2011年08月03日
20 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/27(水) 21:37:31.67 ID:g/hXxgbLO
( ^ω^)はあらゆるチート達と戦うようです
第六話。
『前回までのあらすじ』
最強能力決定戦と称し様々なチート能力者と戦うはめになったブーンは、安価内容をそのまま使える能力【気分次第《アンカーテイク》】を駆使して強敵を倒していった。
そして離散したツンの行方を追い、シューと出会い、親友ドクオの所在を知る事が出来たのだった。
今回の敵は!?今回の安価は!?
作者はシューが気に入ってしまったのだが、果たしてツンはメインヒロインのままでいられるのか!?
28 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/27(水) 21:40:31.44 ID:g/hXxgbLO
――――川沿いの道
シューと戦ったあの道を逸れるように流れる川がある。
ブーンはドクオ達の元へ行く為に、そこを歩いている最中だった。
lw´‐ _‐ノv「というわけで、シューはブーンと共に我らがリーダードクオさんと合う為に川沿いの道を歩いているのであった。」
(;^ω^)「お前は地の文か」
lw´‐ _‐ノv「乗っ取り公開、シューちゃんの大冒険のようです!!」
( ^ω^)「黙れ犯すぞ」
lw´‐ _‐ノv「来いや腹上死させてやんよ」
( ^ω^)
lw´‐ _‐ノv
( ^ω^)「ふふふ」
lw´‐ _‐ノv「えへへ」
ブーンはこのノリが大好きだった。
39 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/27(水) 21:45:05.76 ID:g/hXxgbLO
( ^ω^)「そういや、シュー。気になってたんだけど」
lw´‐ _‐ノv「ん?」
( ^ω^)「その背中に担いだでかいリュックはなんだお?」
lw´‐ _‐ノv「ああ、これ?」
現在、シューの背中には大きめのリュックサックがある。
いつもの麦わら帽子と相まって、その様はさながら遠足へでかける小学生のようだ。
lw´‐ _‐ノv「中にはピクミンがいっぱいいるよ。種はいっぱいあるけど、発芽さすの面倒だから持ってきたの」
リュックの隙間から、何やらうじゃうじゃしているものが見えたが相当にグロかった。
速攻で見なかった事にした。
(;^ω^)「ま、まぁ、なんにせよドクオに会えるんだお。楽しみだお」
lw´‐ _‐ノv「…ねぇブーン。先に言っときたいんだけど」
lw´‐ _‐ノv「もしかしたら、今のドクオさんは…」
lw´‐ _‐ノv「あなたの知ってるドクオさんとは、少し変わってるかも知れない」
( ^ω^)「………」
44 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/27(水) 21:48:33.73 ID:g/hXxgbLO
( ^ω^)「まぁ、そんなもん会ってみなきゃわかんねーお」
lw´‐ _‐ノv「……そうだね」
( ^ω^)「あいつは根はどこまでもいいやつだお。それだけはここでも変わんないはずだお」
自分でいいつつ、不安を覚える言葉だ。
lw´‐ _‐ノv「………」
だからこそ、シューは何も言わなかったのかも知れない。
どちらにしろこの状況で否定も肯定もしなかったのは、ブーンにとってはありがたかった。
53 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/27(水) 21:53:25.91 ID:g/hXxgbLO
lw´‐ _‐ノv「それで、ドクオさんに会ってブーンは何をするつもりなの?」
( ^ω^)「ん?あぁ………」
( ^ω^)
( ^ω^)「……えっと…」
lw´‐ _‐ノv「…え。まさか何も考えてないの?」
( ^ω^)「あ、いや、そんな事ないお。ただ一言、言いにいくだけだお」
( ^ω^)「『シューを僕に下さい。』ってね」
lw´‐ _‐ノv「あらやだ何このイケメンぶっ飛ばしたい」
( ^ω^)「誉めても何もでねーお」
lw´‐ _‐ノv「けなしたらなんかでるの?」
( ^ω^)「ここで発言するには危ないものは出るな」
ブーンはこのノリが大好きだった。
70 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/27(水) 22:02:42.94 ID:g/hXxgbLO
景色は変わらない。
ずっと川が自然と都会を分けている光景が目に映るだけだった。
シューはいったい、どこまで連れていく気なのだろうか。
( ^ω^)「……あと、もう一つだけ気になる事があるお」
lw´‐ _‐ノv「なあに?」
( ^ω^)「お前、僕と戦う時に気になる事言ってたよな」
( ^ω^)「またあの連中?ってな感じで」
lw´‐ _‐ノv「んー、あぁ」
( ^ω^)「それはつまり、ドクオの一味以外にも徒党を組んでるやつらがいるって事かお?」
lw´‐ _‐ノv「そだよ。私が知ってるだけでもいっぱいグループがあるよ」
( ^ω^)「それに襲われたりしてたのかお?」
lw´‐ _‐ノv「あの畑にいっぱいきたよ。いちいち追い返すのも面倒になるくらい」
( ^ω^)「敵対してる勢力ってのは、面倒な話だお…」
lw´‐ _‐ノv「見つけたら殺す、なんて言う過激なグループもあるよ。気をつけてね」
(;^ω^)「あらやだシューちゃんからそんな言葉聞きたくない……」
78 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/27(水) 22:10:03.73 ID:g/hXxgbLO
lw´‐ _‐ノv「私も言いたい事が一つあるにゃん」
( ^ω^)「なんだお?」
lw´‐ _‐ノv「……あ、あるにょん」
( ^ω^)「言い直さんでええわい」
lw´‐ _‐ノv「今回の私は、あんまチートと呼べない」
( ^ω^)「ん?」
lw´‐ _‐ノv「私がチートたりえたのは、あの畑がマイフィールドだからなの。ピクミンの限数がかなり落ちるし、この状態で襲われたりしたら危ない事だけは覚えといてね」
( ^ω^)「……あぁ、なるほど」
わかっていた事ではあった。
仕方ない事だ。あの爆発的攻撃力も、数が半永久的に補充出来るからだ。
lw´‐ _‐ノv「てゆーか、もともと私の能力あんま強くないしね。少なからずいるみたいだよ?私みたいな、『本当のチート能力の当て馬にされる能力者』みたいなのが」
( ^ω^)「……そんな言い方は、よくないお」
86 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/27(水) 22:15:35.12 ID:g/hXxgbLO
lw´‐ _‐ノv「でも、不安はないよ」
lw´‐ _‐ノv「ブーンがいるから」
( ^ω^)
lw´‐ _‐ノv「私はブーンを信じてるから」
( ^ω^)「……お前…」
lw´‐ _‐ノv「ちゃんと私の囮として使えるって」
( ^ω^)「しばかせろ」
lw´‐ _‐ノv「いいけど私叫ぶよ?」
( ^ω^)「やっぱり謝らせろ」
lw´‐ _‐ノv「許可する。謝れ」
( ^ω^)「ごめんなさい」
lw´‐ _‐ノv「よし」
98 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/27(水) 22:22:30.30 ID:g/hXxgbLO
( ^ω^)「まぁ、いざとなればちゃんと守ってやるお。この【気分次第《アンカーテイク》】、どこまで使えるのかはまさに気分次第なんだけどね」
lw´‐ _‐ノv「その安価ってやつに、世界が滅ぶ能力ってかかれてたらどうするの?」
( ^ω^)「……加減して使ったりできるなら、そうしたいお……」
lw´‐ _‐ノv「その安価ってやつに、人類を消す能力ってかかれてたらどうするの?」
( ^ω^)「……それも、敵だけ殺せるようにコントロール頑張ったり……」
lw´‐ _‐ノv「その安価ってやつに、シューがムチムチボインなスタイルになって回りの生物全てを悩殺する能力ってかかれてたらどうするの?」
( ^ω^)「ぜっっっっっっっっってぇ使わねぇ」
lw´‐ _‐ノv「あれ?私の悩殺スタイル、世界崩壊より人類消失より嫌なものなの?」
111 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/27(水) 22:26:46.19 ID:g/hXxgbLO
( ^ω^)「一つ言ってやるお」
( ^ω^)「『ロリは何も武器を持たない事こそが最大の武器』って名言があってだな」
lw´‐ _‐ノv「うっわ何この顔。顔やばい」
( ^ω^)「お前が悩殺ボインなんて武器を持ってしまえば、それは逆にお前の持ち味を殺しちまう。だからお前はそのままでいろ」
lw´‐ _‐ノv「うっわぁ、ちょっとイケメンチックなのがまた腹立つ」
( ^ω^)「とにかく、僕が守ってやるお。残念ながらそのリュックの中身はあまりつかってやれなくなるがね」
lw´‐ _‐ノv「はいはいwktkwktk」
117 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/27(水) 22:30:49.18 ID:g/hXxgbLO
( ^ω^)「頼りにしろお」
lw´‐ _‐ノv「もー、なんかすんごい駄安価でこける予感しかしないよぉ」
( ^ω^)「なんとかするお」
lw´‐ _‐ノv「なんとかなるお、の間違いでしょ」
( ^ω^)「どんだけ役立たずだと思われてんの僕…。大丈夫だお、ちゃんと守って」
その時だった。
突如として、シューが何かに突き飛ばされる。
128 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/27(水) 22:32:56.37 ID:g/hXxgbLO
(;^ω^)「おっ――――」
かろうじてそれを受け止めるブーン。
さらに隣で見ていたブーンには全てが見えていた。
それは、ピクミンだった。
リュックの中にいたピクミン達がいつのまにか飛び出して、シューを突き飛ばしていたのだ。
lw´;‐ _‐ノv「えっ」
すると
1秒半前ほどにシューがいた部分に
炎の塊が、すさまじいスピードで通過した。
49 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/27(水) 22:35:43.76 ID:g/hXxgbLO
(;^ω^)「な…!!」
lw´;‐ _‐ノv「うわぁ…」
通過した炎の塊は、そのままアスファルトの地面に突き刺さる。
あんなのに当たっていたら、と思うと二人の体は強ばった。
(;^ω^)「……能力者かお…!!」
lw´;‐ _‐ノv「つーかいきなりピクミンの方が役に立ってんじゃん…」
(;^ω^)「いったい、どんな……」
lw´;‐ _‐ノv「無視かよ……」
162 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/27(水) 22:39:09.42 ID:g/hXxgbLO
(;^ω^)「どっかから撃ってきたのかお?だとしたら、どこから……!!」
辺りを注意深く見渡すブーン。
対してシューは、ただ一点だけを見つめていた。
lw´‐ _‐ノv「…違うみたいよ。ブーン…」
(;^ω^)「なんだお?」
lw´‐ _‐ノv「ほら、あれ……」
シューが指をさしたのは、先ほど降ってきた炎が突き刺さった地面。
lw´‐ _‐ノv「……」
(;^ω^)「………お」
よく見れば、なるほど。
何かが動いている。
177 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/27(水) 22:44:35.13 ID:g/hXxgbLO
(;^ω^)「………」
確かに何かが動いているのは見える。
しかしよく見えないので近づこうとしたが、シューに制止される。
lw´‐ _‐ノv「駄目、迂闊にいっちゃ。何がくるかわからない」
(;^ω^)「……確かに、ね…」
lw´‐ _‐ノv「問題はあれが本体なのか、どこかにいる本体の能力が動いているのかだよ。追撃がこないってのはただの威嚇なのか、この動いてるの一つで十分なのか、本体があれなのかって事だね」
そう、冷静に判断する。
(;^ω^)「……狙撃されてる線は低いわけね」
lw´‐ _‐ノv「そ。だからって焦らないでね」
シューが静かに言う。もしかすると、場数だけの話で言えばシューはブーンより上なのかも知れない。
188 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/27(水) 22:48:15.20 ID:g/hXxgbLO
すると、突然
動いていた何かが真上に飛び出した。
( ^ω^)「……!!」
lw´‐ _‐ノv
それを目で追うが、とくに変わった様子もなくそのまま重力に従って地面へ着地した。
( ^ω^)
lw´‐ _‐ノv
▼・ェ・▼
▼・ェ・▼「クゥーン」
………犬、だった。
205 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/27(水) 22:50:32.09 ID:g/hXxgbLO
( ^ω^)
lw´‐ _‐ノv
( ^ω^)「なぁ、シュー」
lw´‐ _‐ノv「なに」
( ^ω^)「あのさぁ、油断すんなっつったじゃん、お前」
lw´‐ _‐ノv「ちょっと待って。たぶんおんなじ事考えてる」
( ^ω^)「………」
lw´‐ _‐ノv「………」
( *^ω^)lw´*‐ _‐ノv「超可愛いいいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!」
▼・ェ・▼「わふぅん?」
225 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/27(水) 22:55:16.64 ID:g/hXxgbLO
(;^ω^)「はっ!!待てシューよ!!」
lw´‐ _‐ノv「待ってあいつかわいいハグしたい」
(;^ω^)「落ち着け!!そいつさっき炎をまとって突進したんだぞ、お前に!!」
lw´‐ _‐ノv「………あ」
危ない危ない、と足を戻すシュー。
▼・ェ・▼
しかし、この犬の能力はなんなのだろう。
(;^ω^)(火を使ってたし、パイロキネシス系かお?でも、なんだろうこの違和感…ああチクショウ可愛いなあいつ!)
lw´‐ _‐ノv「やばいホントに可愛いなんなのこいつ」
(;^ω^)「犬だからって舐めちゃだめだお、シュー!!そいつ、もしかしたらとんでもない能力なのかも……!!」
lw´‐ _‐ノv「うん、わかってる。わかってるけどさぁ……」
235 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/27(水) 22:58:35.22 ID:g/hXxgbLO
(;^ω^)「あっ!!近づくなお、シュー!!」
lw´‐ _‐ノv
駄目だ。聞いちゃいないやあいつ。
まぁしかし犬だし、あいつにはピクミンがいるし、めったな事では大丈夫だと思うけど…
しかし
▼・ェ・▼
その犬は
▼・ェ・▼
みるみるでかくなっていき
▼・ェ・▼
ビルよりおっきな、バケモノとなった。
lw´‐ _‐ノv「………あ」
lw´‐ _‐ノv「シューちゃん、ピンチ」
爪を光らせた大きな大きな前足が、シューに襲いかかった。
256 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/27(水) 23:03:17.73 ID:g/hXxgbLO
あのサイズでは、シューが切り刻まれるのなんか容易に想像できる。
(;^ω^)「シュー!!!」
駄目だ、ここからじゃ間に合わない。
でも走らないわけにも行かない。
だってシューが、シューが。
lw´‐ _‐ノv「さ、頼んだでござる我が子達よ」
しかし当の本人、シューは驚くほど冷静だった。
リュックから飛び出してくるピクミン達。
lw´‐ _‐ノv「思いっきりぶん投げてちょーだい」
そのピクミン達が、シューを遥か後方に投げ捨てる。
(;^ω^)「おぅふ!!?」
丁度、走ってきたブーンがそれをキャッチした。
268 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/27(水) 23:08:05.06 ID:g/hXxgbLO
(;^ω^)「大丈夫かお!?」
lw´‐ _‐ノv「大丈夫だよ。でも、能力がわかんないね」
▼・ェ・▼「クゥーン」
遥かにでかい犬は、こちらを見定めていた。
何を考えているかは定かではないが、いい雰囲気でないのは明らかだ。
(;^ω^)「ちょっとだけ、心当たりがあるお!シュー!真面目に答えてくれ!」
lw´‐ _‐ノv「なに?」
(;^ω^)「あの犬、可愛いか!!?」
lw´‐ _‐ノv「え、そりゃあんなでかいのが可愛いと思えるわけ……」
lw´‐ _‐ノv「……あれ?………やっぱり可愛い………」
(;^ω^)「やっぱり…!!おかしいと思ったお……!!」
287 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/27(水) 23:14:35.34 ID:g/hXxgbLO
(;^ω^)「これで確信が出来たお!!あの能力は……」
(;^ω^)「あの犬の能力は……
【密と疎を操る程度の能力】!!」
そう。
東方萃夢想、伊吹萃香の力。
あらゆる密度を操る力だ。
( ^ω^)「つまりこういう事だお!!あいつは『空気中の熱の密度』を極限まで高めて体に炎をまとったり!」
( ^ω^)「僕らの、『犬への愛着の密度』を高めて僕らに可愛いと思わせたり!!」
( ^ω^)「さらには自身の密度を操作して、ああやって巨大化してるんだお!」
lw´‐ _‐ノv「やばい今のブーンかっこいい。ちゅーしていい?」
(;^ω^)「今はおあずけだお!」
犬は、既に左前足を振りかぶっていた。
317 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/27(水) 23:20:18.52 ID:g/hXxgbLO
(;^ω^)「気をつけるお!今はいろんな密度を同時に操ってるからか、細かい部分まで制御出来てないけど」
(;^ω^)「あの能力が操る『密度』は汎用性がありすぎる!変幻自在なんだお!」
lw´‐ _‐ノv「気をつけるよ、ブーン」
(;^ω^)「お前気楽だなオイ!!」
lw´‐ _‐ノv「まぁブーンは下がっててよ」
lw´‐ _‐ノv「ああいうでかいのを駆逐するのは、この子達の専門分野よ」
(;^ω^)「おっ……」
既に100はいようかというピクミン達が、一斉に飛び出していった。
339 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/27(水) 23:25:15.32 ID:g/hXxgbLO
lw´‐ _‐ノv「じゃ、狙うとするなら…目か耳、かな?あぁ、でも遠いなぁ。頭が下がったら狙おうか」
lw´‐ _‐ノv「行ってらっしゃい」
『ピクー!!』
(;^ω^)「お…」
無数に張り付いていくピクミン達。
犬の毛の色が少しだけカラフルになっていく。
確かにこれでは、あの犬も対応のしようがないのではないか、そう思った時だったが
▼・ェ・▼「ウォォォォン!!!」
その時、犬が無数に分裂した。
362 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/27(水) 23:30:03.55 ID:g/hXxgbLO
いや、分裂という言葉は少し語弊がある。
それよりも細かい。もっと細かい。自身の密度を極限まで低くした、あれはまるで…
lw´;‐ _‐ノv「……霧?」
張り付く対象を失ったピクミンは、それでもその霧をおっかけようと躍起になる。
しかし、つかめるわけもなく
そして、再び霧が一点へ集結。
▼・ェ・▼「わん!」
再び犬の形へと、戻る。
lw´;‐ _‐ノv「うっわ…タチわる…」
あの犬、つかめなくする事も出来るのか。
391 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/27(水) 23:36:41.47 ID:g/hXxgbLO
(;^ω^)「ちっ!やっぱ僕の能力を使うお!」
lw´;‐ _‐ノv「待って!ブーンに頼ってばっかじゃ私がダメになる!もうちょい一人でやらせて!」
(;^ω^)「見上げた向上心だが、今は必要ない!!」
▼・ェ・▼「わん!」
lw´‐ _‐ノv「あっ!!」
ピクミンが張り付くと厄介だと、理解したのだろうか。
少しだけバックステップし、距離をとるその犬。
そして
▼・ェ・▼「うぅぅぅぅぅぅ!!!」
密度を、操作。
lw´;‐ _‐ノv「……!!」
足元で攻撃をしていたピクミン達が空中へ浮き、犬の顔の前、鼻先の一点に集められた。
409 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/27(水) 23:40:44.65 ID:g/hXxgbLO
lw´;‐ _‐ノv「ああっ!!我が子たち!!」
そして
▼・ェ・▼「はぐっ!!」
食べられた。
lw´;‐ _‐ノv「ノォォォォ!!!ごめんブーン前言撤回!!助けて!!」
(;^ω^)「ああもう!!やっぱやるしかねーな!!」
(;^ω^)「【気分次第《アンカーテイク》】!!」
445 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/27(水) 23:44:27.38 ID:g/hXxgbLO
( ^ω^)「さぁみなさん。毎度おなじみの安価の時間です」
( ^ω^)「今回の敵は、犬。可愛い」
( ^ω^)「でも、ここはシューの手前いいかっこしたいお」
( ^ω^)「だからあの糞犬畜生を駆逐する、あなたの厨二妄想をお願いしますお。指定アンカーは………」
>>470
470 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/27(水) 23:44:54.13 ID:zIxIcE8/0
指定した範囲の空間の疎密を固定する能力
551 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/27(水) 23:46:45.42 ID:g/hXxgbLO
『能力が決定しました。』
>>470 指定した範囲の空間の疎密を固定する能力
( ^ω^)「こりゃありがたい!サンキューだお!」
( ^ω^)「いっちょやってみっか!!」
569 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/27(水) 23:50:09.78 ID:g/hXxgbLO
( ^ω^)「よっしゃああああああああああああ!!!」
▼;・ェ・▼「わふ?」
何か異変に気づいたのか、犬はさらに後ろへ下がる。
▼;・ェ・▼「うううううううう!!!」
とった行動は、威嚇だった。
lw´;‐ _‐ノv「ブーン、それ…」
( ^ω^)「あぁ」
( ^ω^)「完全なアンチ能力、ゲットしたお」
戦局は、大きく変わる。
613 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/27(水) 23:56:56.74 ID:g/hXxgbLO
( ^ω^)「初めて自分の能力がいい能力だと思えるお…」
▼;・ェ・▼「ぅばうううううう!!!」
lw´;‐ _‐ノv「んにゃっ?」
犬は咆哮後、前足で地面を叩く。
すると、なんと大地震が巻き起こった。
lw´;‐ _‐ノv「ええええええ!?ちょ、やばいやば」
( ^ω^)「無駄だって」
しかし、その地震もピタッと止まる。
ブーンが地面に手を触れた、それだけで。
( ^ω^)「なるほど。地脈の密度を操ったのかお。便利でいい能力だなそれ」
628 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/27(水) 23:59:14.87 ID:g/hXxgbLO
( ^ω^)「まぁ、それでも」
――――僕には絶対にかなわないけど。
そういってブーンは右手を前にやる。
▼;・ェ・▼「わふっ…!」
また霧に姿を変えようとした犬。だが、存在の疎密は既にブーンにより固定されていた。
▼;・ェ・▼「!!!??」
( ^ω^)「さ、シュー。今のうちに」
lw´;‐ _‐ノv「あ、うん」
650 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/28(木) 00:02:52.01 ID:QQ93L/teO
lw´‐ _‐ノv「今ならいける!!あれはただの犬っころだよ!!」
シューの声を合図に、ピクミンが一斉に襲いかかる
▼;・ェ・▼「うぅ…ばうぅ……」
▼; ェ ▼「きゅぅううううううううううううう!!!」
あとは、説明するのも無駄だろう。
動物虐待、ここに極まれりといったところだ。
まぁ向こうが始めた事だし、正当防衛って事で動物愛護団体の方々も許してくれるだろう。
668 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/28(木) 00:08:03.37 ID:QQ93L/teO
ピクミン達が戻ってくる。
後に残ったのは毛はむしられ足は折られと悲惨な物体Aだ。
こいつらホントにこえぇ。
lw´‐ _‐ノv「まぁ、良かった良かった…」
( ^ω^)「犬には悪いけど、楽勝だったおね」
lw´‐ _‐ノv「そりゃあんな能力出たらね…」
( ^ω^)「とにかく、今回は気持ちよく終れ…」
▼ ェ ▼
( ^ω^)
………犬は。
▼゚ェ゚▼
まだ生きていた。
683 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/28(木) 00:12:32.21 ID:QQ93L/teO
▼゚ェ゚▼「ウォォォォォォォォォォォォン!!!」
密度を高める。
高める。高める。高めに高める。
(;゚ω゚)(まさか――――――!!)
犬が、自身の体をもその密度の犠牲にしてまで。
その能力の果てに、行き着く密度の境地があった。
サイズこそとてもとても小さいが、あれは………
――――――ブラックホール……?
711 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/28(木) 00:18:24.72 ID:QQ93L/teO
(;゚ω゚)「しまっ―――――!!」
なんで自分はこうも気付くのが遅いのか。
いや、今は嘆いてる場合じゃない。
そんな事より。
(;゚ω゚)「シュー!!こっちに来い!!」
すぐさま疎密固定にとりかかる。
大丈夫か?間に合うか?
距離を間違えるな。終わるぞ。あれに飲まれたら、終わり。
lw´;‐ _‐ノv「え――――!」
シューがこちらに走ってくる、が。
足が既に、地面についていない。
732 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/28(木) 00:22:44.98 ID:QQ93L/teO
lw´;‐ _‐ノv「あ、あ……あ…………!!」
シューは引きずられる。
引力に強制され、重力を逆らう動きで。
あの、ブラックホールに。
(;゚ω゚)「シューーーーーーーー!!!!」
間に合うか?間に合わせろ。
疎密固定を、平常値に、早く。
間に合わない?嘘だろ?そんな、シューが、シューが。
間に合わせる。やる。やらなきゃ。やらないと。やるんだ。やれ。やりきれ。
(;゚ω゚)「間に合えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇえええええええええ!!!!!!」
――――――――――――
750 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/28(木) 00:27:43.12 ID:QQ93L/teO
( ^ω^)「………」
ブラックホールは、消えた。
( ^ω^)「………」
( ^ω^)「シュー」
( ^ω^)「お前の事、超好きだったお」
( ^ω^)「お前の髪型が、好きだったお」
( ^ω^)「お前の麦わら帽子姿、好きだったお」
( ^ω^)「お前との会話のノリが、大好きだったお」
( ;ω;)「なぁ、シュー………」
――――――
772 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/28(木) 00:30:32.69 ID:QQ93L/teO
lw´#‐ _‐ノv「何を勝手に殺してくれとんじゃボケェェェェェェェェェェ!!!!!」
(;^ω^)「いや、面白いかとおもっぐふぉあ!!!」
物凄い正拳が、ブーンの鳩尾に突き刺さった。
今日最大のダメージだった。
05 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/28(木) 00:34:46.47 ID:QQ93L/teO
(;^ω^)「何すんだおハゲ!!」
lw´;‐ _‐ノv「うっせぇよハゲてねーよハゲ!!」
(;^ω^)「ばーか!ぶぁーか!」
lw´;‐ _‐ノv「うっせばーか黙れ短小!!」
(;^ω^)「うっせ!起きたらマグナムなんだよ!犯すぞてめぇぇぇぇぇぇ!!」
lw´;‐ _‐ノv「来いや!!腹上死させてやらぁあああああああ!!!」
ブーンは、このノリがこれからも大好きだ。
しかし、やれやれと言ったところ。
たぶん、あのブーンの疎密固定でも、二人のこの親「密度」は、固定できるものではないらしい。
816 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/28(木) 00:38:32.85 ID:QQ93L/teO
――――――大通り
「もしもし、ドクオくん?あの、でぃだけど」
「面白いもの、見つけた。うん。…うん。感応視で操れる、初めての人間がいるよ」
「しかもかなり強いよ。やばい。これはテンションあがるよ」
「すぐ持って帰るから、待っててねぇ」
「うん、じゃあね。ばいばぁい」
21 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/28(木) 00:42:02.01 ID:QQ93L/teO
(#゚;;-゚)「………」
(#゚;;-゚)「あ、そうだ」
(#゚;;-゚)「この子、名前何にしよう」
(#゚;;-゚)「………うーん……」
(* ∀"";)「しぃ……しぃ゛…」
(#゚;;-゚)「あれなのかな、この『しぃ』って、名前なのかな」
(#゚;;-゚)「うん、決めた」
―――――この子はしぃちゃん。今日から、私のペット。
第六話、終わり。
Posted at 2011/08/03 21:52:00 | |
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ブーン系小説 | パソコン/インターネット
2011年08月01日
8 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/26(火) 20:52:37.44 ID:Vh67slpSO
( ^ω^)はあらゆるチート達と戦うようです
第五話。
『前回までのあらすじ』
最強能力決定戦と称し様々なチート能力者と戦うはめになったブーンは、安価内容をそのまま使える能力【気分次第《アンカーテイク》】を駆使して強敵を倒していった。
【大嘘憑き《オールフィクション》】の渡辺との戦闘でツン達と離散するが、その後なんとか渡辺を追い詰めて倒し、荒巻との出会いを果たした。
今回の敵は!?今回の安価は!?
今日は腹痛がひどいのだが、果たして作者はトイレに行かずに投下を遂行出来るのか!?
15 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/26(火) 20:54:22.12 ID:Vh67slpSO
一応、登場人物とその能力
( ^ω^)【気分次第《アンカーテイク》】(vip)
ξ゚⊿゚)ξ【拳王ラオウ】(北斗の拳)
・離散。
('A`)【一方通行《アクセラレータ》】(禁書)
/ ,' 3【都合のいい模写《コピーアンドペーストテイク》】
・共に行動中
( ´∀`)【百式観音】(HxH)
川 ゚ -゚)【火水木金土日月を操る程度の能力】(東方)
・????
16 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/26(火) 20:56:01.35 ID:Vh67slpSO
※ブーンの能力【気分次第《アンカーテイク》】について
指定アンカーにかかれていた能力をそのまま使える能力
「~能力」と、最後に能力とかかれていなければ再安価。
一人の敵につき、一回ずつ出来る。
今まで出てきた能力
『手から溢れんばかりのコーラを出す能力』
『座布団を一週間近く回し続けられる能力』
『髪の毛を急速に成長させる能力』
『超反射神経が身に付く能力』
『アンサートーカーを取得しそれを100%使いこなす能力 』
18 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/26(火) 20:57:52.15 ID:Vh67slpSO
――――某所
かすれた老人の、声がした。
/ ,' 3「ただいま」
('A`)「おお荒巻。どこ行ってたんだ?」
そこには、明らかにタメ口を利けるような歳ではない少年が鎮座していた。
/ ,' 3「ちょっとな。面白いもん見つけたからよ」
('A`)「面白いもん?」
/ ,' 3「主謀者《オリジナル》の子じゃよ」
('A`)「……へぇ」
20 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/26(火) 20:59:07.34 ID:Vh67slpSO
/ ,' 3「あの子は生き残りそうじゃったよ。なんというかこう、芯があるというか…」
('A`)「もういいよ荒巻。模倣者《フェイク》からしたらまったく面白くない話だって、わかるだろ」
/ ,' 3「そうかいそうかい。…あら?他のみんなは?」
('A`)「シューなら、また『おしごと。』だって言ってたぞ。でぃは…あいつは、散歩でもしてんじゃねーの」
/ ,' 3「まとまりがないのぅ」
('A`)「まとまってたまるかよ。だって俺ら」
――――みんながみんな最強の、チート達なんだぜ?
21 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/26(火) 21:01:39.19 ID:Vh67slpSO
――――路地裏
( ^ω^)「……さて」
どうするかな、と単純に思った。
ツンを探す事に変わりはないのだが、ツンが戻ってくる事を予想し、つー達がいた所へ行くべきか
それともツンが飛んだ方向へ歩くべきか。
どちらにしろ結構な距離だと思うのだが、まぁそれは気にしないとして。
( ^ω^)「………」
…まぁとりあえず、歩くか。
路地裏から抜ける際、足元に何か人間の女性のような物体があたった気がしたが
気のせいだろう。
もしホントに何かあったとしても、そんなもんは《なかったこと》にしとこう。
26 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/26(火) 21:04:43.47 ID:Vh67slpSO
無音の町をただただ歩くブーン。
路地裏を抜け、小さなビル街から外に出ると
いきなり飛び出してきたその光景に、素直に驚いた。
(;^ω^)「……お、おお…!?」
一面に広がったのは、豊かな植物が青々と繁る畑。
久しく見ない、自然を目の当たりにしたのだったのだ。
31 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/26(火) 21:08:21.08 ID:Vh67slpSO
( ^ω^)「おぉ……すっげ…」
吹き抜ける風すらが別のものに感じる。
とりあえず、畑を割るようにまっすぐ伸びる一本道をブーンは歩いた。
( ^ω^)「ほーぉ。緑の匂いってやつだお…あ、ナス植えてるお…」
この光景は、この前の躁鬱になるような事件に少し気分が優れないブーンにとっては最高の薬だった。
ほのぼのとした空気は、自然と心を癒してくれる。
そのまま少し歩けば、
小屋が、畑の中に見えた。
( ^ω^)「……お?」
さらに、何かが焦げた匂い。枯れ葉でも燃やしているのだろうか?
とにかく、誰かがいるようだった。
35 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/26(火) 21:13:05.33 ID:Vh67slpSO
麦かなにかの畑を越えると、小屋の付近がよく見えてきた。
ここからはまだ遠くで詳しくはわからないが
誰かがいる事が、確認できる。
( ^ω^)
lw´‐ _‐ノv
それは小学生高学年くらいの、少女だった。
lw´‐ _‐ノv「ぐーすかぴっちゃん……すかぴっちゃん…」
睡眠中。
麦わら帽子を被ったかわいらしい少女が、小屋の前にある木製の椅子に座って眠っているのがわかった。
39 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/26(火) 21:16:39.03 ID:Vh67slpSO
麦わら少女は当たり前だがこちらには気づいていない。
椅子の上で、小さく寝息を立てている
lw´‐ _‐ノv「すかぴー…すかー…れっと…置くだけ……」
( ^ω^)「……おお」
寝言に関しては全スルーで行くが、それにしても絵になる構図だった。素人のブーンから見てもそう言える。
少女を中心に、
この自然溢れる光景。
颯爽と広がる畑。
その背景に小屋。
その周りでせっせと農作業をする小人達。
まさに、調和。
( ^ω^)「こりゃあ目の保養になるお………」
( ^ω^)「………」
( ^ω^)
………え、小人?
46 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/26(火) 21:20:05.04 ID:Vh67slpSO
( ^ω^)
(;^ω^)「おおっ!?」
地面には大量の小人がせっせと働いていた。
正確には、人ではない。
全長は10センチか…20センチ?そこらへん。
赤、青、黄。色とりどりで、みな一様に頭に大きな葉っぱをつけている。
lw´‐ _‐ノv「すぴー…きんぐ…いんぐりっしゅなう……」
(;^ω^)「これが、この子の力かお……?」
しかし、こんなのが…チートと呼べるのだろうか。
まったく危険性を感じないのだが。
その小人達――――――いや、【ピクミン】には。
59 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/26(火) 21:24:12.82 ID:Vh67slpSO
【ピクミン】。植物のような謎の生物。
「オニヨン」という謎の機械から肥料を元に種が生まれ、その種が発芽する。
その発芽したものを引っこ抜くとピクミンが出来る。
抜かれたピクミンは主人公であるオリマーを主人と思い、まさに奴隷というような扱いを受けるも、ずっと主人についていく。
そんな存在なのだが…
(;^ω^)「……なんで、こんなところに…」
そいつらが、せっせと農作業しているのだ。
まったく持って謎である。
74 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/26(火) 21:32:43.08 ID:Vh67slpSO
それ以外にも謎がある。
確か公式設定では、ピクミンは1センチだったはず。
しかしここのピクミンどもは、前述の通りでかすぎる。
(;^ω^)「人間寸法に合わされてるのかお……?」
lw´‐ _‐ノv「んあ」
麦わら少女が目を覚ました。
( ^ω^)「あ」
( ^ω^)「こ、こんにちわ、だお」
lw´‐ _‐ノv「やべぇ、うたた寝して気持ちよく起きたら目の前にロリコンそうな推定高校生をはっけん。このまま声をかけたらもしかすると私の初体験はこの椅子の上になってしまうかもしれない。だが勇気を振り絞り、声をだそう。こんにちわ」
オープニングヒットを盛大に奪われた。
82 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/26(火) 21:36:35.19 ID:Vh67slpSO
orz ←ブーン。
lw´‐ _‐ノv「あ、やめてそれ。目にくる。その光景、目にくる」
( ^ω^)「まて、僕は今お前の視覚を刺激するほどの恥態を晒していたのか?」
麦わら少女は、どこか異質な雰囲気を持っていた。
つーかぶっちゃけ、変だった。
lw´‐ _‐ノv「私はシューだよ。よろしくね、ロリコン」
( ^ω^)「僕はブーン。なぁお前さ、学校で人を見かけで決めちゃいけないって習わなかったのか?」
しかもかなりの鬼畜らしい。
将来が楽しみだった。
91 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/26(火) 21:41:22.72 ID:Vh67slpSO
( ^ω^)「なぁ、シュー。一つ聞きたいんだが…」
lw´‐ _‐ノv「なぁに?ロリコン」
( ^ω^)「ここにいるピクミン、シューの能力かお?」
lw´‐ _‐ノv「そうだよロリコン。詳しく説明して欲しい?ねぇロリコン」
( ^ω^)「うん、お願いしたいけどちょっと待ってね。いま涙をこらえる作業に必死なんだ、僕」
lw´‐ _‐ノv「いいよロリコン。いくらロリコンだからってピクミンの事わかるロリコンがロリコンでもロリコンだとしたらロリコンだしロリコンだもんね?」
追い討ち上手だった。
はは、こいつめ。
102 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/26(火) 21:47:11.86 ID:Vh67slpSO
lw´‐ _‐ノv「私の力は、ピクミンを操る事だけど、それが主じゃない。」
――――【オニヨン】。ピクミンを生み出す力。
それが私の能力。
lw´‐ _‐ノv「簡単に言えば、この子達は私に食べ物を持ってくるのよん。その養分を摂取して、私はピクミンを生み出す」
( ^ω^)「生み出すって…どうやって?」
lw´‐ _‐ノv「得た養分を、手のひらに集めて……あ、これは私の感覚だから言ってもわかんないか。…とにかく、手のひらに光が集束して、それが『種』になる。後は撒いて抜いて、完成」
( ^ω^)「手に集束て、ファンタジーな」
lw´‐ _‐ノv「自然の摂理にしたがって肛門から出した方が良かった?」
( ^ω^)「見たいと言ったら?」
lw´‐ _‐ノv「見せてあげる」
( ^ω^)
lw´‐ _‐ノv
( ^ω^)「お前なかなかやるな」
lw´‐ _‐ノv「そちらこそ」
112 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/26(火) 21:52:58.19 ID:Vh67slpSO
lw´‐ _‐ノv「最初はちょっと養分を無理矢理ひねり出したり無理したけど、最近はもう完全に楽だよ。あとはギブアンドテイク。世の中うまく出来てるよね」
( ^ω^)「そうなのかお…」
ピクミン『ウー?』
一匹、ピクミンが足元によってきた。ブーンはかがみこんで、触れてみる事にした。
ギラつく赤いフォルムがかっこよく、そのつぶらな瞳がかわいい。
lw´‐ _‐ノv「かわいいでしょ?ちゃんと赤青黄、平均的にいっぱいいるんだよ」
( ^ω^)「うん、お前の方が」
lw´‐ _‐ノv「濡れた。抱けよ」
( ^ω^)「悪いが俺の股間のピクミンはそこらのとは違って凶暴だから遠慮するよ」
lw´‐ _‐ノv「……」
( ^ω^)「おい、そこで引くなよ。のってこいよ」
120 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/26(火) 21:58:36.00 ID:Vh67slpSO
( ^ω^)「でも、一つ疑問だお」
lw´‐ _‐ノv「ん」
( ^ω^)「なんでこんな大量に生み出す必要があるんだお?ピクミンってのは、絶対に裏切らない生物なんだし、別に意図的に【種】を作り続ける必要があるんだお?」
lw´‐ _‐ノv「あー、それ」
lw´‐ _‐ノv「答えなくちゃ駄目?」
( ^ω^)「ん?てっきり『別に意味はない』とか言うと思ったのに」
lw´‐ _‐ノv「……いや、まぁ。そりゃあ多くいるのに越した事はないでしょ」
( ^ω^)「そりゃそうだな」
lw´‐ _‐ノv「後はリーダーの命令にしたがってるだけですよん」
( ^ω^)「リーダー?」
lw´‐ _‐ノv「うん」
134 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/26(火) 22:04:59.17 ID:Vh67slpSO
lw´‐ _‐ノv「私達も必死なのにょん。選択者《アレンジ》とかいうやつになる為に。ブーンもそーでしょ?」
( ^ω^)「………」
アレンジ。どこかで聞いた。
そう。確か、ヒッキーの言葉に、あったような…
lw´‐ _‐ノv「?」
( ^ω^)「なぁシュー」
lw´‐ _‐ノv「なに?糞インポ短小包茎ド腐れ【ピー(自主規制)】野郎」
( ^ω^)「その、アレンジってなんなんだお。あと、オリジナルとか……」
lw´‐ _‐ノv「………」
ネタにのってこなかったからか、予想外のワードが出たからか。
シューは一瞬押し黙り、
lw´‐ _‐ノv「知らないの?」
今までの雰囲気を払拭するような声で、そう言った。
足元では、ピクミン達は変わらず作業をしている。
165 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/26(火) 22:11:23.51 ID:Vh67slpSO
( ^ω^)「僕は最近聞いた、つーか言われたんだお。お前は主謀者《オリジナル》だって」
lw´‐ _‐ノv「…ブーン」
( ^ω^)「ん?」
lw´‐ _‐ノv「あなた、主謀者《オリジナル》なの?」
( ^ω^)「まぁ、うん…」
lw´‐ _‐ノv「……どこから説明したものやら」
いきなり思い詰めたように、考え始めるシュー。麦わら帽子のせいで、その表情はよくわからない。
( ^ω^)「………」
そこでシューはようやく顔を上げた。そして真剣な顔をして、こう呟いた。
「――――オリジナルがあるからアレンジがある。フェイクがあるからアレンジもある」
(;^ω^)「へ?」
lw´‐ _‐ノv「ねぇ、ブーン」
184 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/26(火) 22:16:45.81 ID:Vh67slpSO
lw´‐ _‐ノv「あなた、うちのチームにこない?」
( ^ω^)「え?」
lw´‐ _‐ノv「あなたなら、ドクオさんも信用してくれると思う」
(;^ω^)「!? ちょ、ドクオ!!?」
lw´;‐ _‐ノv「え」
焦りを露に少女に掴みかかるブーン。
そのいきなりの行動に、シューも驚きの表情を見せる。
lw´‐ _‐ノv「ブーン、ドクオさんを知ってるの?」
(;^ω^)「ドクオって、あのドクオだお?身長低めの、幸薄そうな顔した高校生の!」
199 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/26(火) 22:21:50.57 ID:Vh67slpSO
lw´‐ _‐ノv「あなた、ドクオさんとどういう………」
(;^ω^)「僕は、あいつの親友だお!!大親友!!ずっとこっちに来てから探してたんだお!!ドクオ、無事なのかお!?早く合わせてくれお!!」
それは、やっと掴んだ糸口を必死に手繰りよせるように。
ようやく、ようやく会える。あいつは今何をしているのだろうか。
ずっと心配だった親友が、こんなに近くにいたとは、と思考が止まる事はなかった。
対して、シューはというと
lw´‐ _‐ノv
lw´‐ _‐ノv「ドクオさんの、友達?」
(;^ω^)「…そうだお。あいつの、一番の親友だお」
206 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/26(火) 22:24:52.01 ID:Vh67slpSO
lw´‐ _‐ノv「嘘つけよ。」
その瞬間、ブーンの視界は流転する。
その原因として、足元にいたピクミンが飛び出し、いきなり自分の顎にヒットしたのだと気付くまでには時間がかかった。
227 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/26(火) 22:30:18.08 ID:Vh67slpSO
(;゚ω゚)「ぐはっ………!!」
ピクミンの一撃が予想外に痛かったというのが衝撃的だったが、それよりも目の前の少女の事だ。
lw´‐ _‐ノv「あなたは嘘つきだ」
lw´‐ _‐ノv「だってあの、あのドクオさんに」
lw´‐ _‐ノv「友達なんて、いるわけないじゃん」
当たり前のように、そう言ったのだ。
それは一見失礼とも取れる言葉だが、違った。
それはまるで、何か異質なものを相手取っているように。
ドクオと言う存在を考える時に、このシューはブーンの知らない『何か』があったのだ。
lw´‐ _‐ノv「アンタも、またあの連中?勘弁してよ」
lw´‐ _‐ノv「何回追い返しゃ気が済むのって」
240 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/26(火) 22:34:58.83 ID:Vh67slpSO
lw´‐ _‐ノv「さ、いきなされ我が子たち。私達の畑を荒らす不届き者をこらしめちゃいなさい」
『ピクー!!』
(;^ω^)「おおおおおおおお!!?」
シューのその一声を合図に、その場にいたピクミンは一斉に襲いかかってきた。
(;゚ω゚)「がっ………!!」
突如、後頭部に鈍器か何かで叩かれたような衝撃が走る。
ピクミンに張り付かれ、その葉で攻撃をされている。
見た目に反して力は強い。当たり前かも知れない。
彼らは、その小柄な体にありながら自分の15~20倍の大きさの相手を手玉にとる戦闘力を持っているのだ。
254 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/26(火) 22:39:22.64 ID:Vh67slpSO
まず、勘違いしてはいけない。
ピクミンと聞いても、皆さんにその脅威性を伝えきる事は出来ないと思う。
実際、ブーン自身も考えが甘かったとここで反省する。「統率された大軍」が、まさかここまで怖いとは。
続いて、彼らは目的遂行の為に、「まったく躊躇がない」。
是が非でも主からの命令は遵守する。
人間には必ず生じる迷いがまったくないのだ。
その様は、まるで機械。いや、臨機応変に対応する知能などを含めれば機械よりよっぽど怖いのだ。
(; ω )「う゛っ!!」
そんなのが、100匹も200匹も集まってくる。
非常に、まずかった。
(; ω )(……やばい、お…意識が………)
3分とかからず、ブーンは戦闘不能に追いやられようとしていた。
274 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/26(火) 22:44:32.01 ID:Vh67slpSO
外側から見れば、ブーンの体は赤青黄でうめつくされた何かにしか見えない。
そのような袋叩きを受けて、ブーンが取った行動は
(;゚ω゚)「鬱陶しいおおおおおおおおお!!!」
自分から思いっきり、後ろに飛ぶ。
背面を強く地面に打ち付けるが、それにより背面のピクミンを全て潰す事が出来た。
lw´‐ _‐ノv「ぬ」
そして遥かに軽くなった体の前面についているピクミンを、ようやく叩き潰す。
しかし、ピクミンはまだまだいくらでもいた。
そう、こいつらの一番の怖さは繁殖力でもある。
半端でなく増殖効率が良すぎるのだ。ほぼ無限といってもいいくらいだ。
まだまだまだまだ、ピクミンは大量に沸き続ける。
287 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/26(火) 22:50:08.99 ID:Vh67slpSO
(;゚ω゚)「ちっ……!!」
雨のように降り注ぐピクミンの中、シューに向かって叫ぶ。
(;゚ω゚)「なぁシュー!!!」
lw´‐ _‐ノv「?」
(;゚ω゚)「言っとくけどなぁ!僕は本当は紳士なんだお!!めったな事じゃ、女の子には手を上げないんだお!!」
lw´‐ _‐ノv「……」
(;゚ω゚)「今回だって、使う気はなかった!!」
( ゚ω゚)「だけど!!お前を越えなきゃドクオに会えないってんなら!!」
(#゚ω゚)「少しだけ紳士な僕はお休みだおおおおおお!!!」
降り注ぐピクミンの中、ブーンはあの言葉を叫ぶ。
「【気分次第《アンカーテイク》】!!」
311 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/26(火) 22:53:18.91 ID:Vh67slpSO
(;^ω^)「どーもみなさん!毎度おなじみ安価の時間だお!!」
(;^ω^)「その前に言っとく事がある!!多分、見た目的なインパクトは今までで一番ひくいだろうけど」
(;^ω^)「僕、今までで一番死にそう!!」
(;^ω^)「だからこんな状況を打破する、あなたの厨二妄想をお願いしますお!!指定アンカーは………」
>>320!!
320 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/26(火) 22:53:39.24 ID:6SoDohIS0 ?2BP(111)
手の平からピクミンを無限に出現させる能力
373 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/26(火) 22:55:16.01 ID:Vh67slpSO
『能力が決定しました。』
>>320 手の平からピクミンを無限に出現させる能力
(;^ω^)「よっしゃ!!全面戦争だおおおおおおおおお!!!!」
397 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/26(火) 22:58:01.43 ID:Vh67slpSO
lw´‐ _‐ノv「………!!!」
シューは顔にこそ出さないが、驚いてはいた。完全に、ピクミン達が囲んだはずだった。
しかし
( ^ω^)「ふぃー…!!あぶね……」
彼の手から、自分と同じ、ピクミンが大量に溢れてきたのだ。
戦場は、小さな戦いの嵐となった。
414 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/26(火) 23:02:22.10 ID:Vh67slpSO
( ^ω^)「………」
足元では、ピクミン達が相殺し合っている。
しかしその間も、ブーンの手からはピクミンが生み出され続ける。
( ^ω^)「……勝ったお、シュー」
lw´‐ _‐ノv「………」
( ^ω^)「有限と、無限。僕らの力には完全な上下関係があるお。」
lw´‐ _‐ノv「……」
シューは、何も言わない。
( ^ω^)「…口を開かないなら」
(#^ω^)「力づくだお!!!」
ブーンは、両手から生み出され続けるピクミンを一斉に投げつけた。
433 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/26(火) 23:07:25.22 ID:Vh67slpSO
形勢逆転、その言葉が浮かんだブーンだったが
突如として、ブーンの足元から新たなピクミンが大量に飛び出してきた。
(;^ω^)「なっ…」
とっさにこちらもピクミンをガードに押しやる。
しかし、今シューに向かい投げてしまったところであり、ガードするには明らかに数が足りない。
シューのピクミン達は、足を押しやり、ブーンのバランスを崩す。
(;゚ω゚)「やば……」
また、当然のように転がされる。
そして頭上から
数多の敵ピクミンが、降ってきた。
441 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/26(火) 23:13:14.71 ID:Vh67slpSO
(; ω )「ぐああああああああああ!!!」
自身のピクミンを操り防御するブーンだが、それは瞬く間に潰されていく。
大量に降ってきたのは、紫ピクミン。
推定体重、2kgはあるだろうか。
そんなものが頭上から際限なく降り注ぐ。
防御する手だてはなかった。
lw´‐ _‐ノv「アンタ、なにいってんの?」
lw´‐ _‐ノv「ここ、私の畑だよ?」
lw´‐ _‐ノv「あなたは一つ間違えてる。確かに、有限と無限の差は埋められないけど」
lw´‐ _‐ノv「私はこういう時の為にピクミンを溜めに溜め続けていた」
lw´‐ _‐ノv「たぶん、あなたの今のピクミンを生み出すスピードじゃ、1時間は放出されても数は負けてないと思うよ」
(; ω )「………」
461 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/26(火) 23:19:11.72 ID:Vh67slpSO
lw´‐ _‐ノv「この戦いはそもそも、ピクミンの数勝負じゃない」
シューは、やっと椅子から立ち上がり、こちらに向かってくる。
lw´‐ _‐ノv「『どれだけピクミンを使いこなすか』。それだけ」
(; ω )「……!!」
ブーンの視界の半分が、赤いカーテンに覆われる。
頭から血が流れて、目に入ってしまっているのだ。
lw´‐ _‐ノv「あとこれはあなたも知ってると思うけど」
lw´‐ _‐ノv「この紫ピクミン、重いから。例えば」
lw´‐ _‐ノv「倒れ込んでるあなたに全力で叩きつければ、私の力でも致命傷になると思うよ」
(; ω )「な……!!」
lw´‐ _‐ノv「とどめくらい自分の手でさしてあげるよ、紳士さん」
シューは紫ピクミンを片手に笑いながら、こちらへゆっくりと歩いてきた。
476 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/26(火) 23:22:53.52 ID:Vh67slpSO
lw´‐ _‐ノv「ばいばい、紳士さ――――」
――――そこでシューの声は止まる。
無理もない。
シューの目の前は、いきなり暗くなったのだから。
495 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/26(火) 23:28:21.22 ID:Vh67slpSO
lw´;‐ _‐ノv「え!?」
シューは困惑したが、自分が何をされたかという事にはすぐに気がつけた。
lw´;‐ _‐ノv「くっ…やば…!」
lw´;‐ _‐ノv「落とし穴!!!」
簡単な事だった。シューは、ブーンのピクミンによって作られた落とし穴にはまっただけの事。それだけだった。
( ^ω^)「『どれだけピクミンをうまく使いこなすか』(キリッ)」
( ^ω^)「だっておwwww出し抜こうなんざ100年早いわwwww」
lw´;‐ _‐ノv「く―――――!!」
シューが這い上がろうとしたその時にはもう遅い。
ブーンのピクミンは、既にシューの回りの土を踏み固める作業に入っていた。
518 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/26(火) 23:32:29.55 ID:Vh67slpSO
( ^ω^)「お前の紫ピクミンに潰されかけてた時には既に、僕は左手をずっと地面につけて、ピクミンを地中に向けて大量に送ってたんだお。おかげで死ぬかと思ったけどね」
lw´;‐ _‐ノv「ぐっ――――!!」
動けない。もがいてどうこうなるレベルじゃなかった。
自分のピクミンがなんとか自分を掘り起こそうと頑張るが、戦闘と作業を両立は出来ない。
後ろからブーンのピクミンに襲撃され、死んでいく。
( ^ω^)「形勢逆転、だお」
531 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/26(火) 23:37:39.90 ID:Vh67slpSO
( ^ω^)「さて、と。どうしてくれようか」
lw´;‐ _‐ノv「……」
今のシューはほぼ生き埋めに近かった。かろうじて顔だけが地上と面している状態である。
( ^ω^)「とりあえず、僕は君を乗り越えてもドクオに会いにいくお」
( ^ω^)「おとなしくするならこれ以上はしない。だから、居場所を言ってくれお」
( ^ω^)「それだけ」
(;゚ω゚)「で……っ…!!!」
いきなりブーンの視界が、ぐらつく。
背後を見た。シューのピクミンが、ピクミンを投げている。
自分の後頭部に、既に何匹か張り付いている。
554 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/26(火) 23:41:47.30 ID:Vh67slpSO
lw´#‐ _‐ノv「誰が負けるかハゲがぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
シューが激昂する。そして、シューの体が掘り起こされ始める。
(;゚ω゚)「うっ……!!」
自分に張り付くピクミンを払い、シューがやった事を理解した。
自分と、ほぼ同じだ。
地中で手からピクミンを生み出し、地面を掘り進んで背後に回らせる。
そして中から掘り起こす。
これを埋められた咄嗟に思いついたのだから、シューの力量が伺えるというものだ。
568 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/26(火) 23:46:53.21 ID:Vh67slpSO
lw´#‐ _‐ノv「ぬぅぅぅぅぅぅぅああああああ!!!」
ピクミンがシューの体を着々と掘り起こす。
lw´#‐ _‐ノv「よし!もういい!半分はブーンに行け!!」
『ピクー!!!』
ようやく土に汚れた肩が見え始め作業が楽になったので半分をブーンへの反撃に移す。
(;^ω^)「おおおおお!!!」
それを手から生み出し相殺させる。
しかし、その間にもシューは片腕が地面から抜けていたのだった。
lw´#‐ _‐ノv「よっしゃ!覚悟しろブー……」
lw´;‐ _‐ノv「!?」
そこで異変に気付く。
地上に、上がれない。
まるで足に、何かがしがみついているかのように。
584 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/26(火) 23:50:16.40 ID:Vh67slpSO
lw´;‐ _‐ノv「くっそ……!!」
考える事は一緒のようだ。ピクミンを地下に潜らせ、自分を引き留めている。
(;^ω^)「うらあああああ!!負けるかよハゲ!!!」
lw´#‐ _‐ノv「はげてねーよハゲ!!」
(#^ω^)「うっせハゲ!!ばーか!!」
ピクミンはせわしなく動き、互いの動きを妨げ続けた。
591 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/26(火) 23:53:07.48 ID:Vh67slpSO
lw´;‐ _‐ノv「負けるかよ!!ピクミンの扱いにて、私の右に出るやつなんかいないんだ!!」
(;^ω^)「僕に拮抗してんじゃねーかお!!」
互いが互いを蝕み続ける、千日手。
しかし、シューの叫びがそれを大きく変える事になる。
lw´#‐ _‐ノv「お前に!!わかるのかよ!!」
(;^ω^)「何がだお!!」
607 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/26(火) 23:57:36.43 ID:Vh67slpSO
lw´#‐ _‐ノv「ピクミンは私の友達だ!!お前にはわからないよ絶対!!」
lw´#‐ _‐ノv「自分に文句を言わずついてくるピクミンが、どれだけ感動的だったか!!」
lw´#‐ _‐ノv「リアルに友達がいないから!!飽きる事なくピクミン1、2をやって!!」
lw´#‐ _‐ノv「もしリアルにピクミンがいた時の事を真剣に一晩中考えたり!!」
lw´#‐ _‐ノv「相手がいないバトルモードを、自分でコントローラー2つ使って遊んだり!!」
lw´#‐ _‐ノv「最終的に気づいたら地面にうめられてないかなぁとか考えてた私の気持ちが」
lw´#‐ _‐ノv「お前にわかるもんかよォォォォォォォォ!!!」
(;^ω^)
626 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/27(水) 00:01:17.55 ID:g/hXxgbLO
(;^ω^)「………」
lw´#‐ _‐ノv「はぁーっ!はぁーっ!……」
互いのピクミンの動きが、止まった。
その静寂の中に、ブーンが言葉を紡いだ。
――――――「僕も、同じだお。」
644 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/27(水) 00:05:56.32 ID:g/hXxgbLO
( ^ω^)「ドクオ!遊びにいくお!」
('A`)「あ、ごめん。今日なんか用事あった気がするから嫌だ」
( ^ω^)「ツン!遊びにいくお!」
ξ゚⊿゚)ξ「あんたがそう言った時はめろんぶっくすにしかいかないんだから私を呼ばないで。もうそろそろ殺しちゃうかもしれないから」
( ^ω^)
――――――
( ^ω^)「みんな!探検いくお!」
『ピクー!』
みんな、ついてきてくれた。
はじめて、一人でもゲームが楽しかった。
655 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/27(水) 00:09:31.76 ID:g/hXxgbLO
一人でも、楽しかった、けど。
それはなんか、違った。
ピクミンは誰一人、自分の意見を言ってくれなかった。
友達でも、なんでもなかった。
友達100人出来るかな、なんて。
100匹のピクミンを連れて、できたおー!!なんて叫んで
涙が出た事もあった。
664 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/27(水) 00:12:27.12 ID:g/hXxgbLO
でも、それでも。
('A`)「なぁ、ブーン。遊びに行くか?」
ξ゚⊿゚)ξ「あ、私も暇だし、行ってあげない事もないわよ?」
――――――
自分をわかってくれる人はいた。
なぁ、シュー。
君もそのはずなんだ。
その余ったからって足で無理矢理操作してる2コンを
握ってくれる人が、いるはずなんだ。
680 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/27(水) 00:16:26.79 ID:g/hXxgbLO
それでももし、裏切られて
打ちのめされた時は。
その時は。
( ^ω^)「その時は、僕が2コンを握ってあげるお」
lw´; _;ノv「あああああああああああああああああ!!!!」
掘り起こされたシューは、ブーンに抱きついて行った。
ピクミンは、もうそれ以上動かなかった。
lw´; _;ノv「寂しかった…寂しかったよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」
麦わら少女は、その畑全てに響くような声で、泣いた。
688 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/27(水) 00:17:53.02 ID:g/hXxgbLO
――――――かけがえのない友を一人手に入れて
この戦いは、幕を閉じた。――――――
705 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/27(水) 00:21:12.45 ID:g/hXxgbLO
――――――大通り
ドクオの仲間と呼ぶ存在に、でぃという女の子がいる。
彼女は散歩が大好きで、今もその最中だ。
(#゚;;-゚)「はぁ……」
でぃは一人ため息をついた。自分の力について、である。
(#゚;;-゚)「なんでこんな変な能力なんだろうなぁ…」
与えられたのは、お世辞にも強いとは言えない能力だった。いや、便利ではあるのだが、こんなバケモノだらけの世界じゃ利便性など見劣りするだけ、そう思っていたところだった。
(#゚;;-゚)「ん?」
曲がり角を曲がった先は、惨劇だった。
714 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/27(水) 00:24:12.11 ID:g/hXxgbLO
ビルの並びが、軒並み粉々になっている。
瓦礫が散乱し、その姿はまさに大災害後と呼ぶにふさわしかった
(#゚;;-゚)「うわぁ、誰がこんな―――」
すると、意外な事にその犯人と思われる人物はすぐ見つかった。
その破壊活動を、現在進行形で続ける女の子がいたのだ。
しかし、これがまたひどい。
誰かから精神系の攻撃でもうけたのだろうか?
完全に、発狂している。
おそらくその目には何も写っていないだろう。
724 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/27(水) 00:26:33.51 ID:g/hXxgbLO
ただただ、暴れる。
その純粋な暴力は、その場の瓦礫達をさらなる瓦礫に変える。
(#゚;;-゚)「あららぁ」
(#゚;;-゚)「どうしよ、この子」
んー、と考えてから、でぃは結論する。
(#゚;;-゚)(まぁこの際だし、連れて帰ろうか。私の能力、【幻視】……別に視界ジャックだけで十分と思ってたけど、『こっち』を使える機会が来るとはね)
(#゚;;-゚)「この『感応視』ってやつを」
清算される時が、近かった。
第五話、終わり
Posted at 2011/08/01 20:54:05 | |
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ブーン系小説 | パソコン/インターネット
2011年07月31日
11 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/25(月) 21:05:00.80 ID:51cP0YmvO
( ^ω^)はあらゆるチート達と戦うようです
第四話。
『前回までのあらすじ』
最強能力決定戦と称し様々なチート能力者と戦うはめになったブーンは、安価内容をそのまま使える能力【気分次第《アンカーテイク》】を駆使して強敵を倒していき、
たまたま出会ったつーとしぃ、そして仲間のツンすら敵に回すような無茶をやってフルボッコにされたりしていた。
今回の敵は?今回の安価は?
誤字が多いが、今回は誤字なく終われるのだろうか?
13 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/25(月) 21:06:58.20 ID:51cP0YmvO
一応、登場人物と能力
( ^ω^)【気分次第《アンカーテイク》】(vip)
ξ゚⊿゚)ξ【拳王ラオウ】(北斗の拳)
(*゚∀゚)【鬼《オーガ》】(バキ)
(*゚ー゚)【男塾塾長】(男塾)
・共に行動中
('A`)【一方通行《アクセラレータ》】(禁書)
/ ,' 3【???】
・共に行動中
( ´∀`)【百式観音】(HxH)
川 ゚ -゚)【火水木金土日月を操る程度の能力】(東方)
从'ー'从【大嘘憑き《オールフィクション》】(めだかボックス)
・????
14 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/25(月) 21:08:27.52 ID:51cP0YmvO
※ブーンの能力【気分次第《アンカーテイク》】について
指定アンカーにかかれていた能力をそのまま使える能力
「~能力」と、最後に「能力」とかかれていなければ再安価。
一人の敵につき、一回ずつ出来る。
今まで出てきた能力
『手から溢れんばかりのコーラを出す能力』
『座布団を一週間近く回し続けられる能力』
『髪の毛を急速に成長させる能力』
『超反射神経が身に付く能力』
15 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/25(月) 21:12:35.65 ID:51cP0YmvO
――――路地裏
さて。
いきなりで悪いが、現実には相手の都合の良い悪いで攻撃を仕掛けてくる敵なんかいない。
(それは、わかってるお…)
漫画じゃあありえないが、死ぬ人間は例えば友人との会話中でも死ぬ。それが現実だ。
死ぬ時は死ぬ。死はいきなりやってきて、死ぬ。誰でもいつかは死ぬ。死にたくないやつもいるだろうが、そうは問屋が下ろさないわけで死ぬ。問屋も死ぬ。みんな死ぬ。
(…わかってるお。でも、でも!)
結局の所、世界はそんなに優しさ満点で出来てはいない。綺麗なものは簡単に壊れ、優しいものは簡単に駆逐される。
( ;ω;)「わかってるって言ってんだお!!!」
頭に浮かぶもの全てを取っ払うように、ブーンは一人で叫んだ。路地裏の壁にへたりこみ、息をあらげている。
16 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/25(月) 21:14:57.04 ID:51cP0YmvO
( ;ω;)「くそっ…くそぉ……!!」
ツンは無事だろうか。つーは、どうなったのか。
確かめる術は、今はない。焦った所でどうにもならないのは自分がよくわかってるが、それでも体は強張るばかりだ。
本当なら、物語の冒頭としてこんなのは語られるべきではない…いやそもそもこんなの起こるべきじゃないのに。
なのに。
( ;ω;)「なんで…なんでこんな事に…」
………しぃが、殺された。
23 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/25(月) 21:18:38.87 ID:51cP0YmvO
「『あはは』」
「『ギャグチックな幕の引き方なら、』」
「『次は陰惨な始まり方にはならないと思った?』」
「『私がおっとりした顔立ちだから』」
「『優しくすれば話が通じると思った?』」
「『仲間になったやつと助け合える展開、来ると思った?』」
「『あはは』」
从'ー'从「『甘ぇよ。』」
その悪魔の名は、「渡辺」。
持ちうる能力は………
――――――全てを台無しにする過負荷《マイナス》、【大嘘憑き《オールフィクション》】。
27 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/25(月) 21:20:59.93 ID:51cP0YmvO
話は、あの最強女3人と戦闘が終了した時まで遡る。
人類最強の3人からしこたま殴られた(とは言っても手加減はして死なない程度に、かつ痛みは感じるように)僕は、3人と共に大通りを歩いていた。
ξ゚⊿゚)ξ「こう言っちゃなんだけど、意外と楽しかったわね」
(*゚∀゚)「そだな。姉妹喧嘩も飽きていた頃だったからな」
(*゚ー゚)「そだねー」
ξ゚⊿゚)ξ「アンタもそう思うでしょ?ゴミクズ」
( ^ω^)「その通りですね。御三方は釣り合う敵がいなかった故、こう言った会合は素晴らしく有意義です」
最強の3人によってアスファルトの地面を文字通りスクランブルされたスクランブル交差点を抜けようとしていた時だった。
28 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/25(月) 21:24:25.79 ID:51cP0YmvO
それは予兆も何もなく、いきなり現れた。
本当に、何もなかった。
躊躇もなく、遠慮もなく、情緒もなく。
ぱっと現れ、絶望だけを振り撒いていった。
「『あ、あのう、すいません……』」
( ^ω^)「ん?」
32 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/25(月) 21:27:25.47 ID:51cP0YmvO
从'ー'从「『あ、あの、私、渡辺って言います~』」
振り替えれば、そこに少女がいた。能力者なのだろうが…どうも警戒心を抱けない、変な少女だった。
(*゚∀゚)「…ふん?どした?」
从'ー'从「『ちょっと私、コンタクトレンズをここらへんで落としちゃって探してるんですけど~……』」
(*゚ー゚)「………」
しかしよく見れば、不思議な印象を受ける子だった。恐らく、自分以外のみんなそう思っているに違いないとしぃは思った。
こう言っては失礼なのだけれど、この子の発言は風船のように、中身がなくふわふわ浮かんでいるような。
――――何から何まで、嘘に聞こえてしまうような、そんな感じ。
34 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/25(月) 21:29:36.97 ID:51cP0YmvO
ξ;゚⊿゚)ξ「あー、コンタクト?コンタクト…ねぇ。私達あんだけ暴れまわった後だし、ここら辺なら潰れてしまった可能性の方が高いわね…」
从'ー'从「『え、そうなんですか?』」
ξ゚⊿゚)ξ「うーん…ごめんなさいね」
从'ー'从「『つまり今からあなた達を惨殺しても問題ないんですね?』」
( ^ω^)
(*゚∀゚)
ξ゚⊿゚)ξ
(*゚ー゚)
( ^ω^)「え」
突如、人間の手には明らかに余るほどの巨大なネジが、4人に向けられて大量に飛来した。
45 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/25(月) 21:35:19.49 ID:51cP0YmvO
ネジのその数、およそ10から15。4人に綺麗に分散され、発射された。
(;^ω^)「うわっ―――」
ブーンは、悲鳴をあげた。
ξ;゚⊿゚)ξ「―――!!」
ツンはとっさに、ネジを殴り飛ばした。
(*゚∀゚)「!」
つーは対応が早く、蹴りで全て撃ち落とす
(;*゚ー゚)「」
しぃは全てを吹き飛ばし、あまつさえブーンの方に飛来するネジすらも叩き落とした。
从'ー'从「『あらら』」
52 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/25(月) 21:41:27.93 ID:51cP0YmvO
从'ー'从「『へぇ~凄い。やばい。やばいね』」
从'ー'从「『本当にやばいもう無理だ私死んじゃう遺書書いときゃ良かtt』」
(*゚∀゚)「うらぁ!!」
一番最初に動いたのはつーだった。この対応の速さから見るに、彼女最初っから渡辺を信じていなかったのだろう。
右足が綺麗な曲線を描き、渡辺の顔面にぶち当たる。
吹っ飛ぶのかと思いきや、意外と飛距離はなかった。しかしその分、力は渡辺の頭に収束されたのだろうか。
ドパッ、という聞いた事のない音が鳴り、渡辺の左顔面が爆破されたように崩壊した。
60 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/25(月) 21:47:12.61 ID:51cP0YmvO
ずしり、と重い音を立て沈む渡辺の体。何も物怖じしないつーが羨ましいと、ブーンもこの時ばかりは思った。
(;*゚∀゚)「……ふぅ。なんかこいつ、変だなと思ったら…」
ようやく頭が回転してくるが、すればするほど目の前の異常に困惑する。
(*゚ー゚)「私も思った」
ξ゚⊿゚)ξ「私も」
从'ー'从「『私も』」
(;^ω^)「僕もちょっと思ったお…でも、いきなりこんなn」
(;^ω^)「は!!?」
倒れたはずの渡辺は自分達の真ん中にいた。
余韻に浸る時間すら、くれなかった。
68 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/25(月) 21:52:54.66 ID:51cP0YmvO
从'ー'从「『でも一思いに殺してくれてありがとう』」
从'ー'从「『おかげで痛み無く死んで、生き返れたよ』」
从'ー'从「『そうだ、こんな戦い今すぐやめてみんなでファミレスでも行かない?私すごいドリンクバーの調合法知ってるんだけど…』」
ゾワリ、と。
得体の知れない何かに首筋をなぞられたかのように、4人は渡辺から急速に距離を置いた。
ξ;゚⊿゚)ξ「な、なんで……!」
寒気しかしないこの渡辺という存在に、ツンは混乱してしまう。それはつーとしぃも同じだった。
(;^ω^)「みんな、逃げるお!!」
その中、ネジの一つにすら対処出来なかったブーンが一番冷静な対処を下す。
(;^ω^)「こいつには勝てない!こいつ、間違いなく」
(;^ω^)「【大嘘憑き《オールフィクション》】だお!!」
80 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/25(月) 22:00:47.54 ID:51cP0YmvO
【大嘘憑き《オールフィクション》】と聞いて、反応出来る人は少ないのではないか。
最近になって明らかになった能力なので知名度は低いが、その能力は洒落にならないものだ。
『現実《すべて》を虚構《なかったこと》にする能力』。
この能力にかかれば全てのものは「なかったこと」にされ、それは自身の死ですらがなかったことになる。
どうしようもなく、全てを台無しにする力。
そんな禍々しいものを持つのが、この渡辺。まともな人間でないのは実証済みである。
(;^ω^)「今すぐ、逃げるんだお!!」
ξ;゚⊿゚)ξ「ッ!!」
最初に動いたのはツンだった。こういう時の対応の速さは、頼りになる部分だ。
(;*゚∀゚)「おっけい!!」
つーもコンマ何秒か遅れて、踵を返し走る。
(*゚ー゚)「わかっ―――」
しぃも、それは例外じゃなかった。
1秒あるかないか。
そんな時間が、全てを分けた。
91 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/25(月) 22:04:12.03 ID:51cP0YmvO
从'ー'从「『やだーみんななんで逃げるのナベちゃん泣いちゃーう』」
从'ー'从「『ナベちゃん、あなた達とお近づきになりたいだけなのよ?』」
从'ー'从「『だから』」
从'ー'从「『《あなた達との距離をなかった事》にして、文字通りお近づきになろうっと』」
ぐわ、と何かの気配がして
(;*゚ー゚)
しぃの背後に、渡辺はいた。
106 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/25(月) 22:11:11.57 ID:51cP0YmvO
(;*゚∀゚)「らあぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
そこに振り向きざま、一閃。
つーはしぃを越え、ありったけの力を込めた握り拳を作り、渡辺の顔をぶん殴る。
从'ー'从「『オアマーーーーーー!!!』」
わざとらしい声を出しながら、遥か後方に吹き飛ぶ。
(;*゚∀゚)「みんな!!バラけて逃げろ!!」
ξ;゚⊿゚)ξ「え!?」
(;*゚∀゚)「今の見ただろ!?まとめて逃げたら、全員やられる!!」
(;^ω^)「…確かに、正論だけど……!!」
………そんな事したら、つーは?
126 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/25(月) 22:16:55.41 ID:51cP0YmvO
(;*゚ー゚)「お姉ちゃん!!どうする気なの!?」
(;*゚∀゚)「俺がこいつを引き留めとく!!だから!逃げろ!」
(;^ω^)「……!!」
从'ー'从「『……』」
渡辺は、もう立っている。今の攻撃のダメージも既に、《なかったこと》にされたのだ。
ξ;゚⊿゚)ξ「冗談じゃないわ!アンタ死ぬ気!?そんなのかっこよくもなんともい!!」
(;*゚ー゚)「そうよお姉ちゃん!!一緒に逃げy」
从'ー'从「『いや、それはちょっとやだな。私、この子とデートしたいから』」
次の瞬間には、渡辺はしぃの前にいた。
从'ー'从「『さてと、あなたいまお姉ちゃんって言ったね。妹を守る姉。萌えるね』」
(;*゚ー゚)「あ――――」
133 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/25(月) 22:19:45.11 ID:51cP0YmvO
从'ー'从「『だから、ちょっと壊させてね』」
(;* ー )「う、うわああああああああああああ゛あ゛ぁ!!!!」
渡辺が何かしたかと思えば、しぃは地に伏せていた。
160 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/25(月) 22:25:35.67 ID:51cP0YmvO
(;^ω^)
ξ;゚⊿゚)ξ
声も、出なかった。唯一声が出たのは、つーだ。
(;*゚∀゚)「おいてめぇ!!何をし――――」
从'ー'从「『大袈裟だよぉ。ちょっとこの妹ちゃんが可愛かったから』」
从'ー'从「『この子の《五感全てを、なかった事にした》だけだよ?』」
ブーンその時の渡辺の表情を、忘れ去る事は出来ないだろうなと思った。
それは僕らが朝ごはんにパンを食べる時のように。
自販機でコーヒーを買う時のように。
学校で友達と会話する時のように。
そんな平然とした顔だったからこそ、異常に強く焼き付いてしまった。
(;*゚∀゚)「なっ……!!」
(;*゚∀゚)「戻せ!!今すぐに!!」
从'ー'从「『やだなぁ』」
从'ー'从「『《なかったことをなかったことにする》なんて出来るわけないじゃない』」
178 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/25(月) 22:30:49.43 ID:51cP0YmvO
从'ー'从「『私は万能じゃないよ?ただのか弱いモテカワスリムの愛されガールだもん』」
从'ー'从「『私の能力は言わばリセットボタンなの。リセットボタンを2回押したからって、リセットした事自体をリセット出来る?』」
(;゚ω゚)「……!!」
それ、なのに。
平然とやってのけたというのか。こいつは。
(;* ー )「わあああああああああ!!!!!わあああああああああ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ!!!!」
しぃの絶叫は続く。
彼女はいま五感を全て失い、何が何か分からず発狂寸前なのだろう。
それでも声をやめないのは、全てを失った彼女なりの、最後の抵抗なのかも知れない。
191 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/25(月) 22:35:35.47 ID:51cP0YmvO
しぃの絶叫に重なるように、つーも叫ぶ。
(;*゚∀゚)「お前ぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!なんて事をしてくれやがんだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
从'ー'从「『あ、いい顔だ。その顔いい。写メとりたいね』」
(;*゚∀゚)「ふざけんな!なんで、なんでこんな事を!!」
从'ー'从「『え、理由?………んーとねぇ……』」
从'ー'从「『ごめん、ちょっと待って。後で考えてツイッターで呟いとくから』」
(*゚∀゚)
ぶち、と。
何か不吉な音がした。
(;^ω^)
ξ;゚⊿゚)ξ
(#*゚∀゚)「てめぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」
209 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/25(月) 22:41:22.11 ID:51cP0YmvO
(#*゚∀゚)「殺す!!!!殺す!!!殺す!!!コロォォォォォォォォス!!!」
つーは、走る。渡辺に向かって。
最愛の妹から大事なものを平気で奪ったその女に向かって。
だが。
从'ー'从「『え、私殺されるの?なにそれこわい』」
从'ー'从「『じゃあ殺される前に』」
从'ー'从「『妹ちゃんだけでも殺さないとね』」
今までで一番大きなネジが、足元でまだ絶叫を続けるしぃの脳天に向かって。
从'ー'从「『あは♪れっつふらんけーん』」
垂直に、ささった。
(#* ∀ )
226 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/25(月) 22:46:36.75 ID:51cP0YmvO
しぃの絶叫が、最後の抵抗が、止まった。
「しぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!」
つーが、叫ぶ。空気が張り裂けるほどに。大地が揺れるほどに。
从'ー'从「『あ、ごめんね。そうなるよね。妹が目の前でネジに脳姦されたら、そりゃそうなるよね。じゃあ』」
从'ー'从「『この子が死んだこともなかったことにして、もっときつくない死に方を見せた方がいいかな?』」
(* ∀ )
(;゚ω゚)
ξ;゚⊿゚)ξ
皆、同じ事を考えたはずだ。
――――こいつの、あたまは、おわっている。
246 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/25(月) 22:50:39.97 ID:51cP0YmvO
しぃは、死んだ。
(* ∀ )「あああああああああああああ!!!!あははは!!!!あはははははははは!!!」
つーは、壊れた。
ξ;゚⊿゚)ξ
(;゚ω゚)
二人は、動けなかった。
从'ー'从「『あ、メールきた……なんだよメルマガかよ死ね』」
渡辺だけが、平然としていた。
(;* ∀ )「ああああああああ!!!」
渡辺の声に反応したかのように、つーだけは動いた。
その無敗を誇った握り拳に力を込めて、
ありったけの力でぶん殴った。
………ツンとブーンを。
262 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/25(月) 22:57:56.47 ID:51cP0YmvO
(;^ω^)「は?」
ξ;゚⊿゚)ξ「え、つー……!」
それは自暴自棄になった故の拳ではなかった。
そこで二人はつーの意図がわかった。
この拳はあまり痛くなかった。しかし、あまりの威力に、野球ボールを宙になげたように吹き飛ばされた。
この矛盾がうめるのは範馬勇次郎ならではで、この矛盾が意味するのは
二人を、逃がしたのだ。
(;* ∀ )「逃げろ!!ブーン!!ツン!!」
(;* ∀ )「走って逃げろ!どこまでも逃げろ!!ありったけの力で精一杯逃げろ!!」
(;* ∀ )「俺はもう無理だ!!あは、心がどうにかなっちまいそうだ!!だから!!もう無理だから!!」
(;* ∀ )「せめてお前らは逃げろぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!短い間だったが!!!楽しかったぞぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」
こうしてツンとブーンは、別々の方向へ飛ばされる。
それからの事は、二人にはわからない。
277 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/25(月) 23:01:24.53 ID:51cP0YmvO
(; ω )「以上、僕のながーい回想、終了だお……」
ブーンは路地裏にへたりこんだまま、独り言を呟いた。
いや、それは独り言と言うのもおかしい話かも知れない。
从'ー'从「『え?なんて?』」
話し相手が、そこにいるのだから。
295 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/25(月) 23:05:15.19 ID:51cP0YmvO
まったくこの渡辺というのは、わかっていない。
間というものを。
回想が終わり、
逃げろと言われ少し逃げたが、
やはり主人公の熱い心がそれを許さず引き返し、
敵を倒して仲間を助けてハッピーエンド。
そうじゃないと、割りにあわない。
( ゚ω゚)「割にあわねぇんだおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」
( ゚ω゚)「【気分次第《アンカーテイク》】ゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!!!」
302 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/25(月) 23:07:20.10 ID:51cP0YmvO
( ^ω^)「さてさて今回は最初っから最後まで絶望的」
( ^ω^)「たぶん、未来も絶望的」
( ^ω^)「でも僕は信じてるお」
( ^ω^)「………ははは」
( ω )「この外道を倒す力を、僕にくれお。指定アンカーは………」
――――――>>320
320 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/25(月) 23:08:14.74 ID:H5FQmJDy0
アンサートーカーを取得しそれを100%使いこなす能力
370 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/25(月) 23:09:56.84 ID:51cP0YmvO
『能力が、決定しました。』
>>320
アンサートーカーを取得しそれを100%使いこなす能力
( ω )「ありがとう。じゃあ」
――――――行ってくるお
404 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/25(月) 23:13:41.91 ID:51cP0YmvO
从'ー'从「『………ん?』」
( ゚ω゚)「………」
――――雰囲気が、変わった?
从'ー'从「『どうしたの?いきなり顔しかめちゃって。腹痛?』」
从'ー'从「『ブーン君、だっけ。心配ならしなくていいよ。あのツンちゃんって子なら、ちゃーんと殺しt』」
( ゚ω゚)「妄言なら、吐かなくていいお」
从'ー'从
( ゚ω゚)「僕には、答えが見える」
426 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/25(月) 23:18:42.90 ID:51cP0YmvO
( ゚ω゚)「僕の元に来た時間を単純に計算しても、ツンを殺す時間なんかない」
( ゚ω゚)「お前の武器は【大嘘憑き《オールフィクション》】。そんな武器だが、それに加えて厄介なのがその他人の心を引っ掻き回す、いわば『戯言』。」
从'ー'从「『………』」
( ゚ω゚)「なぜそんな事をする必要がある?お前の能力は絶大な力があるのに」
( ゚ω゚)「なぜそんな言葉を使う必要がある?お前の能力は絶大な力があるのに」
从;'ー'从「『………』」
( ゚ω゚)「お前、その力、使いこなせてないだろ?」
458 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/25(月) 23:24:07.45 ID:51cP0YmvO
从;'ー'从「『お前……!!』」
( ゚ω゚)「おかしいと思ってたお。僕らがを殺したいなら、最初から《僕らの存在をなかった事》にしたらいい」
( ゚ω゚)「でも、それが出来なかった。そこから導き出されるのは、『人間固体などの大きな存在をなかったことにするのは難しいから』だろ」
( ゚ω゚)「お前はそれをカバーするように、敢えて能力を見せびらかして、その残虐性と絶対性をアピールして」
( ゚ω゚)「【大嘘憑き《オールフィクション》】が抗いようのないチート能力だって、僕たちに植え付けた」
( ゚ω゚)「違わないだろ?それが答えなんだから」
从#'ー'从「『お前………!!!!』」
478 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/25(月) 23:29:14.64 ID:51cP0YmvO
从;'ー'从「『ごちゃごちゃうるせぇよ!!!』」
ネジを構え、ブーンに向かい投げる。その数は、目測ですら50は軽く超える。
どこに隠してあったのだと聞きたくなるが、今はそれどころじゃない。
ブーンが、それに擦りもせずに全てを避けたからだ。
从;'ー'从「『なっ!!?』」
「どうやったら全てをかわせる?」
この答えが一瞬で頭に浮かんで、それを実行しただけ。
それがこの、アンサートーカー。
答えを、導きだすもの。
( ゚ω゚)「慌てるなお。もしお前の能力が暴発して」
――――――お前の存在が《なかったこと》になれば、どうするんだお?
从;'ー'从(こいつ――――――!!?)
494 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/25(月) 23:34:24.68 ID:51cP0YmvO
从;'ー'从(私の弱点が完全に把握されてる――――!!)
金だと思っていたものが実は金メッキで、その金メッキすらがはがれ、薄汚れた中が見栄始める。
その感触を、ブーンは手にとっていた。
( ゚ω゚)「確かにその【大嘘憑き《オールフィクション》】はいい能力だお。発動条件が任意なんだから」
( ゚ω゚)「しかし遠距離でやるのはかなり苦労。実際、お前は近づいてからしか攻撃をしていないお」
从;'ー'从「それがわかったからって!!あなたには私を倒す方法なんか!!」
( ゚ω゚)「あるお」
从;'ー'从「――――――!!!!」
508 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/25(月) 23:37:00.54 ID:51cP0YmvO
( ゚ω゚)「お前、今のその心臓」
( ゚ω゚)「ニセモノ、だろ」
从;'ー'从「『な』」
从'ー'从「『なんで、それを………』」
金メッキは全て剥がれた。
薄汚れた中身は、見るに耐えない。
536 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/25(月) 23:42:55.95 ID:51cP0YmvO
( ゚ω゚)「お前は生まれつき心臓を患ってた。体の成長度合いの偏りからそれがわかる」
( ゚ω゚)「ただし、今のお前は至って普通だお。なぜか?」
( ゚ω゚)「こっちの世界にきて【大嘘憑き《オールフィクション》】を使って、それを《なかったこと》にしたから」
( ゚ω゚)「しかし最初に使ったからか、その【大嘘憑き《オールフィクション》】は完全じゃなかった」
( ゚ω゚)「治ったように見えるのは外面だけ。つまり、僕が全力でそこを叩けば心臓くらい簡単に止まる」
( ゚ω゚)「そして、それはどうしようもない。だって」
――――――心臓のそれをもう一度完全に治す方法を。
なかったことをなかったことに出来ないって言ったの、お前だもんな?
从; ー 从「『うわああああああああああああああ!!!!』」
564 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/25(月) 23:49:12.00 ID:51cP0YmvO
从; ー 从「『うるさい!!うるさい!!うるさああああああああああい!!!』」
( ゚ω゚)「僕は躊躇しないお。『その心臓をぶん殴るにはどうすればいいか』?その答えも、とうの昔に見えてる」
( ゚ω゚)「もう一度いう。くるならこい。ただし僕は、躊躇しないお」
从; ー 从「『うるさいんだよみんな!!お前も!!お医者さんも!!お母さんも!!』」
从; ー 从「『あなたはもう少ししか生きれないけど、なんて!!!』」
从; ー 从「『私はずっと生きてたいの!!!そんなしみったれた現実なんか』」
从;ー;从「『この力で全部、《なかったこと》になるんだからぁあああああああああ!!!!』」
ネジを両手に、おぼつかない足取りで。
嘘つき少女はこちらにむかってきた。
573 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/25(月) 23:52:49.14 ID:51cP0YmvO
/ ,' 3「『じゃあお前が消えれば万々歳じゃろうが。回りにあたるなバカモンが。』」
从;ー;从「『え?』」
渡辺の背後から
その小さく膨らんだ左胸に
心臓を貫通するように
ネジが飛び出ていた。
598 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/25(月) 23:56:44.24 ID:51cP0YmvO
( ゚ω゚)「……」
/ ,' 3「『んー、この能力はいまいちだな。やっぱいらねぇ』」
/ ,' 3「捨てよう」
( ^ω^)「………」
渡辺が死に、アンサートーカーが消えた。
しかし、まだまだ考える事はたくさんある。
/ ,' 3「おい坊主。さっきの言葉、ワシに言ってたんじゃろ?『くるならこい、躊躇わない』って、二回も言って」
( ^ω^)「あんた、何者だお」
/ ,' 3「老人」
( ^ω^)「それはアンサートーカーがなくてもわかる」
609 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/25(月) 23:59:49.52 ID:51cP0YmvO
( ^ω^)「なんであんた、割り込んできたんだお」
/ ,' 3「ああ、いやぁな?お前、ワシとちょっと似た匂いがしてなぁ」
( ^ω^)「……それはちょっと、僕も感じてるお」
/ ,' 3「自己紹介をしておく。ワシは荒巻スカルチノフ。」
――――お前と同じ、主謀者《オリジナル》じゃよ。
その言葉を吐き捨て、老人は去っていった。
630 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/26(火) 00:04:02.80 ID:Vh67slpSO
( ^ω^)「………」
主謀者《オリジナル》
実を言うと。先ほどのアンサートーカー中に老人は既に見ていた。
ついでなので『老人の能力は?』という答えも導いていたのだ。
彼、荒巻の能力は
【都合のいい模写《コピーアンドペーストテイク》】
他人の好きなものをコピーし、自分にペーストするコピペの能力。
能力だけでなく、身長や声帯などもコピペ出来るようだ。
そしてその能力からは、どこか自分と似た匂いがするのだ。
642 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/26(火) 00:06:52.12 ID:Vh67slpSO
( ^ω^)「………」
あと、10秒渡辺が死ぬのが遅かったら。
全ての答えを導けたのかも知れない。
しかし………そんな事を考えるのは不毛だと思う。
過去を《なかったこと》にしてもう一度やり直すなんて、誰にも出来ないんだから。
第四話、終わり。
Posted at 2011/07/31 19:25:16 | |
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ブーン系小説 | 日記
2011年07月28日
6 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/24(日) 20:31:14.68 ID:RaK+trrfO
( ^ω^)はあらゆるチート達と戦うようです
第三話。
『前回までのあらすじ』
最近能力決定戦と称して、様々なチート能力者と戦う事になってしまったブーンは、『アンカー内容がそのまま使える能力』を持つ【気分次第《アンカーテイク》】を駆使し、
見事【世界《ザ・ワールド》】を使うモララーを倒し
続けて【絶対遵守のギアス】を持つヒッキーをツンと協力して倒したのであった。
今回の敵は!?そして、今回の安価は!?
そして、そろそろまともな安価で厨二バトルを繰り広げたいと思っているのは作者だけなのか!?
8 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/24(日) 20:32:27.95 ID:RaK+trrfO
一応、人物一覧とその能力
( ^ω^)【気分次第《アンカーテイク》】(vip)
ξ゚⊿゚)ξ【拳王ラオウ】(北斗の拳)
・共に行動中
('A`)【一方通行《アクセラレータ》】(禁書)
/ ,' 3【???】
・戦闘中
( ´∀`)【百式観音】(HxH)
川 ゚ -゚)【火水木金土日月を操る程度の能力】(東方)
从'ー'从【大嘘憑き《オールフィクション》】(めだかボックス)
・????
9 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/24(日) 20:33:49.98 ID:RaK+trrfO
『なんだよあのブーンってやつwwwwまだ生き残ってやがるよwww』
『あれ、意外と強いかもよ?【気分次第《アンカーテイク》】。なにせランダムとは言え、相手の能力を見極めてから能力を決めるんだからなぁ。じゃんけんで言う完全後出しだよ』
『けど、相手がグー出したからってパー出せるって能力じゃないのがおもしれぇよなwww実際、今回はあのツンってのがいなけりゃ死んでたし』
『【拳王ラオウ】、ねぇ。世紀末覇者の精神の前には、催眠系の術は一切意味を為さない、か。こりゃ【精神掌握《メンタルアウト》】でも無理かもな』
『そりゃチートだねぇ』
『…そういやチートと言えば、あいつらは?』
『あぁ、ドクオと荒巻か?……あれ、まだ戦ってるみたいだな』
『まじで?あいつらお気に入りだから、どっちも死んで欲しくないんだがなぁ――――――』
13 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/24(日) 20:35:50.80 ID:RaK+trrfO
――――商店街
再び静寂を取り戻した商店街に、二人の男女がいた。
ξ゚⊿゚)ξ「…これから、どうする?」
まだ体についている埃を払いながら、ツンはブーンに語りかける。
( ^ω^)「……お。とりあえずは、もっと散策しないと何も言えないお。僕みたく、仲間を探してる人もいるかも知れないし」
ξ゚⊿゚)ξ「…あのね、さっきで学んだと思うけど…」
( ^ω^)「わかってるお。どうやら僕みたいな考えのやつは少数派らしいって事もよくわかったお。」
ξ゚⊿゚)ξ「なら良し」
( ^ω^)「…なんでみんな、そう好戦的なのかねえ…」
15 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/24(日) 20:37:09.53 ID:RaK+trrfO
ξ゚⊿゚)ξ「仕方ないわよ。だって私達に与えられる能力は、どいつもチートなのよ?ドラクエで言うなら旅立つ前から家にロトの剣があるようなもんよ。そりゃ使いたいでしょ?」
( ^ω^)「…なんか妙に納得したけど、ツンお前、漫画とかゲームはやらないんじゃなかったかお?」
ξ゚⊿゚)ξ「ほんと、私をガッカリさせないでね?パパスの剣を初めて使ったあの時のように」
( ^ω^)「おい、お前の中で何があった?」
ブーンの問いを無視して商店街を進む二人。
その後は特に会話もなく、まっすぐ歩いている内に大通りへ出た。
16 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/24(日) 20:38:32.60 ID:RaK+trrfO
大通りも静寂のままだった。
ξ゚⊿゚)ξ「………」
( ^ω^)「………」
ここにも、人は一人たりともいなかった。車も走っていないのので、無口に赤を照らし続けている信号にとてつもない違和感がある。
ξ゚⊿゚)ξ「……なんか、怖いわね」
( ^ω^)「いいお。静かな方が、探すもんが探しやすいしね」
しかし、どうする。
二人には「人を探す」というアバウトな目的しかないので、目の前にあるマンションをぼーっと眺めながら二人は考えた。
19 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/24(日) 20:40:02.09 ID:RaK+trrfO
ξ゚⊿゚)ξ「せめて声とか聞こえたらなぁ」
( ^ω^)「誰かが爆音を発しながらアピールしてくれてたら助かるのにね」
ξ゚⊿゚)ξ「馬鹿。そんなやついるわけ――――――」
その時。
二人がぼんやり見つめていたマンションの、2つ右にあるビル。
そこからとてつもない爆発音がし、3階だと思われる部分の窓ガラスが大破した。
22 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/24(日) 20:42:09.31 ID:RaK+trrfO
( ^ω^)「………」
ξ゚⊿゚)ξ「………」
ビルから、ちりちりと舞う粉塵。
( ^ω^)「………ツン先生」
ξ゚⊿゚)ξ「なんでしょう」
( ^ω^)「ビルさんが…ビルさんが爆音を発しながらアピールしてくれてますが」
ξ゚⊿゚)ξ「……うん。中に絶対、能力者いるわね」
二人の間に流れるのは微妙な空気だった。その間にも、ビルは粉塵を吐き出し続ける。
まるで惨劇だった。
23 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/24(日) 20:43:48.24 ID:RaK+trrfO
( ^ω^)「どうします?」
ξ゚⊿゚)ξ「………」
( ^ω^)「………」
ξ゚⊿゚)ξ「……北斗神拳奥義」
( ^ω^)「え?」
ξ#゚⊿゚)ξ「北斗、剛・掌・波ァァァ!!!!」
ツンがそう叫び右手を前に出すや否や、そこからきらびやかな闘気が発せられた。
そしてそのまま、爆発源である3階のあたりを、やや2階を巻き込む形で軒並み破壊する。
そして、轟音。
何が起きたかわからなくなるくらいに砂ぼこりが舞い、ブーンは目にしみて少し痛かった。
(;^ω^)「え、ぅええええええええええええええ!!!?」
27 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/24(日) 20:49:23.48 ID:RaK+trrfO
ツンの能力【拳王ラオウ】。
それは、あの世紀末覇者のスペックがツンにあるという事だ。
当然今のような北斗神拳、しかも剛の拳を振るう事で物を破壊するのはお茶のこさいさいといったところなのだが、
(;^ω^)「いやいやお前何してんのォォォォォ!!?」
ξ゚ー゚)ξ「でもさ……確かめるより、潰した方が早くない?」
(;^ω^)「何その考え、うわ、つーかそのドヤ顔やめろ!腹立つ!もし中にいるのがドクオだったらどうするんだお!」
ξ゚⊿゚)ξ「いや、もしドクオならそれこそ生きてるでしょ」
(;^ω^)「なんでそんな事言いきれんの!?ドクオの能力を見たわけでもないのに!」
ξ゚⊿゚)ξ「え?あ、…あぁ、うん」
…そうだった。こいつは、知らないのだった。自分がドクオと出会った事も、その能力を見た事も。
我ながら初歩的ミスをしてしまったと心に反省するツン。しかし自分は、この事実をどのタイミング言うべきなのか。それも少し考えておかねばな、と思った。
29 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/24(日) 20:51:58.78 ID:RaK+trrfO
(;^ω^)「まったくツンはガサツなんだから、もう!」
ξ゚⊿゚)ξ「………あー…。…うん、ごめんなさい」
(;^ω^)「ちょ、急にしおらしくなるなお…対応に困るわ…」
そんなやりとりの最中だからだろうか。二人はまったく気付く事が出来なかった。
「あひゃ」
(* ∀ )「見ーつけた……」
まだ立ち込める粉塵の中から一人、こちらを見定めている者がいる事に。
33 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/24(日) 20:54:52.82 ID:RaK+trrfO
(;^ω^)「もっと考えて行動して欲しいお……」
ξ゚⊿゚)ξ「ごめんね、覇者だから」
(;^ω^)「え、それ言い訳?なぁそれ言い訳になると思ってんn―――」
(;^ω^)「―――――え?」
先に気付いたのはブーンだ。しかし、遅かった。
いや、正確にはブーンの反応が遅かったんじゃない。
相手のスピードが、早すぎた。
(* ∀ )「――――――!!!」
粉塵を吹き飛ばし、一気にこちらに駆け寄る女がそこにいた。
しかも狙いは自分ではなく、ツン。
後ろを向いているツンはまったく気付けていない。
38 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/24(日) 20:57:11.78 ID:RaK+trrfO
(;^ω^)「ツン!!危な――――」
頭で考えるより先に、声が出た。しかし、もうとっくに手遅れだった。
(* ∀ )
女は、大きく手を広げ
ξ゚⊿゚)ξ「え――――」
ブーンの声を聞き、ようやく反応したツンに――――――
(*;∀;)「会いたかったぞ、妹よォォォォォォォ!!!」
――――――しっかりとハグをした。
41 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/24(日) 20:59:11.74 ID:RaK+trrfO
(*;∀;)「しぃ!しぃぃぃぃぃぃ!!姉ちゃんはな、姉ちゃんはな!寂しかったんだよおおおおおおお!!!もう離さねぇぇぇ!!!」
( ^ω^)「」
ξ゚⊿゚)ξ「」
(*;∀;)「好き好き大好き愛してるぅ!!しぃぃぃぃぃぃぃ!!!」
ξ゚⊿゚)ξ「……あんただれ?」
(*;∀;)「しぃ!し………」
(*゚∀゚)「………あれ?」
しかも人違いだった。
47 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/24(日) 21:01:56.09 ID:RaK+trrfO
ξ゚⊿゚)ξ「つまりあなたは妹を探してるのね?」
(*゚∀゚)「そだよ!アタシはつー!よろしくな!」
( ^ω^)「よろしく、だお」
元気に言う、そのつーと言う少女。年は自分やツンと同じくらいだろう。その瞳には敵意や悪意をまったく感じさせない、今時珍しい子だった。恐らく学校では、活発だが争いをしらないという人気者タイプだろう。
ξ゚⊿゚)ξ「どうしてはぐれちゃったの?」
( ^ω^)「強い敵にでもあったのかお?」
(*゚∀゚)「違うよ!」
( ^ω^)「え、じゃあなんで?」
(*゚∀゚)「ちょっとムカついたからケンカして、それっきり別れた」
前言撤回。争いまくっていた。
9 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/24(日) 21:05:25.13 ID:RaK+trrfO
( ^ω^)「率直に言いたい。馬鹿だろお前」
(*゚∀゚)「否定はしない。そして、こんな世界だ」
ξ゚⊿゚)ξ「……」
(*゚∀゚)「当たり前だが、アタシは殺し合いなんか大嫌いなんだ。だから、欲を言うなら誰とも戦いたくない」
(*゚∀゚)「けど、この世界はそんな人間ばっかじゃない」
( ^ω^)「………お」
ブーンは反応する。
この子は、少し自分に似ている。
それだけなのだけれど。
(*゚∀゚)「妹の名前はしぃってんだ」
52 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/24(日) 21:11:44.63 ID:RaK+trrfO
ξ゚⊿゚)ξ「しぃちゃん、ね…」
(*゚∀゚)「そうだよ。アタシより2個下の、アタシをもっとおしとやかな感じのやつだ」
(*゚∀゚)「でもさ、あいつってばホント生意気で…いっつもケンカしてたんだ」
( ^ω^)「………」
(*゚∀゚)「こっちに飛ばされてからもそれは一緒で、またケンカになっちゃって別れちゃったんだけどさ」
つーの声が、ゆっくり震え始めた。
(*゚∀゚)「馬鹿だよ、あいつ。殺されてもおかしくない世界で意地張ってさ」
(* ∀ )「ホント馬鹿。にくったらしいったらありゃしない。…けどさ」
(*;∀;)「でも、やっぱ大好きなんだよ。こんな世界でわけのわからない事で、仲を裂かれたくなんかねーよ……」
――――助けたい。そう小さく呟いた。
56 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/24(日) 21:17:51.10 ID:RaK+trrfO
つーは涙と嗚咽が止まらなくなり、そこからは何を語っているのかはわからなくなった。
( ^ω^)「……大丈夫だお。僕らも探すの手伝ってやるお」
(*;∀;)「ぐすっ…ひっく…………ぉんとお?」
( ^ω^)「もちろんホントだお」
ξ゚⊿゚)ξ「…ブーン、アンタ」
( ^ω^)「ごめん、ツン。さっき言った事、すぐ破っちゃって」
ξ゚⊿゚)ξ「いいわよ。お人好し」
( ^ω^)「お人好しじゃないお。可愛い女の子の泣き落としで屈しない男なんていない、それだけだお」
ちょっとイラッときたツンだったが、大号泣するつーの手前、殴るのはやめた。
58 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/24(日) 21:23:15.05 ID:RaK+trrfO
( ^ω^)「まぁ大丈夫だお!僕らも人を探してるんだし、それが増えるだけだお!」
(*゚∀゚)「…ありがとうな。ホントに、ありがとう」
ようやく涙が止まったつーと共に、歩き始める3人。
道なりに進めば、スクランブル交差点に差し掛かった。
(*゚∀゚)「よく信じてくれるな。アタシが嘘ついてるかも知れないのに」
( ^ω^)「まぁ、大丈夫だお。隣の凶暴ドリル女に比べれば、つーはまだ信じやすいお」
ξ゚⊿゚)ξ「そうだね。ところでブーン。アンタ右手と左手どっちの全力で殴られたい?」
( ^ω^)「世紀末覇者の全力を我が顔面で受け止めれるのは光栄だが、僕がスーパー過ぎて釣り合わないのでちょっと遠慮させてもらおう」
59 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/24(日) 21:26:36.51 ID:RaK+trrfO
ξ゚⊿゚)ξ「お前の生涯に一変の悔いなし」
(;^ω^)「ちょ、お前が決めんなwwwwてか謝るからごめん、右手はやばいって右手は!!」
(*゚∀゚)「………」
(*゚∀゚)「ちょい待ち」
ξ゚⊿゚)ξ「?」
(*゚∀゚)「ツンちゃんの能力って、ラオウ?」
ξ;゚⊿゚)ξ「…え、えぇ」
(*゚∀゚)「ラオウってあの、北斗の拳の?」
ξ゚⊿゚)ξ「そうよ。それが何か?」
(*゚∀゚)
(*゚∀゚)「あひゃ」
つーはニヤリと笑い
ツンを、渾身の力でぶん殴った。
63 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/24(日) 21:28:18.25 ID:RaK+trrfO
(;゚ω゚)「はぁ!?」
ξ;゚⊿゚)ξ「ぐっ……」
(*゚∀゚)
直撃、では無い。ツンはギリギリの部分でガードしていた。そのすさまじい瞬間的判断力には素直に敬意を表したいものだ。
が。
まずこのつーの攻撃が、『殴る』という表現では足りなかったかも知れない。
つーの拳の衝撃を受けきれなかったツンは、軽々と真後ろに吹き飛ばされてしまった。
(*゚∀゚)
当のつーはと言うと、笑顔のままぶっ飛んでいったツンを見ていた。
まるで、ようやく念願のおもちゃをてにいれた子供のように。
66 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/24(日) 21:32:55.37 ID:RaK+trrfO
(*゚∀゚)「やっぱし、ちょっと前言撤回、みたいな」
(*゚∀゚)「なぁ、ツンよ」
――――『俺』と、勝負しようぜ。
つーはそう吐き捨てた。その闘気はもはや、先ほどまで泣きじゃくっていた少女のものではない。
そして、何より
(;^ω^)(ツンが吹っ飛ばされた……?)
そう、それが問題なのだ。
ただの少女ならわかる。しかし、相手はツンだ。
ラオウの強さをそのまま持ち得る、覇者の少女。
その少女が、軽々と飛ばされてしまった。
(;^ω^)「な、つー……」
(*゚∀゚)「んあ、なに?」
(;^ω^)「さっきの…嘘、だったのかお」
(*゚∀゚)「嘘ではないよ、ブーン」
71 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/24(日) 21:36:58.78 ID:RaK+trrfO
(;^ω^)「だってさっき、戦いが嫌いだって………」
(*゚∀゚)「え、その通りだよ?ただ、」
――――ケンカは大好きだけどね。
その一言に、鳥肌が立つ。つーが纏っている闘気は、ツンのものと似ている。
ただそれより濃く、まがまがしい。つーの回りの空間が歪んでいるような錯覚すら見える。
ξ゚⊿゚)ξ「……」
ツンは、つーをしっかり見据えて
ξ゚⊿゚)ξ「ノってやるわ」
つーに向かって走り始める。
75 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/24(日) 21:41:48.26 ID:RaK+trrfO
(*゚∀゚)「あひゃ!」
つーも、ツンと相対するべく走って行く
ξ゚⊿゚)ξ「ッ!」
右拳を思いきり振りかぶり、躊躇いなく振り切るツン
(*゚∀゚)「おらぁ!」
対し、つーも出したのは右拳。精錬され美しくも見えるフォームで、ツンに目掛け発射する。
結果、拳同士がぶつかりあい、爆音を呼ぶ。
(*゚∀゚)
ξ;゚⊿゚)ξ「!?」
互角。二人の力比べは、均衡をたもったままだった。
(;^ω^)「まじかお……」
81 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/24(日) 21:47:05.28 ID:RaK+trrfO
ただ、その均衡も長くは続かず、
(*゚∀゚)「お」
(*゚∀゚)「おおおおおおおらぁぁぁ!!!」
ξ゚⊿゚)ξ「なっ……!!」
つーが無理矢理右拳を振り切った事で、ツンはまた後ろへ吹き飛ばされた。
信じられない、と言った風に戸惑いを隠しきれないツンに向かい、つーは足を振り上げ、
(*゚∀゚)「ひゃっほう!」
そのまま足を勢いよく降り下ろす。
踵落としだ。
ξ;゚⊿゚)ξ「やば…!」
ツンはそれを紙一重で交わし、左拳をつーに向かわせる。
ξ゚⊿゚)ξ「北斗神拳奥義………」
86 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/24(日) 21:52:38.31 ID:RaK+trrfO
しかし、ツンの言葉はそこで途切れた。
交わしたはずのつーの踵落としが、アスファルトの地面を大きく砕いたのだ。
ξ;゚⊿゚)ξ「なっ…!!」
それにより体制が崩れ、ツンの拳は空を切る。そしてその間にも
(*゚∀゚)「えへ」
(;^ω^)「あ!!」
つーは再び、拳を握る。みちみち…と、力が入る音が聞こえてくるようだ。否、実際に聞こえているのかも知れない。
(*゚∀゚)「ひゃおっ!!」
そしてツンに向かい、降る右拳。
ξ;゚⊿゚)ξ「うぁああ!!」
それを右腕でいなす事でかわすツン。空振りした拳は風を切る音を出して、そのまま引かれた。
96 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/24(日) 21:59:59.58 ID:RaK+trrfO
本来なら、ツンのチャンスだ。しかしツンはここで一旦身を引いた。
ξ;゚⊿゚)ξ「…ブーン!」
(;^ω^)「なんだお!?」
ξ;゚⊿゚)ξ「こいつの能力、なんなの!?なんで私の拳と渡り合えるのよ!!おかしいでしょ!!」
当然の疑問を、ようやく口にするツン。漫画アニメにはあまり精通していないツンには、目の前の現象はまるで怪奇現象そのものだった。
しかし、ブーンは違う。見ていたのだ。
つーが先ほど、握り拳を作った時に。
(;^ω^)「憶測でいいなら今からいうお!!たぶんだけど、そいつ……」
つーの背中、後背筋が筋肉で形作られ
……鬼の顔を形成したのを。
(;^ω^)「【鬼《オーガ》】だお!」
――――人類最強の生物と言われた、範馬勇次郎なんだお!
驚愕したまま、ブーンはそうツンに伝えた
108 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/24(日) 22:10:09.10 ID:RaK+trrfO
格闘マンガの金字塔と呼ばれるマンガ、それが『バキ』である。その主人公の父親が範馬勇次郎だ。
人類最強であり、その戦闘力は一国家軍事力に匹敵すると言われる。
実際に彼は、合衆国アメリカと『個人で』友好条約を結んでいるほどだ。
その武勇伝は、もはや語るのもめんどくさくなる。
とにかく、最強。
それが範馬勇次郎。
(*゚∀゚)「あ~ら、バレちった」
ξ;゚⊿゚)ξ「なるほど、そんなやつがいるのね」
(;^ω^)「気をつけるお!範馬勇次郎はお前みたいな飛び道具を持たないけど、徒手空拳においては無敗を誇るんだお!」
ξ゚⊿゚)ξ「へぇ。それは……」
ξ#゚⊿゚)ξ「超面白い話じゃないの!!」
能力がわかり安心したのか何なのか、ツンは一段と闘争心をむき出してつーに向かう。
113 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/24(日) 22:13:44.32 ID:RaK+trrfO
(*゚∀゚)「そーだよ!やろうぜツン!ケンカってのはこうでなきゃなあ!!」
範馬勇次郎は、強き好敵手との戦いのみを好み、それが彼を進化させているのだ。
ラオウと聞いた瞬間に歯止めが効かなくなったのはそのせいなのだろう。
しかし、この戦い。
勇次郎VSラオウ。
言わば、最強vs最強。
ξ゚⊿゚)ξ「おおおおおおおお!!」
(*゚∀゚)「おらああああああぁ!!!」
この戦い。
(;^ω^)(ツンには悪いけど、男としてめっちゃワクワクするお!!!)
ブーンはツンに助太刀をしなかった。
ブーンは目の前の戦いをいつまでも見ていたかったからだ。
124 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/24(日) 22:21:07.54 ID:RaK+trrfO
(;^ω^)「やべぇ、まじでどっちが強いんだろう!!」
もう何度目になろうか、二人が拳を合わせる。
(;*゚∀゚)「ぶっとばしてやらぁ!」
ξ;゚⊿゚)ξ「なめんな!」
拳が重なり、余波が回りの空気を叩く。
その様は、ブーンにはもはや美しくすらあった。
ξ゚⊿゚)ξ「北斗神拳奥義!ごうしょ」
(;*゚∀゚)「させるか!」
構えたツンだったが、ハイキックを入れられて体制を崩される。
やはり初速では、少し負けてしまうのだ。
128 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/24(日) 22:24:27.16 ID:RaK+trrfO
ξ;゚⊿゚)ξ「くっ………!」
ならば、奥義には頼らない。この拳のみを武器として振るうしかない。
全力の、全力で。
(;*゚∀゚)「む…」
つーもそれに気付いたのだろうか。
抱えた拳に、さらに力を入れる。
(*゚∀゚)「うおおおおおおおお!!!」
そして、振り切る。狙うはもちろん、ツン。
ξ゚⊿゚)ξ「うらぁあああああああ!!!」
同時、ツンも振り切る。狙うはもちろん、つー。
全力と全力のぶつかり合い。
(;^ω^)「おお――――!!!」
――――――そこで少し、邪魔が入った。
134 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/24(日) 22:28:11.02 ID:RaK+trrfO
(;*゚∀゚)
ξ;゚⊿゚)ξ
(* )「……」
二人の拳は、互いに届かなかった。
二人の間にいる一人の人間、それを止めたのだ。
右手でツンの拳を、左手でつーの拳を
受け止めていた。
そしてそのままの体制で、片方に語りかける。
(*゚ー゚)「……何をしてるの、お姉ちゃん」
探し人が、そこにいた。
142 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/24(日) 22:32:25.94 ID:RaK+trrfO
(;*゚∀゚)「……しぃ」
ξ;゚⊿゚)ξ「え……?」
(;^ω^)「……あれ、まさか……」
三者三様の思惑のまま、しぃは語り始める。
(*゚ー゚)「まったく、何してんの?」
(*゚∀゚)「しぃ……!!」
つーの肩は、あの時のように震えていた。
(*゚ー゚)「…ごめんね、お姉ちゃん。意地張っちゃって」
(* ∀ )「しぃ………!!」
(*゚ー゚)「…お姉ちゃん」
145 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/24(日) 22:34:48.59 ID:RaK+trrfO
(#*゚∀゚)「せっかくいいトコだったのに、邪魔してくれてんじゃねえよ糞アマが!!!」
人類最強は、実の妹の脇腹に思いっきり蹴りをいれた。
150 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/24(日) 22:38:53.79 ID:RaK+trrfO
(;*゚ー゚)「いって…!何すんだてめぇ!!」
(;*゚∀゚)「お前これがどういう状況かわかってねえのか!?」
ξ;゚⊿゚)ξ「………いや、別にそんな………」
(;*゚∀゚)「この人の能力なぁ……」
(;*゚∀゚)「あのラオウなんだぞ!!」
(*゚ー゚)「………」
(*゚ー゚)
ξ;゚⊿゚)ξ
(*゚ー゚)
(*゚ー゚)「前言撤回」
(#*゚ー゚)「私も混ぜろよォォォォォ!!!」
ξ;゚⊿゚)ξ「えええええええええええ!!?」
妹はノリノリだった。
165 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/24(日) 22:45:41.86 ID:RaK+trrfO
ξ;゚⊿゚)ξ「ちょ、ブーン!!今度は!?今度はなんなの!?」
(;^ω^)「待てお!僕にもわかんねぇお!!」
(*゚ー゚)「きゃはっ!自己紹介してあげる」
(*゚ー゚)「私はしぃ、そこのつーの妹であり、つーより強い力を持つ者!!」
(*゚∀゚)「それはねぇ、よ!妹のくせに、よぉ!」
拳が行き交う中、3人は会話を続ける。一発まともに食らえば致命傷、といった中をあの姉妹はとても楽しそうに口を開く。
(*゚ー゚)「私だって最強なのよ!その能力は」
(*゚ー゚)「【男塾塾長】!!」
――――天下無双を体言する、男塾塾長の江田島平八の力を持ってるのよ!!
心から楽しそうにしぃは言う。
(;^ω^)「ま、ま、マジでぇぇぇぇぇぇぇぇ!!?」
174 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/24(日) 22:51:28.01 ID:RaK+trrfO
「私が男塾塾長、江田島平八である!!」
この名言を知らぬ男、いや漢が、この日本にいるのだろうか。
もう多くは語るまい。あの男塾の塾長の座に揺るぎなくいて、そこから動かない男。それだけでその圧倒的存在感を知る事が出来る。
宇宙空間を素肌で泳ぎ、そのまま大気圏突入。そんな偉業を成し遂げたのも、この漢以外にはいない。
(;^ω^)「お、おぉ………」
ξ゚⊿゚)ξ
ラオウ。
(*゚∀゚)
範馬勇次郎。
(*゚ー゚)
そして、江田島平八。
「俺が目指す最強の漢ランキング」などがあれば、この3人は間違いなく3トップだろう。
そんな3人が、なんで
(;^ω^)「………なんで」
なんで。
(;^ω^)「なんで全員女なんだよォォォォォォォ!!!!」
183 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/24(日) 22:56:23.47 ID:RaK+trrfO
( ^ω^)
こんにちわみなさん、ブーンです。
さっそくですが、目の前からはけたたましい戦闘音が鳴り響いています。
最強と最強と最強が、ぶつかり会っています。
アホみたいな三竦みで、僕はもしかしたら今歴史の証人になっているのかもしれません。
ξ゚⊿゚)ξ「うぬぅッ!!!」
(*゚ー゚)「ぬぅえいッ!!」
(*゚∀゚)「キャオラッッッッ!!」
現に目の前では、少女から発せられる声とは思えない声が鳴り響いています。
なにこれ。しかもつー、きゃおらってそれ、ちがくね?
187 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/24(日) 22:59:49.97 ID:RaK+trrfO
( ^ω^)
さて、みなさんに質問したいのですが、こういった状況の場合僕はどうすればいいのでしょうか?
ほっとくべきですか?
実況ですか?
それとも、止めるべきですか?
はは、答えは……決まってますよね。
(# ゚ω゚)「俺も混ぜろやてめぇらァァァァァァァ!!!!」
200 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/24(日) 23:04:46.92 ID:RaK+trrfO
ξ;゚⊿゚)ξ(;*゚ー゚)(;*゚∀゚)「えええええええええええええ!!!?」
(# ゚ω゚)「行くぞォォォォォォォ!!!【気分次第《アンカーテイク》】!!」
――――――
( ^ω^)「さぁーてみなさん、毎度おなじみ、【気分次第《アンカーテイク》】の時間です」
( ^ω^)「え?まさかこんな形で回ってくるとは思わなかった?そうですね、僕もそう思います」
( ^ω^)「でもね、僕の中の漢はそれを止めれなかった。なんだかいまいい気分です」
( ^ω^)「みなさんもそういう時って、あると思う」
( ^ω^)「余談が過ぎました。この糞アマ3人をぶちのめすためのとっておきのあなたの厨二妄想を、お願いします。指定アンカーは………」
――――――>>220
220 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/24(日) 23:06:16.69 ID:Il9Fz8c30
髪の毛が急速に発達する
264 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/24(日) 23:09:34.51 ID:RaK+trrfO
『>>220は最後に能力と入っていませんので、再指定します』
『指定アンカーは、>>280』
280 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/24(日) 23:10:44.82 ID:ZvNBTdp+0
髪の毛を急速に発達させる能力
317 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/24(日) 23:13:02.23 ID:RaK+trrfO
『能力が決定しました。』
>>280 髪の毛を急速に発達させる能力。
( ^ω^)「……お前らさ」
( ^ω^)「こういうチームワークは最強か?はは………」
( ^ω^)「愛してるぜ」
328 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/24(日) 23:15:00.48 ID:RaK+trrfO
↑↑↑↑↑
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|||||
( ゚ω゚)「ぬぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅううううううううあらぁあああああああああああああ!!!!!!」
343 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/24(日) 23:18:00.73 ID:RaK+trrfO
それは一言で言うなら、生命の神秘だった。
世の理を捨て去れど、消える事のない神秘の成長。
(*゚∀゚)
(*゚ー゚)
ξ゚⊿゚)ξ
それを見た3人の猛者は、声も出なかった。
ただただ、その『弱きが故の強さ』を眺めていた。
350 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/24(日) 23:20:38.36 ID:RaK+trrfO
ξ゚⊿゚)ξ
(*゚ー゚)
(*゚∀゚)
↑↑↑↑↑
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( ^ω^)
ξ゚⊿゚)ξ
(*゚ー゚)
(*゚∀゚)
ブーンは、3人の最強からフルボッコにされた。
363 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/24(日) 23:24:03.73 ID:RaK+trrfO
ξ゚⊿゚)ξ「なんか……萎えた」
(*゚ー゚)「同意」
(*゚∀゚)「………俺も」
ξ゚⊿゚)ξ「ブーン、もうマジでいらつくから、今度からそういうのやめてね」
$$$$$
SSSSS
SSSSSS
SSSSS
SSSSS
SSSSS~
SSSSS~
SSSSSノ
(“#)ωメメ)「ごめんなさい」
373 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/24(日) 23:27:12.02 ID:RaK+trrfO
呆れ顔で退散しようとする女三人だった。
しかし、
( ^ω^)「……待てお!!」
ξ゚⊿゚)ξ「は?ちょ、マジでいいからそういうの」
( ^ω^)「僕の能力、【気分次第《アンカーテイク》】なんだが……」
( ^ω^)「まだ、使える」
ξ゚⊿゚)ξ「は?」
ピタリ、と立ち止まる最強の女3人。
388 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/24(日) 23:30:50.32 ID:RaK+trrfO
( ^ω^)「いまのはつーに向けたものだったから、次はしぃに向ければいいn」
ξ゚⊿゚)ξ「いや、あたしらもう戦う気ないし」
(*゚∀゚)「だよな」
(*゚ー゚)「うん」
( ^ω^)「うっせぇお!!!お前ら自分がどんな素晴らしい能力持ってんのかわかんねーのかお!」
( ^ω^)「最強なんだぞ!!そんなのが、3人も集まってるんだぞ!!」
( ;ω;)「そんな状況で当の男の俺が参加出来ないってなんのイジメなんだよォォォォォォォ!!!!」
ξ;゚⊿゚)ξ「うわぁ」
ドン引き、である。
402 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/24(日) 23:34:52.06 ID:RaK+trrfO
( ^ω^)「………みなさんどうも、二度目のブーンです」
( ^ω^)「え、しつこい?フフ……」
( ^ω^)「でも、言わば目の前は桃源郷。みなさんで言う二次元に行けたのと同じ感動が僕にはあります」
( ^ω^)「そんな状態で二次キャラと触れ合わずに、みなさん、三次元へ帰れますか?」
( ゚ω゚)「答えはノォォォォォォォォ!!」
――――――指定アンカー、>>420
420 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/24(日) 23:36:00.82 ID:at1pueZQO
超反射神経が身に付く能力
447 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/24(日) 23:37:34.59 ID:RaK+trrfO
『能力が決定しました。』
>>420 超反射神経が身に付く能力
( ^ω^)「………フフ」
( ^ω^)「これを待ってた」
( ^ω^)「これを待ってたァァァァァァァ!!!!」
469 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/24(日) 23:40:51.76 ID:RaK+trrfO
( ゚ω゚)
ξ;゚⊿゚)ξ
(;*゚ー゚)
(;*゚∀゚)
3人は、異様な空気を察知する。
これが先ほどまでギャグをかましていた男の空気か?
(*゚∀゚)(こいつぁ、油断ならねぇ…)
( ゚ω゚)「気をつけろお」
ふらり、とブーンが体を揺らす。
(;*゚ー゚)「……!!」
そして。
ブーンは、消えた。
481 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/24(日) 23:43:35.31 ID:RaK+trrfO
(;*゚∀゚)「は!!?」
ξ;゚⊿゚)ξ「なっ!!」
(;*゚ー゚)「!!」
3人の視界には、すでにブーンはいなかった。
( ゚ω゚)「…うしろ」
(;*゚ー゚)「!!」
その声にようやく三人が振り向いた、その時
またすでに、ブーンはいない。
493 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/24(日) 23:47:30.91 ID:RaK+trrfO
みなさんは「反射」とはどのような行為か、ご存知だろうか。
普段行う脳を経由する情報伝達に対し、反射は脊椎のみ経由し直ぐに行動を起こす事が出来る。
そのタイムラグは埋めようにも埋まるものではない。
つまり、関係がないのだ。
三人の女が最強であろうが、なんであろうが。
( ゚ω゚)
ξ;゚⊿゚)ξ
(;*゚∀゚)
(;*゚ー゚)
ブーンの動きを認めるまでの差は、埋まるものではないのだ。
どれだけ性能のいい自転車も、新幹線にはかなわないように。
507 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/24(日) 23:52:10.17 ID:RaK+trrfO
(;*゚∀゚)「う、うらぁ!!」
最強の拳が振るわれる。その力は最強で最速で最重で、最高のものなのだろう。
しかし。
( ゚ω゚)
今のブーンには、なんなく交わされる。
(;*゚∀゚)「くっ……!!」
そして、また消える。
(*゚∀゚)「!!」
そして
無防備な首筋を、トン、と叩かれた。
( ゚ω゚)
(;*゚∀゚)「てめっ!!」
振り返った時には、もういない。
最弱が最強達を出し抜く状態が展開された。
515 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/24(日) 23:56:44.64 ID:RaK+trrfO
ξ;゚⊿゚)ξ
(;*゚ー゚)
(;*゚∀゚)
三人は人類最強だっただけ。それだけだ。
本来、生命維持機能や防衛機能として受動的に行われるはずの反射を、能動的にこなせるブーンは、もはや人類を超越した。
( ゚ω゚)
手玉に取る事など、容易い。
こうやって3人に気付かれないうちに、3人のブラジャーのホックを外す事も容易い事なのだ。
ξ;゚⊿゚)ξ「はっ!!」
(;*゚ー゚)「ちょww」
(;*゚∀゚)「うっわww」
( ゚ω゚)「ふひひ………」
528 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/24(日) 23:59:00.44 ID:RaK+trrfO
ブーンは一言、呟く。
( ゚ω゚)「勝敗はもう、決してるお」
ξ;゚⊿゚)ξ(;*゚ー゚)(;*゚∀゚)「………」
( ゚ω゚)「僕の負けだお」
ξ゚⊿゚)ξ
(*゚ー゚)
(*゚∀゚)
ξ゚⊿゚)ξ「………んぇ?」
539 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/25(月) 00:01:35.79 ID:51cP0YmvO
( ゚ω゚)「いま気付いた事なんだけどさ」
( ゚ω゚)「この反射がどんだけ強い力でも、パワーがあがったわけじゃないんだよね」
( ゚ω゚)「パンチしたら絶対、自分の腕が折れる」
ξ;゚⊿゚)ξ「………」
( ゚ω゚)「しかもこれ、実はめっちゃ疲れる。体が痛い」
( ゚ω゚)「つまりじり貧だ。」
( ^ω^)「だから許して下さいお願いします」
546 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/25(月) 00:03:08.61 ID:51cP0YmvO
( ^ω^)
ξ゚⊿゚)ξ
(*゚∀゚)
(*゚ー゚)
( ^ω^)「……楽しかったね」
ξ゚⊿゚)ξ
(*゚∀゚)
(*゚ー゚)
549 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/25(月) 00:04:29.14 ID:51cP0YmvO
男の長い長い悲鳴と共に、こうしてまた一つの戦いが終わった。
559 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/25(月) 00:08:25.42 ID:51cP0YmvO
――――某所
('A`)「さぁーて、と」
('A`)「そろそろ行くか?」
/ ,' 3「どこにじゃ?」
('A`)「いろいろと心当たりがあんのさ、こっちには」
/ ,' 3「………」
('A`)「心配すんな。どうせすぐ終わる。その選択者《アレンジ》なんてものも、まだ発動してないんだしよ」
/ ,' 3「………まぁいい、ついていこう。ワシも暇じゃからな」
('A`)「助かるよ」
――――――
次第に、間延びする共鳴。
第三話、終わり。
Posted at 2011/07/28 21:00:06 | |
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ブーン系小説 | 日記
2011年07月27日
435 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/23(土) 21:01:21.33 ID:4gYOzM6fO
( ^ω^)はあらゆるチート達と戦うようです
第二話。
『前回までのあらすじ』
最強能力決定戦と称してチート野郎どもに囲まれてバトる事になったブーンは
安価で得た【溢れんばかりのコーラを手から出す能力】を駆使し、見事【世界《ザ・ワールド》】を操るモララーを倒したのだった!!
ねーよwwww
436 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/23(土) 21:03:46.09 ID:4gYOzM6fO
『おいおい、なんだよあのガキ。ブーンって言ったか?』
『あの野郎まじかよww惑星出現させやがったwwww』
『まさかなぁ…不確定因子もこれまた面白いかな、とは思ったけどありゃガチでチートだな』
『びびった。世界潰す気か?あいつ…。思わず結界作ってVIPと『平面的存在《グラフ》』どもをまとめて守っちまったよ』
『じゃあモララーも守ってやれよwwwwあんなの避けれっこねぇしズルすぎるwww』
『おいおい、お前何いってんだよ』
『チートって、そういうもんだろ?』
『………まぁ、そりゃそうか』
『それに、まだまだこんなの序の口だろうぜ』
『ほら、見てみろよ―――――』
441 名前: ◆BnhUepkPaA :2010/10/23(土) 21:06:31.78 ID:4gYOzM6fO
―――学校。
( ^ω^)「……」
ブーンは学校の校庭にいた。
目の前には見るも無惨に潰されてしまった元人間がいる。その犯人が自分だと言うのだから、苦笑いするしかない。
( ^ω^)「さーて、と……」
これからどうしようか。と、ブーンは考える。
今回のバトルは勝てたとは言え、その勝因はというと「能力を初めて使った相手のまだ不慣れな部分を突けた」という所によるものが大きい。
もし今後も【世界《ザ・ワールド》】のような能力が出てきたらと思うと、わからなくなくなる。
443 名前: ◆BnhUepkPaA :2010/10/23(土) 21:08:12.68 ID:4gYOzM6fO
ブーンの能力、【気分次第《アンカーテイク》】。
これは、当たりがあるかもどうかもわからないルーレットを回すような能力だ。
一人では、戦闘の不確定要素が多すぎるのだ。
そう、一人では。
( ^ω^)「やっぱ、仲間が欲しいお……」
敵にするには怖すぎるやつらばかり。逆に言えば、仲間にすれば心強いものも多いだろう。
ブーンは半壊となった学校を出て、街の中心部へと向かった。
後片付けは…まぁ、気にしない気にしない。
444 名前: ◆BnhUepkPaA :2010/10/23(土) 21:11:26.07 ID:4gYOzM6fO
ブーンはこの『仮想都市VIP』とやらが、どのような広さやどの程度の街なのかを知りたかった。
地図くらい用意してくれりゃあいいのにと思いつつも、とりあえずは大通りを目指し道なりに進む。
すると、すぐに商店街に出た。
( ^ω^)「…人が一人っ子いねぇお…」
商店街は、もしアニメなら木枯らしが吹き抜けて行きそうな状態だった。
この辺りには能力者はいないのだろうか。でないと、物音1つしないというのはさすがにおかしい。
能力者、それは一つ動けば何かが壊れる、そんな連中であるはずだ。
ξ-⊿-)ξ
そう、例えばこんな商店街に置いてあるベンチで横になって寝てる少女のような連中ではないはずだ。
450 名前: ◆BnhUepkPaA :2010/10/23(土) 21:15:23.15 ID:4gYOzM6fO
( ^ω^)
ξ-⊿-)ξ「むにゃ…いや、私はピーチ姫じゃございません。人違いです…」
( ^ω^)
(;^ω^)「つ、ツンんんんんん!!?」
クラスメートだった。
認めたくないが、この浮浪者ガールはブーンのクラスメートだった。
(;^ω^)「おい、ツン!ツンデレ!お前どうしたお!」
ξ-⊿゚)ξ「んぁ…?誰よアンタ。私はピーチ姫じゃないって言ってるでしょ」
(;^ω^)「いいから起きろお!つーかお前のその巻きグソ髪以外のどこにピーチ姫との接点があんだお!!」
ツンデレ、通称ツン。ブーンのクラスメートだ。
元の世界の学校では、ブーンとドクオとツンの三人コンビは仲良しとして有名であった。
その少女が、目の前にいる。
452 名前: ◆BnhUepkPaA :2010/10/23(土) 21:18:24.82 ID:4gYOzM6fO
( #)ωメ)「…つまり世界が嫉妬するほど綺麗な巻き毛をお持ちのツン様は、敵に追われてたけど命からがら逃げきって、ここに辿りついたお?」
ξ゚⊿゚)ξ「ええ、そういう事」
しこたまボコボコにされてからようやくツンの話を聞く事に成功したブーン。
ツンはどうやらこの世界に飛ばされ、初っぱなから強い能力者と出会い、そして逃走していたらしい。
ξ゚⊿゚)ξ「それで疲れたから、ここで休んでたらいつの間にか寝ちゃってたのよ」
( ^ω^)「なるほー」
でも、良かった。知り合いがいるというのは、やはり心強かった。
( ^ω^)「いや…よく逃げれたお。そいつはどんな能力だったんだお?」
ξ゚⊿゚)ξ「よくわからないわ。私、あんまり漫画とか読まないもの。ただ…」
( ^ω^)「ただ?」
ξ゚⊿゚)ξ「あんなの、勝てっこない。ひどいチートだったわ」
455 名前: ◆BnhUepkPaA :2010/10/23(土) 21:20:40.94 ID:4gYOzM6fO
( ^ω^)「…断片でもいいから、何が起きたか教えてくれお」
ξ゚⊿゚)ξ「本当にわからないわ。でも、何をしても勝てないと思った。全部の攻撃が『そっくりそのまま跳ね返された』の」
( ^ω^)「跳ね返される?」
ξ゚⊿゚)ξ「文字通りよ。しかも、それだけじゃない。いきなり何の踏み込みも無しに、一回地面を蹴っただけで10mは飛んだり。何が起きてるのか…」
( ^ω^)「ッ!!」
それは知ってる。ブーンはそう思った。
もしかして、それって。
( ^ω^)「アクセラレータ……?」
457 名前: ◆BnhUepkPaA :2010/10/23(土) 21:22:31.89 ID:4gYOzM6fO
【一方通行《アクセラレータ》】。
とある魔術の禁書目録という小説に出てくる能力だ。
「最強の能力は何か」という話題の時には、いつだってこいつが現れる。
その力は「ベクトル操作」。
運動量・熱量・光・電気量etcといったあらゆるベクトルを観測し、触れただけで変換する能力だ。
平常時は「反射(ベクトルの反転)」に設定されており、ありとあらゆる攻撃を自動的に跳ね返してしまう。
つまり、傷つける事が出来ないのだ。殴っても斬っても撃っても、核爆弾を受けても生きていられる、まさにチート能力。
(;^ω^)「…そいつの見た目はどんなだったお?」
ξ゚⊿゚)ξ「………背の高い女だったわ」
( ^ω^)「首になにか、ついてなかったかお?こう、チョーカーみたいな…」
ξ゚⊿゚)ξ「? なかった気がするけど…」
しかも、制限無し。
一方通行全盛期だ。
461 名前: ◆BnhUepkPaA :2010/10/23(土) 21:25:17.95 ID:4gYOzM6fO
とは言え、それも予測の域を出ないのだけれど。似たような能力があるのかも知れない。
そんなチート野郎が2人もいて欲しくないのは、事実だけれど。
( ^ω^)「とにかくまぁ、次にまたそいつとあったら絶対逃げるお。リベンジとか考えちゃ駄目だお?」
ξ゚⊿゚)ξ「……わかった。そう言えばブーン。アンタの能力はなに?」
( ^ω^)「ん?…つーかまず、よく考えたらツンの能力ってなんなんだお?聞いてなかったけど」
ξ゚⊿゚)ξ「あぁ、それなんだけどね…」
ξ>⊿<)ξ「能力説明書なくしたからわかんない☆キャピーン」
( ^ω^)「うっわマジかお前しねお」
464 名前: ◆BnhUepkPaA :2010/10/23(土) 21:29:48.28 ID:4gYOzM6fO
ξ゚⊿゚)ξ「役に立たなくてごめんね?ブーン…」
( #)ωメ)「いいお。僕の能力があるし、か弱くてか弱くてか弱~いツンに戦闘をさせるわけにもいかんお」
ひでぇ。グーで殴られた。ひでぇよ。
ξ゚⊿゚)ξ「それで?あなたの力は?」
( ^ω^)「ああ、それは………」
ブーンは話した。
自分の能力、アンカーテイクについて。
そしてそれを使い、既に一人倒した事について。
468 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/23(土) 21:34:39.55 ID:4gYOzM6fO
( ^ω^)「――――ってな事がありまして」
ξ;゚⊿゚)ξ「…すごい。なんてデタラメな力よそれ…」
( ^ω^)「まさか僕も出るとは思わなかったけど、やってみるもんだおwww」
ξ゚⊿゚)ξ「とりあえず、それがあるならちょっとは安心ね。一緒に行動してくれる?」
( ^ω^)「オッケーだお。僕も、まさかこんなに早く目的達成出来るとは思わなかったお」
ξ゚⊿゚)ξ「目的?」
( ^ω^)「うん、一人じゃ心細いし、仲間を探したかったんだお」
ξ゚⊿゚)ξ「仲間……って言っても、私は役に立たないわよ?」
( ^ω^)「そんなの気にしてないおwww」
471 名前: ◆BnhUepkPaA :2010/10/23(土) 21:39:09.26 ID:4gYOzM6fO
( ^ω^)「僕はツンだからいいんだお。能力が使えなくっても、ツンは親友だお。僕からもお願いするお。共に行動して下さい」
ξ゚⊿゚)ξ「やば。超かっこいい。アンタ大好き」
( ^ω^)「知ってる。僕も自分が大好き」
( #)ωメ)「なぜなぐったし」
ξ゚⊿゚)ξ「なんとなく」
( ^ω^)「そんじゃま、行くお。ドクオも飛ばされてたりするのかな?もしそうなら、一刻も早く見つけないと」
ξ゚⊿゚)ξ「………そうね」
475 名前: ◆BnhUepkPaA :2010/10/23(土) 21:43:48.50 ID:4gYOzM6fO
( ^ω^)「とにかく、なるべく戦わないように、かつドクオは見つかるようにいくお!」
ξ゚⊿゚)ξ「馬鹿かアンタ。そんなの出来るわけないでしょ?」
( ^ω^)「やらないと出来ないの違いはうんたらかんたら、だお!れっつらごー!!」
右手の握り拳を高々とあげ、反転し歩き始めるブーン。
ツンはあきれたようにブーンについていくのだった。
ξ゚⊿゚)ξ「まったく、この馬鹿は…」
ξ゚⊿゚)ξ(危機感なさすぎ。…本当に、馬鹿なんだから…)
~~~~~~~~~
「ドクオ?う、嘘でしょ?」
「何が?」
「やめてよ。私たち、友達でしょ?」
「ああ、そうだね。そうだったね」
480 名前: ◆BnhUepkPaA :2010/10/23(土) 21:47:17.16 ID:4gYOzM6fO
「だからって、でも見てよこの力。どんな攻撃も当たらないんだぜ?反射しちまうんだ。それどころか、紫外線とかも反射しちまってるからかな?色素いらずで髪の毛の感触が変わってきてて面白いぞww」
「あ、アンタ本当にドクオなの?」
「そうだよ。でも確認の必要はなくね?」
「………?」
「今すぐ殺してやるからよ」
「ど…ドクオ、ちょ……きゃあああああああああああああああ!!!」
~~~~~~~~~~~~
ξ-⊿゚)ξ「………」
482 名前: ◆BnhUepkPaA :2010/10/23(土) 21:52:14.48 ID:4gYOzM6fO
ξ゚⊿゚)ξ(ブーン。今の状態のアンタを、ドクオに合わせるわけにはいかない)
( ^ω^)「~♪」
ξ゚⊿゚)ξ(ドクオはもう完全に狂ってた。得体の知れない力を持って…)
ξ゚⊿゚)ξ(ブーンはドクオに手をかける事なんか絶対に出来ない。なら、せめてブーンだけでも私が救う)
( ^ω^)「早くいくお!ツン!…ん?考えこんだ顔でどうしたお?悩める私カワイイ(笑)みたいなスイーツ(笑)思考真っ最中かお?」
ξ゚⊿゚)ξ「殺す」
(;^ω^)「ギャアアアアア!!!!」
ξ゚⊿゚)ξ(もう一度、あの楽しい学校生活へ…)
486 名前: ◆BnhUepkPaA :2010/10/23(土) 21:56:34.96 ID:4gYOzM6fO
商店街を、道なりに進む二人。どこまで歩いても、寂れた雰囲気だけは消えそうになかった。
( #)ω^)「とりあえずは、仲間探しだお…」
ξ゚⊿゚)ξ「そうね。まともそうな人、どこかにいないかしら?」
( ^ω^)「うーん、知り合いとかならまだ安心出来るんだけど……」
と、言いかけたその時。
「も、もしかして………ブーン君に、ツンさん?」
後ろから、か細い男の声がした。
500 名前: ◆BnhUepkPaA :2010/10/23(土) 22:03:40.13 ID:4gYOzM6fO
(-_-)
そこにいたのは、身長の低い男だった。
髪がボサボサ服はよれよれの…一言で言うなら、わかりやすく引きこもりスタイルの男が、いた。
しかし、ツンとブーンには見覚えがあった。
( ^ω^)「………お、えっと……」
( ^ω^)「ヒッキー、君だお?」
(-_-)「そうだよ!良かった!」
ヒッキー。こいつもまた、クラスメートだ。
……二学期なってから、学校に一度も顔を出していないが
505 名前: ◆BnhUepkPaA :2010/10/23(土) 22:05:21.47 ID:4gYOzM6fO
(;-_-)「不安だったよ。こんな得体の知れない世界に飛ばされて、しかも一人で…」
ξ゚⊿゚)ξ「アンタ、他に誰とも会わなかったの?」
(;-_-)「うん、怖かったよ……」
( ^ω^)「まぁ、良かったお!ちょうどこっちも仲間探ししてたとこだし、一緒に行動するお!」
(-_-)「ホントに!?」
ξ;゚⊿゚)ξ「ちょっ……」
( ^ω^)「? どうしたお?」
ξ;゚⊿゚)ξ「いや、なんでもないけど……」
509 名前: ◆BnhUepkPaA :2010/10/23(土) 22:10:22.00 ID:4gYOzM6fO
ξ;゚⊿゚)ξ(ブーン…アンタ本当に危機感が無さすぎる…)
ツンは焦燥を覚える。こんな状況なのに、普段と変わらぬ神経でいられるブーンに。
クラスメートだと言うだけだ。しかも引きこもり。失礼だが、信用ならなさすぎる。それをいとも容易く許容してしまった。
ξ;゚⊿゚)ξ(もし敵なら、とか考えないもんかなぁ…?)
(-_-)「良かった!助かったよ!」
( ^ω^)「怖いのは誰でも一緒だお!助け合わなきゃ、だお」
ξ゚⊿゚)ξ(…少し、試すか?)
ξ゚⊿゚)ξ「………ねぇ、ヒッキー君」
(-_-)「? なんだい、ツンさん」
ξ゚⊿゚)ξ「あなたの能力ってなに?」
513 名前: ◆BnhUepkPaA :2010/10/23(土) 22:16:09.60 ID:4gYOzM6fO
(-_-)「僕の能力?」
ξ゚⊿゚)ξ「そう、アンタの能力。使ってみてよ!私見てみたいな!」
(;^ω^)「? ツン……?」
ツンは最初からヒッキーを信用してはいない。
懸念事項があるからだ。
実は、ツンは学校で、一度もヒッキーとまともに話した事がないのだ。
なのに。
ξ゚⊿゚)ξ(こいつ、引きこもりでしょ?なんで、こんな流暢に私達と喋ってんのよ…)
まぁ、もし本当ならそれでよし。
嘘をついたりするならそれでもよし。
こいつの力を見極めて、ブーンを守る。
そう考えていた。
(-_-)「いいよ!信用してもらう為だしね!」
520 名前: ◆BnhUepkPaA :2010/10/23(土) 22:19:52.27 ID:4gYOzM6fO
( ^ω^)「お、みたいお!どんなのだお?」
ξ゚⊿゚)ξ「………」
(-_-)「簡単に言うと、テレキネシスみたいなものだよ。この目で見たものを、操る程度のね」
ξ゚⊿゚)ξ「へぇ……」
(;^ω^)「そりゃまた、汎用性が高そうな能力だお」
(-_-)「そうなんだ。でも、一つだけ条件があってね」
(-_-)「僕の瞳が悪魔の瞳になった時にしかこれは使えないんだ」
530 名前: ◆BnhUepkPaA :2010/10/23(土) 22:24:20.26 ID:4gYOzM6fO
( ^ω^)「悪魔の瞳?知らない能力だお…」
(-_-)「うん、悪魔の瞳。僕も知らないし、もしかしたらオリジナルの能力じゃないかな?ちょっと待ってね、いま悪魔の瞳を喚んでみる。これが中々難しくて……」
(*^ω^)「wktk」
ξ゚⊿゚)ξ「………?」
(-_゚)「ほら、これが悪魔の瞳だよ。見えるかな?変な色でしょ?」
( ^ω^)「おお、なんだこれ?なんか変な紋様みたいなのが見えるお」
まるで、ツバメのような紋様が、目の中に………ん?ツバメ?
この形、どこかで見た事あるような……。
535 名前: ◆BnhUepkPaA :2010/10/23(土) 22:27:03.38 ID:4gYOzM6fO
………ギアス?
ブーンが確信に至った時、総毛が逆立つのを覚えた。
まさか、こいつ――――――
(-_゚)「…根倉ヒッキーが命じる」
(;^ω^)(しまっ――――――)
ξ;゚⊿゚)ξ「ブーン、危ない!!」
(-_゚)「僕に逆らうな!!!」
――――――
542 名前: ◆BnhUepkPaA :2010/10/23(土) 22:30:02.73 ID:4gYOzM6fO
(; ω )「……」
( ^ω^)「………お?」
(-_-)「チィ………外したか。この女、いきなり突き飛ばしやがって。でもまぁ、結果オーライか」
ξ ⊿ )ξ「………」
(-_-)「この女を、捕まえれたなら」
(;゚ω゚)「ツンンンンンンン!!!!」
555 名前: ◆BnhUepkPaA :2010/10/23(土) 22:35:10.88 ID:4gYOzM6fO
(-_-)「あーあ、なんだかなぁ。お前、助けられちゃったなぁ」
(;^ω^)「ヒッキー君?なんで……」
(-_-)「あ、能力説明の途中だったね。聞く?」
(;^ω^)「いらねぇお!その力は【ギアス】!ルルーシュの、『絶対遵守』!!」
(;^ω^)「その目を見ながら命令されたやつは、その命令に絶対に逆らえない能力だろーがお!!」
(-_-)「ちゃんと説明ありがとね、アニオタ君」
(;^ω^)「なんで、なんでこんな事………」
564 名前: ◆BnhUepkPaA :2010/10/23(土) 22:40:17.74 ID:4gYOzM6fO
(;^ω^)「………」
ブーンは狼狽する。
裏切られた?そんな事はどうでもいい。それより、自分のせいで、ツンが……。
(;^ω^)「ツンを返せお!!」
(-_-)「やだよ。え、何ムキになってんの?キモーイ(笑)なぁ、ツン?」
ξ ⊿ )ξ「………」
(;^ω^)「お前………!!ただじゃおかねえお!!」
(-_-)「おいおい、わかるでしょ?そんな負け犬発言されてもなぁ」
(-_-)「こいつ、人質。お前、手を出せない。そんなベタな展開。オーケイ?」
(;^ω^)「………何が目的だお」
570 名前: ◆BnhUepkPaA :2010/10/23(土) 22:44:40.15 ID:4gYOzM6fO
(-_-)「ああ、まだ危害を加える事はしないよ。聞きたい事がある」
(;^ω^)「………?」
(-_-)「『選択者《アレンジ》』。お前、知ってるか?」
(;^ω^)「………?なんだお、それ……」
(-_-)「……知らないか、ならいい」
(-_-)「おい、ツン」
ξ ⊿ )ξ「はい」
(-_-)「そいつを殺せ」
ξ ⊿ )ξ「わかりました」
(;^ω^)「――――――!?」
578 名前: ◆BnhUepkPaA :2010/10/23(土) 22:50:29.74 ID:4gYOzM6fO
ξ ⊿ )ξ
虚ろな目をしたツンが、こちらに向かって走り出す。
(;^ω^)「ちょ、ツン!!!」
ブーンの一言で止まるわけもない。走ったままの勢いで、ツンは右拳を振り上げ
目にも止まらぬ速度で、そのままブーンを殴り倒した。
(-_-)「?」
(;゚ω゚)「がっあ………!!!」
痛い。これが、女の拳なのか?鉄の塊をぶつけられたかと思った。
商店街のタイル敷きの地面に倒れ込み、ツンに見下される。そして、次の拳が握られた時
(-_-)「おい、ツン」
命令者の声が下る。
ξ ⊿ )ξ「はい」
(-_-)「なんで素手なんだ?能力使えよ、能力」
ξ ⊿ )ξ「能力は……使えません、説明書、なくしたから」
(-_-)「………ふうん」
584 名前: ◆BnhUepkPaA :2010/10/23(土) 22:55:32.68 ID:4gYOzM6fO
(-_-)「まぁいい。それなら、素手でやっちまえ」
ξ ⊿ )ξ「わかりました」
言うや否や。またツンに殴られる。
今度はがら空きの鳩尾に、強いのを一発。
(;^ω^)「う゛っ!!」
(-_-)「くく………楽しいなぁ」
(-_-)「学校じゃ、俺の欲しいものは何一つ手に入らなかったんだ。せめてこっちの世界じゃ、好き勝手やらせてもらうぜ?」
ξ ⊿ )ξ
ドスッ!ゴスッ!と、殴打の鈍い音だけが響く
(-_-)「あんだけ殺したかったクラスメートも、こっちじゃこんな簡単になぶれるんだ!!こりゃ楽しい!!ひゃはははははははは!!!」
(; ω )「………」
586 名前: ◆BnhUepkPaA :2010/10/23(土) 22:59:13.17 ID:4gYOzM6fO
ξ ⊿ )ξ
ドスッ!ゴッ!バコッ!
音は止まらない。しかし、ブーンは冷静に考える
(; ω )(ツン…ごめんな)
――――――必ず助けてやるお。
(;゚ω゚)「【気分次第《アンカーテイク》】!!!!」
593 名前: ◆BnhUepkPaA :2010/10/23(土) 23:01:31.79 ID:4gYOzM6fO
(; ω )「さぁさあみなさん!お待ちかねの時間だお!!」
(; ω )「今回は仲間が操られる王道パターン!しかもヒロインといういらん付与効果!!」
(;^ω^)「これを打破する、あなたの厨二妄想をお願いしますお!!指定アンカーは………
>>605!!」
605 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/23(土) 23:02:17.31 ID:IRxxz9aU0
座布団を一週間近く回し続けられる能力
657 名前: ◆BnhUepkPaA :2010/10/23(土) 23:05:05.32 ID:4gYOzM6fO
『能力が決定しました』
[605]以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [] 2010/10/23(土) 23:02:17.31 ID:IRxxz9aU0
座布団を一週間近く回し続けられる能力
(;^ω^)「またこのパターンかぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!」
ブーンはツンに殴られた。
不思議と、今までで一番痛かった。
678 名前: ◆BnhUepkPaA :2010/10/23(土) 23:08:36.28 ID:4gYOzM6fO
(;^ω^)「どうする………!!」
ξ ⊿ )ξ
こうしてる間にも、ツンは止まらない。
しかし決まったものは決まったものだ。この能力、どう活用するべきだ?
(;^ω^)(幸い、ここは商店街……座布団がある店は、探せばあるだろう。そこからが問題なんだお)
(-_-)
あそこで気持ち悪い笑みを浮かべる男を、どうやって倒す?
694 名前: ◆BnhUepkPaA :2010/10/23(土) 23:13:38.88 ID:4gYOzM6fO
(;^ω^)「まずは座布団を探す!!そっからだお!!」
ξ ⊿ )ξ「ッ!?」
今までほぼ無抵抗だったブーンは、そこでようやくツンに抵抗を見せる。
ツンを突き飛ばし、斜め前に向かって一直線に走りきる。
目指すのは、『茶屋』の看板がある純和風の店。
座布団があるかも知れない。
ちなみに突き飛ばす時に少し胸に触れたが、そこはまぁ、うん。不可抗力。
成長してねぇな、ツン。
(-_-)「!?」
いきなりの固い意思がある行動に、ヒッキーは驚愕。
しかし、ツンがそれを追いかける様を見て落ち着きを取り戻し
(-_-)「ふん。何をしたって、ツンは救えないのがわからないのか?」
そう吐き捨てた。
716 名前: ◆BnhUepkPaA :2010/10/23(土) 23:20:13.92 ID:4gYOzM6fO
『茶屋』のドアを乱暴にあけ、室内を散策。
(;^ω^)「――――――あった!!!」
目当てのものは意外とすぐに見つかった。
柔らかく四角い、日本の良さが滲み出ている座布団。
これが今回のキーワードになるはずだ。
(;^ω^)「よし、これを………」
言いかけた時、ドアにはツンが追いついていた。
ξ ⊿ )ξ「………」
(;^ω^)「やべっ!!」
座布団を脇に挟み、右拳を振り上げたツンの腕下を抜けるように交わし、
(;^ω^)「悪いツン、ちょっと我慢してくれお!!!」
そして後ろに回り込み、思いきり突き飛ばした。
ツンは派手に転ぶ。しかし、仕方ない。何も、この兵器座布団をツンに使う必要はないのだ。無駄な危害は加えたくはない。
726 名前: ◆BnhUepkPaA :2010/10/23(土) 23:24:55.09 ID:4gYOzM6fO
(;^ω^)「んで、ちょっとここで待っててくれお!!」
店を出る。店頭にあったベンチをドアの前に動かし、即席のバリケードを作る。これでツンを少しの間は足止め出来るハズだ。
そして。
(-_-)「なんだ。座布団かかえて、どうした?大喜利でも見せてくれんのか?」
(;^ω^)「そんな戯言が吐けるのも今のうちだお、ヒッキー!!」
(-_-)「言っとくが俺に危害を加えれば、直ちにツンに自害するように言うからな」
(;^ω^)「はっ!脅しにもなんねーお!!」
とくと見やがれ!!
そう言い、ブーンは手に座布団をのせる。
737 名前: ◆BnhUepkPaA :2010/10/23(土) 23:28:58.48 ID:4gYOzM6fO
座布団は、回る。
回る。回る。回る。
綺麗に回る。美しく回る。雅に回る。
その様は例えるならまさに撫子。これは素晴らしい。
( ^ω^)「………」
ブーンは手の感触が気持ちよかった。
安定感が半端じゃない。
この安定感はまるで、サザンオールスターズの新曲を初めて聞いた時にも感じるそれに似ていた。
バレリーナの回転より、地球の自転より。
その座布団回しは、美しかったのだ。
743 名前: ◆BnhUepkPaA :2010/10/23(土) 23:30:45.93 ID:4gYOzM6fO
(-_-)
( ^ω^)
小さく風を切る音だけが、その二人の間を取り持った。
(-_-)
( ^ω^)
(-_-)
言葉はなかった。
746 名前: ◆BnhUepkPaA :2010/10/23(土) 23:33:00.95 ID:4gYOzM6fO
(-_-)「なぁ」
( ^ω^)「ん?」
(-_-)「それなんの意味があr――――――」
その時、突如、ブーンの遥か左から
謎の黄色い波動が生み出され、ヒッキーを襲った――――――。
760 名前: ◆BnhUepkPaA :2010/10/23(土) 23:37:24.57 ID:4gYOzM6fO
( ^ω^)「………え」
( ^ω^)「えええええええええええええ」
どうもみなさんブーンです。語らせて下さい。
今僕は座布団を回しています。楽しく回しています。
そしたらなんと、左側から変な波動砲みたいなの出てきて
ヒッキーを吹っ飛ばしちゃいました。
いや、正確にはヒッキーだけじゃなく、直線上にあるものを軒並み破壊していきました。
そして、僕の左と言えば、今出てきた茶屋です。
茶屋の中にいるのは僕の友達です
ξ゚⊿゚)ξ「………ふぅ」
(;^ω^)「ええええええええええええええええええええ!!!?」
ブーンは座布団を回しながら驚いた。
768 名前: ◆BnhUepkPaA :2010/10/23(土) 23:39:35.87 ID:4gYOzM6fO
(;^ω^)「なっ……!ツン、どういう………!ってゆーか今の………」
ξ゚⊿゚)ξ「あぁ、バレちゃったわね」
ξ゚⊿゚)ξ「説明書なくしたっての」
ξ゚⊿゚)ξ「あれ、うそ」
( ^ω^)
(^ω^)
/(^ω^)\ナンテコッタイ
↑
ちなみに、こうしている今も座布団は回っている。
781 名前: ◆BnhUepkPaA :2010/10/23(土) 23:44:22.45 ID:4gYOzM6fO
ξ゚⊿゚)ξ「私の能力ってか、今のが私の力なんだけど……」
ξ゚⊿゚)ξ「見た事あるでしょ?」
(;^ω^)「あーあ。しっかりわかったお。ツンの能力と、なんでツンが能力を隠してたのか」
あの黄色い波動。力の収束もなく原理もなく、ただただ力だけをふるった技。
(;^ω^)「さっきのは北斗真拳奥義『天将奔烈』。しかもただの北斗真拳じゃなく、これが使えるのは剛の拳を持った人間のみ、お前………」
ξ゚⊿゚)ξ「そうよ」
ξ゚⊿゚)ξ「【北斗真拳】。詳しく言うなら」
――――――ラオウ。
797 名前: ◆BnhUepkPaA :2010/10/23(土) 23:49:03.04 ID:4gYOzM6fO
ツンは男勝りな性格をしていて、しかもそれがコンプレックスな女の子。
そんな娘が、能力がラオウだと知ったその時には、どうするだろうか?
その結果がこれである。
ξ゚⊿゚)ξ「言ってしまえば、あんな【ギアス】なんか最初っからかかってなかったわよ。」
(;^ω^)「まじで?」
ξ゚⊿゚)ξ「わたしを誰だと思ってるの?」
――――――世紀末の覇者ラオウの力があんな目から出る自己暗示程度で潰せると思う?
その威圧感に、ブーンは鳥肌が止まらなかった。
そして、ツンには逆らわないと心に誓ったのだった。
807 名前: ◆BnhUepkPaA :2010/10/23(土) 23:52:31.30 ID:4gYOzM6fO
(((;^ω^)「あの、つまり殴ってたのは演技だったんですか?」
ξ゚⊿゚)ξ「手加減しない方が良かった?」
(((;^ω^)アワワワ……
ξ゚⊿゚)ξ「冗談よ。でも、感謝はしてるのよ?私の奥義、モーションがでかすぎるから、どうにかして相手に隙が出来ないと当てれないの」
(;^ω^)「お、じゃあ、座布団回しが……」
ξ゚⊿゚)ξ「そうよ。ありがとね」
816 名前: ◆BnhUepkPaA :2010/10/23(土) 23:57:14.73 ID:4gYOzM6fO
( *^ω^)「おっ………」
ξ゚⊿゚)ξ「まったく、役立たず」
(;^ω^)「う」
ξ゚ー゚)ξ「馬鹿」
……本当はこの能力を最後まで隠すつもりだったんだけどね。
ごめんなさいブーン、私はあなたを信用しきれてなかった。
その上アンタ、座布団て。その時点で逃げ出さないその神経、どうにかしてるわよ。
でも、アンタは自分に出来る事をやろうとした。
どんな不条理を突き付けられても、精一杯私を助けようとしてくれた。
ξ*゚ー゚)ξ(あは…本当にこいつは……)
だから、あなたにならついていける。そう思える。
824 名前: ◆BnhUepkPaA :2010/10/23(土) 23:59:58.18 ID:4gYOzM6fO
ξ゚ー゚)ξ(もしかしたら、ブーンならドクオを救えるかもしれない。だから私はそれまで、あなたを守る。どんな強敵に会っても、ね)
ξ゚⊿゚)ξ「ありがとね、ブーン」
( ^ω^)「礼を言うのはこっちだお。ありがとうお、ツン」
こうしてまた、一つの戦いが終わった。
836 名前: ◆BnhUepkPaA :2010/10/24(日) 00:04:05.70 ID:RaK+trrfO
――――――某所
/ ,' 3「………」
/ ,' 3「腹、減ったなぁ」
そこにいるのは、老人。
後ろには、
4人の死体。
/ ,' 3「そろそろ面白いやつ、こないかなぁ」
('A`)「お」
/ ,' 3「ん?」
847 名前: ◆BnhUepkPaA :2010/10/24(日) 00:05:59.37 ID:RaK+trrfO
('A`)「おじさん、強そうだね」
/ ,' 3「そんな事ないぞ。せいぜいお前をフルボッコに出来る程度じゃ」
('A`)「へぇ」
――――――
世界はまだまだ回る。
未だにブーンの手で回り続ける、座布団のように。
第二話、終わり。
Posted at 2011/07/27 21:13:51 | |
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