
梅小路蒸気機関車館のお正月イベント
“撮り鉄”落語家・桂梅團治の新春初笑い会 に、子鉄と一緒に寄ってみた。
若い時分は、毎週ラジオで聴いていたほど 上方落語が好きだったのに、学祭で桂米朝師匠の寄席に潜り込んで以降、もう二十年近くも 生の寄席を体験していない。 子鉄は、テレビも好きだが ラジオなど語り中心の番組も好き。 鉄道趣味が世間で広がる中で、鉄道落語というジャンルが生まれたことを知り、幼児なりに きっと気に入ってくれるだろうと思い 誘ってみた次第。
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寄席は、蒸気機関車館の
旧二条駅舎の貴賓室で行われた。 あまり広くない部屋の最前列に陣取って待っていると、息使いが聞こえるほどの距離で 噺家が ご登壇。 まずは、梅小路の来館前にどこに行っていたのかと言う話がマクラ。 大阪市内のご自宅を早朝に出て、京都を通り越して、わざわざ福井県の今庄を経由してから、梅小路に来られたらしい。 遠回りの理由は、雪中の撮り鉄を楽しむためで、本日の獲物は「ローピンの日本海」とのこと。 途中、強盗事件の検問にあった話なども交え、スタートから子鉄の心を鷲掴み。(笑)
師匠と一緒に 「鉄の世界」という鉄道落語会を 開催する 桂しん吉さんの乗り鉄ぶりを紹介する話では、「東京の寄席に向かうゆうてるのに、わざわざ新潟経由で行きますねん。あほでっしゃろ。」みたいな振りに、子鉄が思わず「きたぐに!」と合の手を入れると、「あんた、マニアでっしゃろ~~」と 檀上から ノリのいい突っ込みがあり、お客さん達も爆笑。 あるいは、子鉄がカメラを向けると、ピースをしながら 愉快なポーズを作り、これもまた 笑いの一つにしてしまう。 さすがプロだなぁ...と感心。
落語では、一人二役・三役と異なった役を演じながら、愉快な噺を語る。 そして、その役が変わる度に、まるで そこに話し相手がいるかのように、一方向に顔を向けながら 真剣に 語る。 落語が初めての子鉄は、本当にそちらに聞き手がいると錯覚したようで、会話の主が変わる度に 右に左にと 振り返って、一生懸命 聞き手を探していた。 師匠の噺は、それだけ臨場感のある素晴らしいものだった。
およそ30分の寄席の中では、何度 腹の底から笑わせてもらえただろう。 寄席が終わって席を立つ頃には、とても すがすがしい気持ちになれた。 笑いの効能として、ストレス解消や健康が挙げられることは知っていた。 でも、若い頃はストレスそのものを感じていなかったし、年齢を経てストレスに馴染みつつ、職場や家庭での笑いが 地味になった今、落語による派手な笑いの効能を、初めて 心から実感することができた。
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寄席が終わって、扇型車庫のライトアップ展示に向かう途中、大きな三脚とカメラを抱えて、お弟子さんと共に撮影現場へ急ぐ梅團治師匠に遭遇。 師匠から、「ほんま、マニアやなぁ~。 いろいろ連れてってもろてるんか?」と声をかけてもらい、「九州や北海道にも行ったんです」と得意げに応えていた子鉄。 鉄道をきっかけに、落語という古典芸能の一端に触れることができ、良い一日を過ごすことができた。 今年の年末には、ぜひ「鉄の世界」にもお邪魔してみたい。
Posted at 2012/01/08 09:18:56 | |
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子供と鉄道 | 日記