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2009年10月29日

自動車革命


日経ものづくりの電気自動車特集に続いて、
今度は、自動車革命というテレビ番組を見た。

エンジンからモーターへの転換を産業革命に擬え、
自動車産業の構造転換を捉えたNHKの報道番組だ。

---

中国では今、13万円の電気自動車が街を走り始めている。

中国の法規制上、運転免許や ナンバープレートは不要で、
性能や安全性についてのルールもない領域での製品。

これまで自動車を買えなかった層からも 手が届く製品。
電気自動車が創る市場は、ガソリン車が拓けなかったもの。


山東省の農家から 三年で 成長した企業が、
鉛蓄電池とモーターを組み合わせたフレームの上に、
樹脂を削ったボディを被せて、電気自動車をリリース。

世界の工場となった中国では、部品を安く入手できるため、
小さな企業が、続々と新しい自動車市場に参入している。

動力が、エンジンからモーター駆動に変わることによって、
構造がシンプルになり、PCのように 参入障壁が低くなった。

クルマがコンポーネント産業に変わりそうな予感が見える中国で、
電気自動車が続々と生まれ、さらに欧州にも出て行こうとしている。

---

上海のモーターショーの会場を訪れた日産自動車の幹部。
航続距離300kmを謳った BYDの電気自動車e6を注視。

巨額の開発投資で、電気自動車リーフの量産準備を進める日産。
そのリーフですら航続距離は160km。スペック上はBYDに負けている。


日産の技術担当・山下副社長が、BYD社を訪問するシーン。
自動車に進出して6年の元電池メーカーの敷地内で e6に試乗する。

試乗前に「車重2000kgはクルマではない」と語っていた山下副社長。
ホイルスピンしながら急発進し、BYDの構内をスムーズに走り出した。

試乗後のコメント曰く、「クルマとしての完成度は高くないが、
よく走り、静か、スムーズな加速で、EV特有の良さがある。」とのこと。

日産幹部が一目置いたBYDのe6は 今年末に市場に投入される。
対するリーフのリリースは再来年で、e6よりも一年以上も後になる。

---

中国政府は、電気自動車普及で 13のモデル都市を設定し、
充電ステーション設置や、毎年1000台の公用車需要をつくる。

リチウムイオン電池と永久磁石モーターに使われるのがレアメタル。
レアメタルに強い中国の資源事情が、電気自動車を後押しする。


「中国政府は、電気自動車産業を視野に 2001年から施策を打ち、
この分野で 競争力ある企業を育てている」と科学技術相がコメント。

シリコンバレの企業・投資家も、国家戦略的な動きをチャンスとし、
電気自動車による産業革命の中で、イニシアティブを握ろうとしている。

---

インドからは、REVA社が発売した電気自動車が 欧州で存在感を示す。
欧州進出6年。ロンドンでは 渋滞税が後押しし、販売1000台を超えた。

自らのショールームを持たず、一回1500円の手間賃を払うことで、
自社製品ユーザーの協力を得て、新規顧客の試乗を受け入れてもらう。

そのREVAの社長の発言が、番組の後半で、印象的に響いた。
曰く「既存自動車とは技術が違う。既存メーカーに勝ち目は無い。」

---

簡単な構造ゆえ、自動車以外の分野からも参入・開発が進んでいるが、
他方、既存の自動車製品の延長として開発された電気自動車もある。

コピー生産で自動車技術を身に付け、周辺産業を成長させた中国は、
既存自動車の市場だけでなく、電気自動車の潜在市場も手中に持ち、
さらにレアメタルという武器を持ち、自動車の産業革命の一角を担う。


日本の自動車メーカーは、エンジン車で磨いたモノづくりのプロセスを、
よりシンプルで多様性を秘めた電気自動車に、うまく活かせるのか。

欧州の自動車メーカーは、確固たる設計思想と官能性能の高さを、
電気自動車という新デバイスを得て、うまく昇華させることができるのか。


電気自動車を取り巻く自動車産業の変化は、ますますおもしろくなりそう。

ブログ一覧 | クルマ全般 | 日記
Posted at 2009/10/29 02:10:31

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この記事へのコメント

2009年10月29日 4:24
早くEVのオープンカーが出て欲しいです(^^;)。
コメントへの返答
2009年10月29日 6:24

こんにちは。コメントありがとうございます。

オープンのEV、ますます風を感じられるクルマになりそうですね。。。エンジン音が消えると、風の音が聞こえそう。(笑)

2009年10月29日 6:49
こんにちは。
この番組見ました。
こういったインフラ依存型のシステムこそ国が先導していかないと、いくら日本に技術力があっても厳しいですよね。
サンプル出荷するはずの試作車をいきなりぶつけてしまうあたりが..。らしいなと思いました。
コメントへの返答
2009年10月30日 1:41

こんばんは。コメントありがとうございます。

ぐりふさんもご覧になられたのですね。おもしろかったですよね。(笑)

インフラ依存で、かつ決断すれば投資もさほど...というシステムなので、早く政策に反映して欲しいものですが...

試作車の激突、やらせのようにおもしろかったです。(笑)

2009年10月29日 7:17
MotorFun illustrated 最新号も、電気自動車の最先端技術についてでした。こちらも興味深い内容でした。
コメントへの返答
2009年10月30日 1:42

こんばんは。コメントありがとうございます。

電気自動車、ここに来て、なかなかホットになっていますね。。。

ひかりみるくさん、いろいろ本を読んでおられますね。さすが!(笑)

2009年10月29日 8:43
こんにちは。

私もこの番組を興味深く見ていました。

EV単体の車として見るか、都市インフラの一部(小規模分散発電装置的な)と位置付け双方向送電に対応できるシステムとして見るか。。夢みたいな事を考えていました。
その夢は↑の方のコメントにもあります衝突テスト映像(笑)で吹き飛んでしまいましたが(苦笑)
コメントへの返答
2009年10月30日 1:44

こんばんは。コメントありがとうございます。

都市のインフラの一部とするのは、理想的なコンセプトではありますが、市民が社会への貢献や帰属をどれだけ意識しているかで、実現性が変わってくるような気もします。

衝突の映像は、衝撃的でしたね。ぶつけているのに、ぶつかったと言っているのも、中国人らしくて。。。

2009年10月29日 22:05
EVが主力になると、自動車産業への参入障壁が一気にへるので、今後は淘汰の波が訪れるかもしれませんね。

電子部品が増えることから、今までその購買量と購買額から主導を握り、サプライヤーに圧政(?)を引いていた購買方法も大きく変わる可能性も否定できません。

いよいよ自動車産業も斜陽産業に入っていくのでしょうか?なんて思うときもあります。
コメントへの返答
2009年10月30日 1:48

こんばんは。コメントありがとうございます。

電気自動車になって、デバイスの標準化が進むと、サプライヤー側の力が増すような気もします。。。 メガサプライヤーが支配する自動車産業となると、どんな製品が生まれてくるのでしょうね。。。

自動車産業は、ここで斜陽に進んだとしても、産業としては長くもった方かもしれませんね。。。


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「水泥公司と書かれたホキ+セキの貨物。日本のようなコンテナ貨物は皆無で、昔懐かしい混成貨物が主流。。火砲を載せたチキが留置されていたり、いい感じの鉄風景。ちなみに水泥って、セメントのことらしい。」
何シテル?   08/06 09:17
プジョーのCCとSWに乗ってます。 オープンカーは四台目、フランス車は五台目です。
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