
NDの車検中に乗った代車のデミオ。
試乗というか、代車として付き合ったわけなんですが、せっかくの機会なのでその期間中に感じたことなどを書いてみたいと思います。
改めて。
代車として用意してもらったのは、最初期型(多分)のDJデミオ・13Sです。
アルミホイールなどは装備しておらず、鉄チンホイールに樹脂のホイールキャップを装着。
またトランスミッションは5速MTでした。
1.はじめに

商用を視野に入れた最廉価グレードである13Cを除けば一般ユースとしては最もシンプルでオーソドックスなグレードだと思いますが、それでもそれなりの装備はついていました。
例えば、マツダ・コネクト。
それからマツコネの設定をいじっていて気づきましたが、スマート・シティ・ブレーキ・サポート(SCBS)。
これはちょっと意外。

あとオートエアコン、オートライト、オートワイパーなど。
「これ本当に素の13S?」って感じでした。

また、これはディーラーオプションだと思いますが、バックモニター付き。
ただし普段乗ってるNDには付けてないということなどもあり、結構違和感があって2日間ではあまり使いこなせなかったというのが正直なところでしょうか(バックモニターに使いこなすとか使いこなせないとかあるのかというツッコミは至極ありますね)。
装備についてはだいたいそんなところ。
で、乗り込んで走り出して気になったところ。
まずは、視線が高い!
NDに人を乗せるとまず第一声が「ひっく(低)っ!!」。
でも自分としては既にこれが世の中のスタンダードだと思っている節があるため「何をそんなに大げさな」と思わないわけでもありません。
しかし改めてデミオに乗ってみたら「なかなか見晴らしがいいな〜」と感じたのですね。
デミオは別に背の高いSUVなどではなく、普通のコンパクトハッチバックです。
それでアイポイントの感じ方がこれなので、「ロードスターって低いんだな」と認識を改めました。
オーディオを鳴らしてみたら、やけに高音がシャリシャリとした音で非常に気になりました。
こんなセッティングなのか?と訝しく思ってマツコネの設定画面を見てみたら・・・
なんじゃこのセッティングw
トレブルがマックスなんですが、前に乗った人、どんだけ高音を強調したかったのかw
セッティングの幅を色々試して遊んだだけなのかなとも思ったんですが、すぐさま適正かつ好みのセッティングに整えたのは言うまでもありません。
2.デミオのここは良い!

1.3LのガソリンNAエンジン、MTで乗るとトルコンのトルク増幅効果が使えないので信号待ちの出足とかかったるいかと思ってたんですが、飛ばしたいとかでもなく普通に運転する分には全然支障なく走れました。
むしろ1.3Lって本当か?というぐらい快適に走らせてくれました。
ただし山坂道を除けば。
山坂道は結構早い段階でダウンシフトが必要になりますし、サボってたら結構失速しちゃいます。
ズボラシフトチェンジだと走らせられませんね。
燃費はめちゃめちゃ良かったです。
例えば初日はわりかしアップダウンのある西海の長崎サンセットロードを駆け抜けたんですが、平均燃費が20.0km/Lに乗りました。
ここはNDで何度も走っていますが、そんな燃費は見たことありません。
確かにNDだともっと快活に走るし平均ペースももうちょっと高いはずですが、デミオで走ったときも別にのんびり走ったわけでもなく。
SKYACTIV-G 1.3にMTの組み合わせの燃費やばいんじゃない!?って正直思いました。
行きと帰り、それから市街地などを走ったので20.0km/Lからは落ちてしまいましたが、それでも好燃費をキープ。
翌日は平戸・生月まで往復したんですが、平戸で20.0km/Lに再び乗って、それから帰ってくるまでこの燃費をキープ。
素晴らしいです。
代車返却時はガソリン満タン返しだったので給油して返却したんですが、レギュラーということもあり、かなり安かったです。
ただし僕が乗り出してからの平均燃費が20.0km/Lでトリップが330kmそこそこなのに燃料は20L以上入りました笑
満タン返しと言いつつ、借り受けた時は全然満タンではない疑惑がありますね。
まあ良いけど。
あと、かなり意外だったのがこれ。

ヘッドライトのベゼルにカーボン調の樹脂の加飾が施されていて、「廉価グレードでここまでやるの?」って思いました。
デミオの男前目ヂカラの秘訣を垣間見ました。
3.デミオのちょっとここはどうかな?

NDと比較すれば当然のことではあるのですが、外界との繋がりが希薄というか、皆無と言っていいと思うので、何か物足りない感がありました。
ロードスターで屋根を開け放っていれば、例えオーディオで好きな音楽をかけていようとも、街中であれば人の声や他車のノイズや広告看板の音声などが耳に入ってくるし田舎であれば鳥とかカエルとか蝉の声が聴こえるし、日差しが強いとか柔らかいとか、風が冷たいとかぬるいとか、空気の匂いとか、そういう、人間の五感で得られる外界のありとあらゆる情報がドバーッと一気に入ってくるわけなんですが、困ったことにデミオ、そういうのは一切ありません。
もちろんこれはデミオに限ったことではなく、世の中のオープンカー以外のクルマはすべてそうなんですけど。
ただこの物足りない感がどうしようもなく世界との隔絶感を強調して、寂しい感じがしたのでした。
世の中のクルマは屋根が無いか、屋根があるかの2種類しか無いのですね。
他に気になったのは、トランスミッションのノイズ。
1速〜2速で「グオーン」という例の唸り音が聞こえるのがちょっと気になりました。
また、これは幾分仕方ないかと思うものの、シフトゲートが緩い(ND比)。
NDほどカチッとしてる必要も無いのかもしれないですが、なんかちょっと心許無く感じてしまいました。
それから走行時の質感で最も気になったのは、ブレーキペダルの振動ですね。
ペダルを踏んでる時にエンジン?の振動がペダルに結構ブルブル来てて、気になりました。
現行のプロボックスに乗った時にも感じた事があって結構気になった記憶。
NDはそんなこと無いんですけどね。
あとは、あくまでND比なので比べるな、と言われそうなあれですが、エンジンの回転落ちが緩いですね。
加速時のシフトアップなどはNDと同じリズムでは行けなくて、回転が落ちてくるのを一瞬待つ必要があります。
排気のクリーンさを保つための都合か、フライホイールの慣性力の都合か。両方かな。
デミオは確か4-1排気でしたね。
例えば1速→2速の時にNDのリズムで繋ぐと回転が落ちきってないのでクラッチミートの瞬間に不用意な加速度が発生したりしました。
それとコーナリングの際の微妙なアクセルワークの時にも影響がありました。
NDよりもやや大げさにアクセルオフしてあげないと前荷重がかからないため、ハンドルを切った時に思ったように曲がらずに当初は「ん??」ってなってたんですけど、注意深くエンジンの回転を感じるようにしたら、アクセルオフしても思ってるほどにエンジンの回転が落ちないということに気づいて、それ以後は修正して上手く走れるようになりました。
人間GVCのような操作ですよね。
4.最後は、良いとか悪いとかいうこととはちょっと違うこと

借り受けてすぐに昼飯を食いにお気に入りのラーメン屋へ向かったんですが、そこは店鋪駐車場が無くて、近隣の立体駐車場を使う事が常です。
入り口のスロープで止まって駐車券を受け取り、さあ発進!
と思った瞬間に盛大に下がって(入り口はかなりの急勾配)、一瞬ビビりました。
NDもその前に乗ってたBMアクセラもHLA(ヒルローンチアシスト;坂道発進時にブレーキをホールドしてくれる機能)が付いているためここ数年は全く気にせずに坂道発進してたんで「おう!」ってなりました。
別に坂道発進は苦手ではないのですが、久しぶりに「坂道発進は気を抜けば下がる」という当たり前の事実に触れましたw
それで、HLAは非装備か〜と思ったんですが、思い返すとi-stop作動後の復帰時ってHLAは作動しないという謎仕様でしたっけ?
ともかく、その後はHLAが作動しないことを前提に坂道発進してました。まあ支障はないですが。
HLAの作動状態がメーターに表示されると親切だなと思ったのも事実です。

デミオのメーターはご覧の通りの一眼タイプで、センターは車速計。
タコメーターは車速計の左にデジタルで表示されます。
NDはセンターがタコメーターなのでシフトアップの度にセンターの針がギュンギュン動くんですが・・・
デミオでは車速の表示なので針が頻繁に動くはずもなく。
ただ、クラッチ切ったのに針が下がらない!と思って非常に違和感がありました。
頭では分かっちゃいるんですけどね、染み付いた感覚が。
最後に、よくやりがち?なことかもしれませんが。
デミオ、5速MTだったんですけど、3回ぐらい「幻の6速」に入れそうになりました。

5速からクラッチを踏んでレバーを抜いて、あるはずもない6速のシフトゲートに「コツ」と当てるという・・・。
メーターにシフトインジケータが表示されていて「4速→5速」みたいにシフトダウンやシフトアップを促してくるのですが、当然「5速→6速」なんて表示されるはずはありません。
それでも6速に入れようとしてしまうのは、まあシフトインジケータなんて普段全然見てないということと、癖もあるのかな〜と思いつつ、多分5速で定速走行してる限りはシチュエーションによってはエンジンのトルクが余る感覚があるんですよね。
だから6速にシフトアップしたくなるんですけど。
つまり1.3LのNAガソリンエンジンですが、意外なほどにトルクがあって走りやすい、ということが分かったデミオの代車体験記でした。
まとまり無く、長くなってしまった。