートにホールド力が無く、ひじ掛けで体を支えるような動作になるので、クッションが欲しいです。
6)ドアトリムのひじ掛けにはクッション材を入れて欲しかった。助手席側はともかく、運転席がわだけでも・・・・。
シートはサイドサポートが柔らかすぎるため、体重を預けるとそのまま潰れてしまい、体の固定ができない状況です。腰の部分がしっかり保持されず、不安定感がかなり強いです。シートバックにあるサイドサポートも同様で、体がずれると簡単に潰れ、上体のサポートが出来ません。因みに、ジムニーの方がまだホールド性が良いです。
7)サイドサポートが張り出しているのが見えますが・・・・。指で押しただけで簡単に潰れるので、足を広げると簡単に潰れてしまいます。実際にヒップがずれた場合はそのまま押しつぶされるので、ヒップ位置の固定も出来ません。
そしてリヤハッチの室内側の保護は、薄いフェルト状のシートが中央に張ってあるだけなので、閉めたリヤハッチの周囲は塗装した鉄板がむき出し状態です。これだと、ラゲッジに入れた荷物が当たると塗装に傷が付いてしまい、錆が出る可能性があります。
8)KUGAはしっかりした厚みを持たせた成型パネルで金属部分が露出しない様にカバーされていました。
9)ジムニーでさえ、しっかりした成型パネルで覆われています。
10)近づいて見ると、パネルには積載物が当って出来た擦り傷があります。
11)XBEEは中心部をフェルトのシートでカバーしただけなので、リヤハッチの周囲に塗装された鉄板がむき出しになっており、積載物が当たると傷が付く可能性が高いです。
12)近づいて見ると、塗装には既に複数個所傷が付いているのが確認できました。このまま使用していると傷だらけになるのは間違いありません。
SUVでのラゲッジの使い方、積み込む状況を考えると明らかに不適切だと思います。設計者は実際にフィールドで使われる状況を正しく理解しているのかなと感じてしまいました。
せめて現行材料で鉄板がむき出しにならない様リヤハッチ下部全面を覆って欲しかったです。
2名が前席に乗る状態では、こんな小さな車なのに、座席間に設けられた、狭いウォークスルーの隙間にスキー板2セットを詰め込んで後部席の背もたれに立てかけることで、スキーキャリアを使用することなく車内搭載できました。これは嬉しい誤算でした。スキーキャリアをオプションで購入しなければ良かったと今更ながら後悔しています。
13)後部座席を一番後ろまで下げても、倒せば積載量がかせげるので、2名乗車なら結構な遠出が可能そうです。
14)自分の車中泊はほぼ助手席を倒して仮眠するこのスタイルです。後部座席を下げればさらにシートバックを倒せます。
機能的な面ではクルーズコントロールがACCで無いのが残念です。XBEEのコンセプトがみんなで遠くに出掛けようとなっているので、日本での使用を考えるとACCであるべきで、コンセプトと乖離していると言われても仕方ないと思いました。マイナーチェンジでこの機能が搭載されると良いですね。
オプションのパナソニック製ナビで選択できる、全方位モニターも周囲確認の補助には便利です。ただ、全方位モニターが使えるのがパナ製ナビだけと言うのが残念な所ですが、以前のハーマンナビがあまりに評判が悪かったようなので、この点は大いなる改良点という事でしよう。
15)シフトレバーがパーキング位置で、ナビ画面に全方位モニターが表示されます。この他車内視点に変更もできるので使い易いです。シフトレバーが前進方向のギアに設定されていると、フロントビューカメラとセンサーで、前方の接近車両等の確認が出来、バックギア選択時には、従来通りリア確認画面となります。
購入したXBEEですが、200万円は越える車両本体価格なので、価格を考えれば、他社と比較して、内装の作りはもう少し良くて当たり前ではと思いました。
軽く、安く作るのが最優先も良いけれども、いまのままではなぁ・・・・。
今後、どこかのメーカーからいつものように、まねて似たような、競合するタイプの車が出で来た時、内装の仕上がりで検討落ちするかもしれませんね。
全体としては、良くできた、走って楽しい車なので、もう少し内装の仕上がりが良ければ良いのになぁと思ってしまいました。