え~ 合いも変りませんで誠にバカバカしいおうわさを一席、
おつきあいのほど、お願いしときますねんやが、
ここにございました一人の男、
皆からヘンチキの源助と呼ばれてございます。 変人なんですな。
皆が花見に行くのならオレは墓見酒じゃ、
おまる弁当に尿瓶酒を手に提げましてやって来ました一心寺、
小糸と書かれた墓石の前で飲み食い始めます。
墓石の横には小糸のシャレコウベがむき出しになってございます。
小糸はん、使い古しのおまるに尿瓶で悪るおまんねけども、
あんたも一杯やりなはれ、肴も食べなはれと
無理やりシャレコウベに酒の相手をさせてございます。
さあて、その日の夜のことでございます。
現れました小糸の幽霊、
本日は結構なご回向、ありがとうございました、
逆縁とは存じますけれど、どうぞ女房に・・・
ああ、オレもヘンチキと呼ばれる男、幽霊をカカにもらうとはシャレてるやないか、
とその夜のうちに祝言を上げてしまいます。
隣に住んでございますヤモメ、
幽霊のカカとは三度のメシはいらん、
髪はザンバラ、油いらん、びんづけいらん、もっといいらん、櫛いらん、
着物は年中あれ一枚、
足がないから足袋いらん、下駄いらん、
こんなええカカ他にないで、オレも幽霊カカにもろたろ、
と一心寺に向かいますが安居の天神さんの前で猟師に捕まったキツネを助ける羽目になります。
やがてこのキツネをカカにもらいまして出来ました子がのちの安倍清明、
女房の方は正体がバレまして、
恋しくば尋ね来てみよ和泉なる信太の森の恨み葛の葉と一首書き残しまして山へ帰って参ります。
お芝居で申しますところの葛の葉の子別れ、
ある春の日の出来事でございます。 デンデ~ン。
というワケでボクはヘンチキじゃないけれど、
智与の骨壷に、無理やりお肉を食わせ、酒を飲ませ、
今日のお昼は塩ジャケ食わせました。
鬼嫁なんざ、お散歩と称して骨壷だかえて町内を練り歩いております。
だけれども、一向に智与は現れません。
さみしいっす。
あんなことあったね、こんなことあったね、あの時は面白かったね、あはは、あはは、
あはは、あはは、と笑ううちになぜか泣けて来る松竹新喜劇のような毎日であります。
身内の人間が死んでもちっとも悲しくないのに何故犬ごときで泣けてくるのでありましょうか。
鬼嫁なんざ、父親が死んだとき、お葬式の日までは泣いておりましたけれど、
あとはケロっとしておったのです。
それがどうして毎日泣いておるのでありましょうか。
智与のヤツ、町内を一っ走りして来たらしく、
ぞくぞくとお花代やご香典をかき集めて参ります。
商店街のたこ焼き屋のオヤジなんざ、一万円も包んで来やがりました。
お前の店でたこ焼き一万円も買った憶えはないぞ、
だいたい一万円とはどういう了見してやがる、
お祝いじゃないんだぞ、おまえ、喜んでるのか? 3千円で上等だ、バカヤロウ、
などと文句言いつつありがたく頂戴しました。
ありがたく頂戴したのはいいけれど、これは智与のお金だから供養せねばなりません。
だからゆうびん局へ行って来ました。
30万も貯まりました。
ギブソンESー175買おうかしらん♪
パソコン新調しようかしらん♪
名人上手に手工ギター作ってもらおうかしらん♪
伊助号ハイカム化しようかしらん♪
おい、ちよ、こんなに儲かるならば黄泉帰ってからもう一回死んでもいいぞw
伊助号といえば先日のお葬式の日、
坊主の野郎にちよちゃんのことを危なく智与號って呼ばれるところでしたのです。
おいクソ坊主、號って何だよ、號って。
ちゃんと智与ちゃんと呼べゴラァ。
うちのちよちゃんは
土佐犬じゃないんだから!
Posted at 2014/04/01 16:34:54 | |
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