
昨今、国内でも自動車のデイライトは見慣れて来たし、実際国産車ではプリウスからGT-R、観光バスから大型トレーラーまで装着されている事例も多い。
ところがヨーロッパ車では、納車時に標準装備されているデイライトが日本国内では点灯出来ない仕様が多く、実際我が家のボクスターもご他聞に漏れず点灯出来ないデイライトが装着されていた。
過日納車時に遠方のPCで何故だめなのかを尋ね、次に点検時に自宅近くのPCでも同じ質問をしたのだが、取り付け位置が悪いやら兎に角規準に合致していないやらと、結局はっきりとした回答は無かった。
まあその後、取り敢えず近所のショップでコーディングして貰い、無事に点灯する状態には成ったのだが、合法でないから点検修理等でPCに入庫する度に元の状態に戻されてしまうよと、コーディングしてくれたショップに言われもしたし、実際何故だめなのか分からないのも釈然としないので、しょうがないから自分で調べて見る事にした。
先ず前向きのライトの種類だが思い付く物を上げていくと、ヘッドライト、フォグランプ、ドライビングランプ、スポットランプ、ポジションランプ、アクセサリーランプ、デイライト、四駆に時々付いているルーフ灯等が思い浮かぶ。
その中で先ずフォグランプ、ドライビングランプ、スポットランプは保安基準上は「前部霧灯」でひとくくりにされている。
そこで区分けとしては、ヘッドライト(前照灯)、フォグランプ(前部霧灯)、ポジションランプ(車幅灯)に成るのだが、デイライトやルーフ灯は前出のどれかに入るのだろうか。
ここから真剣に調べると、自動車の灯火の要件や禁止事項は、道路運送車両法の保安基準の32条から42条及び灯火の検査事務規定によって規定されており、国産車のデイライトはこれらの条文によって「その他の灯火類(アクセサリーランプ)」に分類されていると言う事が分かった。
またその42条には、取り付け位置と明るさの規定が書いてあり、『取り付け位置はヘッドライトの中心以下で車輌最外側から400mmまでの範囲に一番外側が入り、地上高250mm以上であり、明るさは300cd(カンデラ)以下であること。 純正のヘッドライトやスモールライトに連動させて点灯させない事』とある。
ここで蛇足ではあるが四駆のルーフの灯火は、取り付け高さでその他の灯火類にも入らないので、本来であれば停止時にのみ点灯が許される作業灯扱いに成るのである。
では、デイライトに話を戻すと、その明るさに関してであるが、点灯を法律で義務付けられているヨーロッパでのデイライトはと言うと、規定で最低光度400cd(カナダは500cd)必要とあるので、おのずとポルシェのデイライトもこの400cd以上はある訳で、ここでその他の灯火類は300cd以下と言う日本の保安規準には適合しない事が分かった。
因みに取り付け位置を測って見たら、車両最外側から約100mmで一番低い所で地上高400mmあったので、こちらは合法的な数値であった。
と言う事は、ポルシェ社がヨーロッパの規定で400cd以上あるデイライトを、日本仕様として300cd以下で輸出してさえくれれば、或いはポルシェジャパンが日本仕様のデイライトを作って納車時に装着さえしてくれれば、我々は何ら苦労する事も無く晴れて日本国内でも点灯出来るのだと言う結論に達した。
これで半分スッキリはしたのだが、相変わらず合法的には点灯出来ないデイライトとは、これからも末永く付き合わなくてはいけないのであった。
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2015/05/22 19:58:00