ギターが弾ければ女性にモテる、中学生のときからそうずっと信じて生きて来た伊助です、こんにちは。昨夜も昨夜とて仏供養の千日回峰麺、聖地・新開地で串カツ食っておったのでありますのです。おっさんたちがダークダックス状態で串カツつまんでおる状況の中、珍しく女性二人が入って来たのでありますのです。それも伊助さんの横に。見たところ年のころなら30後半、その身なり、荷物等から判断して保険か何かの勧誘をしておられるのでありましょう。バックツーザヒューチャーやベストキッドのヒロインみたいな小柄でむっちり、いや、ポッチャリ、あ、いや、ただのデブ、山芋、レンコン、ササミのシソ巻き、紅しょうが、たまねぎ、ししとうに梅酒のお湯割り、というヘルシーなご注文、いまさらヘルシーな食事をしたところでその脂肪はどうしようもないよ?と思いつつも伊助さん、ナンパするには千載一遇のチャンスであります。あのぅ、ボク、伊助と言います、こんにちは、ボク、ギターが弾けるんです、今からおうちに帰ってギター持ってきます、特急に乗って往復すると一時間ちょっとかかりますけど、ちょっと待っていてください、などと言えるワケもなく、よしんば本当に言ったとしても、それはただのヘンなおじさん、ギターを持って来るまで待っているバカがいるわけもなく、実際に実行したとしてもお店が大迷惑するだけであります。そこでボクは気がついたのでありますのです。ギターが弾けても何の意味も無い!そもそも女性にギターを弾いて聞かす機会があるのは、おうちに女性が来たときぐらいでありましょう。学生さんなら文化祭、という手がありますけれど、おっさんには文化祭がない!女性がおうちに来た、ということはギターなんか弾けなくても女性がおうちに上った時点で勝利しておるワケであります。あとはパンツ脱がすだけであります。ああ何たるギターの無力なことよ。このことに気がつくまで中学から40年もかかってしまったとは。よっぱらっていろいろと夢想しておる伊助でありますけれど、ほんとのところはダークダックス状態で女性が伊助さんの真横にいるものだから緊張して何をどう食ったのか記憶にありません。八甲田で凍ってしまった兵隊さんのごとく直立不動の伊助さんでありました。だけれども女性が発注したものを全部覚えているという変人伊助です、さようなら。ああトレモロ寂し 身は哀し