NHKの
音の風景は、たった5分だけのラジオ番組なのに、
情緒あふれる風景を、音だけで描き出せるのがスゴい。
毎日楽しんでいる訳ではないが、帰宅が遅い日など、
たまたま放送時間にクルマに乗っている時に聴いている。
FMでも放送されているが、あえて音域が狭いAMを選ぶと、
音のリアル感やレトロ感が増して、とってもいい感じに聴ける。
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私の音の風景は、夜明けの寝室で聴くヒグラシの声。
目を閉じてまどろんだまま聴くので、音だけの世界。
日の出の15分前、あたりが薄っすら明るくなると、
まずは たった一匹、ワンコールの鳴き声からスタート。
カナカナカナ...という声は、もの悲しくも聞こえるが、
響きに力があるせいか、救い難いほど寂しいものではない。
一小節を重ねるごとに、合唱に加わる個体が増え、
テンポをずらした声も混じると、輪唱のように聴こえる。
ヒグラシのステージは、たった30分しか続かない。
日の出から15分が経過すると、声の勢いは衰える。
声も姿も小さいニイニイゼミの合唱に負け始める頃には、
辺りは かなり明るくなっており、私の意識も確かになる。
夏の朝、期間限定の音の風景。
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早起きとされている鳥達だが、ヒグラシには負けている。
それに、鳥達の中でも、早起きの度合いに差がある。
一番早起きなのは、キィーッと鋭い声で鳴くヒヨドリ。
ヒグラシの大合唱に水を差す叫びのように聞こえる。
次に早いのはウグイス。これはきれいな声なのだが、
残念ながらヒグラシとテンポが異なり、合わせる気も無さそう。
後は、カラス、スズメと、昼間でも鳴く鳥達が後に続き、
夜明けから1時間が経つと、昼間と変わらない音になる。
実は、ヒグラシと同じくらい早くから鳴く鳥もいるのだが、
調べても調べても、なんの鳥だか さっぱり分からない。
そもそも、声だけで鳥の名前を特定するにはムリがある。
ひょっとしたら、フクロウやミミズクの類なのかもしれない。
Posted at 2009/07/29 05:32:56 | |
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