
今回のイベントは・・・・、
冒頭から マツダの沿革や歴史的背景 を紹介するビデオ映像に始まり・・・
今注目を集めている新エンジンSKYACTIV-Xの予告紹介(さわり)までだった・・???
その間のイベントでは
内燃機関の技術革新における考え方や背景などを開発者の平林千典さんより直接伺いうることで、マツダの技術革新の一端に触れ、マツダの飽くなき探求心を体感した。
ただ プレゼン内容がやや哲学的であったこと 且つ プレゼン時の写真撮影が制限されていたため、聴講メモを備忘録としてまとめるだけにとどまった。しかし、まとめていくに際し、知識や資料補完のためネット等でマツダの技術報文なども散策したが、それはそれで楽しめた。
それでは、5月26日に聴講したイベント エンジン設計部 平林千典さんによるトーク・セッション「内燃機関の進化と原点」における、自身が理解した内容を備忘録として以下に紹介させていただきます。
● これまでのマツダの進化の原点を考えると・・・広島地区の歴史的・地域的背景的影響があったようだ!?
・ 広島は別名 移住県と呼ばれている。 この地から多くの人々が世界中へチャレンジし・移住していったからだ。
・ 広島の安芸では 古来より たたら製鉄 が盛んに行なわれてきた
(※たたら製鉄と言えば これまで 島根県安来だけだ と思っていた!)
・ グリーンパネル・・・ 広島・東洋工業の青春・幸福・平和の象徴
※松田重次郎氏70歳の誕生日(1945年)原爆投下の4ケ月後3輪トラック生産再開していた!
これまでの・・、そしてこれからの・・、内燃機関の技術革新を成し遂げるに至るには これら マツダが生まれ育った広島という地域的背景と歴史背景の基の上に育まれてきた!・・・ということ言いたかったのだろうか?
● 進化と原点・・・ マツダの沿革は 飽くなき挑戦の歴史 であったそうだ!?
マツダの沿革・・・
・1920年 東洋コルク工業株式会社として創立
・1931年 3輪トラックの生産開始
・1945年 原爆投下、しかしその4ケ月後3輪トラックの生産を再開
・1967年 ロータリーエンジン搭載「コスモスポーツ」発売
・1967年 オールアルミの白いエンジン(直列4気筒)開発
・2011年 「SKYACTIV-G」エンジン販売
・2012年 「SKYACTIV-D」エンジン販売
マツダは、可能性があれば 失敗を恐れず挑戦し続けているそうだ!
その象徴たるものがロータリーエンジンだろう
当時 ロータリーエンジンは国内外30社近くの企業が開発に取り組んだようだが、具現化したのは「マツダ」ただ1社だけだった
成し遂げることができた理由は何か??
・加工に不可欠な内面研削盤など工作機械までも自社自らで開発・製作!
・発祥は東洋コルク工業と材料メーカだったことも「アペックスシール」を開発成功の要因だ!
・未知の技術に飽くなき挑戦し続ける社風が源流にある
等々があるそうだ!
ちなみに、マツダスタジアムには、今尚「飽くなき挑戦」の掲示があるそうだ!
● 内燃機関の原点は「火」なのか?
火とは ⇒ 人間が行う作業を助ける より良く生きる道具
・170~20万年前 までは 「明るさ・暖かさ」
・19世紀になると 遠くへ移動する道具・・・・すなわち 内燃機関だ!?
内燃機関の原点は「火」そして「炎」さらに「青い炎」を生み出す制御であると理解した!
ここまでが 前半戦で「飽くなき挑戦」と「内燃機関の原点」までのお話だった!
これからの 後半戦は 「SKYACTIV-G」⇒「SKYACTIV-D」⇒「SKYACTIV-X」へと続く 内燃機関の進化のお話になった!
● 「SKYACTIV-G」での具現化した内燃機関の進化とは何か?
その狙いは「エンジンの中に青い空を作れ」だと理解した!
「SKYACTIV-G」は火花点火である
ポイントはマルチホール・インジェクターにより噴射される燃料液滴径を細かくすることで空気と混合し易くした
例えるに液滴径は数μm~数十μm位とかなと想像するが、例えるにソフトボールがピンポン玉位まで小径か実現させたそうだ。
具現化するには
・インジェクター先端の複数個(10穴?)ある噴射穴径を更に小径にした。
穴径はφ0.1mm位で放電加工で開けているとのことだ
・もう一つは噴射圧力を上げたことだ、噴射圧力は概そ20MPaだそうだ
効果は・・
炎は青くなり エンジンの中に青い空を作った
そしてPMは1/10に減少させることができたとのことだ!
●「SKYACTIV-D」での具現化した内燃機関の進化とは何か?
その狙いは「未来のために未来を先どれ」だと理解した!
「SKYACTIV-D」は圧縮点火である
ポイントは超高応答マルチホールピエゾインジェクターにより、これまで以上に、自由度の高い多段燃料噴射を実現させたことだ!
インジェクターのヘッドにICチップ(頭脳)を設け、運転状態に合わせて 複数回(6回)に分けて適所適量噴霧させることを可能にしたとのことだ
ちなみに 噴射圧力は概そ200MPaだそうだ
効果は・・
NO(窒素酸化物)の排出が少なく、環境性能にたけていることだろう
名実ともにクリーンディーゼルと呼べるのはマツダだけだと思う
● そして本日のイベントのその時が来た! 「SKYACTIV-X」で!具現化した内燃機関の進化とは何か?だ!
「SKYACTIV-X」はWピストン圧縮着火とのことです!
スパークプラグの点火による膨張火炎球が、、まさに第2ピストン(エアピストン)のように、燃焼室内の混合気を追加圧縮し、圧縮点火に必要な環境を実現させたとの説明だった!
その効果は・・・
・燃費の向上・・・20~30%
・トルク性能向上・・・10~30%
簡単に言うと、2.0LロードスターRFの走りを1.5Lディーゼルエンジンのデミオと同等のCO2排気量で実現できるそうです
マツダ自動車は 沿革を見ると 創立が1920年なので 2年後の2020年1月には 冠たる100年企業の一社に名を列ねるとのことになる。その時には、「SKYACTIV-X」エンジン搭載車 が街中を走っているだろうと想像すると笑みがでて・・にあけていました!
● 謝辞
平林さん 今回はありがとうございました!
貴職の暑い位 熱のこもったトーク お陰様でとても楽しかったです! 次回 お会いする時は SKYACTIV-X の 「カーオブザイヤー受賞 その具現化まで道 その秘話」 といったトークをお聞かせ頂けるものと期待しています!それまでは その時を夢見て 開発頑張ってください!
※ 本稿で掲載しました挿絵、写真などは、マツダ公式ホームページより適宜引用させていただきました。また、記載した内容は、自身が勝手に理解できたと思うことを記載しただけなので大きく間違っていることがありうることもご承知願います