
北海道らしからぬ蒸し蒸しとした天気が続いていたので、涼を求めて沢登りに行ってきました。今回の沢は大雪山系層雲峡近くの電気の沢。電気の沢といっても、電気が流れていて危険な沢というわけではありません。もちろん、デンキウナギやデンキナマズはいません。入渓地点の頭上に送電線があるからその名がついたらしいです。
メンバーは私たち夫婦と嫁の元同僚の山男君の3人。山男君はこの沢の遡行経験がありますが、私たちは初めて。ウエブで情報収集すると、エキサイティングで楽しい沢らしい。
とても楽しみな反面、本格的な沢登りは数十年ぶりだし、もう若くないので(五十肩もあるし)登れるかどうかちょっと不安です。
それに、前日には北大雪付近で大雨が降ったらしく(近くを走るJRでは、盛り土が雨で流され線路が宙ぶらりんになり、今でも復旧のメドがたっていないようです。)、その影響で増水している可能性もあり、注意が必要です。
この日に備えて、若い頃に使っていたシットハーネス・シュリンゲ・カラビナ・8環・その他もろもろの器具を屋根裏部屋から探し出して準備。寒さ対策として、
網タイツ鮎タイツやネオプレーンベストも用意しました。

当日は8時頃に層雲峡銀河の滝入口の駐車スペースに集合。
この日に入渓するのは2パーティーのみのよう。他パーティー2人の内1人は私たちの同業者らしい。2パーティー5人のうち4人が同業者とは、何という偶然!驚きです。
挨拶を交わしながら若者たちの装備をチラ見する。最近のハーネスはレッグループタイプが主流なのか。私たち夫婦のハーネスやその他の装備が古くさく見える(人間も古くさいから仕方ないか)。

他のパーティーが先行して私たちはゆっくりとスタート。

いくつかの堰堤を巻いてから、電気が流れていないことを確認して(笑)沢に降り立ちます。F1までは大きな岩が堆積した土砂崩れ帯を歩いて行きます。草木がなぎ倒された新しい跡もあり昨日の大雨を物語っているようです。途中エーデルワイスが咲いていました。

F1は左岸から高巻き。その後は連続する小滝やゴルジュをへつったり突っ張ったりして突破しながら進む。

濡れるのは覚悟の上だが、それにしても今日の水量、かなり多くないか?流れも速いし。写真を撮る余裕なし。

水の冷たさで嫁はだんだん顔面蒼白状態に。せめて陽が射し込む明るい沢だったら、ここまで寒くはないだろう。

最難関(?)の釜を持った滝。山男君の先行後、左岸からへつり抜けようとしても落下してしまう嫁。さりとて中を突破しようにも白く泡立つ濁流に飲み込まれてしまう。体力・技術の限界と命の危険を感じてここでギブアップ、撤退することに。嫁がなかなか浮いてこないのには私もかなり焦りました。
普段からこんなに水量があるのだろうか?同一場所で撮影された他の写真と比較すると、この日の水量の多さと流れの速さがよくわかりました。

これが通常状態なのでしょう。ヤマレコから拝借しました。
この画像を二つ上の画像と比較すると、まず泡立ち具合が違います。二つ上の写真では真っ白に泡立っています。
そして滝の落ち口の左端から右端まで目一杯に水流があり、釜の水面も上昇しているのがわかります。
普段なら釜の底に足を着いて立てるそうですが、この日は絶対無理。深くなっているばかりかものすごい水勢で立っていられません。私も挑戦しましたがあっという間に流されました。

結局、来たルートを下降することにしましたが、沢の下りは登り以上に気が抜けません。慎重に慎重を重ねて車のある所まで戻りました。先行したパーティーは最後まで沢を詰めたそうです。スゴイ!

すっかり冷えきった身体を「黒岳の湯」で温めた後、下の階にあるイタメシ屋で、山男君へのお礼も兼ねて無事に戻ってこれたお祝いをしました(敗退でしたが)。
技術や体力を磨き、条件がいいときにリベンジしたいと思います。
Posted at 2015/08/03 20:13:03 | |
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登山 | 日記