上方落語の大ネタ、地獄八景亡者の戯れによりますと、
あの世もすっかり様変わりしてしまって地獄と言えども若者離れを防ぐため、
あの手この手で亡者を集めておるんだそうであります。
地獄にも映画館や劇場まであって、
この世ではとうてい不可能な、今は亡き大看板の役者が夢の競演をしておったりで
大盛況なんだそうであります。
『 勝新太郎に田宮二郎、エンタツアチャコとエノケン、ロッパ、藤山寛美に桂米朝か・・・ 』
『 あの、もし、桂米朝ってまだ生きとりまっせ?? 』
『 看板をよう見てみなはれ、近日来演となってまっしゃろ 』
米朝師の鉄板ネタがまさか本当になってしまうとは。
巨星墜つ。
コンビニに入っておにぎりを眺め、ああ美味そうだな、食べたいな、
でも貧乏だからガマンガマン、
おうちに帰って、このお金はさっきコンビニでおにぎりを買ってもう無いんだから、
と買ったつもりで100円を貯金箱へ、
そうやって、やっとの思いで貯めた3000円ばかりのお金を握りしめてCDショップへ行って、
買おうか、買うまいか、さんざ悩んで、清水の舞台から飛び降りる覚悟で買ったCDの数々、
ふり返れば膨大なコレクションになっておりました。
米朝師の音源はほぼコンプリートで揃っておるハズでありますのです。
ご冥福をお祈りいたします。
というワケで明日は伊助さんの、今は亡き、じいちゃんの生誕116年記念日でありますのです。
そして、何の因果か伊助さんのご生誕54周年記念日なのでありますのです。
伊助さんがお生まれになられた日、
じいちゃんは自分と同じご生誕日だとたいそうお喜びになられたんだそうであります。
没落士族といえども尾村家は元を正せば徳川家御旗本、
明治維新の際、退職金代わりに幕府から頂いた天領のおかげでひいじいさんの代までは
尾村家はたいそうお金持ちだったんだそうでありますのです。
ひいじいさんがくたばったとき、財産なんざクソくらえ、こんなゼニいらねぇ、
と他人に全部くれてやり、
じいちゃんの手元には形見の懐中時計たったひとつ残っただけだったのであります。
金無垢のアメリカ製でフタを開けるとオルゴールが鳴ったんだそうでありますのですけれど、
それも浅草で叩き売っちまって、出来たお金で全部バナナ買って食っちゃったんだそうであります。
ああ、じいちゃん、なんてことしてくれたんだよ・・・
そんな生き様、ボクも大好きだからちゃんと踏襲しておりますけれど。
ですから今夜は神戸に行って一杯やってきます。
自身の快楽、煩悩ゆへの行脚ではありません。
あの世へ逝った者、生けとし生きる者すべての功徳に参るのであります。
神戸で一回飲むと4万8000回の回向と同じ功徳があるのであります。
四万八千日、暑い盛りでございます。
米朝師の名作 『 まめだ 』
儚くも哀しい子だぬきのお話です。
Posted at 2015/03/20 17:20:59 | |
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