1982年式 ファミリアXG(5MT)
1982年(昭和57年)7月に千葉県で新車登録され,年配のオーナーさんが,2012年ごろまで約30年間ワンオーナーで乗られていた「未再生原型車」です。
初代オーナーさんが9万キロ強走破した後に手放され,解体処分されることなく千葉県内のマツダディーラーのショールームに展示され,しばらくの間千葉県内の営業所を転々としていたようです。
2013年11月に2代目オーナーが車検取得して路上復帰させ,2年弱で2万キロを走破し,一旦は業者オークションへ流れたようです。(車内でUSSオートオークションの出品表を発見)
2015年8月に,(書類上3人目のオーナさんが)ネットオークションで出品されていたところを「運悪く」発見し,約33年ぶりに生まれ故郷の広島に戻って来ることになりました。
業者オークションの出品票によると,フロントに軽い修復歴があるとされていましたが,板金のプロに診ていただいた結果,かなり丁寧に修復されていて,パッと見た目では判らない程度とのことでした。
サンライズレッドのボディは,小傷やエクボはあるものの全体的に程度が良く,外装の樹脂レンズやダッシュボード,シートなどの内装に焼けが無いため,新車時からほとんどの期間を車庫保管で過ごしてきた個体のようです。
また,初代・2代目オーナー共に,ほぼすべての整備や車検をマツダディーラーで行っており,新車時からの6ヶ月/12ヶ月/24ヶ月点検の記録簿が揃っていました。
以上のことから,新車時よりずっと大事に扱われて来た個体と言うことが見て取れます。
ファミリアは,マツダブランドで販売されているクルマの中では,キャロルに次いで古い車種ですが,現在は日産からOEM供給を受けているライトバンに「ファミリア」の名前が残っているのみです。
マツダ内製の乗用車としては,2003年10月に生産終了し,アクセラにバトンタッチしていますので,純粋な「マツダファミリア」が消えてから既に10数年が経過しています
僕自身最初の愛車がBGファミリアであり,マツダの名車である「ファミリア」の名前をこのまま忘れられてしまうのは耐えられないし,なによりもマツダを救った救世主である,BD型ファミリアをオリジナルに近い形で,実働状態で残しておきたいと考えていました。
マツダで言うと,コスモスポーツやRX-7のようなスポーツカーや,ルーチェ・コスモのような高級車は販売台数に対して比較的多く残っている印象がありますが,当時の街中でごく一般的に見られた身近なクルマたちは,朽ちて消えゆくばかりで,ひっそりと絶滅して行く傾向があります。
日本国内では第一回日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞し,同年度の「ヨーロッパ・カー・オブ・ザ・イヤー4位」,アメリカのCAR&DRIVER誌による「もっとも意味深い新車賞」、オーストラリアのホイールズ誌「1980カー・オブ・ザ・イヤー」などを受賞し,発売から僅か27ヶ月で生産累計100万台を突破し,社会現象を起こすほど大ヒットしたファミリアも例外ではなく,どんどん個体数が減っています。
既に手遅れに近い状況の中で,僕が探していた条件は・・・
1980~1982年の前期型
グレードは1500XG
ミッションは5速マニュアル
ボディカラーはサンライズレッド(できれば)
ただでさえ現存数が少ない中で,捜していた当時,出てくる売り物は1983年以降の後期型が中心であり,これだけの条件を満たすようなクルマは簡単に見つかりませんでしたが,5年以上探した結果,ようやく手の届く範囲で(←これ重要)納得の行く個体が見つかりました。
ちなみにファミリアXGは,発売当初から電動式スライディングサンルーフが標準装備で人気を博しましたが,この個体はなぜかノーマルルーフ・・・。
調査の結果,途中の小改良の際に「非装着車」が設定されるようになったようですが,このクルマはある意味レアなサンルーフ非装着車です。
「屋根開きマニア」としては,サンルーフが装着されていないのは残念ですが,当時でもサンルーフ周りの腐食や雨漏りが弱点だったようなので,長く乗るにはこちらの方が都合がよいと,前向きに考えています。
また,ハチマル世代から装備され始めた,パワステ(後期型からオプション)・パワーウィンドウ・パワードアロックの類は装備されていませんが,逆に故障する個所が少ない分,維持しやすいと思います。
ちなみに,希望ナンバーの「80-11」は,僕が小学生の頃に父親が乗っていたファミリアサルーンXG(後期型)のナンバープレート,「広島57の80-11」と同じナンバーにしています。
思い起こすと,父親がサバンナGSⅡからファミリアサルーンXGに乗り換えたのは42歳の時で,僕がこのファミリアXGを入手したのも偶然42歳の時・・・。
手放す時に「年配」だったと言う初代オーナーさんが70歳代だったとすると,恐らく新車で購入されたのも僕と同じ40歳代だったのではないかと推測します。
このクルマがオリジナルに近い状態で残っていたのも,そんな理由であったと思えば合点が行きますね。
変に当時の若者仕様っぽくせずに,オリジナルを維持したまま乗り続けたいと思います。
ちなみに,マツダ株式会社さまは過去6回ほど「日本カー・オブ・ザ・イヤー」を受賞していますが,当ガレージには・・・
第1回(1980年)BDファミリア
第26回(2005年)NCロードスター
第35回(2014年)DJデミオ
第36回(2015年)NDロードスター
・・・以上の「日本カー・オブ・ザ・イヤー」受賞車が在籍しております。(収集している訳ではありません)
■Vehicle Specification
初年度登録:1982年7月
グレード:1500XG
エンジン:E5型直列4気筒SOHC
排気量:1490㏄
最高出力:85ps/5500rpm(グロス)
最大トルク:12.3kg-m/3500rpm(グロス)
圧縮比:9.0
使用燃料:無鉛レギュラーガソリン
全長x全幅x全高:3955x1630x1375mm
ホイールベース:2365mm
車両重量:800kg
変速機:5速マニュアルトランスミッション
サスペンション;F:ストラット式/R:ストラット式
塗装色:サンライズレッド(ボデー色コード:RH)
■Tuning&Other
※基本的にフルノーマル
ホイール :マツダ純正ホイール(5J-13)+ホイールリング
タイヤ :DUNLOP ENASAVE EC203(175/70R13 82S)
点火プラグ :NGK BP5ES-13(純正指定)
プラグコード :永井電子機器 シリコーンパワープラグコード
バッテリー :Panasonic Blue Battery caos(60B19L)
エンジンオイル:広島高潤 Multi Purposeシリーズ(10W-40)
その他諸々 :K&N製エアクリーナー(純正交換タイプ)
【追記1】
英国BBC TVの「Top Gear」の元司会者のJames Mayさんが,「James May's Cars of the People」と言う番組で紹介するため,弊ファミリアXG(mazda323)をドライブされました。
http://dai.ly/x3lnwwf?start=3170
※52:50付近をご参照ください
取材の模様は下記をご参照ください。
http://minkara.carview.co.jp/userid/236785/blog/37309820/
【追記2】
第8回門司港ネオクラシックカーフェスティバルにて,「BEST OF THE SHOW」(グランプリ)を受賞しました。
【追記3】
昭和レトロカー万博で、YouTuberさんに紹介されました。
https://youtu.be/D4PYO9NFqhE?t=360