![Manners make the man. Manners make the man.](https://cdn.snsimg.carview.co.jp/minkara/blog/000/044/987/751/44987751/p1m.jpg?ct=7039be5f8344)
『乗り手を選ぶクルマ』という言葉には二つの意味合いがあると考えます。
一つは高性能なあまりピーキーな気難し屋だったり莫大な維持コストを要求したりする、『ある一定以上の水準で乗り手に腕前や財力を要求するクルマ』。
もう一つは培ってきた世界観や顧客層を背景にした(ブランド側が必ずしも発信しない)世間一般でのイメージから『ある一定以上の水準で乗り手に品位や教養、センスを要求するクルマ』。
ジャガーXFは後者なのではないでしょうか。
確かに維持コストや故障の可能性は国産に比べると少なくはありませんが、それ以上に我が国ではジャガーというブランドに『少なからぬ歳を経て教養と品格を兼備した、紳士の選ぶ英国趣味の高級車』という暗黙の了解が存在するように思います。
自動車評論の大家、故・徳大寺有恒氏のように『外見のみならず内面においても常に自分を磨き、何処に出しても恥ずかしくない紳士たらんとする』一種のダンディズムを追求する人物にこそ相応しく、また『このクルマに相応しい紳士となろう』とする人を教え導いてくれる、そんなクルマであるように感じます。
英国趣味を前面に押し出したスパイ映画『キングスマン』に準えるとすればジャガーはコリン・ファース演じるベテランスパイ・ハリー、我々オーナーとなった諸氏はタロン・エガートン演じる新人スパイ・エグジーでしょう。
Manners make the man.(礼節が人を作る)
市民階級の出身でありながら卓越した才能を発揮してジャガー・カーズをロイヤルワラント(英国王室御用達)を拝するまでに育て上げ、自らもサーの称号を賜った創始者、ウィリアム・ライオンズによる『後世に生きる男達』への、自動車という姿に託した訓示なのかも知れません。