2009年02月13日
むかしむかし吾輩が浮浪者だったころ
餓死寸前のところを拾ってくれた御仁があって
吾輩に 『 タダめしにありつける三箇条 』 というものをご伝授下さった。
一、出されたものは全部食え
一、好きキライはするな
一、靴下は清潔にしろ
よそんちにお呼ばれに行って靴下がプ~ンと臭うようならもう二度と呼んではくれぬ。
たとえ嫌いなものでも出されたものをうまいうまい!と綺麗に全部平らげたなら、
そこんちの奥さん、よろこんでしまってまたお呼ばれに与かれる。
いちいちもっとも、理にかなっているワケだ。
ある日、御仁邸にて海老フライが出された。
吾輩は当然の如く海老のシッポを残したワケなのだが
それを見て御仁激怒。
出されたものは全部食え!と教えたであろうが!というワケである。
吾輩、へ? そんな意味だったの??と思ったのだが
まあとにかくバリボリとシッポまで完食したのである。
ある時、カニが出た。
カニというものはとにかく食べる部分より残骸が多いものである。
その残骸を残しておいたらまた何か因縁つけられるんだろうな・・
と予測した吾輩、食った。全部食った。
甲羅はもちろん、フンドシもツメも全部食った。
カニは食ってもガニ食うな、と云われる部分も全部食った。
御仁の奥方それを見て、
あら、この人の言う事聞いちゃったのね?信じちゃダメよ、と笑っておられた。
吾輩はレバーと胡瓜が苦手である。
どんなに努力してもどうしても食えない。
そのことが発覚した途端、レバー&胡瓜攻撃が開始された。
涙を流し、ゲロを噴出させながら七転八倒する吾輩に
その御仁、大喜びしてしまってわざわざ赤坂あたりの超高級店に連れて行き、
レバーを食わせたりした。
むろん吾輩は赤坂でもゲロを噴射した。
今から思えばそうやって無頼の徒であった吾輩に
極々基本的な社会人としての訓練を施してくれていたのであろう。
50を目前にして多少は知恵もついた吾輩は
その御仁の教えを適正運用せずに悪用ばかりしておるのだが。
車を洗うときは真冬でも素足になって洗え、というのがその御仁の信念だった。
基本は 『 まごころ 』 という意味なのだが
当時の吾輩にはそんなことはどうでもよく、
ただただ、ゴハンをたらふく食いたい一心で真冬の雨上がり、
素足でお客さんの車を洗っている吾輩の姿を日産下請ナンバー1、
と謳われていた会社のシャチョさんが見てこれに感激、
やがて日本初といわれる電動サンルーフ電子制御回路開発に繋がって行く、
というお話は、またいつか。
Posted at 2009/02/13 17:35:07 | |
トラックバック(0) | 日記