機能しているんですかね。むしろ調査前に結論があって、その結論になるように調査対象を選んでいるような気がします。
引用
疫学調査のしくみ
8月3日に疫学調査チームの一部が川南町に来て、数戸の初期被害農家や関係者(獣医師他)を混ぜ意見交換会のようなものを開催しました。それぞれの農家の意見、そして特に獣医師の専門的な知識からの質問はとても有意義なもので収穫がありました。そのなかで、調査の仕組みも分かりました。
1)県が主体になり(その地で仕事をしているので当然)被害の農家への聞き取り調査
2)疫学調査チーム内の現地調査チームが調査するべき【キー】と考える農場の聞き取り調査
3)その内容を疫学調査チームに上げて、その情報を元に検討会を開催して発表するという流れです
「私達のとこには調査が来てないよ」「なぜ農家の生の意見を聞かないのか」
「たとえば大規模農場は現場で作業をしていた人間から話を聞いたのか?」
「いや、、聞いてません関係者です」
「、、、って関係者って誰よ?」
「関係者です」
仕組みでは、東京での検討会は現地からの【聞き取り情報】を元に【発表】があります。動物達から遠いはずの【マスコミ】が報道すれば【認めるそして発表する】という流れ、、、県にも国にも、すごく【壁】が感じられ、疲れました。
どのような前例をつくるか
調査チームと農家の話し合いの中で獣医師からの質問は【抗体値】やどうのように【ウイルスの侵入時期】を特定したのか?など参考になりました。ウイルスの侵入時期を判断しているのは、【サンプルからの抗体値】と【臨床症状】からだそうです。
臨床症状とは【その時の牛の見た目】です、そして【抗体値】の情報開示は本人にも出来ないとのこと、水牛は【3月中旬】そして1例目 (16頭)と7例目(725頭)は【3月下旬】のウイルスの侵入が【公式見解です】と言っていました。
【症状が出たと報告があった日を発症日】と疫学調査の基準にしたり、【検体は症状のある牛(発症直後)から採取】 とありがたいことに農家を信用してくれて、【他の農場が出るまで黙っていた】とか【もう治っている牛がいるのではないか】という考えはしないようです。
1例目と7例目はウイルスの侵入は同時期と発表 家畜保健所への通報も同時期か、、、、規模に応じて検体の数も変えるべきだったな、、、、
「仮に既に治っている牛から検体を取っていたら、侵入時期は早まりますか?」
「そうなります」
引用終わり
なんだろうこの違和感。水牛農家に『初発』という濡れ衣を着せる為に、都合の良い良い事実だけを集めているように見えます。感染した家畜が殺処分されている現在、客観的な立場で多方面から証言を集め、疑わしきは検証しつ真実を追究するべきなのに、大規模農家の現場からは話を聞かずに、自称関係者から話を聞いていたり、農家の発症報告を全面的に信用していたりと。
事件を捜査する場合「偽証」の可能性を考慮し、全ての証言に裏づけ捜査を行うのが普通ですが、現地調査チームでは其処までの聞き込みは行われていないようですし、真実を追究する気が無い様にも見えます。
さらに、毎日新聞(2010年8月8日)では、
引用
現場発:口蹄疫調査に農家不信 感染経路不明 なぜ「初発」特定
宮崎県で牛や豚などの家畜約29万頭を殺処分に追い込んだ家畜伝染病・口蹄疫(こうていえき)は、県が27日に終息宣言する見通しだが、感染ルートの解明には至っていない。感染の経緯を調べる農林水産省の疫学調査チームは7月23日、第4回の検討会で初発事例を具体的に示しながらも「ウイルス侵入経路の特定は困難」とした。初発とされた農家らは「まともに当事者の話を聞かずに結論を出してほしくない」と戸惑い、不信感を募らせている。【石田宗久】
初発とされた都農町の竹島英俊さん(37)はイタリアでチーズ作りを学び、3年前、移住した。水牛約40頭を飼い、未明に 搾った乳を東京のレストランに届ける日々は、口蹄疫で絶たれた。 3月末、元気のない水牛を かかりつけ獣医師は風邪と疑った。獣医師が保管していた検体で4月23日、6例目と確認。疫学チームは「ウイルス侵入は最も早い3月中旬と推察される」とした。
口蹄疫は今年に入り韓国や台湾で流行していた。竹島さんは調査で、渡航歴などを質問されたが、「パスポート提示さえ求められなかった。こんな調査じゃ納得できない」と怒る。一日のほとんどを農場内で過ごし、観光客も原則として受け入れていない。「なぜ感染したのか。殺された動物のためにも徹底的に調べてほしい」と強く求める。
「水牛から人を介して広がったのなら、まず発症するのはうちのはず。なぜ何も話を聞きに来ない?」4月23日に5例目と確認された川南町の森木清美さん(61)は首をかしげる。竹島さんの農場を手伝う親族が連日、お茶を飲むため家に立ち寄っていたからだ。牛75頭の中に発熱を確認したのは22日朝。「ウイルスがどこから来たのか。はっきりしなければ怖くて経営再開できない」
疫学チームは、3月下旬にウイルスが侵入したと みられる農場に1、7例目を挙げた。4月20日に確認された1例目の黒木保行さん(59)方は竹島さんの農場から約500メートル。黒木さんは月2回、竹島さん方に都農町の広報誌を届けていた。
黒木さん方から約3キロ離れた2~5例目と7例目の農場は百~数百メートル内にある。7例目は全国に和牛牧場を展開する畜産会社の農場で、約700頭を飼育。4月24日に症状を確認し 通報したが、地元旬刊紙が「感染を隠ぺい」と報じ、会社側は 名誉棄損で提訴した。代理人は「4月18日に風邪を疑い投薬し、19日に治った。専属獣医師の判断で経過観察していた」と疑惑を全面否定する。
疫学調査チーム長の津田知幸・動物衛生研究所企画管理部長は、ウイルス侵入時期の根拠を「症状の写真や抗体検査の結果から推定した」と説明する。ウイルスの潜伏期間を約1週間、感染の痕跡を示す抗体ができるまでを約2週間などとして逆算したという。
チームは来月にも中間報告を取りまとめる方針。津田チーム長は「
感染時期の推定は今までのデータが基であり、データが足りなければさらに聞き取りが必要」と、追加調査の可能性を認める。
動衛研勤務経験のある白井淳資・東京農工大教授(獣医伝染病学)の話
疫学調査チームは、なぜ初発を水牛農家と発表できたのか不思議だ。あくまでも得られた検体のみを分析し、判断した結果にすぎない。ウイルスの侵入が3中旬なら、1例目以前に感染が見過ごされた家畜がいたかもしれない。もし水牛農家が初発とすれば、どのようにウイルスが侵入したのか、徹底的な聞き取りなどの調査で侵入ルートを解明しなければ意味がない。
引用終わり
一体疫学調査チームは何を調査しているんだか、そもそも初発と断定するなら、其処に入ってきたルートも解明されないといけない訳ですが、その辺はどうなっているのでしょう。
感染ルートの解明が、魔女裁判にならない事を祈りますね。
Posted at 2010/08/18 14:21:43 | |
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