
3月に愛車のF355をAガレージさんへ整備に出し、この車との今後の付き合い方について深く考えていました。
自分がdo the ド根性!でこの車を購入したのが2014年2月。付き合い始めてから12年を超えました。
出会った頃と変わらぬ(ここ重要)シンプルで美しいその姿には今でも心底惚れ込んでいます。
MTを介して車と対話しながら走行する楽しさ、テノール→綺麗なソプラノ→絶叫!へと音質を変化させながら高回転へ突き抜けるエンジンの吹け上がり、おおらかな車体剛性と足回りによる柔軟な操縦性などを含めて、これ以上のパートナーはいない!今でも思います。
この魅力は現代フェラーリ車とは違う価値観で設計された、旧時代の機械ならではものでしょう。
富裕層の皆さんなら「ま、とりあえずお付き合いで買っておくか」と、どんどん新しいモデルを何の躊躇もなく購入なさるのでしょうけれど?
庶民の自分には人生を捨ててまでコレが欲しい!とは思えません。
※主観です。新しいモデルがお好きな方は無視してくださいませ。
恐らく自分がフェラーリに求めるものは、①普遍的なデザインの美しさ ②気持ちが高揚する排気音 ③運転するのがほどほど大変 ④頑張ればまぁまぁ速い ⑤ちょっとおバカな設計や作り ⑥一緒に爆死しても後悔が無いと思えるか
こんな要素だと思います。改めて文章にすると実にアホらしい要素ばかりですね。
お前はアホだな~と軽蔑してくださって結構です(笑)
最新の849TRや12チリンドリなど新しいモデルには相応の魅力があるかと思いますが、当時中学生だった自分が憧れたF40やテスタロッサ、あの頃のフェラーリと現代のフェラーリはあまりにも違う乗り物なので…。
そしてそもそも買えませんし(汗)
さてさて自分のF355は1997年製。約30年前のマシンですから部品の調達も難しくなってきまして、今回のAガレージさんでの整備もそれなりの金額が掛かりそうな説明を受けました。
そんな折、担当の営業氏が乗り換えの提案をしてくれまして、今までの自分であれば「いやいや、355を直しますから」と即答していたと思うのですが、今回は長考の末にF355を降りる決断をしました。
さらっと書きましたが、この決断をするまでの苦悩は筆舌に尽くしがたいものでありました。
何せ12年間も苦楽を共にしてきた愛するマシンです。
前妻との結婚生活よりも断然長い期間なのです!
「koba♪=F355を溺愛している変人」というみんカラ界隈的なイメージも強いでしょうし、何よりもF355を通じて知り合った方々に「自分は先に降ります」と報告するのは申し訳が立たないのではないだろうか!?と真剣に悩んでハゲそうになりました。
ただ一方で感じたのは、自分はお金持ちでは無いしF355をずっと調子良く維持できるだけの資質を持ち合わせているだろうか?故障と修理代におびえながらF355と静かに暮らしてもそれは楽しいと言えるのだろうか?という疑問でした。
実際にこの数年間で自分の収入は減少の一途であり、今後も上昇する気配すらありません。ここ日本での零細自動車部品製造業はもはや斜陽産業です。弱者は消えゆくのみ。
この有様では近い将来にやらねばならぬ足回りの本格的な整備は困難ですし、もしエンジン本体などの大物が故障した場合は修理不可能でしょうし、人生にも甚大なダメージを食らってしまいます…。
昨年くらいからぼんやりと「F355の次の1台を考えるとしたら…」と思っていたところに、先のAガレージさんから「ぜひkobaさんへおススメしたい車両があるんです」とご提案をいただいたのでした。
そしてその車両こそ、現実的にギリギリ購入可能なフェラーリの中でも特に気になっていたマシンでした。
458 Italia。
車好きな方には説明の必要もありませんが、ミッドシップ+V8NA4500ccエンジン+DCTという、それなりに現代的な進化を遂げたフェラーリの量産モデルです。
残念ながら尊敬するフィオラバンティー氏は関わっていないのですが、ピニンファリーナ社によるクリーンで流麗なデザインも魅力です。
エンジンのスペックも570ps/9000rpm、トルク55.1 kg・m/6000と、最近のハイブリッドモデルと競ったりしなければ十分な性能です。
何よりもNAで4.5リッターのエンジンを9000回転まで回せるというのは、F355でフェラーリの高回転型エンジンに魅せられた自分にとってはそれはもうヨダレが止まらないくらい魅力です。
後継車の488GTBもぜひ乗ってみたい1台でしたが、今回は308GTBから続くフェラーリのMR+V8NAモデルの最高到達点を体験したいという気持ちが上回りました。
※458スペチアーレは残りの人生を捨てても買えないので忘れることにします。
ということで、散々悩み苦しみ考え抜いた挙句、F355を下取りに出してこちらの458イタ~リアを購入することにいたしました。
ここ数年F355 MT車の相場が狂ったように高騰しており、提示してくださった下取り価格がビックリするような金額だったことも決め手となりました。
※自分がF355を手放す時はぜひ声を掛けてほしいと数名の方に言われていたのですが、こんな金額の現金をすぐに用意できるお方はなかなかいらっしゃらないだろうと勝手に判断し、今回はAガレージさんへお譲りすることになりましたこと、ご報告とお詫びを申し上げます。
そして6月某日。
梅雨の合間の薄曇りの日に458が自宅ガレージに到着しました。
積載車から降ろされる姿を眺めても、この車が自分のものという実感が全く湧きません。カラーがビアンコだからなのか何とも車体が大きく感じます。特にフロントの車幅が広い印象。
まずは営業氏にガレージへ納めていただき、操作方法などのレクチャーを受けました。フェラーリなのにクラッチとシフトレバーが無いことや、パーキングブレーキがボタン式な点にかなり違和感を覚えました。
リアはカーボンのディフューザーがかなり低い位置まで出っ張っているので、車止めに接近する時やハンプを乗り越える際には注意しないと…。
エアインテークの存在感も控えめな印象。
F355と同じく地味でまとまったデザインなので迫力という点では今一歩かと。ただシンプルで綺麗だとは思います。エレガントで上品です。
458と比べると997GT3のボディーはなんと小柄なことか。
営業氏を見送った後、早速458で近所を軽く一回りしました。
まずフロントの幅広さがF355と全く違うので、やたらと大きな車に乗っている感じがします。視界自体は良いのですが車幅に慣れるまでは狭い路地や山道へ行ったりするのは怖いと思います。
乗り心地は…きっとバネレートは低くダンパー側で制御しつつ足が良く動く設定なのでしょう、スポーツカーとしてはかなり優しいと感じました。GT3やS2000とは雲泥の差です。一方でステアリングからタイヤのグリップ感が良く伝わってきます。ボディーが丈夫なのかも。
そして踏むと速い!エンジンの吹けが鋭い!あっという間にステアリングのLEDが流れるように点灯してシフトアップを促されます。
巡行中にシフトダウンして加速を開始すると一瞬で危険な速度域に到達してしまうので、これまで以上に自制心と周辺状況を把握する能力が必要とされるかと(汗)
そしてブレーキが普通に利くのがうれしい!F355では苦労しましたので。
シフトチェンジはアップもダウンも速くて、シフトミスの不安が無いのも助かります。確かにここまで車が速いとDCTでないと操作が追い付かないのかも知れません。このエンジンは自分がMTで制御できる範囲を超えている気がしました。
気になる排気音は…ノーマルマフラーではそこまで良いとは感じませんでした。
確かにバルブが開くと純正としてはかなりの大音量が響きますが、音質はバリトン→テノール→アルト→メゾソプラノくらいまでの音域でしょうか。ここはF355のイトレーアラバン仕様とは比較してはダメですね(笑)
どうしても我慢できなくなったらいずれ社外品に交換します。
帰宅後に改めてボディーや内装の細部を見ると、強度不足なのか?リアバンパーにヒビが入っていたり、内装のパネルが浮いていたり、相変わらず樹脂部品はベタベタするし、そういう部分はやっぱりフェラーリだなぁと感じました。
※不具合部分は後日Aガレージさんが快く修理・修復してくださることになっております。
ということで、約12年間続いたF355との生活が終わりまして、これからは458を愛車としてkoba的フェラーリ生活の第2章が始まりました。
MTではないことが少々残念な458イタリアですが、自分がフェラーリに求める要素をたくさん備えていますし、F355から乗り換えるのであればコレが正解だったのかな?と。
多少は故障や修理の機会が減るとは思うのですが完全に解放されることは無いでしょうし、今までと変わらず色々な場所へ走りに出かけて艱難辛苦・苦尽甘来、様々な経験をすることになると思いますが、どうぞ皆様これからもよしなにm(__)m
以上、ご報告でした!