これがその時の棺おけです。
折からの台風11号の接近によりまして皆ずぶ濡れになって大混乱していた職場でありますけれど、
昨日未明のラジオ深夜便、
NHK元アナウンサー山口岩夫氏のお話が面白くて、
右往左往する皆を尻目に一生懸命ラジオを聴いていた主水イズム推奨派・伊助です、こんにちは。
昭和20年当時、JOBK ( ジャパン・オオサカ・馬場町の角 ) に勤務されておった氏は
連日連夜、空襲警報や警戒警報のアナウンスをなさっていたんだそうであります。
その警報システムがとても面白く、
今で言う、アメダスのように各地に配置されていた防空警戒所から目視によって
各軍管区に電話で報告が入るのだそうでありますのです。
申す、申す、こちら潮岬の見張り所、敵機22機、北へ進んでおります!
申す、申す、こちら高野山の見張り所、敵機22機、北へ進んでおります!
これを聞いた軍管区作戦参謀が各情報から推理して、
うむ、大阪へ向かっておるな、今4時だから大阪へは4時20分に到着だな、
その言葉を下士官が原稿にして放送部へ持ってきて、
それから放送、というプロセスなものだから、
6月4日午後4時、中部軍管区情報、
敵の偵団、約22機は潮岬から高野山上空を北に向かっております。
もし、偵団の先頭が大阪へ向かうものであれば午後4時20分ごろ、
名古屋へ向かうものとすれば午後4時25分ごろであります、
現在時刻は午後4時45分・・・・
ということが度々あったそうであります。
昭和20年6月29日の時なんぞは、申す、申す、こちら室戸岬の監視所、
敵の大編隊、紀伊水道を北上中、
と電話が入ったところまではよかったのでありますが、
その後、電話回線が切れてしまって各見張り所から連絡が入って来なくなっちゃった。
しょうがないから軍管参謀氏、瀬戸内海を旋回中とでも放送しておけ!というものだから、
それで原稿作って読んでいたら四国の観音寺から連絡が来て今、岡山が燃えている!・・・
空襲警報を放送したころにはもうすっかり岡山の街が焼け野原になった後、だったそうであります。
岡山市民大激怒ww
そんでもって昨夜、
何とかサラリーマン並みの家庭を作ろうとやっとの思いで無理して買ったカラーテレビで
トラ!トラ!トラ!を観ておったのであります。
うむ、流石はデジタルリマスターだ、
テレビの寸前で観ているとまるで小屋で観ているようじゃないか、
昔のブラウン管とちがって今は液晶だからこうやってそばで見ても放射線を浴びずにすむんだよ、
しかしこのセットはすごいね、原寸大の長門だよ、おい、
ああそれにしても日本側の撮影隊はショボいね、絵が米側とぜんぜんちがうね、
これ、ホントだったら黒沢明が監督するハズだったんだよ、
それがケンカして辞めちゃうものだからこんなショボくなっちゃったんだよ、
なんでケンカなんかするかね?
黒沢監督、影武者のときも勝新とケンカして武田信玄が仲代達也になっちゃって
いやあ、トラトラも影武者も全く遺憾だよ、実に遺憾だよ、
ケンカんなかするもんじゃないね、と映画解説しておりますと
あ??? それ誰のこと言ってるの????
ケンカしてあちこちクビになって転職歴通算22回の大記録を樹立したのは
いったいぜんたい、どこの誰なんだよっ!
と鬼嫁さまが激怒なされるものだから、恐いから、折からの台風による大雨警報の出ている最中、
電車に乗って神戸へ行ってまいりました。
いつもはメトロ神戸という地下街を歩くのでありますけれど、
台風であります。 明るい表通りをロックフェラーな気分で歩こうじゃあないか、
深い水たまりを見つけてワザと入ってみたりして、
ワザと風下方向に傘を向けてビニール傘がビロンビロンになったりして、
面白くて、はあはあとひとりでに笑えてくるのをさも口の脇がかゆいようなふりをして
指で掻きながら誤魔化して歩いておりますと 『 立ち飲み・串カツ 赤ひげ 』
というお店を発見、躊躇うことなく店内へ突撃、
生中一杯と鶏の唐揚げを頼んでバブリーなおっさんが新地で飲むように5分で退散。
支払い総額630円也。
それから地下に潜ってなじみの 『 おおえす 』 へ突入、
大好きなお揚げさん2個と日本酒一合、これもさっと飲み食いして
やはりバブリーなおっさんが祇園で飲むように5分で退散。
支払い総額480円也。
さらに、もっこす兵庫店でラーメンを食す。
食べ終わって駅に向かって歩いておりますと先ほどのイッキ飲みと、
ラーメン食うために塩分過剰にならぬよう、丸一日何も食べていない効果が現れたようで
とてもよい心持。
電車の座席に座ったとたん、記憶がなくなる。
先ほど申しましたように転職歴22回、学はない、技術もない、
そんなものがまともな職に就けるワケもなく、深夜の肉体労働の他、手段がないわけでありまして、
ゆへに午後9時半と言えども徹夜して酒飲んでいるのも同然、
涼しい電車の中で昏睡するのも無理からぬお話、
本来降りるべき十三の駅をはるかに通りすぎ終着梅田。
夕日の丘のふもと行く電車の車掌のエリぼくろ、別れた人と生き写し、女性の車掌さんに
梅田に着きましたよ、と起こされる。
あの野郎、ホントだったら酔っ払いなんかシカトするところ、
オレが男前なものだから声かけたかったのに違いあるまい、
と鬼嫁さまに言っておりますと、この極道亭主が! はよう寝さらせ!!
とまた怒鳴られ、やっと長い1日が終る。
24時間・闘い続ける伊助です、ほなさいなら。