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2018年12月27日

日本の組織の不祥事に関するテレビ番組の感想

大企業に勤めているワケでもなく、経済も社会も全く知らないおっさんの、単なる「感想」と「妄想」である。
ニッサンの問題で世の中盛り上がっているところに、20年前の山一證券事件を扱ったテレビ番組を見たので感想。当然これは「テレビ」であり別に番組の内容を全て真に受けているワケではないが、いかにもおっさんがハマる番組内容ではあった。

番組はいわば「実行犯」の幹部二人の証言を中心に、事件当時の組織の状況に焦点を当てるという形のドキュメンタリーだった。冒頭でいわゆる「主犯」格の歴代社長が「取材拒否」だったことに触れているのは、やはり彼らが主犯、悪の中枢であるというイメージを強調することで、実行犯である番組の主役の二人に対する風当たりを少しでも和らげるため(という形式上の)のものだろう。確かに「証言者」である彼らに対する配慮は必要だろうし、逆に主犯格の人間達にとってはもはやどうでもいいことなのだから、このような構成は番組サイドとしては理にかなったものだと思う。
ただやはり驚いたのは、20年経っても実行犯たち二人は「自分のせいではない」「自分は悪くない」若しくは「そもそも初めから何も悪いことはしていない」と思っている(ようにしか見えない)ということだ。逆に主犯である歴代社長外経営幹部を擁護するような発言をしていたことには、正直感心すらしたところである。
それもそうだろう。彼らは「組織の論理」に選別されて幹部にまで登り詰めた人間達である。そして彼らは自らの信念でそのような振る舞いをしたワケではなく、そもそもそのような人間だからこそ、組織の論理によって選ばれたのである。
人間、そして当然組織も、問題が起きた時の姿が真の姿である。組織自体が問題を起こすだけでなく、例えば災害が起きた時などがそうだ。前の大震災による原発事故の政府、東電の対応がまさにそれである。問題や失敗の対応というのはまずそれを拡大させないことに尽きると言えるが、大抵の人間はそれを取り返そうとしてしまうものなのだ。取り返すのはその失敗をハッキリさせてからでなければならないというのが、全ての問題対応の基本と言えるだろう。しかし組織に選ばれた人間は、組織における自分の居場所を失うことを恐れるあまり、失敗を認めることは絶対にできないのだ。そこに至るまでの間ずっと組織の論理のみによって生きてきた人間達であり、実際に現場で起きている問題などそもそもどうでもいいのだから、当然である。

結局事件そのものについては別にそれほど凄いことが起こっていたワケでもなく、「悪の陳腐さ」そのものという感じだった。番組の最後は、最近相次ぐ企業の不祥事を挙げ20年経っても日本企業、社会は全く変わっていないということと、それに対し個人が立ち向かわなければならないというような精神論で締めくくられていたように思う。
が、そもそもそのような考え方が根本的に間違っているのである。
組織の論理は自然の法則であり、絶対に人間の意識で変えられるものではないのだ。当然本来ならそれを前提とし対策を講じる必要があるという結論になれなければおかしいのだが、そこが論理的思考において未だ日本人が超えられない壁となっているのか、若しくは何者かによって意図的に本質をごまかされているように思えて仕方がない。

現在の日本の組織の状況を語る時、失敗組織の典型的な事例として旧日本軍が挙げられることは多く、また当然全体主義に陥った日本社会そのものも戦後においては反省点として常に挙げられてきた。「非国民」という言葉によって社会全体、そして自らをもその呪縛に陥れる愚から誰も逃れることができなかったということは、小学校でも相当聞かされたハナシである。
先の大戦後、GHQが日本社会を集団主義、アメリカ社会を個人主義と分析したというのも最近よく取り上げられる有名なハナシのようである。もちろんドイツ、イタリアとともに枢軸国と呼ばれることとなったのであり、全体主義に陥ったのは日本だけではない。またその後も共産主義国家などで同様の事例があったのは確かである。が、その時点においてのアメリカと日本との比較という一点においては間違いとも言えないだろうし、そのような組織の性質に対する危機感を強調したものとも考えられるだろう。アメリカは封建的な欧州を飛び出した人々によってゼロから建国され、全く異なるルーツを持つ多様な人々によって、数々の成功と失敗を繰り返しながら、今日の世界一の大国となったのである。しかもそれは人類の歴史的に見ればごく最近のことであり、その過程で培われてきた理念と記憶が未だに強烈に残っているからこそ、それが社会に反映されているのではないだろうか。そしてそのことが常に意図的に、明確に文化や教育で反芻されているように思われる(もちろん自分はアメリカ文化に精通しているワケでは全くないが)。
またドイツも歴史上最悪とも言える「組織」を「国家」にまで増長させた「反省」から、現実的具体的な組織運営技術を実践、発展させた結果今日の「論理性を重視した国民性」という「イメージ」に繋がっているのではないだろうか(ドイツ文化に触れる機会は一切ないので全く判らないが)。この二国については国家や民族を問わず組織、社会がどのような経過を辿るのかを論理的に理解しているからこそ、具体的な対策を実行しているということになるのだろう。
その点日本は戦後も「反戦」「平和」「謝罪」といった精神論のみが常に先行し、「組織」「社会」「国家」を自然の法則と捉え具体的な技術や理論をもって運営するという姿勢はほとんど見られなかったと言ってもいいのではないだろうか。そう考えるとそのような「非論理性」はやはり日本人の「特徴」なのかもしれない(だからといって米あるいは独が「いい国」か否かということとは全く関係ない)。
戦後の文化、教育においても日本はやはり「精神論」であり、全く前時代的、非論理的であったと言っても過言ではない。だが逆に言えば、その非論理的な精神論で社会規律を一定程度維持することができるからだと考えることもできるし、逆に米、独はそうではないということにもなるのかも知れない。だとすればそれはやはり日本人の「性質」ということになるハズだが、戦争、民族紛争が全てという歴史を持つ欧州と、そこから飛び出した人々と世界各地からやってきた移民達が作り上げた米国と、歴史的背景が全く違う日本とで、その経過の違いが「現時点」での「国民性」として顕れているのに過ぎないということにもなるのかもしれない。
確かに米国に似て本州から逃れてきた人々、つまり移民によって開拓された北海道では、人口密度が低い、歴史が浅いといった共通項が多くあり、学歴にそれほどこだわりが無かったり、女性や青少年の喫煙や飲酒に対して寛容であったりと、自主自立、自己責任という考え方や個人主義的傾向が強いということはあるそうだ(最近言われる「自己責任論」とは全く違うが)。これはやはり社会が辿った経過、歴史によるものだといってもおそらくそれほど間違いではないだろう(逆に何でも親方日の丸、公共事業頼みであるが故にかの有名なクラーク博士から「野心的であれ」と叱咤されたというハナシもあり、全然アメリカ的じゃないかもしれないが)。

とはいえどんなに歴史的経過や社会性に違いがあったとしても、いじめもセクハラもパワハラも差別も汚職も犯罪もない国など世界中どこにも存在しないことは間違いない。そういう意味ではアメリカ人も日本人も、ましてドイツ人も中国人もたいして変わらないということであり、そのようなことはただフツーに海外の映画やドラマ、音楽に触れているだけでも誰にでも当たり前に判ることではある。
一歩引いて世界から現在の日本を見れば、アメリカやドイツに比べて全体主義の危機に覆われているようには全く思えない。それにかつてに比べれば幾許かでも個人主義であることには間違いないだろう。そう考えれば社会がどんなに閉塞感に覆われていたとしても、僅かずつであっても前進はしているということになるのかもしれない。が、そのような見方は少し単純すぎると思う。常にその危険と向き合い闘い続けている欧米よりも、全く何も考えることなく誰もが闘うことを避けている日本の方が、気づいた時には全体主義に陥っているという危険性をはらんでいるのではないだろうか。

崩壊に向かいながらそれを避けることができた組織は、おそらく存在しないのだろう。数々の神話がそれを物語り、人間の歴史がそれを証明しているのだ。
ブログ一覧 | クルマ
Posted at 2018/12/27 22:00:18

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