私の930は箱入りじゃじゃ娘で
エンジン全開で走るなんてはしたない事はあまりした事がなく、
ましてサーキットなんかで酷使されるような事はありませんでした、
多分・・
前のオーナーさんは14年間もタイヤ交換をせずに
おとなしく乗っておられたようですから
この930はまずまちがいなくサーキットヴァージンだったでしょう。
でもポルシェのエンジンは回せば回すほど軽くなりよく回るようになる、
だから回してやらなきゃならないのですが
公道でそんな事したらお巡りさんが喜んじゃいます。
で、
富士スピードウエイのレーシングコースの
ツーリング枠で走る事にしました。
目的はタイムではなくエンジンを回す事ですから
ツーリング枠でいいのです。
ツーリング枠は最高速度180km/h以下のスピードで
かつ2分20秒以上のタイムで走ると言う制限があります、一応・・。
要するにゆっくり走る為の枠なんですね。
なにしろサーキットヴァージンですから
こんな風に「慣らし」の看板を貼りつけての走行です、一応・・。
930はタイヤ・ステアリング・シフトノブ・アクセルペダルを替えただけで、
何年前のかわからないブレーキパッド、フルード、へたったダンパー、
高い車高などなど全てノーマルのままです。
ま、
スーツにネクタイそれに革靴で
皇居の周りをランニングするみたいなものですね。
と言いながら
スーツとネクタイで結構本気で走っちゃいましたが・・・
以下、車の三要素、「走る」「曲がる」「止まる」についてその印象を。
「走る」
エンジンは思いのほか良く回ります。
ただ、997GT3やバリオラム付の993カレラのように
4000回転から二段ロケットのようにトルクが盛り上がる事はありませんね。
下からよどみなく回ってゆき
気が付いたらレブにあたってしまった・・そういうエンジンです。
当たり前ですが
ホームストレートで200km/h出しても平気。
手加減しなければストレートトップスピードはこの季節で220km/hぐらいでしょうか。
フロントリップもウイングもありませんから
多少の不安定感がありますが
恐怖を覚えるほどではありません。
立ち上がり加速はダルいし遅いのですが
このエンジン、さすがポルシェです。
「曲がる」
はっきり言ってこの車、曲がりまへんな。
曲がるための荷重移動、これはどの車でも当然必要な事ですが、
993は荷重移動の後、スッとノーズが入り
オン・ザ・レール感覚でコーナーをクリアーできました。
一方、この930は曲がるためにもう格闘ですね。
力でねじ伏せて曲がってゆく、そんな印象です。
おまけにロールが大きい。
Aコーナーなんか
ひっくり返って転がってゆくのではないかとさえ思いました。
疲れる・・
しかし
2枠目で気づいたのです。
「曲がらない」のではなく「曲げる事が出来ていないのだ」と・・。
今日会得した曲げ方は、
「荷重移動の後、舵角を今までより大き目あて、
その後テールスライドに備え少しカウンターを当てる気持ちで回ってゆく」
と言うものです。
この曲がり方が正しいのかどうかは知りませんが、
じゃじゃ娘を手なずける感覚、これが楽しい。
一方、
100Rで顕著なのですが
コーナーリング中にアクセルを少し戻した時に
ククッとノーズが入る、これが実に面白い。
思わずほくそ笑んでしまいますね。
はっきり言ってこの車、
曲がるのがおもろい!
ご一緒したiicyan3さんが動画を撮ってくれました。
180km/hぐらいのスピードからフルブレーキングで
シケインに入るB-コーナーです。
この動画けっこう気にいりました。
転がりそうになるぐらいロールして
懸命にコーナーをクリアーしている姿が実に健気なのです。
iicyan3さん、ありがとうございました。
「止まる」
はっきり言ってこの車、止まりまへんな。
宇宙一のポルシェのブレーキですから
930と言う車に必要かつ十分な性能を持ったブレーキが付いているはずです。
ところが止まらない・・
おそらくパッドが問題なのでしょう。
びっくりしたのは
ABSがついていないのに
200km/hのスピードからガツンとフルブレーキングしても
タイヤがロックしない!
ロードスターなどの軽い車はひとたまりもありません。
すぐにロックしてしまいます。
このあたりはRRの強みなのでしょう、
姿勢も含めてフルブレーキングに全く不安感がありません。
しかし、
2枠目最後の方では
ペダルを踏んでも止まらない!
クラッチと間違えたかと思うぐらい奥まで踏んで
やっと止まる・・
ヴェイパーロックですね。
ブレーキフルードの交換は必須です。
ともあれ
ブレーキング時の安定した姿勢はさすがポルシェで
997や993と比較しても全く遜色ありません。
パッドを替え、フルードを替え、ステンレスのラインに交換することで
ブレーキは本来の性能を取り戻し
宇宙一のブレーキが蘇るでしょう。
かくして箱入りじゃじゃ娘の白い930は
サーキットヴァージンを喪失してしまったわけですが・・
車の基本性能には全く問題が無いことが証明されたと同時に、
アクセルペダルの嵩上げは
やはり大正解だった事が証明されました。
しかし・・
車の三要素ではありませんが
気持ちよさの重要な要素の一つである「音」。
ノーマルマフラーはちょいと大人しすぎます。
空冷特有の音質でありながら
決して下品にはならず、しかしもう少し音量があるマフラー、
これが必要ですね。
Monty? Gansk?
どれがいいのかなあ。
お勧めがあれば教えて下さい!
最後に付け加えますが、
ポルシェの常として
ガンガン回した後のエンジンは
すこぶる軽くなり排気音も野太くなる・・
これは私の930も例外ではありませんでした。
ウン? 気のせい?
今日も一日太ももに挟まれて幸せでした。
みなさま
明けましておめでとうございます!
今年もみなさまのカーライフが
実り多き年でありますように!
昨年暮れにクラッチを修理してもらって再納車となった白い930は、
14年経過していたタイヤも新品にして
暮れの31日まで首都高や湾岸を走りまわり
新しい年を迎えました。
少しばかり走りまわって思う事は、
あー・・なんでこんな車買ってしまったんだろう・・
でっかいゴムがあちこちに挟まったバンパーはどう見ても武骨だし、
メカニカルノイズはウルサいし、
チェンジシフトは長くて不細工だし、
ステアリングは重いし、
高速道路のちょっとしたコーナーを曲がるにも力がいるし、
ヒーターは効きすぎるし、
エンジンの鼓動が容赦なく背中に伝わってくるし、
遅いし・・・
あー、なんでこんな楽しい車を買ってしまったのだろう・・
キーをひねってエンジンをかけ
エンジンの鼓動が背中に響くと・・
何故かほくそ笑んでしまいます。
クラッチを繋いで車庫から出そうとすると
重いステアリングに閉口しながらもニヤリとしてしまいます。
高速道路のコーナーをオン・ザ・レール感覚でクリアーしようとしても
一瞬遅れてフロントが入ってもまだステアリングが抵抗を示すと
何故か笑っちゃいます。
ところで、
私は車についているオレンジ色があまり好きではありません。
993を買った時もそうでしたが
まずはライト類のオレンジ部分を交換してしまいます。
取り敢えずはフロントのターンシグナルとサイドマーカー。
BEFORE:
AFTER:
ずいぶんと印象が変ったと思います。
フロントはスモークフィルムを貼りました。
でも大丈夫、
保安基準通り100m先からオレンジのターンシグナルをちゃんと認識できます。
サイドのクリアーレンズはもちろんオレンジ球を使用しています。
リアのオレンジのターンシグナルライトをどうするか・・
目下思案中です。
930歴3カ月先輩の「ばぐっくす」さんがステアリングを替え
その手順を整備手帳にアップされています。
「ばぐっくす」さんのよりカッコいいホーンボタンを買ったので、
私も正月休みにステアリングを取り替えようかと思いましたが・・
やめました。
27mmのボルトだとか配線がどうだとか・・面倒です。
それに老眼鏡をかけないと見えないし・・
むかしロードスターに乗っていた時には
ずいぶん Do It Yourself で楽しんだのですがね。
歳かな・・
ましてや
「ばくっくす」さんみたいに
こんなものを2000番のサンドペーパーでシコシコ研くなんて・・
般若心経を毎日1000回唱える修行のような真似は
とても出来ません!
ステアリング替えたりシートを替えたりも
お金を払ってでもどこぞのショップでやってもらう方が
余程楽チンだと思うようになりました。
そしてふと気がついたのです。
この発想はひょっとして・・
やれウイングだ、カナードだ、コンピューターだ・・と
FSWのタイムを金で買っているが如き
どこぞのショップに集うお水系の人たちと
その本質が同じなのではないか・・・と。
ま、楽しみ方は人それぞれだからいいのですが・・
いずれにしても
コイツは楽しい!
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