S203は、ベース車のWRX STIより、安定性を増す為に車高を15mm下げ、その副産物であるロールセンターの位置変化(約-20~30mm)を補う事とWRX STIの操縦性である弱中アンダー(汎用の為安全方向)から弱アンダー(使用を限定している為スポーツ走行方向)への変更を、1φ太いリアスタビライザー、約1.5倍レートのコイルバネ、アブソーバのトータルバネレートの調整(アンダー度合:前後比、ロールセンター変化補填:レート増)によって実現しています。
しかし、サーキットで走行する場合には、現状ではバネレートも高くない事から、荷重移動に時間も掛かる為、
最近は物足りないと感じています。
また、タイムアタックしても、ロールが多い為にトラクションの掛かりが悪く、通常、助手席に人を乗せた場合、重量増でタイムが落ちるハズですが、左右両輪の接地が良くなった分、タイムが上がってしまう事も…
足やボディをサーキット向けへ変更していけば良いのですが、
先立つモノも無い状態。 (^^ゞ
◆そこで、根本的な改善ではありませんが、
ロールだけでも改善したいと思い…
RA-R仕様(極弱アンダー設定:203用より更に1φ太い)
スタビライザーを前後共、入手するべく確認してみた。
結果は…、
リアの購入が 出 来 な い ! ! 。
理由は、
・一般的なアブソーバの許容ストローク量は、フロントよりリアの方が多い。
・RA-R用のコイルバネは203と同一品だが、スタビライザーの太さ(バネレート)は前後共、1φ太い(高い)。
という事から、専用設計されたRA-Rのアブソーバー以外では、
スタビライザーの許容ストロークを、フロントは超えないが、
リアは超えてしまう為。
バネは通常、レート(定数)が高くなるに従って同一(自由)長でも、
最大許容ストローク(作動長)は
短くなる。
その為、アブソーバの最大ストローク量が多い場合には、バネの鋼材によっては、レートが低い際には問題無かったモノが、レートを高くして行くと、許容できなくなる場合が出て来てしまう。
ではなぜ、
RA-R用のアブソーバーだけ問題ないのかと言うと、203よりも更に限定使用とされている事から、アブソーバ側にストッパーを噛まし、
ショートストローク化となっている為。
どうせなら、RA-R用アブソーバのショートストローク化(小手先での対応)は行わず、バネ鋼材を変更し(社内承認を経)た上、
全モデルのアブソーバーに
対応した
高レートスタビライザーを製品化して欲しかった。
しかし、今からはもう無理な事…。
◆それなら、
「フロントだけでも…」と変更すると、大変な事に!!。
フロントのトータル(コイルバネ、スタビライザー、ボディの捩れ等の合成)なレートが変更前より高くなる(荷重移動時間が短くなる)為、ハンドル切り始め時の鼻先の動きとしては、クイックにはなり、一見、良くなったかの様に思えますが、操縦安定性(アンダー、オーバー特性:トータルなバネレートの前後比)としては、フロントが変更前より早くタイヤ限界へ達するように変化した事で、最終的には
変更前よりアンダーな特性となってしまいます。
◆
近似レートの社外品を捜し、見つける事が出来た。
しかし、その製品は「純正足を基準」と謳っているにも関わらず、スタビライザーの最大許容ストロークを尋ねると、「そのような事は聞かれた事が無い」と言う返事が…。
更に尋ねるも
結果は、リアアブソーバのストローク量の半分以下という始末。
(ロアアームとスタビライザーとのレバー比の違いを考慮しても問題外!!)
そこの製品を調べてみると…
案の定、街乗りレベルなら、ストローク量も少ないので問題はないのでしょうが、多くしたケースの場合には、ヘタってしまい、レートが変わってしまうどころか、曲がったまま戻らないケースも。
◆バネ屋でスタビライザーも作っている所へは、近似レート分の作成を依頼しておいたのですが…
出来上がりは何時になる事やら。
Posted at 2007/04/10 22:49:51 | |
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