もともとコンゴだった国でクーデターが起こり、ザイールになったころのお話です。 注1)
哀れザイールから東海大学に留学していたデッカくんは故郷を失い流民になってしまいました。
まだホメイニ師が健在だったころ、イ・イ戦争が勃発、
イランのデイザー大尉が率いる部隊にミサイルの直撃があり部隊全滅。
ただ一人生き残ったデイザー大尉は錯乱して敵前逃亡、
世界各地を逃亡していたとき、ちょうど日本潜伏中にパスポートを失い、
流民になってしまったのです。
ぜったいに難民認定をしないことで有名な日本国政府、
難民になれないと国外退去、
されど帰る国はなし、
哀れに思った六本木の牧師さんがこの二人を向ヶ丘のアパートにかくまったのであります。
ちょうど時を同じくして藤木龍三郎母子の陰謀で帰るおうちが無くなってしまった伊助さん、
よし、それならばジャズマンになろう!と東京で乞食をしておったのであります。
ああ何と言う運命でありましょうか、ただ十力の作用はどこまでも不思議です、
乞食の伊助を哀れに思い、上記二人の外人が自分らも食うや食わずの生活をしているアパートに
連れて帰ってくれたのであります。
古く薄気味悪いボロアパート、初代の住民だった佐馬氏は今は立派な会社経営者、
ここの大家さんと懇意にされておられたのが縁となり
乞食トリオがそろって職にまでありつけるという幸運、
だったのでありますけれど、出たんです。アパートに夜な夜な出たんです。
幽霊が。
飲まず食わずの伊助さんの部屋にこの人たちが大阪から遊びに来たのであります。
まったく悪逆非道な連中で、栄養失調の伊助さんを尻目にさんざ飲み食いしたのでありました。
今でもときどき伊助号がお世話になっているからチャラですけれど。
ところが連中、3泊ぐらいする予定を切り上げて次の朝早く帰ってしまったのであります。
帰る間際にこう言い残しました。
あかん、ここ出る、幽霊出るから寝られへん、もう帰るわ・・・
もちろん幽霊のお話なんかしておりませんのに。
そんなこんながたびたびございましたので遂に乞食3人組が意を決し、
大家さんに苦情を言ったのであります。
言われた大家さん、得意満面、破顔一笑、わたくし共なんか毎晩でございますよ、ワッハッハ~
あかん、大家さんに話しても埒が明かぬ、とあちこちでこのお話をしておりますと
この町の大地主の川辺氏の知るところに。
川辺氏激怒。
乞食の分際でオレのシマにケチつける気か! というワケでありますのです。
怒り心頭の川辺氏、われわれの身元引受人たる佐馬氏に怒鳴り込む。
すると初代住民たる佐馬氏、平然としてこう言いました。
『 川辺さん、その話はほんとうなんだ・・・ 』
佐馬氏がなぜ本当だと言ったのか、
彼が体験した因縁話、
われわれと大家さん、佐馬氏が目撃した者とは! は、またいつかのココロだ!
これは伊助が体験した怪異のほんの一例でありますのです。
経験しすぎて今では地震予知から今晩のおかづまで占う霊能者となったのであります。
ですから全国から悪霊払いの依頼がありますのです。
昨日も供養してくれとたくさんの怪談本が届きました。
読んで見ますとたわいのないお話ばかりでありました。
ほんたうのオバケの怖さはこんなものではありません。
生きてる人間のほうがよっぽど恐ろしいですけれど。
くれぐれも除霊依頼を着払いで送らないでください。 な。
おかげで昨日は100均のカンヅメしか買えませんでした。
うまかったです。
注1) ザイールでまたクーデターが起こって、またまたコンゴに戻りました。
Posted at 2015/05/25 18:16:52 | |
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