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ダスティ・アッテンボローのブログ一覧

2011年08月07日 イイね!

( ^ω^)はあらゆるチート達と戦うようです 第8話

15 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/29(金) 21:02:52.10 ID:YjuNcXVwO
( ^ω^)はあらゆるチート達と戦うようです

第八話。

『前回までのあらすじ』

最強能力決定戦と称し様々なチート能力者と戦うはめになったブーンは、安価内容をそのまま使える能力【気分次第《アンカーテイク》】を駆使して強敵を倒していった。
そして、シューと共に親友であるドクオのいるアジトへ向かう途中、様々な刺客を圧倒するのであった。

今回の敵は!?今回の安価は!?
今日で8日目なのでそろそろ飽きられそうで怖いが、やはり一日休みとかも作った方がよいのだろうか!?

19 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/29(金) 21:04:16.52 ID:YjuNcXVwO
一応、登場人物と能力

( ^ω^)【気分次第《アンカーテイク》】(vip)
lw´‐ _‐ノv【オニヨン】(ピクミン)
・ドクオのアジトへ向かってる途中。


ξ゚⊿゚)ξ【拳王ラオウ】(北斗の拳)
( ´_ゝ`)【強制規制《スレストテイク》】(vip)
(´<_` )【電人HAL】(ネウロ)
川 ゚ -゚)【火水木金土日月を操る程度の能力】(東方)
・???

('A`)【一方通行《アクセラレータ》】(禁書)
/ ,' 3【都合のいい模写《コピーアンドペーストテイク》】 (vip)
・共に行動中

( ´∀`)【百式観音】(HxH)
・????

26 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/29(金) 21:05:22.88 ID:YjuNcXVwO
※ブーンの能力【気分次第《アンカーテイク》】について
指定アンカーにかかれていた能力をそのまま使える能力
「~能力」と、最後に能力とかかれていなければ再安価。
一人の敵につき、一回ずつ出来る。

今まで出てきた能力
『手から溢れんばかりのコーラを出す能力』
『座布団を一週間近く回し続けられる能力』
『髪の毛を急速に成長させる能力』
『超反射神経が身に付く能力』
『アンサートーカーを取得しそれを100%使いこなす能力 』
『手の平からピクミンを無限に出現させる能力』
『指定した範囲の空間の疎密を固定する能力』
『ワリバシを上手に割れる能力』

33 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/29(金) 21:07:19.04 ID:YjuNcXVwO
――――ビル街中心部

『回復タイム、終了ー!じゃあ引き続き頑張ってね!!』

( ^ω^)「……お」

lw´‐ _‐ノv「最後になんか頼んどきゃ良かったね」

( ^ω^)「そうか?僕はお前の存在だけでもう十分だけどね」

lw´‐ _‐ノv「やばいかっこいい。ねぇ、ちゅーしていい?」

( ^ω^)「あ、いや、手に余るって意味で、な」

lw´‐ _‐ノv「やばいどつき回したい。ねぇ、じわじわとなぶり殺してしていい?」

ブーンとシューは相変わらずと言った感じに、歩みを進める。
向かうは、ドクオの元。

40 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/29(金) 21:10:53.66 ID:YjuNcXVwO

――――――某所

「……なぁ、ワカッテマスまで戻ってこないってどういう事だ?」

「さぁ…わかりませんね……」

「倒されたか?」

「まさか。あの人に限って、そんな事ぁないでしょう。あなたでもない限りは」

「……何か、嫌な予感がする」

「………またまた………」

「行くぞ。アサピー」

「はいはい、デミタスの旦那」

50 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/29(金) 21:16:05.13 ID:YjuNcXVwO
( ^ω^)「しっかし、いつまで歩かせる気だお?シュー」

lw´‐ _‐ノv「ごめんなさい。でも、ブーンがまさかアジトと逆方面に逃げるとか予想してなかったからさ」

( ^ω^)「俺のせいにすんのか?」

lw´‐ _‐ノv「そんな気はさらさら無いよ。ごめんなさい。私が、ブーンが逃げる方向を予想してなかったせいでこんなになっちゃって」

( ^ω^)「そうだよまったくシューは」

lw´‐ _‐ノv「ごめんなさい」

( ^ω^)「…まったく…」

lw´‐ _‐ノv

( ^ω^)

( ^ω^)「調子のってすいませんでした」

lw´‐ _‐ノv「おぶれ。話はそれからだ」

60 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/29(金) 21:21:13.06 ID:YjuNcXVwO
こうしてブーンにおんぶされるシューだが、ブーンにとっては洒落にならない重さとなっている。

( ^ω^)「おい責めてピクミンおろせ」

lw´‐ _‐ノv「黙って働けよノロマ。お前は車内にデブがいたら降ろすのか?」

( ^ω^)「一回降ろされた事あるお」

lw´‐ _‐ノv「……お前…」

( ^ω^)「とにかく、敵に狙われちゃったんだし回り道は仕方ないお」

lw´‐ _‐ノv「さりげなく論点をすり替えないでよ……」

二人は街の中心部に、歩いていく。

70 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/29(金) 21:29:44.80 ID:YjuNcXVwO
(-@∀@)「どうも」

(;^ω^)

lw´;‐ _‐ノv

(´・_ゝ・`)「………」


二人の人間が、空から降ってきたのだ。

そして二人を挟みこむように、敵が道を塞いでいる。

その片方、メガネをかけた背の低い男が語り始める。

(-@∀@)「どうも。アサピーと申します」

lw´;‐ _‐ノv「………」


(-@∀@)「ビーグルとワカッテマスを倒したのはあなた達で間違いないですか?」

アサピーと言った男は単直に聞いてきた。
嫌な汗が背を伝う感触をブーンは確かめてから、言う。

(;^ω^)「……だとしたら、どうするお…」

77 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/29(金) 21:33:42.15 ID:YjuNcXVwO
(-@∀@)「どうする、か。うん」

(-@∀@)「どうしたらいいんですかね?デミタスさん」

そう言ってブーンとシューをまたぐように後ろの男に話しかけたアサピー。
デミタスと呼ばれた男は、何をするわけでもなくただ一言、言った。

(´・_ゝ・`)「……好きにしろ」

(-@∀@)「…そうですね」








(#-@∀@)「じゃあブチ殺ォォォォォォォォす!!」

93 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/29(金) 21:38:49.78 ID:YjuNcXVwO
(;^ω^)「!!」

lw´;‐ _‐ノv「!」

(#-@∀@)「おおおおおお!!!!」

怒りを露に走り向かってくる、アサピー。
その、手に持っているのは

(;^ω^)「……木の枝…!?」

それは、どこにでも落ちているような木の枝だった。
馬鹿な。あんなものでどうすると言うのだ?
しかしあの自信からは何か、嫌な予感しかしない。

lw´;‐ _‐ノv「ブーン、迷わないで!!」

(;^ω^)「!!」

115 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/29(金) 21:43:45.04 ID:YjuNcXVwO
lw´;‐ _‐ノv「私があの無口な男をやる!!だから、ブーンはあのチビメガネを!!」

(#-@∀@)「誰がチビメガネじゃボケクソがああああああああああああ!!」

まるで小学生の時のトラウマあだ名を思い出してしまったかのように
さらに激昂するアサピーは、足を止める事はなかった。

(;^ω^)「でも!!シューお前!!」

lw´;‐ _‐ノv「わからないの!?この状況!!私達の『弱点』を思い出して!!」

(;^ω^)「………!!」

そうだった。

132 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/29(金) 21:50:10.05 ID:YjuNcXVwO
ここに至るまで、2人の強敵を倒した二人のコンビ。
この連携力抜群に思えるコンビには、一つだけ弱点と呼べるものがあった。

それは、『二人の能力が乱戦に対応出来るタイプでない』と言う事。

シューのピクミンの強さは、まさに一人を多人数(人と数えるのは不適切なのだが)で囲む戦法を取るからこそ強いのだと言うこと。

ブーンの【気分次第《アンカーテイク》】も、安価による変動はあるものの、原則として能力自体は『一人の人間に対して』行う能力。

二人とも、遥かに1対1に特化した能力なのだ。

lw´‐ _‐ノv「…だから、乱戦になる時は落ち着いて分担するのが賢いよ」

道中でシューに、そう言われていたのだ。

143 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/29(金) 21:54:41.88 ID:YjuNcXVwO
lw´;‐ _‐ノv「早くいって!!」

だからこその、シューの叫び。
ここから離れて1対1の得意な勝負に持ち込め、と。

しかし、そんな事をしたら。

(;^ω^)(もし、シューが………)

ブーンが一番気にするのはそれだった。
シューがいなくなる事。それだけはなんとしても避けたかった。

乱戦になった時の事、なんてシューから聞かされた時は何も考えなかったのに
土壇場になると、まさかここまで体を硬くするのだとは。

(;^ω^)「……!!」

157 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/29(金) 21:59:17.10 ID:YjuNcXVwO
lw´;‐ _‐ノv「ブーン……?」

シューはその異変に気付く。そして、その異変が自分に向けての心配からきてるという事も。

だからこそ、なのかも知れない。

シューはその事実が、この上なく腹立たしかった。

lw´;‐ _‐ノv「あぁもう!!」

lw´;‐ _‐ノv「鬱陶しいわさっさといけや馬鹿!!」

(;^ω^)「んおぉ!?」

(-@∀@)「!」

ブーンが、宙に舞う。それはアサピーの方向へだが、余裕でアサピーを通り越す軌道で。
紫ピクミンに力いっぱいぶん投げられたのだ。

171 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/29(金) 22:05:11.64 ID:YjuNcXVwO
(;^ω^)「シュー!?何を」

「うざいのよ!この過保護!!!」

( ^ω^)

lw´‐ _‐ノv「なんで迷うの!!あなたは私が、あなたがいなきゃ何も出来ない幼女に見えてんの!?」

lw´‐ _‐ノv「私だって!!私だってブーンの役に立ちたいの!!あなたに任せっきりになんかしてられないの!!気付けよ馬鹿!!」

(;^ω^)「…シュー…」

lw´‐ _‐ノv「いいから早く行って!!とっととそいつ倒して戻ってきて、説教の続きはまたその時に!!」

( ^ω^)「シュー……!!」

lw´‐ _‐ノv「行け!!」

(-@∀@)「茶番劇はそろそろいいかい?なぁ色男!!」

アサピーがこちらに向かってくる。相変わらずその手に、木の枝を持ちながら。
しかしそれをも無視し、ブーンは叫ぶ。

( ^ω^)「…シュー!!一つだけ約束するお!!!」

197 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/29(金) 22:10:24.22 ID:YjuNcXVwO
(;^ω^)「後で絶対なでなでさせろよ!!!」

lw´;‐ _‐ノv「じゃあ私はちゅーさせろ!!」

(;^ω^)「また後でな!!愛してる!!」

lw´;‐ _‐ノv「行ってら!!あいらびゅー!!」

(#-@∀@)「あああああああ゛!!!イライラするぅぅぅぅぅぅ!!!」

アサピーには、彼女が出来た事がなかった為に、この手のやり取りはヘタな精神攻撃よりダメージが来たようだ。

ブサイクな顔が、さらにブサイクに精錬されて行く。

( ^ω^)「…こいやブサイク…!色男が相手してやるお…!!」


もう迷いはない。こいつを倒して、すぐにシューの元へ行く。
そうブーンは覚悟を決めて、走り出す。

(#^ω^)「おおおおおおおお!!!!」

225 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/29(金) 22:15:54.85 ID:YjuNcXVwO
(´・_ゝ・`)「………」

lw´;‐ _‐ノv「…私が…やる…!!」

中年と、少女。二人が合間見える。

(´・_ゝ・`)「なぁ」

しかし中年…デミタスはまったく緊張無さげに、言った。

(´・_ゝ・`)「なんかそういうの、いいな」

lw´;‐ _‐ノv「?」

(´・_ゝ・`)「見てて微笑ましいよ。おれもあんな青春を」

lw´;‐ _‐ノv「うるさい!!」

そのデミタスの語りを、自分のペースを乱す為だと結論付けたシューが動く。
否、正確には動いたのはシューじゃない。ピクミンだ。ピクミンが放物線を描いて、デミタスを襲う。

(´・_ゝ・`)「……こんなもん…」

それをデミタスが右手を上げ、簡単に払いのけた。

242 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/29(金) 22:20:54.46 ID:YjuNcXVwO
lw´‐ _‐ノv「かかったな!!」

(´・_ゝ・`)「!?」

デミタスが違和感を覚える。
それは、足元。
足元近くにある、マンホールの蓋が空いていたのだ。
そしてそのマンホールから出る、何やら紫に光る生物が大量にデミタスの足元へ集まっていた。

lw´‐ _‐ノv「行けぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」

(;´・_ゝ・`)「……!」

そのままデミタスは、隣にあったビルの2階へと、力づくで飛び込まされた。

lw´‐ _‐ノv「よし!」

シューの狙いだった。もとより、室内戦の方がピクミンを遥かに張りやすいからだ。

lw´‐ _‐ノv(私は……やる!!)

デミタスが投げられたビルへ、シューも同じ要領でピクミンに投げてもらい飛び込んでいった。

255 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/29(金) 22:28:07.32 ID:YjuNcXVwO
(;^ω^)「………!!」

(-@∀@)「……はは」

ブーンは困惑していた。さっきかっこよく飛び出して行ったのに、膝をついているのは自分。その現実に。

(-@∀@)「どうした?色男……」

(;^ω^)(なるほど、別に木の枝でなくとも良かったわけか……)

(-@∀@)「その顔面…ひどい事にしてやるよ!!」

ブーンの懐近くに飛び込み、また乱雑に木の枝を奮うアサピー。

(;^ω^)「くそっ!」

272 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/29(金) 22:30:53.38 ID:YjuNcXVwO
ブーンはとっさに木の枝を掴みに左手を伸ばす。

しかし。

(-@∀@)「優先する。―――木の枝を上位に、人体を下位に。」

その一言で、ブーンの体はただが木の枝に競り負け、

大きく吹き飛ばされた。

(; ω )「がっ……!」

痛む体ながらにも、わかっていた。洒落にならない強さを持つ。しかしそれは、木の枝が強いわけではないのだ。

(; ω )(…やっぱり…やっぱりこの能力は……)


この、『物の優先順位を決定する能力』は………


(; ω )「…【光の処刑】……!!」

295 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/29(金) 22:35:41.18 ID:YjuNcXVwO
【光の処刑】。禁書目録の左方のテッラが持つ特別な術式。
それは『物の優先順位を決定する』という巨大なもの。
例えば弾丸を下位に、紙を上位にすれば
ピストルを紙に撃っても、潰れるのは弾丸のほうだ。

そういった本来の優先順位を決定してしまう力、それが【光の処刑】。

(-@∀@)「お前の強さがどんなもんか知らんが、そんなもんは関係ない」

(-@∀@)「だって、それは俺が決めるんだからな」

ひゃはは、とブサイクな笑い方をするチビメガネ。
対してブーンは。

(; ω )「………」

313 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/29(金) 22:40:51.20 ID:YjuNcXVwO
(-@∀@)「例えばお前が能力を出す」

(-@∀@)「しかしその能力を下位に、俺の攻撃を上位に優先すれば何があれどお前は負けてしまう」

(-@∀@)「わかるか?お前の負けは、決まってるんだよ」

(  ω )「決まってねーお」

(-@∀@)

(  ω )「こちとら、まだ能力すら決まってねーんだお」

(  ω )「そんな状態で勝負が決まったとか言うなお」

(  ω )「お前が何を優先しようがいい。でもな、今の僕はな」

(#^ω^)「なにからだってシューを最優先してやるお!!!」

(#^ω^)「いくお!!【気分次第《アンカーテイク》】!!!」

340 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/29(金) 22:43:37.57 ID:YjuNcXVwO
(#^ω^)「どうもみんな!お楽しみの安価の時間だお!!」

(#^ω^)「ああもう!今日は腹立ってます!!なんだあのチビメガネザル!!キモいんだよしね!!!」

(#^ω^)「だから、あのサルを黙らせる圧倒的厨二能力をお願いしますお!!指定アンカーは………」

――――――>>355

 

355 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/29(金) 22:43:51.40 ID:lI/MWYZu0
尻から毎秒50トンの土石流をほとばしらせる能力

 

53 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/29(金) 22:46:13.85 ID:YjuNcXVwO
『能力が決定しました。』

>>355 尻から毎秒50トンの土石流をほとばしらせる能力

( ^ω^)

( ^ω^)「ふひひ………」

( ^ω^)「待ってろメガネザルゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!」

492 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/29(金) 22:50:37.72 ID:YjuNcXVwO
この【光の処刑】という能力は、かなり強いように見えて使い勝手が少し悪かったりする。
まぁチートとは得てしてそういうものなのかも知れないのだが。

それは、2個間の優先順位しか決めれない事。

もう一つは、奇襲に弱いという事。

だから。

(#゚ω゚)「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」

(;-@∀@)「ぎっ…ぎゃああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ…?…ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!」



――――――これ以上の説明が、必要だろうか。

553 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/29(金) 22:56:24.75 ID:YjuNcXVwO
(#゚ω゚)「ハァ!!……ハァ!!…………」

(-@”※∴∵ 「………」

ピクピクと動く、アサ……否、何かにまみれた何か。
それを見下し、ブーンは言う。

(#゚ω゚)「ハァ…ハァ…これが…!!」

「色男の力だお…!!わかったら精進しやがれブサイク……!!」

そう、吐き捨てた。

583 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/29(金) 23:00:13.33 ID:YjuNcXVwO
こうやっていつまでも汚物にまみれた汚物みたいな汚物を眺めていたいが、しかし。

( ^ω^)「こんな事してる暇はないお……!早くシューの元へ……!」



早く戻って、シューを助けなければ。


603 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/29(金) 23:03:10.21 ID:YjuNcXVwO
( ^ω^)「………!!」

駆け出したブーン。

しかし、突如


ブーンの隣にあるビルの壁が大きな音を立てて崩壊する。

620 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/29(金) 23:07:22.08 ID:YjuNcXVwO

「あーらら」

(´・_ゝ・`)「やーれやれ。やられちゃったのかぁ」

探し人の相手が、そこにいた。


(´・_ゝ・`)「私のチームも、これで壊滅だなぁ。これならちょっと怒ってもいいよなぁ?」


無口だったはずの中年が、流暢に話しかけてくる。


(;^ω^)「…おい、まさか……!」


嘘だろ。室内じゃピクミンの相手はやばいから。
外の方が安全に立ち回れるから。
だから外に出てきたんだよな?

(´・_ゝ・`)「…つまり、俺がいいたいのはな」

おい。そうといえよ。まさか。戦闘中だろ?まさか。こっち向くなよ。まさかまさか。シューの方をむけよ。
まさか。まさかまさかまさか。まさか……

………嘘だろ?

644 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/29(金) 23:10:57.09 ID:YjuNcXVwO
(´・_ゝ・`)「こんな小娘一人じゃ、ぜんぜん足りねぇのよ」

デミタスはブーンに向けて何かを放り投げた。

何か。何かを。


lw´   _ ノv


腹部を中心に、血にまみれる何か。

首にかかったかわいらしい麦わら帽子が半分消し飛んでいる、何か。





統率を失いあわてるピクミン達。

666 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/29(金) 23:12:51.32 ID:YjuNcXVwO
( ^ω^)「……お…」

おい。

( ゚ω゚)「……おぉ……」

待てよ。

(;゚ω゚)「おおおお………」

そんな。







………シュー。

690 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/29(金) 23:14:59.34 ID:YjuNcXVwO
(;゚ω゚)「うわあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!」







(#゚ω゚)「【気分次第《アンカーテイク》】!!!!!」

712 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/29(金) 23:16:40.60 ID:YjuNcXVwO
(  ω )

(  ω )


(  ω )「指定アンカー……」


――――――>>720

 

720 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/29(金) 23:16:48.39 ID:COkwAEjj0
目視したものを任意で捻る能力

 

810 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/29(金) 23:21:28.28 ID:YjuNcXVwO
(#゚ω゚)「おああああああああああああああああ!!!」

ブーンは叫ぶ。目の前の男に向かって。
男?いや、男ってなんだ。男ってなんだ?あれは生物か?否。あれはゴミだ。ゴミは削除。削除だ。

殺す。知ってますかみなさん。知らない人も多いと思うけど人間は殺したら死ぬらしいです。
便利な世の中になりましたね。僕もこの法則をさっそく使ってみたいと思いまーす。

(#゚ω゚)「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

(´・_ゝ・`)「!!?」

デミタスは何か右手に異変を感じる。
すると、右手が。

848 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/29(金) 23:26:27.51 ID:YjuNcXVwO
この>>720の能力は『目視したものを任意で捻る能力』らしいです。
任意ですよ任意。こりゃやばい。俺も目視で任意がやばい。しかも捻る。これ最強。
さっそく目の前のデミタスに使ってみましょう。

(;´・_ゝ・`)「あーらら」

材料は簡単。デミタスを一つ。
まずはあの糞の塊のような右手を、ミンチにします。捻るんです。
やってみましょう。簡単ですね。

(#゚ω゚)「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」

871 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/29(金) 23:30:23.17 ID:YjuNcXVwO
(;´・_ゝ・`)「痛いなこれ」

ほらほらいたがってます。ここまできたらしめたもんです。いただきましょう。いただいちゃいましょう。やっちゃいましょう。ねじっちゃいましょう。ひねっちゃいましょう。まげてゆがめてころしてばらしてさらしてならべてそろえてさらしてやりましょう。

(;´・_ゝ・`)「でも、まぁ」

(´・_ゝ・`)「右手一本で済むなら安いもんかな」


………え?

(#゚ω゚)

ぼくはじぶんのあしをみました。
みぎあしがはんぶん、ちぎれていました。

911 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/29(金) 23:34:56.93 ID:YjuNcXVwO
(´・_ゝ・`)「…さて」

(´・_ゝ・`)「『ブリューナクの槍。』」

なんかびーむがとんできた。いたい。いたい。
ひだりかたが、ひだりかたがなくなっちゃったよ。
そして、でみたすはきえた。

(´・_ゝ・`)「『魔剣アンサラー』…『空間の断裂』よ。あいつを刻め」

あれ、うしろにいる。あれ、どっかいった。なんで?
のうりょくがつかえない。

あれ、ひだりてが。ひだりてがあんなところにいって………

(#゚ω゚)「お………」


半端でない出血量と共に、ブーンはその場に倒れた。

929 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/29(金) 23:37:05.16 ID:YjuNcXVwO
「私が言葉を使うとき………自分がえらんだ意味だけで使うのだ――それ以上でも以下でもなく」


(´・_ゝ・`)「なんつってね。気をつけたまえ。私は身勝手な【神の卵《ハンプティ・ダンプティ》】。」


(#゚ω゚)「おおお………」



「【幻獣《グリフォン》】【帽子屋《マッドハッター》】【三月兎《マーチ・ヘア》】【チェシャ猫《チェシャ・キャット》】。
数あるアドバンストARMSの、その全ての力を持つ、非常に身勝手な存在だ。
今まで君が会ってきた、誰とも違うんだよ」


(#゚ω゚)


そらが。そらが。とおくなる。
あれ。ぼくはなn





第八話、終わり。
Posted at 2011/08/07 13:16:08 | コメント(0) | トラックバック(0) | ブーン系小説 | パソコン/インターネット
2011年08月06日 イイね!

( ^ω^)はあらゆるチート達と戦うようです 第7話

8 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/28(木) 21:12:21.87 ID:QQ93L/teO
( ^ω^)はあらゆるチート達と戦うようです

第七話。

『前回までのあらすじ』

最強能力決定戦と称し様々なチート能力者と戦うはめになったブーンは、安価内容をそのまま使える能力【気分次第《アンカーテイク》】を駆使して強敵を倒していった。
そして、今はシューと共に親友であるドクオのいるアジトへ向かう為に、行動しているのであった。

今回の敵は!?今回の安価は!?
今日で投下一週間記念という事でペプシモンブランを片手に一人ではしゃいでいる作者だが、そんな事をして寂しくないのか!?

13 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/28(木) 21:14:30.00 ID:QQ93L/teO
一応、登場人物と能力
( ^ω^)【気分次第《アンカーテイク》】(vip)
lw´‐ _‐ノv【オニヨン】(ピクミン)
・ドクオのアジトへ向かってる途中。


ξ゚⊿゚)ξ【拳王ラオウ】(北斗の拳)
・???

('A`)【一方通行《アクセラレータ》】(禁書)
/ ,' 3【都合のいい模写《コピーアンドペーストテイク》】 (vip)
・共に行動中

( ´∀`)【百式観音】(HxH)
川 ゚ -゚)【火水木金土日月を操る程度の能力】(東方)
・????

16 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/28(木) 21:15:30.85 ID:QQ93L/teO
※ブーンの能力【気分次第《アンカーテイク》】について
指定アンカーにかかれていた能力をそのまま使える能力
「~能力」と、最後に能力とかかれていなければ再安価。
一人の敵につき、一回ずつ出来る。

今まで出てきた能力
『手から溢れんばかりのコーラを出す能力』
『座布団を一週間近く回し続けられる能力』
『髪の毛を急速に成長させる能力』
『超反射神経が身に付く能力』
『アンサートーカーを取得しそれを100%使いこなす能力 』
『指定した範囲の空間の疎密を固定する能力』

24 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/28(木) 21:18:30.67 ID:QQ93L/teO
――――図書館内。

広大な場所だった。その中で「史学」と書かれたスペースだけが、荒れに荒れていた。

ξ;゚⊿゚)ξ「ハァ…ハァ……」

正直、うかつだった。つーに飛ばされた後、とりあえず身を隠す為に入った図書館。
まさかそこに謎の集団が占拠しているとは。

川 ゚ -゚)「…大した力だな」

(;´_ゝ`)「そろそろ諦めてよ…。俺ら、お前に危害を加える気はないってば。ただ仲間になって欲しいだけだっつの」

ξ;゚⊿゚)ξ「…誰があんたらみたいな得体の知れないのと…」

(;´_ゝ`)「あらら、嫌われちゃってる」

31 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/28(木) 21:21:41.14 ID:QQ93L/teO
ξ゚⊿゚)ξ「北斗神拳奥義―――――!!」

拳を構え、距離をつめるツン。

( ´_ゝ`)「あ、それ、規制対象ね」

ξ;゚⊿゚)ξ「!!?」

ガクン、と体が重くなり、腕がこれ以上進まなかった。
さっきと一緒だ。この男に対しては、自分の力である奥義がまったく使えない。
一連の動きに無駄に隙を生んでしまうだけだ。

( ´_ゝ`)「馬鹿正直にこないでよ。俺だって一応主謀者《オリジナル》だぜ」

41 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/28(木) 21:25:19.04 ID:QQ93L/teO
( ´_ゝ`)「さ、クーにゃん今のうち」

隣の少女がそれに反応し、手に持つ本を開く。
すると、その少女の回りを7つの光が照らした。

川 ゚ -゚)「私をクーにゃんって呼ぶな。……金木符………」


川 ゚ -゚)「『エレメンタルハーベスター』!!!」

7つのうち2つの光が混ざりあい、無数の光球を生む。
その全てが、まだ体制を立ち直し切れていないツンへと襲いかかった。


ξ;゚⊿゚)ξ(やば――――!!)

49 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/28(木) 21:29:26.87 ID:QQ93L/teO
波動、閃光。
ツンを中心に全てが薙ぎ払われていく。
大きく書かれた『図書館では静かに!』という看板すら吹き飛んでいく。

川 ゚ -゚)「……」

(;´_ゝ`)「…お前、出力間違えたろ。今の死んでてもおかしくねーぞ…」

川 ゚ -゚)「ごめんなさいだにゃん」

( ´_ゝ`)「許す。仕方ない仕方ない。たまにはあるよ、そういう事。ぜんぜん大丈夫だよクー」

その時、ゴウ!!と図書館を散らしていた粉塵が巻き上げられる。
その中心に、

ξ# ⊿ )ξ「……」

無言で闘気だけを発する少女。

川;゚ -゚)「……おお…」

(;´_ゝ`)「今のくらってなんで生きてんだよあいつ……」

61 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/28(木) 21:36:18.94 ID:QQ93L/teO
少女は腕を構えて、威風堂々と立っている。
仁王立ち。やっているのは少女なのに、なかなかどうして、様になっている。

ξ゚⊿゚)ξ「北斗神拳を封じれば、大丈夫と思った?」

川 ゚ -゚)

ξ#゚⊿゚)ξ「……私を、舐めるな」

(;´_ゝ`)「まじかよ…」

ξ#゚⊿゚)ξ「私は覇者。技を封じられたら、拳で殴り殺す。拳を封じられたら、脚で蹴り殺す。脚を封じられたら、口で噛み殺す。口を封じられたら、目で睨み殺す。全て封じられたら、それでも呪い殺す!」

ξ#゚⊿゚)ξ「最強を、なめるなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

風と共に、突進。その勢いは、何者にも止められぬのではないかと思わせる。

(;´_ゝ`)「あーもう、めんどい……」

その時だった。

71 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/28(木) 21:40:48.34 ID:QQ93L/teO


『ピンポンパンポーンwwww定時連絡でーすwwww』

図書館内のアナウンスではない。空から声が、落ちてきている。
そしてこの声は知っている。
自分達をこの謎の戦いに追いやった、『マスター』達の声。

ξ゚⊿゚)ξ

川 ゚ -゚)

( ´_ゝ`)

その声に、3名は静止する。その声に集中する為に。


『なっかなか面白いもんを見せてもらってるよー!!みんなすごいね!圧巻だ!リタイアしちゃった連中も再生させて、もう一度最初から見たいくらいだ!』

マスターは無邪気なままに言う。

90 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/28(木) 21:48:21.20 ID:QQ93L/teO

『ってゆーわけで、そろそろ君たちの傷を癒してあげると同時に、君たちによって破壊されてる建造物等を修復したいと思いまーす』

『今までも君たちが戦闘終える度ちょいちょい回復してあげてたけど、それじゃ明らかに足りない人が何人かいるみたいだからね!』

『修復してほしくない建造物等があれば言って下さい!あと、お腹好いた人とかいる?いるなら今言ってくれたらなんでも渡すからね!』

『そいじゃ、回復タイムスタート!またね~!』

ブツッ、と、声はそこで止まった。

ξ゚⊿゚)ξ「………」

川 ゚ -゚)「………」

(;´_ゝ`)「…あの、どうする?」

ξ゚⊿゚)ξ「…こ……」

( ´_ゝ`)「こ?」

ξ*゚⊿゚)ξ「コーラ飲みたい!3本くらい頂戴!!」

( ´_ゝ`)

川 ゚ -゚)

ほどなくして、ツンの前に光が集束し、それがコーラとなって手に落ちた。

114 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/28(木) 21:53:38.83 ID:QQ93L/teO
コーラをイッキ飲みする芸人と言うのがいる。回りの人は笑ってみているが、実はあれはかなりキツいものだ。並大抵の度胸では完遂できない。

…はず、なのだが。

ξ*゚⊿゚)ξ「んくっ…んくっ……ぷっはー!!!」

目の前の少女はそれを既に4、5本連続でやってのけている。
何故だ。覇者だからか?覇者だからなのか?

( ´_ゝ`)「何から何までぶっとんだ少女だ…」

川 ゚ -゚)「ふぁにをいってふんらふぁにじゃ」

( ´_ゝ`)「お前も、もぐもぐしながら言うな。はしたないわ」

そのうちにも数々の光が荒れた図書館を元通りにしている。
その様は、神秘的とも言えた。

133 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/28(木) 21:59:14.50 ID:QQ93L/teO
――――川沿いの道

lw´*‐ _‐ノv「こめっ!お米たべたいっ!しゃけおにぎりがいいっ!!」

( ^ω^)「メロンパンを出せ!話はそれからだ!」

少年と少女は、天に向かって叫んでいる。

すると、目の前に光が集束し、望みのものが降ってくる。

lw´‐ _‐ノv「きゃっほぉぉぉぉぉぉぉ!!!」

麦わら帽子を被った少女が、一際テンションあがっていた。
隣でそれを見ていた少年は、「やべぇかわいいハグしてぇ」と思った。

( ^ω^)「やべぇかわいいハグしてぇ」

lw´‐ _‐ノv「は?」

口にも出ていた。

150 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/28(木) 22:04:08.58 ID:QQ93L/teO
lw´‐ _‐ノv「今、私はお米様のご恩恵を受けてるんだ。不埒な真似をすれば、即刻裁きの小人を出すぞ」

( ^ω^)「なんでもないよ、お前の事なんかなーんとも思ってないよ」

lw´‐ _‐ノv「………」

( ^ω^)

lw´‐ _‐ノv「それはそれで寂しいじゃんなんかしてこいや顔面産業廃棄物が」

( ^ω^)「無茶いうようになったなお前」


先の戦闘での最後の一件で、二人はさらに仲良くなったようである。

164 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/28(木) 22:08:22.70 ID:QQ93L/teO
同時に、ある少女が正体不明の戦慄を覚える。

ξ;゚⊿゚)ξ

それは焦りと言おうか、焦燥と言おうか。酒を飲めば二日酔いがあるように、それに相当する時間がいまやってきているのである。

( ´_ゝ`)「どした?少女よ」

ξ;゚⊿゚)ξ「…なんでもない」

ξ;゚⊿゚)ξ(戦ってもないのに…何?この悪寒は……)

( ´_ゝ`)「ま、いいや。とりあえず、ついてこないか?どっちにしろ、一人じゃ危ないんだろ」

184 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/28(木) 22:13:05.60 ID:QQ93L/teO
ξ゚⊿゚)ξ「悪いけど、私には探し人がいるのよ」

( ´_ゝ`)「あ、そうなのか?そりゃあ都合がいいや」

ξ゚⊿゚)ξ「え?」

川 ゚ -゚)「弟者さんか?」

( ´_ゝ`)「うん。あいつならすぐ見つけれるだろ」

ξ;゚⊿゚)ξ「え、手伝ってくれるの?」

( ´_ゝ`)「まぁ、俺らはぶっちゃけ今暇だからな」

さっそく行くぞ、と兄者が歩きながら言う。

ξ゚⊿゚)ξ「あ、ちょっと待って!」

( ´_ゝ`)「?」

ξ゚⊿゚)ξ「コーラがまだあと10本は足りない」

底なしの、バケモノであった。

208 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/28(木) 22:19:54.23 ID:QQ93L/teO
ツンが連れてこられたのは、図書館の奥。
そこに、一台のパソコンだけが置いてある。

( ´_ゝ`)「弟者、元気か?」

(´<_` )《まぁ一応ね。暇だけど》

ξ;゚⊿゚)ξ「………!」

素直に驚いた。
画面の中に、れっきとした人がいた。

( ´_ゝ`)「ツンさん、驚いたか?これが俺より出来のいい弟、弟者だ」

(´<_` )《初めまして》

ξ;゚⊿゚)ξ「…は、初めまして」

( ´_ゝ`)「見ての通りだ。弟者の能力は、【電人HAL】。二次元世界上においては、こいつに敵うやつはいない」

(´<_` )《まぁ、死ぬ事がないからな。ネットワーク上に干渉する能力者って、あんまりいないみたいだし》

ξ;゚⊿゚)ξ「…はぁ……」

237 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/28(木) 22:25:17.28 ID:QQ93L/teO
( ´_ゝ`)「で、出会っていきなりだがこのツンさんには頼みがあるらしい」

(´<_` )《ん?》

ξ;゚⊿゚)ξ「……あ、私、探したい人がいて…その」

(´<_` )《ああ、そうなの?ちょっと待って》

言葉を遮るように、弟者が言う。それと同時にパソコンの画面に何かが表示される。

ξ;゚⊿゚)ξ「…これって」

(´<_` )《この仮想都市VIPの、全体マップ。凄いでしょ》

そう。VIPの、地図だ。そこにいくつかの赤い点と、青い点が表示されている。

254 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/28(木) 22:29:47.71 ID:QQ93L/teO
(´<_` )《んで、お探しの人の名前は?》

ξ゚⊿゚)ξ「…ブーン」

(´<_` )《ブーン、ね…。お、いたいた》

地図が大きく切り替わる。ある一部を拡大していっているのだ。
それは地図の隅にある、川沿いの道路だった。
そこに赤い点が一つ、青い点が二つ表示されている。

(´<_` )《赤いのは主謀者《オリジナル》。青いのは模倣者《フェイク》。黄色は選択者《アレンジ》……アレンジはまだいないけどね》

ξ゚⊿゚)ξ「あれ?ブーン誰かと行動してるの?」

(´<_` )《みたいだな》

281 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/28(木) 22:35:00.06 ID:QQ93L/teO
ξ゚⊿゚)ξ「だれ?だれと行動してるの?」

(´<_` )《ちょい待ち。えっと……えーっと…》

(´<_` )《見つけた。素直シュール。…あら、かわいい幼い女の子だこと》
 _,
ξ゚⊿゚)ξ「は?」

(´<_`;)《………》

ξ゚⊿゚)ξ「あいつ、え?……まさか、え?」

(´<_`;)《あれ?俺今電脳空間にいるんだよな?なんで冷や汗が止まらないんだ?》

(´<_` )《それと、もう一人いるな》

ξ゚⊿゚)ξ「女?女か?O・N・NA・KA?」

(´<_`;)《ちょ、怖い怖い。いや、男みたいだよ》

300 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/28(木) 22:39:52.47 ID:QQ93L/teO
(´<_` )《名前は…ワカッテマス。27歳。……おや…》

ξ゚⊿゚)ξ「どうしたの?」

(´<_` )《いや、これは穏やかな雰囲気じゃないなと思って》

ξ゚⊿゚)ξ「よくわかったわね。私の心中は穏やかではないわよ」

( ´_ゝ|壁 「安心しろ弟者。パソコンならまたすぐ見つけるからな」

川 ゚ -|壁 「………」

(´<_`;)《待て!てめぇら助けろ!違うんだツンさん。どうやら…》

《どうやらこいつら》



《戦闘中らしいぞ》

320 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/28(木) 22:45:14.94 ID:QQ93L/teO
――――川沿いの道。

( <●><●>)「あなた達が焦っているのはわかっています」

ビシッとスーツを決め込んだ、謎の男がいた。

(;^ω^)「くっ…シュー!大丈夫かお!」

lw´;‐ _‐ノv「なんとか…」

うかつだった。
確かに、回復中は戦闘を行ってはいけないなんて、誰も言ってないけど。

( <●><●>)「ビークルを倒したのがあなた達だと言う事も、わかっています」

恐ろしく冷静な男だった。
ビークルとは、あの犬の事だろうか。

( <●><●>)「ビークルは犬と言えど、強い。並大抵の力じゃ倒せない。だからあなた達が強いのだと言う事もわかっています」

その大きな目が、二人を捉える。

337 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/28(木) 22:49:23.81 ID:QQ93L/teO
lw´;‐ _‐ノv「うらぁぁぁぁぁ!!」

シューがワカッテマスに向け、大量にピクミンを放る。

( <●><●>)「そいつらも見飽きました」

しかし

lw´;‐ _‐ノv「またか………!」

ワカッテマスには、当たらない。

当たらないと言うより、まるで

すり抜けているように。

363 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/28(木) 22:54:22.22 ID:QQ93L/teO
( <●><●>)「フフフ………」

ワカッテマスが、ゆっくり近づいてくる。

lw´;‐ _‐ノv「ブーン!あいつ何!?すり抜けるよ!まるで幽霊みたいに!」

(;^ω^)「………」

lw´;‐ _‐ノv「ブーン!?」

(;^ω^)「わかってるお!能力自体はわかってるんだお!ただ、対処法が見つからないんだお!」

lw´;‐ _‐ノv「教えてよ!あいつの能力は?」

( <●><●>)「……どうぞ、当ててみなさい少年」

ワカッテマスは心底楽しそうに言う。
ネズミを見下す猫のように、圧倒的な立場にいる者が浮かべる笑みで。

393 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/28(木) 22:59:04.00 ID:QQ93L/teO
後退りしながら、ブーンは言う。

(;^ω^)「能力はたぶん…」

(;^ω^)「ティキ・ミックの【選択】。」

( <●><●>)「正解ですよ。少年」

lw´;‐ _‐ノv「なにそれ!?」

(;^ω^)「触れたいものを、自分で自由に選べる能力だお。あいつはピクミンに触れたくないと思ってるから、当たらないんだお」

lw´;‐ _‐ノv「え………!!」

(;^ω^)「わかったところでどうすればいいかわかんないんだお。あいつの攻撃は当たり、こっちの攻撃は当たらない、なんて……」

lw´;‐ _‐ノv「……そんな…」

( <●><●>)「あははは…楽しいですねぇ……」

ブーン達の悩みの張本人は、狂ったように笑っていた。

436 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/28(木) 23:04:09.11 ID:QQ93L/teO
ディーグレイマンに出てくる最強敵集団、ノア。
その一人、ティキ・ミックの能力だ。

彼は自分で触れたいものを選ぶ。
例えば人間の心臓だけを触れたいと思えば、心臓だけ綺麗に抜き取られた死体が完成する。

空気に触れたいと思えば、空気を踏む事で宙にも浮ける。
逆に、空気を完全拒絶すれば、真空を生み敵に襲いかからせる事もできる。

まぁ、そんな事しなくとも

( <●><●>)「触れられないあなた達にゆっくり、ダメージを与えていけばいいだけの話ですがね」

(;^ω^)「………」

456 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/28(木) 23:08:27.51 ID:QQ93L/teO
(;^ω^)(やっぱ【気分次第《アンカーテイク》】に頼るしかないのかお…しかし……)

(;^ω^)(もし外れの力が来た時の事を考えたら、これはキツイお…それ以外に、狙いがあるとすれば……)

「わかっています」

(;^ω^)「!!」

( <●><●>)「あなたの狙いはわかっています」

( <●><●>)「私があなたの体に触れにいく瞬間。私が実体化する瞬間だけを狙い、刹那に攻撃を合わせる」

( <●><●>)「わかった上で言います」

( <●><●>)「面白い。やってみろよ、と」

( <●><●>)「今から私はあなたの心臓だけを狙いにいきます」

( <●><●>)「だから、ぜひ」

――――――楽しませて下さい。

そう言い、その触れられない男はダッシュしてきた。

478 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/28(木) 23:12:02.48 ID:QQ93L/teO
lw´;‐ _‐ノv「どうするの!?ブーン!!」

(;^ω^)「う……!…うぅ……!!」

ワカッテマスとの距離は、もう5mほどしかない。

lw´;‐ _‐ノv「ブーン!!」

(;^ω^)「あーもう!!うじゃうじゃ考えんのはナシだお!!」

(;^ω^)「何がくるかわからんけど!やるしかないならやるしかないお!!」


( ^ω^)「行くぞ!【気分次第《アンカーテイク》】!!!」

501 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/28(木) 23:14:42.09 ID:QQ93L/teO

(;^ω^)「どーもみなさん。お楽しみの安価の時間だお」

(;^ω^)「いきなりの襲来者。いい感じだお。うざいけどな」

( ^ω^)「ワカッテマスワカッテマスうるさいあのおっさんを駆逐する、あなたのかんがえたさいきょうのうりょくをお願いしますお!指定アンカーは………」


――――――>>520

 

520 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/28(木) 23:14:56.17 ID:40get0Yh0
ワリバシを上手に割れる能力
 

652 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/28(木) 23:17:30.02 ID:QQ93L/teO
『能力が決定しました。』

>>520  ワリバシを上手に割れる能力

( ^ω^)

(;^ω^)「今までで一番使えない能力きたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

715 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/28(木) 23:22:37.80 ID:QQ93L/teO
(;^ω^)「シュー!!作戦変更だお!!」

lw´;‐ _‐ノv「え?」

(;^ω^)「ピクミンで壁つくれ!!」

lw´;‐ _‐ノv「わかった!!」

シューはピクミンを操り、目の前に自分達の姿が隠れるような壁を作る。

( <●><●>)「そんなもの、私には意味がありません」

壁は、妨げになるから壁なのだ。触れられない壁など、意味がない。
しかしこねピクミンの壁は、防御する為に作られたものではなかった。

ワカッテマスがそれに気付いたのは、壁を通過した後だった。

758 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/28(木) 23:26:16.27 ID:QQ93L/teO
( <●><●>)「………?」

壁を通過し、二人を襲いかかろうとしたワカッテマス。

が、そこに二人はいなかった。
先ほどの壁は、防御壁ではなく

( <●><●>)「…私の視界を遮るため……」

視界を遮り、そのうちに逃げる為、だ。


( <●><●>)「………どこにいこうが、探してやります」

ワカッテマスは飛翔。空気を踏み、宙に浮く。
遥か頭上から探す気らしい。

766 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/28(木) 23:28:18.90 ID:QQ93L/teO
(;^ω^)「さて………」

今が回復タイムで本当に良かった、とブーンは思った。
二人の目の前には、大量の割り箸。

lw´;‐ _‐ノv「そんなの、どうするの…」

(;^ω^)「まて。まずは、試してみてからだお」

ブーンは割り箸を手にとる。

806 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/28(木) 23:33:15.41 ID:QQ93L/teO
パキッ!と軽快な音が鳴る。
そしてブーンの手により割れた割り箸は、完全左右対称。

lw´*‐ _‐ノv「うわぁ………」

シューには、目の前の完全なる芸術に、時間がゆっくりに見えた。

( ^ω^)「おぉ………」

ブーンも、幸せだった。人間としての幸福を、今しかと受け止めていた。

lw´‐ _‐ノv「……ってなにしとんねんふざけんなや殺すぞ!!」

綺麗に割られた割り箸は、少女に踏まれさらに乱雑に割られた。

824 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/28(木) 23:35:57.45 ID:QQ93L/teO

lw´;‐ _‐ノv「どうしようもないじゃん!!こんなの!!」


( ^ω^)「まぁ、待て」

lw´‐ _‐ノv「え?」

嫌に落ち着くブーンを見て、それでも同様が消えないシュー。

しかしブーンはニヤリと笑う。

そして、こう言った。

( ^ω^)「僕に、策がある」


28 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/28(木) 23:49:22.97 ID:QQ93L/teO
ワカッテマスは空にいた。
比喩ではなく、自身の能力で空気を踏みしめ、遥かに上空から待ちを見ていたのだった。

( <●><●>)「………」

下を見渡す。
もちろん、あの二人を探す為だ

( <●><●>)「………お」

探し物は、簡単に見つかった。

( <●><●>)「いましたね」

二人は、先ほどの川沿いの道をずっと登ったところで、川を見ながら何かを話していた。

38 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/28(木) 23:52:01.51 ID:QQ93L/teO
( <●><●>)「あんな見つかりやすいところで、何をしてるやら……」

( <●><●>)「さ」

―――――行きましょうか。

体制を変え、空気を蹴る。
そして一気に急降下。

lw´;‐ _‐ノv「――――――!!」

(;^ω^)「――!――――!!」

何かを話している、二人の元へ。

71 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/28(木) 23:54:25.05 ID:QQ93L/teO
ドッ!と、およそ着地とは思えないような音がなる。

(;^ω^)「!!」

lw´;‐ _‐ノv「きた!!」

( <●><●>)「……さて、私を倒す方法は見つかりましたか…?」

(;^ω^)「おいおい、それを聞くかお。じゃあとくと見ろよ!」

ブーンは割り箸を一膳、前へ出す。

98 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/28(木) 23:59:11.22 ID:QQ93L/teO

それは、つかの間の美。
パキッ……!と言う音。
流動的な流れ。
綺麗に当分された割り箸は、木に出せるとは思えないほどの高級感を醸し出す。

( <●><●>)「……ほぉ…」

素晴らしい。本当に、素晴らしい。
ワカッテマスは、敵ながらブーンに拍手喝采を送りたかった。

こんな感動はいつぶりだろう。
目の前の一連の動きに、金を払えと言われても文句無くさしだせる。

そんな、つかの間の美だった。






( <●><●>)「………なめてんのか?」

(;^ω^)「ですよねー!!」

lw´;‐ _‐ノv「やっぱダメじゃん!ブーン!」

131 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/29(金) 00:03:31.58 ID:YjuNcXVwO
( <●><●>)「で、終わりですか?」

( ^ω^)「いや、そう言えばまだ一つ策があったぜ………!」

lw´‐ _‐ノv「え、ブーン。なに?」


( ^ω^)「俺らに残された最後の策……それは………」


lw´;‐ _‐ノv「そ、それは?」

(;^ω^)「逃げるんだよォォォォォォォォ!!!」

lw´;‐ _‐ノv「意外!それはジョジョネタ!!」

二人は、目にも止まらぬ速さで逃走した。

( <●><●>)「どうしようなんかいらついてきましたよし殺す絶対殺す」

163 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/29(金) 00:08:55.90 ID:YjuNcXVwO
(;^ω^)「だってどーしよーもねーお!!『ワリバシを上手に割れる能力』なんて!!」

(#<●><●>)「待てやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

(;^ω^)「待つかああああああ!!!」

二人はそこで左折。
左の道を行くと、畑が見える。

(#<●><●>)(いや、この際どこに逃げても一緒だ!!全力で殺す!!)

全力で逃げる、ブーンとシュー。
全力で追う、ワカッテマス。


しかしその徒競走対決の決着はすぐについた。

理由は、体力差、だ。

(;^ω^)「やば………!!」

172 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/29(金) 00:11:47.63 ID:YjuNcXVwO
lw´;‐ _‐ノv「ハァ…ハァ……ごめ……ブーン…!!」

(;^ω^)「シュー!!」


地面に膝をつく、シュー。
それを気遣いしゃがみこむ、ブーン。

微笑ましい姿だ。
しかし、それは今は何の意味もなさない。

( <●><●>)「チェックメイト、ですよ」

ワカッテマスが、追いついてきた。

179 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/29(金) 00:14:40.95 ID:YjuNcXVwO
( <●><●>)「諦めましたか」

(;^ω^)「………!!」

lw´;‐ _‐ノv

黙ってしゃがみこんだまま、シューを疲弊したシューを抱き寄せるブーン。

( <●><●>)「残念ながら、あなたの死に場所はここです。共にお逝きなさい」

(;^ω^)「ここが死に場所、か………」

218 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/29(金) 00:21:33.46 ID:YjuNcXVwO
(;^ω^)「この、ちょうど都会と畑の間の場所が僕らの死に場所かお……」

( <●><●>)「そうです。この、畑と都会を分かつ場所があなた達の死に場所、です」

(;^ω^)「そうかお……この、橋の上が僕らの死に場所………」

( <●><●>)「そうです。この橋の上こそが、あなた達の死に場所です」

( <●><●>)

( <●><●>)「………橋?」

下を見る。
あれ。今まで私はどこを走っていた?
川沿いの道。
都会と畑を分ける川の沿いを、ずっと走っていた。

そしてここは丁度その中間地点。

都会と畑を分ける、橋の上。

都会と畑を、ちょうど割る橋の上。

( <●><●>)「………」


『ワリバシを上手に割れる能力』。


………………割り、橋?

252 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/29(金) 00:23:49.75 ID:YjuNcXVwO
(;<●><●>)「まさか――――――!!!」

( ^ω^)「今更おせぇよ!!おらあああああああああああああ!!!」

ブーンは、下を殴る。
その、橋を。

『ワリバシを上手に割れる能力』。

その名の通り、橋は綺麗に割れ、倒壊した。

296 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/29(金) 00:30:31.95 ID:YjuNcXVwO

(;<●><●>)「なっ………!!!」

しまった。
そう思うも、既に地面がない。
重力法則に従い、三人は瓦礫と共に綺麗に落ちていく。

違いがあるとすれば、二人はしゃがみこんでこの状況に対応しているのに対し

ワカッテマスは立っていたので、完全にバランスを崩し頭から落下している事だ。


(;<●><●>)(まずい!!早く、早く空気を踏まないと!!)

油断していた今は、体が完全に実体化している。

( <●><●>)「早く、早く――――――!!!」


地面が、近づいてくる。

311 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/29(金) 00:33:54.39 ID:YjuNcXVwO
( ^ω^)「シュー!!」

lw´‐ _‐ノv「あいよ!!」

シューの鞄から、大量にピクミンが飛び出し、地面へと投げつけられる。
そして落下する二人の体の衝撃を、力を合わせて受け止める。


対し、ワカッテマスは

(     )「………」


( ^ω^)「………」




( <●><●>)「………」


生きて、いた。

330 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/29(金) 00:38:52.92 ID:YjuNcXVwO
( <●><●>)「……よく…見てましたね」

( <●><●>)「この橋の下。ちょうど川の水の少なく、露出した地面が多いこの場所を選んで。」

( <●><●>)「慌てた私が空気に触れる暇もなく体をうち死ぬと。あなたの策がようやくわかりました」

ワカッテマスはすんでのところで空気を踏み、衝撃を受けてはいなかった。

( ^ω^)「………」

lw´‐ _‐ノv「………」

( <●><●>)「でも、失敗です。あなたの策は、終わりました」

( ^ω^)「いや終わってないし」

( <●><●>)「え?」

354 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/29(金) 00:42:44.33 ID:YjuNcXVwO
( ^ω^)「お前はわかってないお。お前が戦ってんのは、僕だけじゃないだろ」

( <●><●>)「………」

lw´‐ _‐ノv「うぃす」

( ^ω^)「知ってる?ピクミンってゲームの中にね、ハチャッピーって敵が出てくるんだけどさ」

( ^ω^)「チャッピーにピクミンが寄生して、発芽して生まれたチャッピーの事ね。やっぱピクミン怖いね。ピクミンの一番の怖さは、やっぱその繁殖力だわ」

(;<●><●>)「………な」

( ^ω^)「でさぁ。それって、人体だとどうなんのかなぁ」

( ^ω^)「なぁ。体が変な感じしない?ああ、そうか」

――――――落下に注意がいってて、気づかなかったかな?

391 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/29(金) 00:48:11.36 ID:YjuNcXVwO
(;<●><●>)「まさか――――!!!」

言われたと同時に、体の異変に気付く。
体が嫌に思い。頭痛がどんどんひどくなる。
まさか。まさか。まさか。

恐る恐る頭の上に手を伸ばす。

(;<●><●>)「――――――!!!」

………葉っぱが、はえてる。

( ^ω^)「あんたにシューが与えたのは、『白ピクミンの種』。嫌ならとれば?また触りたくないって、選択してさ。まぁ」

――――――自分の体自身を選択対象に選べるかどうかは、知らないけどねぇ。

(;< >< >)「ごぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!ごはっ!!がっ………!!!」

白ピクミンの毒が、体を蝕む。
止める手だては、ワカッテマスには無かった。

439 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/29(金) 00:53:28.51 ID:YjuNcXVwO
そこからのワカッテマスは、見ていられなかった。

体の内側から根を張られ、呼吸が続く限り直に毒を送り続けられる。
そんな人間の気持ちなんか、考えたくもない。

「ぐああああああああああ!!!がっ!!!!がはぁ!!!う゛べぉえ!!!がっぶぅ!!!」

( ^ω^)「さ、いくお。シュー」

「ぎゃあ゛あ゛ぁあ゛!!!あ゛っ!!!い゛だい゛!!うわ゛ぁあ゛!!!」

lw´‐ _‐ノv「帰りましょうか」

「ごほっ!!!ごぶあ゛っ!!!あ゛!…ああああああ゛あ゛あ゛あ゛!!!」

lw´‐ _‐ノv「なんか変な音がうるさいね」

( ^ω^)「じゃ、この音を聞いて癒されましょうかね」

ブーンはポケットからすっ、と一膳の割り箸を取り出す。

454 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/29(金) 00:55:36.98 ID:YjuNcXVwO


パキッ!

やはりこの音は、いい。

lw´‐ _‐ノv「癒されるね」

( ^ω^)「癒されるお」

二人は川から上がり、都会方面へと歩いていった。
途中からいきなり割り箸が綺麗に割れなくなったが、まぁ
それはそれでいい事なのかもしれない。

472 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/29(金) 00:58:52.74 ID:YjuNcXVwO

( ^ω^)「にしても、あいつなんだったんだろうね?」

lw´‐ _‐ノv「立て続けに二人も敵に出くわすなんて、おかしいよね。これはやっぱ近くにあるよ」

( ^ω^)「何が?」

lw´‐ _‐ノv「二人の敵が所属するチームの、アジト」

( ^ω^)「………」


――――――命を運ぶと書いて、運命。

第七話、終わり。
Posted at 2011/08/06 17:51:59 | コメント(0) | トラックバック(0) | ブーン系小説 | パソコン/インターネット
2011年08月03日 イイね!

( ^ω^)はあらゆるチート達と戦うようです 第6話

20 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/27(水) 21:37:31.67 ID:g/hXxgbLO
( ^ω^)はあらゆるチート達と戦うようです

第六話。

『前回までのあらすじ』

最強能力決定戦と称し様々なチート能力者と戦うはめになったブーンは、安価内容をそのまま使える能力【気分次第《アンカーテイク》】を駆使して強敵を倒していった。
そして離散したツンの行方を追い、シューと出会い、親友ドクオの所在を知る事が出来たのだった。

今回の敵は!?今回の安価は!?
作者はシューが気に入ってしまったのだが、果たしてツンはメインヒロインのままでいられるのか!?

28 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/27(水) 21:40:31.44 ID:g/hXxgbLO
――――川沿いの道

シューと戦ったあの道を逸れるように流れる川がある。
ブーンはドクオ達の元へ行く為に、そこを歩いている最中だった。

lw´‐ _‐ノv「というわけで、シューはブーンと共に我らがリーダードクオさんと合う為に川沿いの道を歩いているのであった。」

(;^ω^)「お前は地の文か」

lw´‐ _‐ノv「乗っ取り公開、シューちゃんの大冒険のようです!!」

( ^ω^)「黙れ犯すぞ」

lw´‐ _‐ノv「来いや腹上死させてやんよ」

( ^ω^)

lw´‐ _‐ノv

( ^ω^)「ふふふ」

lw´‐ _‐ノv「えへへ」

ブーンはこのノリが大好きだった。

39 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/27(水) 21:45:05.76 ID:g/hXxgbLO
( ^ω^)「そういや、シュー。気になってたんだけど」

lw´‐ _‐ノv「ん?」

( ^ω^)「その背中に担いだでかいリュックはなんだお?」

lw´‐ _‐ノv「ああ、これ?」

現在、シューの背中には大きめのリュックサックがある。
いつもの麦わら帽子と相まって、その様はさながら遠足へでかける小学生のようだ。

lw´‐ _‐ノv「中にはピクミンがいっぱいいるよ。種はいっぱいあるけど、発芽さすの面倒だから持ってきたの」

リュックの隙間から、何やらうじゃうじゃしているものが見えたが相当にグロかった。
速攻で見なかった事にした。

(;^ω^)「ま、まぁ、なんにせよドクオに会えるんだお。楽しみだお」

lw´‐ _‐ノv「…ねぇブーン。先に言っときたいんだけど」

lw´‐ _‐ノv「もしかしたら、今のドクオさんは…」


lw´‐ _‐ノv「あなたの知ってるドクオさんとは、少し変わってるかも知れない」

( ^ω^)「………」

44 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/27(水) 21:48:33.73 ID:g/hXxgbLO
( ^ω^)「まぁ、そんなもん会ってみなきゃわかんねーお」

lw´‐ _‐ノv「……そうだね」

( ^ω^)「あいつは根はどこまでもいいやつだお。それだけはここでも変わんないはずだお」

自分でいいつつ、不安を覚える言葉だ。

lw´‐ _‐ノv「………」

だからこそ、シューは何も言わなかったのかも知れない。
どちらにしろこの状況で否定も肯定もしなかったのは、ブーンにとってはありがたかった。

53 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/27(水) 21:53:25.91 ID:g/hXxgbLO
lw´‐ _‐ノv「それで、ドクオさんに会ってブーンは何をするつもりなの?」

( ^ω^)「ん?あぁ………」

( ^ω^)

( ^ω^)「……えっと…」

lw´‐ _‐ノv「…え。まさか何も考えてないの?」

( ^ω^)「あ、いや、そんな事ないお。ただ一言、言いにいくだけだお」

( ^ω^)「『シューを僕に下さい。』ってね」

lw´‐ _‐ノv「あらやだ何このイケメンぶっ飛ばしたい」

( ^ω^)「誉めても何もでねーお」

lw´‐ _‐ノv「けなしたらなんかでるの?」

( ^ω^)「ここで発言するには危ないものは出るな」

ブーンはこのノリが大好きだった。

70 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/27(水) 22:02:42.94 ID:g/hXxgbLO
景色は変わらない。
ずっと川が自然と都会を分けている光景が目に映るだけだった。
シューはいったい、どこまで連れていく気なのだろうか。

( ^ω^)「……あと、もう一つだけ気になる事があるお」

lw´‐ _‐ノv「なあに?」

( ^ω^)「お前、僕と戦う時に気になる事言ってたよな」

( ^ω^)「またあの連中?ってな感じで」

lw´‐ _‐ノv「んー、あぁ」

( ^ω^)「それはつまり、ドクオの一味以外にも徒党を組んでるやつらがいるって事かお?」

lw´‐ _‐ノv「そだよ。私が知ってるだけでもいっぱいグループがあるよ」

( ^ω^)「それに襲われたりしてたのかお?」

lw´‐ _‐ノv「あの畑にいっぱいきたよ。いちいち追い返すのも面倒になるくらい」

( ^ω^)「敵対してる勢力ってのは、面倒な話だお…」

lw´‐ _‐ノv「見つけたら殺す、なんて言う過激なグループもあるよ。気をつけてね」

(;^ω^)「あらやだシューちゃんからそんな言葉聞きたくない……」

78 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/27(水) 22:10:03.73 ID:g/hXxgbLO
lw´‐ _‐ノv「私も言いたい事が一つあるにゃん」

( ^ω^)「なんだお?」

lw´‐ _‐ノv「……あ、あるにょん」

( ^ω^)「言い直さんでええわい」

lw´‐ _‐ノv「今回の私は、あんまチートと呼べない」

( ^ω^)「ん?」

lw´‐ _‐ノv「私がチートたりえたのは、あの畑がマイフィールドだからなの。ピクミンの限数がかなり落ちるし、この状態で襲われたりしたら危ない事だけは覚えといてね」

( ^ω^)「……あぁ、なるほど」

わかっていた事ではあった。
仕方ない事だ。あの爆発的攻撃力も、数が半永久的に補充出来るからだ。

lw´‐ _‐ノv「てゆーか、もともと私の能力あんま強くないしね。少なからずいるみたいだよ?私みたいな、『本当のチート能力の当て馬にされる能力者』みたいなのが」

( ^ω^)「……そんな言い方は、よくないお」

86 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/27(水) 22:15:35.12 ID:g/hXxgbLO
lw´‐ _‐ノv「でも、不安はないよ」

lw´‐ _‐ノv「ブーンがいるから」

( ^ω^)

lw´‐ _‐ノv「私はブーンを信じてるから」

( ^ω^)「……お前…」

lw´‐ _‐ノv「ちゃんと私の囮として使えるって」

( ^ω^)「しばかせろ」

lw´‐ _‐ノv「いいけど私叫ぶよ?」

( ^ω^)「やっぱり謝らせろ」

lw´‐ _‐ノv「許可する。謝れ」

( ^ω^)「ごめんなさい」

lw´‐ _‐ノv「よし」

98 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/27(水) 22:22:30.30 ID:g/hXxgbLO
( ^ω^)「まぁ、いざとなればちゃんと守ってやるお。この【気分次第《アンカーテイク》】、どこまで使えるのかはまさに気分次第なんだけどね」

lw´‐ _‐ノv「その安価ってやつに、世界が滅ぶ能力ってかかれてたらどうするの?」

( ^ω^)「……加減して使ったりできるなら、そうしたいお……」

lw´‐ _‐ノv「その安価ってやつに、人類を消す能力ってかかれてたらどうするの?」

( ^ω^)「……それも、敵だけ殺せるようにコントロール頑張ったり……」

lw´‐ _‐ノv「その安価ってやつに、シューがムチムチボインなスタイルになって回りの生物全てを悩殺する能力ってかかれてたらどうするの?」

( ^ω^)「ぜっっっっっっっっってぇ使わねぇ」

lw´‐ _‐ノv「あれ?私の悩殺スタイル、世界崩壊より人類消失より嫌なものなの?」

111 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/27(水) 22:26:46.19 ID:g/hXxgbLO
( ^ω^)「一つ言ってやるお」

( ^ω^)「『ロリは何も武器を持たない事こそが最大の武器』って名言があってだな」

lw´‐ _‐ノv「うっわ何この顔。顔やばい」

( ^ω^)「お前が悩殺ボインなんて武器を持ってしまえば、それは逆にお前の持ち味を殺しちまう。だからお前はそのままでいろ」

lw´‐ _‐ノv「うっわぁ、ちょっとイケメンチックなのがまた腹立つ」

( ^ω^)「とにかく、僕が守ってやるお。残念ながらそのリュックの中身はあまりつかってやれなくなるがね」

lw´‐ _‐ノv「はいはいwktkwktk」

117 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/27(水) 22:30:49.18 ID:g/hXxgbLO

( ^ω^)「頼りにしろお」

lw´‐ _‐ノv「もー、なんかすんごい駄安価でこける予感しかしないよぉ」

( ^ω^)「なんとかするお」

lw´‐ _‐ノv「なんとかなるお、の間違いでしょ」

( ^ω^)「どんだけ役立たずだと思われてんの僕…。大丈夫だお、ちゃんと守って」


その時だった。

突如として、シューが何かに突き飛ばされる。

128 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/27(水) 22:32:56.37 ID:g/hXxgbLO
(;^ω^)「おっ――――」

かろうじてそれを受け止めるブーン。
さらに隣で見ていたブーンには全てが見えていた。
それは、ピクミンだった。
リュックの中にいたピクミン達がいつのまにか飛び出して、シューを突き飛ばしていたのだ。

lw´;‐ _‐ノv「えっ」

すると

1秒半前ほどにシューがいた部分に


炎の塊が、すさまじいスピードで通過した。

49 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/27(水) 22:35:43.76 ID:g/hXxgbLO
(;^ω^)「な…!!」

lw´;‐ _‐ノv「うわぁ…」

通過した炎の塊は、そのままアスファルトの地面に突き刺さる。
あんなのに当たっていたら、と思うと二人の体は強ばった。

(;^ω^)「……能力者かお…!!」

lw´;‐ _‐ノv「つーかいきなりピクミンの方が役に立ってんじゃん…」

(;^ω^)「いったい、どんな……」

lw´;‐ _‐ノv「無視かよ……」

162 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/27(水) 22:39:09.42 ID:g/hXxgbLO
(;^ω^)「どっかから撃ってきたのかお?だとしたら、どこから……!!」

辺りを注意深く見渡すブーン。
対してシューは、ただ一点だけを見つめていた。

lw´‐ _‐ノv「…違うみたいよ。ブーン…」

(;^ω^)「なんだお?」

lw´‐ _‐ノv「ほら、あれ……」

シューが指をさしたのは、先ほど降ってきた炎が突き刺さった地面。

lw´‐ _‐ノv「……」

(;^ω^)「………お」

よく見れば、なるほど。
何かが動いている。

177 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/27(水) 22:44:35.13 ID:g/hXxgbLO
(;^ω^)「………」

確かに何かが動いているのは見える。
しかしよく見えないので近づこうとしたが、シューに制止される。

lw´‐ _‐ノv「駄目、迂闊にいっちゃ。何がくるかわからない」

(;^ω^)「……確かに、ね…」

lw´‐ _‐ノv「問題はあれが本体なのか、どこかにいる本体の能力が動いているのかだよ。追撃がこないってのはただの威嚇なのか、この動いてるの一つで十分なのか、本体があれなのかって事だね」

そう、冷静に判断する。

(;^ω^)「……狙撃されてる線は低いわけね」

lw´‐ _‐ノv「そ。だからって焦らないでね」

シューが静かに言う。もしかすると、場数だけの話で言えばシューはブーンより上なのかも知れない。

188 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/27(水) 22:48:15.20 ID:g/hXxgbLO

すると、突然

動いていた何かが真上に飛び出した。

( ^ω^)「……!!」

lw´‐ _‐ノv

それを目で追うが、とくに変わった様子もなくそのまま重力に従って地面へ着地した。


( ^ω^)

lw´‐ _‐ノv

▼・ェ・▼


▼・ェ・▼「クゥーン」


………犬、だった。

205 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/27(水) 22:50:32.09 ID:g/hXxgbLO
( ^ω^)

lw´‐ _‐ノv

( ^ω^)「なぁ、シュー」

lw´‐ _‐ノv「なに」

( ^ω^)「あのさぁ、油断すんなっつったじゃん、お前」

lw´‐ _‐ノv「ちょっと待って。たぶんおんなじ事考えてる」

( ^ω^)「………」

lw´‐ _‐ノv「………」

( *^ω^)lw´*‐ _‐ノv「超可愛いいいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!」

▼・ェ・▼「わふぅん?」

225 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/27(水) 22:55:16.64 ID:g/hXxgbLO
(;^ω^)「はっ!!待てシューよ!!」

lw´‐ _‐ノv「待ってあいつかわいいハグしたい」

(;^ω^)「落ち着け!!そいつさっき炎をまとって突進したんだぞ、お前に!!」

lw´‐ _‐ノv「………あ」

危ない危ない、と足を戻すシュー。

▼・ェ・▼

しかし、この犬の能力はなんなのだろう。

(;^ω^)(火を使ってたし、パイロキネシス系かお?でも、なんだろうこの違和感…ああチクショウ可愛いなあいつ!)

lw´‐ _‐ノv「やばいホントに可愛いなんなのこいつ」

(;^ω^)「犬だからって舐めちゃだめだお、シュー!!そいつ、もしかしたらとんでもない能力なのかも……!!」

lw´‐ _‐ノv「うん、わかってる。わかってるけどさぁ……」

235 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/27(水) 22:58:35.22 ID:g/hXxgbLO

(;^ω^)「あっ!!近づくなお、シュー!!」

lw´‐ _‐ノv

駄目だ。聞いちゃいないやあいつ。

まぁしかし犬だし、あいつにはピクミンがいるし、めったな事では大丈夫だと思うけど…

しかし

▼・ェ・▼

その犬は

▼・ェ・▼

みるみるでかくなっていき

▼・ェ・▼

ビルよりおっきな、バケモノとなった。


lw´‐ _‐ノv「………あ」

lw´‐ _‐ノv「シューちゃん、ピンチ」

爪を光らせた大きな大きな前足が、シューに襲いかかった。

256 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/27(水) 23:03:17.73 ID:g/hXxgbLO
あのサイズでは、シューが切り刻まれるのなんか容易に想像できる。

(;^ω^)「シュー!!!」

駄目だ、ここからじゃ間に合わない。
でも走らないわけにも行かない。
だってシューが、シューが。


lw´‐ _‐ノv「さ、頼んだでござる我が子達よ」

しかし当の本人、シューは驚くほど冷静だった。
リュックから飛び出してくるピクミン達。

lw´‐ _‐ノv「思いっきりぶん投げてちょーだい」

そのピクミン達が、シューを遥か後方に投げ捨てる。

(;^ω^)「おぅふ!!?」

丁度、走ってきたブーンがそれをキャッチした。


268 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/27(水) 23:08:05.06 ID:g/hXxgbLO
(;^ω^)「大丈夫かお!?」

lw´‐ _‐ノv「大丈夫だよ。でも、能力がわかんないね」

▼・ェ・▼「クゥーン」

遥かにでかい犬は、こちらを見定めていた。
何を考えているかは定かではないが、いい雰囲気でないのは明らかだ。

(;^ω^)「ちょっとだけ、心当たりがあるお!シュー!真面目に答えてくれ!」

lw´‐ _‐ノv「なに?」



(;^ω^)「あの犬、可愛いか!!?」

lw´‐ _‐ノv「え、そりゃあんなでかいのが可愛いと思えるわけ……」


lw´‐ _‐ノv「……あれ?………やっぱり可愛い………」

(;^ω^)「やっぱり…!!おかしいと思ったお……!!」

287 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/27(水) 23:14:35.34 ID:g/hXxgbLO
(;^ω^)「これで確信が出来たお!!あの能力は……」


(;^ω^)「あの犬の能力は……

【密と疎を操る程度の能力】!!」

そう。
東方萃夢想、伊吹萃香の力。
あらゆる密度を操る力だ。

( ^ω^)「つまりこういう事だお!!あいつは『空気中の熱の密度』を極限まで高めて体に炎をまとったり!」

( ^ω^)「僕らの、『犬への愛着の密度』を高めて僕らに可愛いと思わせたり!!」

( ^ω^)「さらには自身の密度を操作して、ああやって巨大化してるんだお!」

lw´‐ _‐ノv「やばい今のブーンかっこいい。ちゅーしていい?」

(;^ω^)「今はおあずけだお!」


犬は、既に左前足を振りかぶっていた。

317 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/27(水) 23:20:18.52 ID:g/hXxgbLO
(;^ω^)「気をつけるお!今はいろんな密度を同時に操ってるからか、細かい部分まで制御出来てないけど」

(;^ω^)「あの能力が操る『密度』は汎用性がありすぎる!変幻自在なんだお!」

lw´‐ _‐ノv「気をつけるよ、ブーン」

(;^ω^)「お前気楽だなオイ!!」

lw´‐ _‐ノv「まぁブーンは下がっててよ」

lw´‐ _‐ノv「ああいうでかいのを駆逐するのは、この子達の専門分野よ」

(;^ω^)「おっ……」


既に100はいようかというピクミン達が、一斉に飛び出していった。

339 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/27(水) 23:25:15.32 ID:g/hXxgbLO
lw´‐ _‐ノv「じゃ、狙うとするなら…目か耳、かな?あぁ、でも遠いなぁ。頭が下がったら狙おうか」

lw´‐ _‐ノv「行ってらっしゃい」

『ピクー!!』

(;^ω^)「お…」

無数に張り付いていくピクミン達。
犬の毛の色が少しだけカラフルになっていく。

確かにこれでは、あの犬も対応のしようがないのではないか、そう思った時だったが

▼・ェ・▼「ウォォォォン!!!」



その時、犬が無数に分裂した。

362 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/27(水) 23:30:03.55 ID:g/hXxgbLO

いや、分裂という言葉は少し語弊がある。
それよりも細かい。もっと細かい。自身の密度を極限まで低くした、あれはまるで…

lw´;‐ _‐ノv「……霧?」

張り付く対象を失ったピクミンは、それでもその霧をおっかけようと躍起になる。

しかし、つかめるわけもなく

そして、再び霧が一点へ集結。

▼・ェ・▼「わん!」

再び犬の形へと、戻る。

lw´;‐ _‐ノv「うっわ…タチわる…」

あの犬、つかめなくする事も出来るのか。

391 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/27(水) 23:36:41.47 ID:g/hXxgbLO
(;^ω^)「ちっ!やっぱ僕の能力を使うお!」

lw´;‐ _‐ノv「待って!ブーンに頼ってばっかじゃ私がダメになる!もうちょい一人でやらせて!」

(;^ω^)「見上げた向上心だが、今は必要ない!!」

▼・ェ・▼「わん!」

lw´‐ _‐ノv「あっ!!」

ピクミンが張り付くと厄介だと、理解したのだろうか。
少しだけバックステップし、距離をとるその犬。

そして

▼・ェ・▼「うぅぅぅぅぅぅ!!!」

密度を、操作。

lw´;‐ _‐ノv「……!!」

足元で攻撃をしていたピクミン達が空中へ浮き、犬の顔の前、鼻先の一点に集められた。

409 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/27(水) 23:40:44.65 ID:g/hXxgbLO
lw´;‐ _‐ノv「ああっ!!我が子たち!!」

そして

▼・ェ・▼「はぐっ!!」

食べられた。

lw´;‐ _‐ノv「ノォォォォ!!!ごめんブーン前言撤回!!助けて!!」

(;^ω^)「ああもう!!やっぱやるしかねーな!!」



(;^ω^)「【気分次第《アンカーテイク》】!!」

445 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/27(水) 23:44:27.38 ID:g/hXxgbLO
( ^ω^)「さぁみなさん。毎度おなじみの安価の時間です」

( ^ω^)「今回の敵は、犬。可愛い」

( ^ω^)「でも、ここはシューの手前いいかっこしたいお」

( ^ω^)「だからあの糞犬畜生を駆逐する、あなたの厨二妄想をお願いしますお。指定アンカーは………」

>>470

 

470 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/27(水) 23:44:54.13 ID:zIxIcE8/0
指定した範囲の空間の疎密を固定する能力

 

551 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/27(水) 23:46:45.42 ID:g/hXxgbLO
『能力が決定しました。』

>>470 指定した範囲の空間の疎密を固定する能力

( ^ω^)「こりゃありがたい!サンキューだお!」

( ^ω^)「いっちょやってみっか!!」

569 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/27(水) 23:50:09.78 ID:g/hXxgbLO
( ^ω^)「よっしゃああああああああああああ!!!」

▼;・ェ・▼「わふ?」

何か異変に気づいたのか、犬はさらに後ろへ下がる。

▼;・ェ・▼「うううううううう!!!」

とった行動は、威嚇だった。

lw´;‐ _‐ノv「ブーン、それ…」

( ^ω^)「あぁ」

( ^ω^)「完全なアンチ能力、ゲットしたお」

戦局は、大きく変わる。

613 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/27(水) 23:56:56.74 ID:g/hXxgbLO
( ^ω^)「初めて自分の能力がいい能力だと思えるお…」

▼;・ェ・▼「ぅばうううううう!!!」

lw´;‐ _‐ノv「んにゃっ?」

犬は咆哮後、前足で地面を叩く。
すると、なんと大地震が巻き起こった。

lw´;‐ _‐ノv「ええええええ!?ちょ、やばいやば」

( ^ω^)「無駄だって」

しかし、その地震もピタッと止まる。
ブーンが地面に手を触れた、それだけで。

( ^ω^)「なるほど。地脈の密度を操ったのかお。便利でいい能力だなそれ」

628 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/27(水) 23:59:14.87 ID:g/hXxgbLO
( ^ω^)「まぁ、それでも」

――――僕には絶対にかなわないけど。

そういってブーンは右手を前にやる。

▼;・ェ・▼「わふっ…!」

また霧に姿を変えようとした犬。だが、存在の疎密は既にブーンにより固定されていた。

▼;・ェ・▼「!!!??」

( ^ω^)「さ、シュー。今のうちに」

lw´;‐ _‐ノv「あ、うん」

650 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/28(木) 00:02:52.01 ID:QQ93L/teO
lw´‐ _‐ノv「今ならいける!!あれはただの犬っころだよ!!」

シューの声を合図に、ピクミンが一斉に襲いかかる

▼;・ェ・▼「うぅ…ばうぅ……」

▼; ェ ▼「きゅぅううううううううううううう!!!」

あとは、説明するのも無駄だろう。
動物虐待、ここに極まれりといったところだ。
まぁ向こうが始めた事だし、正当防衛って事で動物愛護団体の方々も許してくれるだろう。

668 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/28(木) 00:08:03.37 ID:QQ93L/teO
ピクミン達が戻ってくる。
後に残ったのは毛はむしられ足は折られと悲惨な物体Aだ。
こいつらホントにこえぇ。

lw´‐ _‐ノv「まぁ、良かった良かった…」

( ^ω^)「犬には悪いけど、楽勝だったおね」

lw´‐ _‐ノv「そりゃあんな能力出たらね…」

( ^ω^)「とにかく、今回は気持ちよく終れ…」





▼ ェ ▼

( ^ω^)

………犬は。

▼゚ェ゚▼

まだ生きていた。

683 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/28(木) 00:12:32.21 ID:QQ93L/teO
▼゚ェ゚▼「ウォォォォォォォォォォォォン!!!」

密度を高める。
高める。高める。高めに高める。

(;゚ω゚)(まさか――――――!!)

犬が、自身の体をもその密度の犠牲にしてまで。

その能力の果てに、行き着く密度の境地があった。

サイズこそとてもとても小さいが、あれは………



――――――ブラックホール……?

711 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/28(木) 00:18:24.72 ID:QQ93L/teO
(;゚ω゚)「しまっ―――――!!」

なんで自分はこうも気付くのが遅いのか。
いや、今は嘆いてる場合じゃない。
そんな事より。

(;゚ω゚)「シュー!!こっちに来い!!」

すぐさま疎密固定にとりかかる。
大丈夫か?間に合うか?
距離を間違えるな。終わるぞ。あれに飲まれたら、終わり。

lw´;‐ _‐ノv「え――――!」

シューがこちらに走ってくる、が。


足が既に、地面についていない。

732 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/28(木) 00:22:44.98 ID:QQ93L/teO
lw´;‐ _‐ノv「あ、あ……あ…………!!」

シューは引きずられる。
引力に強制され、重力を逆らう動きで。

あの、ブラックホールに。


(;゚ω゚)「シューーーーーーーー!!!!」

間に合うか?間に合わせろ。
疎密固定を、平常値に、早く。

間に合わない?嘘だろ?そんな、シューが、シューが。
間に合わせる。やる。やらなきゃ。やらないと。やるんだ。やれ。やりきれ。

(;゚ω゚)「間に合えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇえええええええええ!!!!!!」




――――――――――――

750 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/28(木) 00:27:43.12 ID:QQ93L/teO

( ^ω^)「………」



ブラックホールは、消えた。



( ^ω^)「………」

( ^ω^)「シュー」


( ^ω^)「お前の事、超好きだったお」

( ^ω^)「お前の髪型が、好きだったお」

( ^ω^)「お前の麦わら帽子姿、好きだったお」

( ^ω^)「お前との会話のノリが、大好きだったお」

( ;ω;)「なぁ、シュー………」



――――――

772 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/28(木) 00:30:32.69 ID:QQ93L/teO





lw´#‐ _‐ノv「何を勝手に殺してくれとんじゃボケェェェェェェェェェェ!!!!!」



(;^ω^)「いや、面白いかとおもっぐふぉあ!!!」

物凄い正拳が、ブーンの鳩尾に突き刺さった。
今日最大のダメージだった。

05 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/28(木) 00:34:46.47 ID:QQ93L/teO


(;^ω^)「何すんだおハゲ!!」

lw´;‐ _‐ノv「うっせぇよハゲてねーよハゲ!!」

(;^ω^)「ばーか!ぶぁーか!」

lw´;‐ _‐ノv「うっせばーか黙れ短小!!」

(;^ω^)「うっせ!起きたらマグナムなんだよ!犯すぞてめぇぇぇぇぇぇ!!」

lw´;‐ _‐ノv「来いや!!腹上死させてやらぁあああああああ!!!」

ブーンは、このノリがこれからも大好きだ。
しかし、やれやれと言ったところ。
たぶん、あのブーンの疎密固定でも、二人のこの親「密度」は、固定できるものではないらしい。

816 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/28(木) 00:38:32.85 ID:QQ93L/teO
――――――大通り

「もしもし、ドクオくん?あの、でぃだけど」

「面白いもの、見つけた。うん。…うん。感応視で操れる、初めての人間がいるよ」

「しかもかなり強いよ。やばい。これはテンションあがるよ」

「すぐ持って帰るから、待っててねぇ」

「うん、じゃあね。ばいばぁい」

21 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/28(木) 00:42:02.01 ID:QQ93L/teO
(#゚;;-゚)「………」

(#゚;;-゚)「あ、そうだ」

(#゚;;-゚)「この子、名前何にしよう」

(#゚;;-゚)「………うーん……」



(* ∀"";)「しぃ……しぃ゛…」

(#゚;;-゚)「あれなのかな、この『しぃ』って、名前なのかな」

(#゚;;-゚)「うん、決めた」

―――――この子はしぃちゃん。今日から、私のペット。



第六話、終わり。
Posted at 2011/08/03 21:52:00 | コメント(0) | トラックバック(0) | ブーン系小説 | パソコン/インターネット
2011年08月01日 イイね!

( ^ω^)はあらゆるチート達と戦うようです 第5話

8 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/26(火) 20:52:37.44 ID:Vh67slpSO
( ^ω^)はあらゆるチート達と戦うようです

第五話。

『前回までのあらすじ』

最強能力決定戦と称し様々なチート能力者と戦うはめになったブーンは、安価内容をそのまま使える能力【気分次第《アンカーテイク》】を駆使して強敵を倒していった。
【大嘘憑き《オールフィクション》】の渡辺との戦闘でツン達と離散するが、その後なんとか渡辺を追い詰めて倒し、荒巻との出会いを果たした。

今回の敵は!?今回の安価は!?
今日は腹痛がひどいのだが、果たして作者はトイレに行かずに投下を遂行出来るのか!?

15 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/26(火) 20:54:22.12 ID:Vh67slpSO
一応、登場人物とその能力
( ^ω^)【気分次第《アンカーテイク》】(vip)
ξ゚⊿゚)ξ【拳王ラオウ】(北斗の拳)
・離散。

('A`)【一方通行《アクセラレータ》】(禁書)
/ ,' 3【都合のいい模写《コピーアンドペーストテイク》】
・共に行動中

( ´∀`)【百式観音】(HxH)
川 ゚ -゚)【火水木金土日月を操る程度の能力】(東方)
・????


16 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/26(火) 20:56:01.35 ID:Vh67slpSO
※ブーンの能力【気分次第《アンカーテイク》】について
指定アンカーにかかれていた能力をそのまま使える能力
「~能力」と、最後に能力とかかれていなければ再安価。
一人の敵につき、一回ずつ出来る。

今まで出てきた能力
『手から溢れんばかりのコーラを出す能力』
『座布団を一週間近く回し続けられる能力』
『髪の毛を急速に成長させる能力』
『超反射神経が身に付く能力』
『アンサートーカーを取得しそれを100%使いこなす能力 』


18 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/26(火) 20:57:52.15 ID:Vh67slpSO
――――某所

かすれた老人の、声がした。

/ ,' 3「ただいま」

('A`)「おお荒巻。どこ行ってたんだ?」

そこには、明らかにタメ口を利けるような歳ではない少年が鎮座していた。

/ ,' 3「ちょっとな。面白いもん見つけたからよ」

('A`)「面白いもん?」

/ ,' 3「主謀者《オリジナル》の子じゃよ」

('A`)「……へぇ」

20 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/26(火) 20:59:07.34 ID:Vh67slpSO
/ ,' 3「あの子は生き残りそうじゃったよ。なんというかこう、芯があるというか…」

('A`)「もういいよ荒巻。模倣者《フェイク》からしたらまったく面白くない話だって、わかるだろ」

/ ,' 3「そうかいそうかい。…あら?他のみんなは?」

('A`)「シューなら、また『おしごと。』だって言ってたぞ。でぃは…あいつは、散歩でもしてんじゃねーの」

/ ,' 3「まとまりがないのぅ」

('A`)「まとまってたまるかよ。だって俺ら」

――――みんながみんな最強の、チート達なんだぜ?


21 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/26(火) 21:01:39.19 ID:Vh67slpSO
――――路地裏

( ^ω^)「……さて」

どうするかな、と単純に思った。
ツンを探す事に変わりはないのだが、ツンが戻ってくる事を予想し、つー達がいた所へ行くべきか
それともツンが飛んだ方向へ歩くべきか。

どちらにしろ結構な距離だと思うのだが、まぁそれは気にしないとして。

( ^ω^)「………」

…まぁとりあえず、歩くか。

路地裏から抜ける際、足元に何か人間の女性のような物体があたった気がしたが
気のせいだろう。

もしホントに何かあったとしても、そんなもんは《なかったこと》にしとこう。

26 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/26(火) 21:04:43.47 ID:Vh67slpSO
無音の町をただただ歩くブーン。
路地裏を抜け、小さなビル街から外に出ると

いきなり飛び出してきたその光景に、素直に驚いた。

(;^ω^)「……お、おお…!?」


一面に広がったのは、豊かな植物が青々と繁る畑。
久しく見ない、自然を目の当たりにしたのだったのだ。

31 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/26(火) 21:08:21.08 ID:Vh67slpSO
( ^ω^)「おぉ……すっげ…」

吹き抜ける風すらが別のものに感じる。
とりあえず、畑を割るようにまっすぐ伸びる一本道をブーンは歩いた。

( ^ω^)「ほーぉ。緑の匂いってやつだお…あ、ナス植えてるお…」

この光景は、この前の躁鬱になるような事件に少し気分が優れないブーンにとっては最高の薬だった。
ほのぼのとした空気は、自然と心を癒してくれる。

そのまま少し歩けば、
小屋が、畑の中に見えた。

( ^ω^)「……お?」

さらに、何かが焦げた匂い。枯れ葉でも燃やしているのだろうか?
とにかく、誰かがいるようだった。

35 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/26(火) 21:13:05.33 ID:Vh67slpSO
麦かなにかの畑を越えると、小屋の付近がよく見えてきた。

ここからはまだ遠くで詳しくはわからないが
誰かがいる事が、確認できる。

( ^ω^)


lw´‐ _‐ノv

それは小学生高学年くらいの、少女だった。

lw´‐ _‐ノv「ぐーすかぴっちゃん……すかぴっちゃん…」


睡眠中。
麦わら帽子を被ったかわいらしい少女が、小屋の前にある木製の椅子に座って眠っているのがわかった。

39 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/26(火) 21:16:39.03 ID:Vh67slpSO
麦わら少女は当たり前だがこちらには気づいていない。
椅子の上で、小さく寝息を立てている

lw´‐ _‐ノv「すかぴー…すかー…れっと…置くだけ……」

( ^ω^)「……おお」

寝言に関しては全スルーで行くが、それにしても絵になる構図だった。素人のブーンから見てもそう言える。

少女を中心に、
この自然溢れる光景。
颯爽と広がる畑。
その背景に小屋。
その周りでせっせと農作業をする小人達。

まさに、調和。

( ^ω^)「こりゃあ目の保養になるお………」

( ^ω^)「………」

( ^ω^)


………え、小人?

46 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/26(火) 21:20:05.04 ID:Vh67slpSO
( ^ω^)

(;^ω^)「おおっ!?」

地面には大量の小人がせっせと働いていた。
正確には、人ではない。
全長は10センチか…20センチ?そこらへん。
赤、青、黄。色とりどりで、みな一様に頭に大きな葉っぱをつけている。

lw´‐ _‐ノv「すぴー…きんぐ…いんぐりっしゅなう……」

(;^ω^)「これが、この子の力かお……?」

しかし、こんなのが…チートと呼べるのだろうか。
まったく危険性を感じないのだが。

その小人達――――――いや、【ピクミン】には。

59 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/26(火) 21:24:12.82 ID:Vh67slpSO
【ピクミン】。植物のような謎の生物。
「オニヨン」という謎の機械から肥料を元に種が生まれ、その種が発芽する。
その発芽したものを引っこ抜くとピクミンが出来る。
抜かれたピクミンは主人公であるオリマーを主人と思い、まさに奴隷というような扱いを受けるも、ずっと主人についていく。
そんな存在なのだが…

(;^ω^)「……なんで、こんなところに…」

そいつらが、せっせと農作業しているのだ。
まったく持って謎である。


74 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/26(火) 21:32:43.08 ID:Vh67slpSO
それ以外にも謎がある。
確か公式設定では、ピクミンは1センチだったはず。
しかしここのピクミンどもは、前述の通りでかすぎる。

(;^ω^)「人間寸法に合わされてるのかお……?」

lw´‐ _‐ノv「んあ」

麦わら少女が目を覚ました。

( ^ω^)「あ」

( ^ω^)「こ、こんにちわ、だお」

lw´‐ _‐ノv「やべぇ、うたた寝して気持ちよく起きたら目の前にロリコンそうな推定高校生をはっけん。このまま声をかけたらもしかすると私の初体験はこの椅子の上になってしまうかもしれない。だが勇気を振り絞り、声をだそう。こんにちわ」


オープニングヒットを盛大に奪われた。

82 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/26(火) 21:36:35.19 ID:Vh67slpSO
orz ←ブーン。

lw´‐ _‐ノv「あ、やめてそれ。目にくる。その光景、目にくる」

( ^ω^)「まて、僕は今お前の視覚を刺激するほどの恥態を晒していたのか?」

麦わら少女は、どこか異質な雰囲気を持っていた。
つーかぶっちゃけ、変だった。

lw´‐ _‐ノv「私はシューだよ。よろしくね、ロリコン」

( ^ω^)「僕はブーン。なぁお前さ、学校で人を見かけで決めちゃいけないって習わなかったのか?」

しかもかなりの鬼畜らしい。
将来が楽しみだった。

91 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/26(火) 21:41:22.72 ID:Vh67slpSO

( ^ω^)「なぁ、シュー。一つ聞きたいんだが…」

lw´‐ _‐ノv「なぁに?ロリコン」

( ^ω^)「ここにいるピクミン、シューの能力かお?」

lw´‐ _‐ノv「そうだよロリコン。詳しく説明して欲しい?ねぇロリコン」

( ^ω^)「うん、お願いしたいけどちょっと待ってね。いま涙をこらえる作業に必死なんだ、僕」

lw´‐ _‐ノv「いいよロリコン。いくらロリコンだからってピクミンの事わかるロリコンがロリコンでもロリコンだとしたらロリコンだしロリコンだもんね?」

追い討ち上手だった。
はは、こいつめ。

102 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/26(火) 21:47:11.86 ID:Vh67slpSO
lw´‐ _‐ノv「私の力は、ピクミンを操る事だけど、それが主じゃない。」

――――【オニヨン】。ピクミンを生み出す力。
それが私の能力。

lw´‐ _‐ノv「簡単に言えば、この子達は私に食べ物を持ってくるのよん。その養分を摂取して、私はピクミンを生み出す」

( ^ω^)「生み出すって…どうやって?」

lw´‐ _‐ノv「得た養分を、手のひらに集めて……あ、これは私の感覚だから言ってもわかんないか。…とにかく、手のひらに光が集束して、それが『種』になる。後は撒いて抜いて、完成」

( ^ω^)「手に集束て、ファンタジーな」

lw´‐ _‐ノv「自然の摂理にしたがって肛門から出した方が良かった?」

( ^ω^)「見たいと言ったら?」

lw´‐ _‐ノv「見せてあげる」

( ^ω^)

lw´‐ _‐ノv

( ^ω^)「お前なかなかやるな」

lw´‐ _‐ノv「そちらこそ」

112 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/26(火) 21:52:58.19 ID:Vh67slpSO
lw´‐ _‐ノv「最初はちょっと養分を無理矢理ひねり出したり無理したけど、最近はもう完全に楽だよ。あとはギブアンドテイク。世の中うまく出来てるよね」

( ^ω^)「そうなのかお…」

ピクミン『ウー?』

一匹、ピクミンが足元によってきた。ブーンはかがみこんで、触れてみる事にした。
ギラつく赤いフォルムがかっこよく、そのつぶらな瞳がかわいい。

lw´‐ _‐ノv「かわいいでしょ?ちゃんと赤青黄、平均的にいっぱいいるんだよ」

( ^ω^)「うん、お前の方が」

lw´‐ _‐ノv「濡れた。抱けよ」

( ^ω^)「悪いが俺の股間のピクミンはそこらのとは違って凶暴だから遠慮するよ」

lw´‐ _‐ノv「……」

( ^ω^)「おい、そこで引くなよ。のってこいよ」

120 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/26(火) 21:58:36.00 ID:Vh67slpSO
( ^ω^)「でも、一つ疑問だお」

lw´‐ _‐ノv「ん」

( ^ω^)「なんでこんな大量に生み出す必要があるんだお?ピクミンってのは、絶対に裏切らない生物なんだし、別に意図的に【種】を作り続ける必要があるんだお?」

lw´‐ _‐ノv「あー、それ」

lw´‐ _‐ノv「答えなくちゃ駄目?」

( ^ω^)「ん?てっきり『別に意味はない』とか言うと思ったのに」

lw´‐ _‐ノv「……いや、まぁ。そりゃあ多くいるのに越した事はないでしょ」

( ^ω^)「そりゃそうだな」

lw´‐ _‐ノv「後はリーダーの命令にしたがってるだけですよん」

( ^ω^)「リーダー?」

lw´‐ _‐ノv「うん」

134 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/26(火) 22:04:59.17 ID:Vh67slpSO
lw´‐ _‐ノv「私達も必死なのにょん。選択者《アレンジ》とかいうやつになる為に。ブーンもそーでしょ?」

( ^ω^)「………」

アレンジ。どこかで聞いた。
そう。確か、ヒッキーの言葉に、あったような…

lw´‐ _‐ノv「?」

( ^ω^)「なぁシュー」

lw´‐ _‐ノv「なに?糞インポ短小包茎ド腐れ【ピー(自主規制)】野郎」

( ^ω^)「その、アレンジってなんなんだお。あと、オリジナルとか……」

lw´‐ _‐ノv「………」

ネタにのってこなかったからか、予想外のワードが出たからか。
シューは一瞬押し黙り、

lw´‐ _‐ノv「知らないの?」

今までの雰囲気を払拭するような声で、そう言った。
足元では、ピクミン達は変わらず作業をしている。

165 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/26(火) 22:11:23.51 ID:Vh67slpSO
( ^ω^)「僕は最近聞いた、つーか言われたんだお。お前は主謀者《オリジナル》だって」

lw´‐ _‐ノv「…ブーン」

( ^ω^)「ん?」

lw´‐ _‐ノv「あなた、主謀者《オリジナル》なの?」

( ^ω^)「まぁ、うん…」

lw´‐ _‐ノv「……どこから説明したものやら」

いきなり思い詰めたように、考え始めるシュー。麦わら帽子のせいで、その表情はよくわからない。

( ^ω^)「………」

そこでシューはようやく顔を上げた。そして真剣な顔をして、こう呟いた。

「――――オリジナルがあるからアレンジがある。フェイクがあるからアレンジもある」

(;^ω^)「へ?」

lw´‐ _‐ノv「ねぇ、ブーン」

184 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/26(火) 22:16:45.81 ID:Vh67slpSO
lw´‐ _‐ノv「あなた、うちのチームにこない?」

( ^ω^)「え?」

lw´‐ _‐ノv「あなたなら、ドクオさんも信用してくれると思う」

(;^ω^)「!? ちょ、ドクオ!!?」

lw´;‐ _‐ノv「え」

焦りを露に少女に掴みかかるブーン。
そのいきなりの行動に、シューも驚きの表情を見せる。

lw´‐ _‐ノv「ブーン、ドクオさんを知ってるの?」

(;^ω^)「ドクオって、あのドクオだお?身長低めの、幸薄そうな顔した高校生の!」

199 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/26(火) 22:21:50.57 ID:Vh67slpSO
lw´‐ _‐ノv「あなた、ドクオさんとどういう………」

(;^ω^)「僕は、あいつの親友だお!!大親友!!ずっとこっちに来てから探してたんだお!!ドクオ、無事なのかお!?早く合わせてくれお!!」

それは、やっと掴んだ糸口を必死に手繰りよせるように。
ようやく、ようやく会える。あいつは今何をしているのだろうか。
ずっと心配だった親友が、こんなに近くにいたとは、と思考が止まる事はなかった。

対して、シューはというと

lw´‐ _‐ノv

lw´‐ _‐ノv「ドクオさんの、友達?」

(;^ω^)「…そうだお。あいつの、一番の親友だお」


206 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/26(火) 22:24:52.01 ID:Vh67slpSO





lw´‐ _‐ノv「嘘つけよ。」


その瞬間、ブーンの視界は流転する。
その原因として、足元にいたピクミンが飛び出し、いきなり自分の顎にヒットしたのだと気付くまでには時間がかかった。

227 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/26(火) 22:30:18.08 ID:Vh67slpSO
(;゚ω゚)「ぐはっ………!!」

ピクミンの一撃が予想外に痛かったというのが衝撃的だったが、それよりも目の前の少女の事だ。

lw´‐ _‐ノv「あなたは嘘つきだ」

lw´‐ _‐ノv「だってあの、あのドクオさんに」

lw´‐ _‐ノv「友達なんて、いるわけないじゃん」

当たり前のように、そう言ったのだ。
それは一見失礼とも取れる言葉だが、違った。
それはまるで、何か異質なものを相手取っているように。
ドクオと言う存在を考える時に、このシューはブーンの知らない『何か』があったのだ。

lw´‐ _‐ノv「アンタも、またあの連中?勘弁してよ」

lw´‐ _‐ノv「何回追い返しゃ気が済むのって」

240 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/26(火) 22:34:58.83 ID:Vh67slpSO
lw´‐ _‐ノv「さ、いきなされ我が子たち。私達の畑を荒らす不届き者をこらしめちゃいなさい」

『ピクー!!』

(;^ω^)「おおおおおおおお!!?」

シューのその一声を合図に、その場にいたピクミンは一斉に襲いかかってきた。

(;゚ω゚)「がっ………!!」

突如、後頭部に鈍器か何かで叩かれたような衝撃が走る。

ピクミンに張り付かれ、その葉で攻撃をされている。
見た目に反して力は強い。当たり前かも知れない。

彼らは、その小柄な体にありながら自分の15~20倍の大きさの相手を手玉にとる戦闘力を持っているのだ。

254 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/26(火) 22:39:22.64 ID:Vh67slpSO
まず、勘違いしてはいけない。
ピクミンと聞いても、皆さんにその脅威性を伝えきる事は出来ないと思う。
実際、ブーン自身も考えが甘かったとここで反省する。「統率された大軍」が、まさかここまで怖いとは。

続いて、彼らは目的遂行の為に、「まったく躊躇がない」。
是が非でも主からの命令は遵守する。
人間には必ず生じる迷いがまったくないのだ。

その様は、まるで機械。いや、臨機応変に対応する知能などを含めれば機械よりよっぽど怖いのだ。

(; ω )「う゛っ!!」

そんなのが、100匹も200匹も集まってくる。
非常に、まずかった。

(; ω )(……やばい、お…意識が………)

3分とかからず、ブーンは戦闘不能に追いやられようとしていた。

274 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/26(火) 22:44:32.01 ID:Vh67slpSO
外側から見れば、ブーンの体は赤青黄でうめつくされた何かにしか見えない。
そのような袋叩きを受けて、ブーンが取った行動は

(;゚ω゚)「鬱陶しいおおおおおおおおお!!!」

自分から思いっきり、後ろに飛ぶ。
背面を強く地面に打ち付けるが、それにより背面のピクミンを全て潰す事が出来た。

lw´‐ _‐ノv「ぬ」

そして遥かに軽くなった体の前面についているピクミンを、ようやく叩き潰す。

しかし、ピクミンはまだまだいくらでもいた。

そう、こいつらの一番の怖さは繁殖力でもある。
半端でなく増殖効率が良すぎるのだ。ほぼ無限といってもいいくらいだ。
まだまだまだまだ、ピクミンは大量に沸き続ける。

287 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/26(火) 22:50:08.99 ID:Vh67slpSO
(;゚ω゚)「ちっ……!!」

雨のように降り注ぐピクミンの中、シューに向かって叫ぶ。

(;゚ω゚)「なぁシュー!!!」

lw´‐ _‐ノv「?」

(;゚ω゚)「言っとくけどなぁ!僕は本当は紳士なんだお!!めったな事じゃ、女の子には手を上げないんだお!!」

lw´‐ _‐ノv「……」

(;゚ω゚)「今回だって、使う気はなかった!!」

( ゚ω゚)「だけど!!お前を越えなきゃドクオに会えないってんなら!!」

(#゚ω゚)「少しだけ紳士な僕はお休みだおおおおおお!!!」

降り注ぐピクミンの中、ブーンはあの言葉を叫ぶ。

「【気分次第《アンカーテイク》】!!」

311 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/26(火) 22:53:18.91 ID:Vh67slpSO
(;^ω^)「どーもみなさん!毎度おなじみ安価の時間だお!!」

(;^ω^)「その前に言っとく事がある!!多分、見た目的なインパクトは今までで一番ひくいだろうけど」

(;^ω^)「僕、今までで一番死にそう!!」

(;^ω^)「だからこんな状況を打破する、あなたの厨二妄想をお願いしますお!!指定アンカーは………」

>>320!!

 

320 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/26(火) 22:53:39.24 ID:6SoDohIS0 ?2BP(111)
手の平からピクミンを無限に出現させる能力

 

373 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/26(火) 22:55:16.01 ID:Vh67slpSO
『能力が決定しました。』

>>320 手の平からピクミンを無限に出現させる能力


(;^ω^)「よっしゃ!!全面戦争だおおおおおおおおお!!!!」

397 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/26(火) 22:58:01.43 ID:Vh67slpSO
lw´‐ _‐ノv「………!!!」

シューは顔にこそ出さないが、驚いてはいた。完全に、ピクミン達が囲んだはずだった。

しかし

( ^ω^)「ふぃー…!!あぶね……」

彼の手から、自分と同じ、ピクミンが大量に溢れてきたのだ。


戦場は、小さな戦いの嵐となった。

414 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/26(火) 23:02:22.10 ID:Vh67slpSO

( ^ω^)「………」

足元では、ピクミン達が相殺し合っている。
しかしその間も、ブーンの手からはピクミンが生み出され続ける。


( ^ω^)「……勝ったお、シュー」

lw´‐ _‐ノv「………」

( ^ω^)「有限と、無限。僕らの力には完全な上下関係があるお。」

lw´‐ _‐ノv「……」

シューは、何も言わない。

( ^ω^)「…口を開かないなら」

(#^ω^)「力づくだお!!!」

ブーンは、両手から生み出され続けるピクミンを一斉に投げつけた。

433 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/26(火) 23:07:25.22 ID:Vh67slpSO
形勢逆転、その言葉が浮かんだブーンだったが

突如として、ブーンの足元から新たなピクミンが大量に飛び出してきた。

(;^ω^)「なっ…」

とっさにこちらもピクミンをガードに押しやる。
しかし、今シューに向かい投げてしまったところであり、ガードするには明らかに数が足りない。

シューのピクミン達は、足を押しやり、ブーンのバランスを崩す。

(;゚ω゚)「やば……」

また、当然のように転がされる。
そして頭上から

数多の敵ピクミンが、降ってきた。

441 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/26(火) 23:13:14.71 ID:Vh67slpSO
(; ω )「ぐああああああああああ!!!」

自身のピクミンを操り防御するブーンだが、それは瞬く間に潰されていく。

大量に降ってきたのは、紫ピクミン。
推定体重、2kgはあるだろうか。

そんなものが頭上から際限なく降り注ぐ。
防御する手だてはなかった。


lw´‐ _‐ノv「アンタ、なにいってんの?」

lw´‐ _‐ノv「ここ、私の畑だよ?」

lw´‐ _‐ノv「あなたは一つ間違えてる。確かに、有限と無限の差は埋められないけど」

lw´‐ _‐ノv「私はこういう時の為にピクミンを溜めに溜め続けていた」

lw´‐ _‐ノv「たぶん、あなたの今のピクミンを生み出すスピードじゃ、1時間は放出されても数は負けてないと思うよ」

(; ω )「………」

461 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/26(火) 23:19:11.72 ID:Vh67slpSO
lw´‐ _‐ノv「この戦いはそもそも、ピクミンの数勝負じゃない」

シューは、やっと椅子から立ち上がり、こちらに向かってくる。

lw´‐ _‐ノv「『どれだけピクミンを使いこなすか』。それだけ」

(; ω )「……!!」

ブーンの視界の半分が、赤いカーテンに覆われる。
頭から血が流れて、目に入ってしまっているのだ。

lw´‐ _‐ノv「あとこれはあなたも知ってると思うけど」

lw´‐ _‐ノv「この紫ピクミン、重いから。例えば」

lw´‐ _‐ノv「倒れ込んでるあなたに全力で叩きつければ、私の力でも致命傷になると思うよ」

(; ω )「な……!!」

lw´‐ _‐ノv「とどめくらい自分の手でさしてあげるよ、紳士さん」

シューは紫ピクミンを片手に笑いながら、こちらへゆっくりと歩いてきた。

476 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/26(火) 23:22:53.52 ID:Vh67slpSO




lw´‐ _‐ノv「ばいばい、紳士さ――――」


――――そこでシューの声は止まる。

無理もない。

シューの目の前は、いきなり暗くなったのだから。

495 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/26(火) 23:28:21.22 ID:Vh67slpSO

lw´;‐ _‐ノv「え!?」

シューは困惑したが、自分が何をされたかという事にはすぐに気がつけた。

lw´;‐ _‐ノv「くっ…やば…!」



lw´;‐ _‐ノv「落とし穴!!!」


簡単な事だった。シューは、ブーンのピクミンによって作られた落とし穴にはまっただけの事。それだけだった。

( ^ω^)「『どれだけピクミンをうまく使いこなすか』(キリッ)」

( ^ω^)「だっておwwww出し抜こうなんざ100年早いわwwww」

lw´;‐ _‐ノv「く―――――!!」

シューが這い上がろうとしたその時にはもう遅い。
ブーンのピクミンは、既にシューの回りの土を踏み固める作業に入っていた。

518 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/26(火) 23:32:29.55 ID:Vh67slpSO
( ^ω^)「お前の紫ピクミンに潰されかけてた時には既に、僕は左手をずっと地面につけて、ピクミンを地中に向けて大量に送ってたんだお。おかげで死ぬかと思ったけどね」

lw´;‐ _‐ノv「ぐっ――――!!」

動けない。もがいてどうこうなるレベルじゃなかった。
自分のピクミンがなんとか自分を掘り起こそうと頑張るが、戦闘と作業を両立は出来ない。
後ろからブーンのピクミンに襲撃され、死んでいく。

( ^ω^)「形勢逆転、だお」

531 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/26(火) 23:37:39.90 ID:Vh67slpSO
( ^ω^)「さて、と。どうしてくれようか」

lw´;‐ _‐ノv「……」

今のシューはほぼ生き埋めに近かった。かろうじて顔だけが地上と面している状態である。

( ^ω^)「とりあえず、僕は君を乗り越えてもドクオに会いにいくお」

( ^ω^)「おとなしくするならこれ以上はしない。だから、居場所を言ってくれお」

( ^ω^)「それだけ」


(;゚ω゚)「で……っ…!!!」



いきなりブーンの視界が、ぐらつく。


背後を見た。シューのピクミンが、ピクミンを投げている。
自分の後頭部に、既に何匹か張り付いている。

554 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/26(火) 23:41:47.30 ID:Vh67slpSO
lw´#‐ _‐ノv「誰が負けるかハゲがぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

シューが激昂する。そして、シューの体が掘り起こされ始める。

(;゚ω゚)「うっ……!!」

自分に張り付くピクミンを払い、シューがやった事を理解した。

自分と、ほぼ同じだ。

地中で手からピクミンを生み出し、地面を掘り進んで背後に回らせる。

そして中から掘り起こす。

これを埋められた咄嗟に思いついたのだから、シューの力量が伺えるというものだ。

568 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/26(火) 23:46:53.21 ID:Vh67slpSO
lw´#‐ _‐ノv「ぬぅぅぅぅぅぅぅああああああ!!!」

ピクミンがシューの体を着々と掘り起こす。

lw´#‐ _‐ノv「よし!もういい!半分はブーンに行け!!」

『ピクー!!!』

ようやく土に汚れた肩が見え始め作業が楽になったので半分をブーンへの反撃に移す。

(;^ω^)「おおおおお!!!」

それを手から生み出し相殺させる。
しかし、その間にもシューは片腕が地面から抜けていたのだった。

lw´#‐ _‐ノv「よっしゃ!覚悟しろブー……」

lw´;‐ _‐ノv「!?」

そこで異変に気付く。

地上に、上がれない。

まるで足に、何かがしがみついているかのように。

584 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/26(火) 23:50:16.40 ID:Vh67slpSO
lw´;‐ _‐ノv「くっそ……!!」

考える事は一緒のようだ。ピクミンを地下に潜らせ、自分を引き留めている。


(;^ω^)「うらあああああ!!負けるかよハゲ!!!」

lw´#‐ _‐ノv「はげてねーよハゲ!!」

(#^ω^)「うっせハゲ!!ばーか!!」

ピクミンはせわしなく動き、互いの動きを妨げ続けた。

591 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/26(火) 23:53:07.48 ID:Vh67slpSO
lw´;‐ _‐ノv「負けるかよ!!ピクミンの扱いにて、私の右に出るやつなんかいないんだ!!」

(;^ω^)「僕に拮抗してんじゃねーかお!!」

互いが互いを蝕み続ける、千日手。
しかし、シューの叫びがそれを大きく変える事になる。



lw´#‐ _‐ノv「お前に!!わかるのかよ!!」

(;^ω^)「何がだお!!」

607 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/26(火) 23:57:36.43 ID:Vh67slpSO
lw´#‐ _‐ノv「ピクミンは私の友達だ!!お前にはわからないよ絶対!!」

lw´#‐ _‐ノv「自分に文句を言わずついてくるピクミンが、どれだけ感動的だったか!!」

lw´#‐ _‐ノv「リアルに友達がいないから!!飽きる事なくピクミン1、2をやって!!」

lw´#‐ _‐ノv「もしリアルにピクミンがいた時の事を真剣に一晩中考えたり!!」

lw´#‐ _‐ノv「相手がいないバトルモードを、自分でコントローラー2つ使って遊んだり!!」

lw´#‐ _‐ノv「最終的に気づいたら地面にうめられてないかなぁとか考えてた私の気持ちが」

lw´#‐ _‐ノv「お前にわかるもんかよォォォォォォォォ!!!」

(;^ω^)

626 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/27(水) 00:01:17.55 ID:g/hXxgbLO


(;^ω^)「………」

lw´#‐ _‐ノv「はぁーっ!はぁーっ!……」

互いのピクミンの動きが、止まった。
その静寂の中に、ブーンが言葉を紡いだ。













――――――「僕も、同じだお。」





644 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/27(水) 00:05:56.32 ID:g/hXxgbLO

( ^ω^)「ドクオ!遊びにいくお!」

('A`)「あ、ごめん。今日なんか用事あった気がするから嫌だ」

( ^ω^)「ツン!遊びにいくお!」

ξ゚⊿゚)ξ「あんたがそう言った時はめろんぶっくすにしかいかないんだから私を呼ばないで。もうそろそろ殺しちゃうかもしれないから」

( ^ω^)

――――――

( ^ω^)「みんな!探検いくお!」

『ピクー!』

みんな、ついてきてくれた。
はじめて、一人でもゲームが楽しかった。

655 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/27(水) 00:09:31.76 ID:g/hXxgbLO

一人でも、楽しかった、けど。
それはなんか、違った。

ピクミンは誰一人、自分の意見を言ってくれなかった。

友達でも、なんでもなかった。

友達100人出来るかな、なんて。
100匹のピクミンを連れて、できたおー!!なんて叫んで

涙が出た事もあった。

664 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/27(水) 00:12:27.12 ID:g/hXxgbLO

でも、それでも。

('A`)「なぁ、ブーン。遊びに行くか?」

ξ゚⊿゚)ξ「あ、私も暇だし、行ってあげない事もないわよ?」


――――――

自分をわかってくれる人はいた。

なぁ、シュー。

君もそのはずなんだ。

その余ったからって足で無理矢理操作してる2コンを

握ってくれる人が、いるはずなんだ。

680 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/27(水) 00:16:26.79 ID:g/hXxgbLO

それでももし、裏切られて

打ちのめされた時は。


その時は。


( ^ω^)「その時は、僕が2コンを握ってあげるお」


lw´; _;ノv「あああああああああああああああああ!!!!」

掘り起こされたシューは、ブーンに抱きついて行った。
ピクミンは、もうそれ以上動かなかった。

lw´; _;ノv「寂しかった…寂しかったよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」


麦わら少女は、その畑全てに響くような声で、泣いた。

688 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/27(水) 00:17:53.02 ID:g/hXxgbLO


――――――かけがえのない友を一人手に入れて

この戦いは、幕を閉じた。――――――

705 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/27(水) 00:21:12.45 ID:g/hXxgbLO
――――――大通り


ドクオの仲間と呼ぶ存在に、でぃという女の子がいる。
彼女は散歩が大好きで、今もその最中だ。

(#゚;;-゚)「はぁ……」

でぃは一人ため息をついた。自分の力について、である。

(#゚;;-゚)「なんでこんな変な能力なんだろうなぁ…」

与えられたのは、お世辞にも強いとは言えない能力だった。いや、便利ではあるのだが、こんなバケモノだらけの世界じゃ利便性など見劣りするだけ、そう思っていたところだった。

(#゚;;-゚)「ん?」


曲がり角を曲がった先は、惨劇だった。

714 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/27(水) 00:24:12.11 ID:g/hXxgbLO
ビルの並びが、軒並み粉々になっている。

瓦礫が散乱し、その姿はまさに大災害後と呼ぶにふさわしかった

(#゚;;-゚)「うわぁ、誰がこんな―――」


すると、意外な事にその犯人と思われる人物はすぐ見つかった。


その破壊活動を、現在進行形で続ける女の子がいたのだ。

しかし、これがまたひどい。
誰かから精神系の攻撃でもうけたのだろうか?


完全に、発狂している。
おそらくその目には何も写っていないだろう。

724 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/27(水) 00:26:33.51 ID:g/hXxgbLO
ただただ、暴れる。

その純粋な暴力は、その場の瓦礫達をさらなる瓦礫に変える。


(#゚;;-゚)「あららぁ」

(#゚;;-゚)「どうしよ、この子」

んー、と考えてから、でぃは結論する。



(#゚;;-゚)(まぁこの際だし、連れて帰ろうか。私の能力、【幻視】……別に視界ジャックだけで十分と思ってたけど、『こっち』を使える機会が来るとはね)

(#゚;;-゚)「この『感応視』ってやつを」



清算される時が、近かった。


第五話、終わり
Posted at 2011/08/01 20:54:05 | コメント(0) | トラックバック(0) | ブーン系小説 | パソコン/インターネット
2011年07月31日 イイね!

( ^ω^)はあらゆるチート達と戦うようです 第4話

11 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/25(月) 21:05:00.80 ID:51cP0YmvO
( ^ω^)はあらゆるチート達と戦うようです

第四話。

『前回までのあらすじ』

最強能力決定戦と称し様々なチート能力者と戦うはめになったブーンは、安価内容をそのまま使える能力【気分次第《アンカーテイク》】を駆使して強敵を倒していき、
たまたま出会ったつーとしぃ、そして仲間のツンすら敵に回すような無茶をやってフルボッコにされたりしていた。

今回の敵は?今回の安価は?
誤字が多いが、今回は誤字なく終われるのだろうか?

13 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/25(月) 21:06:58.20 ID:51cP0YmvO
一応、登場人物と能力
( ^ω^)【気分次第《アンカーテイク》】(vip)
ξ゚⊿゚)ξ【拳王ラオウ】(北斗の拳)
(*゚∀゚)【鬼《オーガ》】(バキ)
(*゚ー゚)【男塾塾長】(男塾)
・共に行動中

('A`)【一方通行《アクセラレータ》】(禁書)
/ ,' 3【???】
・共に行動中

( ´∀`)【百式観音】(HxH)
川 ゚ -゚)【火水木金土日月を操る程度の能力】(東方)
从'ー'从【大嘘憑き《オールフィクション》】(めだかボックス)
・????



14 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/25(月) 21:08:27.52 ID:51cP0YmvO
※ブーンの能力【気分次第《アンカーテイク》】について

指定アンカーにかかれていた能力をそのまま使える能力
「~能力」と、最後に「能力」とかかれていなければ再安価。

一人の敵につき、一回ずつ出来る。

今まで出てきた能力
『手から溢れんばかりのコーラを出す能力』
『座布団を一週間近く回し続けられる能力』
『髪の毛を急速に成長させる能力』
『超反射神経が身に付く能力』


15 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/25(月) 21:12:35.65 ID:51cP0YmvO
――――路地裏


さて。
いきなりで悪いが、現実には相手の都合の良い悪いで攻撃を仕掛けてくる敵なんかいない。
(それは、わかってるお…)

漫画じゃあありえないが、死ぬ人間は例えば友人との会話中でも死ぬ。それが現実だ。

死ぬ時は死ぬ。死はいきなりやってきて、死ぬ。誰でもいつかは死ぬ。死にたくないやつもいるだろうが、そうは問屋が下ろさないわけで死ぬ。問屋も死ぬ。みんな死ぬ。

(…わかってるお。でも、でも!)

結局の所、世界はそんなに優しさ満点で出来てはいない。綺麗なものは簡単に壊れ、優しいものは簡単に駆逐される。

( ;ω;)「わかってるって言ってんだお!!!」

頭に浮かぶもの全てを取っ払うように、ブーンは一人で叫んだ。路地裏の壁にへたりこみ、息をあらげている。


16 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/25(月) 21:14:57.04 ID:51cP0YmvO
( ;ω;)「くそっ…くそぉ……!!」
ツンは無事だろうか。つーは、どうなったのか。
確かめる術は、今はない。焦った所でどうにもならないのは自分がよくわかってるが、それでも体は強張るばかりだ。



本当なら、物語の冒頭としてこんなのは語られるべきではない…いやそもそもこんなの起こるべきじゃないのに。
なのに。

( ;ω;)「なんで…なんでこんな事に…」






………しぃが、殺された。

23 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/25(月) 21:18:38.87 ID:51cP0YmvO
「『あはは』」

「『ギャグチックな幕の引き方なら、』」

「『次は陰惨な始まり方にはならないと思った?』」

「『私がおっとりした顔立ちだから』」

「『優しくすれば話が通じると思った?』」

「『仲間になったやつと助け合える展開、来ると思った?』」

「『あはは』」

从'ー'从「『甘ぇよ。』」


その悪魔の名は、「渡辺」。

持ちうる能力は………
――――――全てを台無しにする過負荷《マイナス》、【大嘘憑き《オールフィクション》】。

27 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/25(月) 21:20:59.93 ID:51cP0YmvO
話は、あの最強女3人と戦闘が終了した時まで遡る。

人類最強の3人からしこたま殴られた(とは言っても手加減はして死なない程度に、かつ痛みは感じるように)僕は、3人と共に大通りを歩いていた。

ξ゚⊿゚)ξ「こう言っちゃなんだけど、意外と楽しかったわね」

(*゚∀゚)「そだな。姉妹喧嘩も飽きていた頃だったからな」

(*゚ー゚)「そだねー」

ξ゚⊿゚)ξ「アンタもそう思うでしょ?ゴミクズ」

( ^ω^)「その通りですね。御三方は釣り合う敵がいなかった故、こう言った会合は素晴らしく有意義です」

最強の3人によってアスファルトの地面を文字通りスクランブルされたスクランブル交差点を抜けようとしていた時だった。


28 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/25(月) 21:24:25.79 ID:51cP0YmvO
それは予兆も何もなく、いきなり現れた。

本当に、何もなかった。


躊躇もなく、遠慮もなく、情緒もなく。


ぱっと現れ、絶望だけを振り撒いていった。


「『あ、あのう、すいません……』」

( ^ω^)「ん?」

32 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/25(月) 21:27:25.47 ID:51cP0YmvO
从'ー'从「『あ、あの、私、渡辺って言います~』」

振り替えれば、そこに少女がいた。能力者なのだろうが…どうも警戒心を抱けない、変な少女だった。


(*゚∀゚)「…ふん?どした?」

从'ー'从「『ちょっと私、コンタクトレンズをここらへんで落としちゃって探してるんですけど~……』」

(*゚ー゚)「………」

しかしよく見れば、不思議な印象を受ける子だった。恐らく、自分以外のみんなそう思っているに違いないとしぃは思った。

こう言っては失礼なのだけれど、この子の発言は風船のように、中身がなくふわふわ浮かんでいるような。
――――何から何まで、嘘に聞こえてしまうような、そんな感じ。

34 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/25(月) 21:29:36.97 ID:51cP0YmvO
ξ;゚⊿゚)ξ「あー、コンタクト?コンタクト…ねぇ。私達あんだけ暴れまわった後だし、ここら辺なら潰れてしまった可能性の方が高いわね…」

从'ー'从「『え、そうなんですか?』」

ξ゚⊿゚)ξ「うーん…ごめんなさいね」


从'ー'从「『つまり今からあなた達を惨殺しても問題ないんですね?』」

( ^ω^)

(*゚∀゚)

ξ゚⊿゚)ξ

(*゚ー゚)

( ^ω^)「え」

突如、人間の手には明らかに余るほどの巨大なネジが、4人に向けられて大量に飛来した。

45 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/25(月) 21:35:19.49 ID:51cP0YmvO
ネジのその数、およそ10から15。4人に綺麗に分散され、発射された。

(;^ω^)「うわっ―――」

ブーンは、悲鳴をあげた。

ξ;゚⊿゚)ξ「―――!!」

ツンはとっさに、ネジを殴り飛ばした。

(*゚∀゚)「!」

つーは対応が早く、蹴りで全て撃ち落とす

(;*゚ー゚)「」

しぃは全てを吹き飛ばし、あまつさえブーンの方に飛来するネジすらも叩き落とした。

从'ー'从「『あらら』」

52 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/25(月) 21:41:27.93 ID:51cP0YmvO
从'ー'从「『へぇ~凄い。やばい。やばいね』」

从'ー'从「『本当にやばいもう無理だ私死んじゃう遺書書いときゃ良かtt』」

(*゚∀゚)「うらぁ!!」

一番最初に動いたのはつーだった。この対応の速さから見るに、彼女最初っから渡辺を信じていなかったのだろう。
右足が綺麗な曲線を描き、渡辺の顔面にぶち当たる。

吹っ飛ぶのかと思いきや、意外と飛距離はなかった。しかしその分、力は渡辺の頭に収束されたのだろうか。

ドパッ、という聞いた事のない音が鳴り、渡辺の左顔面が爆破されたように崩壊した。


60 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/25(月) 21:47:12.61 ID:51cP0YmvO
ずしり、と重い音を立て沈む渡辺の体。何も物怖じしないつーが羨ましいと、ブーンもこの時ばかりは思った。

(;*゚∀゚)「……ふぅ。なんかこいつ、変だなと思ったら…」

ようやく頭が回転してくるが、すればするほど目の前の異常に困惑する。

(*゚ー゚)「私も思った」

ξ゚⊿゚)ξ「私も」

从'ー'从「『私も』」

(;^ω^)「僕もちょっと思ったお…でも、いきなりこんなn」

(;^ω^)「は!!?」


倒れたはずの渡辺は自分達の真ん中にいた。
余韻に浸る時間すら、くれなかった。

68 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/25(月) 21:52:54.66 ID:51cP0YmvO
从'ー'从「『でも一思いに殺してくれてありがとう』」

从'ー'从「『おかげで痛み無く死んで、生き返れたよ』」

从'ー'从「『そうだ、こんな戦い今すぐやめてみんなでファミレスでも行かない?私すごいドリンクバーの調合法知ってるんだけど…』」


ゾワリ、と。
得体の知れない何かに首筋をなぞられたかのように、4人は渡辺から急速に距離を置いた。

ξ;゚⊿゚)ξ「な、なんで……!」

寒気しかしないこの渡辺という存在に、ツンは混乱してしまう。それはつーとしぃも同じだった。

(;^ω^)「みんな、逃げるお!!」

その中、ネジの一つにすら対処出来なかったブーンが一番冷静な対処を下す。

(;^ω^)「こいつには勝てない!こいつ、間違いなく」

(;^ω^)「【大嘘憑き《オールフィクション》】だお!!」

80 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/25(月) 22:00:47.54 ID:51cP0YmvO
【大嘘憑き《オールフィクション》】と聞いて、反応出来る人は少ないのではないか。
最近になって明らかになった能力なので知名度は低いが、その能力は洒落にならないものだ。

『現実《すべて》を虚構《なかったこと》にする能力』。

この能力にかかれば全てのものは「なかったこと」にされ、それは自身の死ですらがなかったことになる。

どうしようもなく、全てを台無しにする力。


そんな禍々しいものを持つのが、この渡辺。まともな人間でないのは実証済みである。

(;^ω^)「今すぐ、逃げるんだお!!」

ξ;゚⊿゚)ξ「ッ!!」

最初に動いたのはツンだった。こういう時の対応の速さは、頼りになる部分だ。

(;*゚∀゚)「おっけい!!」

つーもコンマ何秒か遅れて、踵を返し走る。

(*゚ー゚)「わかっ―――」

しぃも、それは例外じゃなかった。
1秒あるかないか。
そんな時間が、全てを分けた。

91 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/25(月) 22:04:12.03 ID:51cP0YmvO
从'ー'从「『やだーみんななんで逃げるのナベちゃん泣いちゃーう』」

从'ー'从「『ナベちゃん、あなた達とお近づきになりたいだけなのよ?』」

从'ー'从「『だから』」

从'ー'从「『《あなた達との距離をなかった事》にして、文字通りお近づきになろうっと』」


ぐわ、と何かの気配がして

(;*゚ー゚)

しぃの背後に、渡辺はいた。

106 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/25(月) 22:11:11.57 ID:51cP0YmvO
(;*゚∀゚)「らあぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

そこに振り向きざま、一閃。

つーはしぃを越え、ありったけの力を込めた握り拳を作り、渡辺の顔をぶん殴る。

从'ー'从「『オアマーーーーーー!!!』」

わざとらしい声を出しながら、遥か後方に吹き飛ぶ。

(;*゚∀゚)「みんな!!バラけて逃げろ!!」

ξ;゚⊿゚)ξ「え!?」

(;*゚∀゚)「今の見ただろ!?まとめて逃げたら、全員やられる!!」

(;^ω^)「…確かに、正論だけど……!!」

………そんな事したら、つーは?

126 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/25(月) 22:16:55.41 ID:51cP0YmvO
(;*゚ー゚)「お姉ちゃん!!どうする気なの!?」

(;*゚∀゚)「俺がこいつを引き留めとく!!だから!逃げろ!」

(;^ω^)「……!!」

从'ー'从「『……』」

渡辺は、もう立っている。今の攻撃のダメージも既に、《なかったこと》にされたのだ。

ξ;゚⊿゚)ξ「冗談じゃないわ!アンタ死ぬ気!?そんなのかっこよくもなんともい!!」

(;*゚ー゚)「そうよお姉ちゃん!!一緒に逃げy」

从'ー'从「『いや、それはちょっとやだな。私、この子とデートしたいから』」

次の瞬間には、渡辺はしぃの前にいた。

从'ー'从「『さてと、あなたいまお姉ちゃんって言ったね。妹を守る姉。萌えるね』」

(;*゚ー゚)「あ――――」

133 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/25(月) 22:19:45.11 ID:51cP0YmvO




从'ー'从「『だから、ちょっと壊させてね』」


(;* ー )「う、うわああああああああああああ゛あ゛ぁ!!!!」



渡辺が何かしたかと思えば、しぃは地に伏せていた。

160 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/25(月) 22:25:35.67 ID:51cP0YmvO
(;^ω^)

ξ;゚⊿゚)ξ

声も、出なかった。唯一声が出たのは、つーだ。

(;*゚∀゚)「おいてめぇ!!何をし――――」

从'ー'从「『大袈裟だよぉ。ちょっとこの妹ちゃんが可愛かったから』」

从'ー'从「『この子の《五感全てを、なかった事にした》だけだよ?』」

ブーンその時の渡辺の表情を、忘れ去る事は出来ないだろうなと思った。
それは僕らが朝ごはんにパンを食べる時のように。
自販機でコーヒーを買う時のように。
学校で友達と会話する時のように。
そんな平然とした顔だったからこそ、異常に強く焼き付いてしまった。

(;*゚∀゚)「なっ……!!」

(;*゚∀゚)「戻せ!!今すぐに!!」

从'ー'从「『やだなぁ』」

从'ー'从「『《なかったことをなかったことにする》なんて出来るわけないじゃない』」

178 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/25(月) 22:30:49.43 ID:51cP0YmvO
从'ー'从「『私は万能じゃないよ?ただのか弱いモテカワスリムの愛されガールだもん』」

从'ー'从「『私の能力は言わばリセットボタンなの。リセットボタンを2回押したからって、リセットした事自体をリセット出来る?』」

(;゚ω゚)「……!!」

それ、なのに。
平然とやってのけたというのか。こいつは。

(;* ー )「わあああああああああ!!!!!わあああああああああ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ!!!!」


しぃの絶叫は続く。
彼女はいま五感を全て失い、何が何か分からず発狂寸前なのだろう。

それでも声をやめないのは、全てを失った彼女なりの、最後の抵抗なのかも知れない。

191 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/25(月) 22:35:35.47 ID:51cP0YmvO
しぃの絶叫に重なるように、つーも叫ぶ。

(;*゚∀゚)「お前ぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!なんて事をしてくれやがんだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

从'ー'从「『あ、いい顔だ。その顔いい。写メとりたいね』」

(;*゚∀゚)「ふざけんな!なんで、なんでこんな事を!!」

从'ー'从「『え、理由?………んーとねぇ……』」

从'ー'从「『ごめん、ちょっと待って。後で考えてツイッターで呟いとくから』」

(*゚∀゚)

ぶち、と。
何か不吉な音がした。

(;^ω^)

ξ;゚⊿゚)ξ

(#*゚∀゚)「てめぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」

209 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/25(月) 22:41:22.11 ID:51cP0YmvO
(#*゚∀゚)「殺す!!!!殺す!!!殺す!!!コロォォォォォォォォス!!!」

つーは、走る。渡辺に向かって。
最愛の妹から大事なものを平気で奪ったその女に向かって。

だが。

从'ー'从「『え、私殺されるの?なにそれこわい』」

从'ー'从「『じゃあ殺される前に』」




从'ー'从「『妹ちゃんだけでも殺さないとね』」


今までで一番大きなネジが、足元でまだ絶叫を続けるしぃの脳天に向かって。

从'ー'从「『あは♪れっつふらんけーん』」

垂直に、ささった。

(#* ∀ )

226 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/25(月) 22:46:36.75 ID:51cP0YmvO

しぃの絶叫が、最後の抵抗が、止まった。

「しぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!」

つーが、叫ぶ。空気が張り裂けるほどに。大地が揺れるほどに。

从'ー'从「『あ、ごめんね。そうなるよね。妹が目の前でネジに脳姦されたら、そりゃそうなるよね。じゃあ』」

从'ー'从「『この子が死んだこともなかったことにして、もっときつくない死に方を見せた方がいいかな?』」

(* ∀ )

(;゚ω゚)

ξ;゚⊿゚)ξ

皆、同じ事を考えたはずだ。

――――こいつの、あたまは、おわっている。

246 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/25(月) 22:50:39.97 ID:51cP0YmvO
しぃは、死んだ。

(* ∀ )「あああああああああああああ!!!!あははは!!!!あはははははははは!!!」

つーは、壊れた。

ξ;゚⊿゚)ξ

(;゚ω゚)

二人は、動けなかった。

从'ー'从「『あ、メールきた……なんだよメルマガかよ死ね』」

渡辺だけが、平然としていた。

(;* ∀ )「ああああああああ!!!」

渡辺の声に反応したかのように、つーだけは動いた。

その無敗を誇った握り拳に力を込めて、


ありったけの力でぶん殴った。





………ツンとブーンを。

262 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/25(月) 22:57:56.47 ID:51cP0YmvO
(;^ω^)「は?」

ξ;゚⊿゚)ξ「え、つー……!」

それは自暴自棄になった故の拳ではなかった。
そこで二人はつーの意図がわかった。

この拳はあまり痛くなかった。しかし、あまりの威力に、野球ボールを宙になげたように吹き飛ばされた。
この矛盾がうめるのは範馬勇次郎ならではで、この矛盾が意味するのは

二人を、逃がしたのだ。


(;* ∀ )「逃げろ!!ブーン!!ツン!!」

(;* ∀ )「走って逃げろ!どこまでも逃げろ!!ありったけの力で精一杯逃げろ!!」

(;* ∀ )「俺はもう無理だ!!あは、心がどうにかなっちまいそうだ!!だから!!もう無理だから!!」

(;* ∀ )「せめてお前らは逃げろぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!短い間だったが!!!楽しかったぞぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」




こうしてツンとブーンは、別々の方向へ飛ばされる。

それからの事は、二人にはわからない。

277 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/25(月) 23:01:24.53 ID:51cP0YmvO


(; ω )「以上、僕のながーい回想、終了だお……」

ブーンは路地裏にへたりこんだまま、独り言を呟いた。




いや、それは独り言と言うのもおかしい話かも知れない。





从'ー'从「『え?なんて?』」


話し相手が、そこにいるのだから。

295 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/25(月) 23:05:15.19 ID:51cP0YmvO

まったくこの渡辺というのは、わかっていない。

間というものを。

回想が終わり、
逃げろと言われ少し逃げたが、
やはり主人公の熱い心がそれを許さず引き返し、
敵を倒して仲間を助けてハッピーエンド。

そうじゃないと、割りにあわない。


( ゚ω゚)「割にあわねぇんだおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」


( ゚ω゚)「【気分次第《アンカーテイク》】ゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!!!」


302 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/25(月) 23:07:20.10 ID:51cP0YmvO

( ^ω^)「さてさて今回は最初っから最後まで絶望的」

( ^ω^)「たぶん、未来も絶望的」

( ^ω^)「でも僕は信じてるお」

( ^ω^)「………ははは」

(  ω )「この外道を倒す力を、僕にくれお。指定アンカーは………」



――――――>>320

 

320 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/25(月) 23:08:14.74 ID:H5FQmJDy0
アンサートーカーを取得しそれを100%使いこなす能力
 

370 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/25(月) 23:09:56.84 ID:51cP0YmvO
『能力が、決定しました。』

>>320
アンサートーカーを取得しそれを100%使いこなす能力

(  ω )「ありがとう。じゃあ」

――――――行ってくるお

404 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/25(月) 23:13:41.91 ID:51cP0YmvO

从'ー'从「『………ん?』」

( ゚ω゚)「………」

――――雰囲気が、変わった?

从'ー'从「『どうしたの?いきなり顔しかめちゃって。腹痛?』」

从'ー'从「『ブーン君、だっけ。心配ならしなくていいよ。あのツンちゃんって子なら、ちゃーんと殺しt』」

( ゚ω゚)「妄言なら、吐かなくていいお」

从'ー'从

( ゚ω゚)「僕には、答えが見える」

426 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/25(月) 23:18:42.90 ID:51cP0YmvO
( ゚ω゚)「僕の元に来た時間を単純に計算しても、ツンを殺す時間なんかない」

( ゚ω゚)「お前の武器は【大嘘憑き《オールフィクション》】。そんな武器だが、それに加えて厄介なのがその他人の心を引っ掻き回す、いわば『戯言』。」

从'ー'从「『………』」

( ゚ω゚)「なぜそんな事をする必要がある?お前の能力は絶大な力があるのに」

( ゚ω゚)「なぜそんな言葉を使う必要がある?お前の能力は絶大な力があるのに」

从;'ー'从「『………』」







( ゚ω゚)「お前、その力、使いこなせてないだろ?」

458 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/25(月) 23:24:07.45 ID:51cP0YmvO
从;'ー'从「『お前……!!』」

( ゚ω゚)「おかしいと思ってたお。僕らがを殺したいなら、最初から《僕らの存在をなかった事》にしたらいい」

( ゚ω゚)「でも、それが出来なかった。そこから導き出されるのは、『人間固体などの大きな存在をなかったことにするのは難しいから』だろ」

( ゚ω゚)「お前はそれをカバーするように、敢えて能力を見せびらかして、その残虐性と絶対性をアピールして」

( ゚ω゚)「【大嘘憑き《オールフィクション》】が抗いようのないチート能力だって、僕たちに植え付けた」

( ゚ω゚)「違わないだろ?それが答えなんだから」

从#'ー'从「『お前………!!!!』」

478 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/25(月) 23:29:14.64 ID:51cP0YmvO
从;'ー'从「『ごちゃごちゃうるせぇよ!!!』」

ネジを構え、ブーンに向かい投げる。その数は、目測ですら50は軽く超える。
どこに隠してあったのだと聞きたくなるが、今はそれどころじゃない。

ブーンが、それに擦りもせずに全てを避けたからだ。

从;'ー'从「『なっ!!?』」

「どうやったら全てをかわせる?」
この答えが一瞬で頭に浮かんで、それを実行しただけ。

それがこの、アンサートーカー。

答えを、導きだすもの。

( ゚ω゚)「慌てるなお。もしお前の能力が暴発して」

――――――お前の存在が《なかったこと》になれば、どうするんだお?

从;'ー'从(こいつ――――――!!?)

494 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/25(月) 23:34:24.68 ID:51cP0YmvO
从;'ー'从(私の弱点が完全に把握されてる――――!!)

金だと思っていたものが実は金メッキで、その金メッキすらがはがれ、薄汚れた中が見栄始める。
その感触を、ブーンは手にとっていた。

( ゚ω゚)「確かにその【大嘘憑き《オールフィクション》】はいい能力だお。発動条件が任意なんだから」

( ゚ω゚)「しかし遠距離でやるのはかなり苦労。実際、お前は近づいてからしか攻撃をしていないお」

从;'ー'从「それがわかったからって!!あなたには私を倒す方法なんか!!」

( ゚ω゚)「あるお」

从;'ー'从「――――――!!!!」

508 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/25(月) 23:37:00.54 ID:51cP0YmvO


( ゚ω゚)「お前、今のその心臓」



( ゚ω゚)「ニセモノ、だろ」



从;'ー'从「『な』」



从'ー'从「『なんで、それを………』」


金メッキは全て剥がれた。
薄汚れた中身は、見るに耐えない。

536 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/25(月) 23:42:55.95 ID:51cP0YmvO

( ゚ω゚)「お前は生まれつき心臓を患ってた。体の成長度合いの偏りからそれがわかる」

( ゚ω゚)「ただし、今のお前は至って普通だお。なぜか?」

( ゚ω゚)「こっちの世界にきて【大嘘憑き《オールフィクション》】を使って、それを《なかったこと》にしたから」

( ゚ω゚)「しかし最初に使ったからか、その【大嘘憑き《オールフィクション》】は完全じゃなかった」

( ゚ω゚)「治ったように見えるのは外面だけ。つまり、僕が全力でそこを叩けば心臓くらい簡単に止まる」

( ゚ω゚)「そして、それはどうしようもない。だって」


――――――心臓のそれをもう一度完全に治す方法を。
なかったことをなかったことに出来ないって言ったの、お前だもんな?


从; ー 从「『うわああああああああああああああ!!!!』」

564 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/25(月) 23:49:12.00 ID:51cP0YmvO
从; ー 从「『うるさい!!うるさい!!うるさああああああああああい!!!』」

( ゚ω゚)「僕は躊躇しないお。『その心臓をぶん殴るにはどうすればいいか』?その答えも、とうの昔に見えてる」

( ゚ω゚)「もう一度いう。くるならこい。ただし僕は、躊躇しないお」


从; ー 从「『うるさいんだよみんな!!お前も!!お医者さんも!!お母さんも!!』」

从; ー 从「『あなたはもう少ししか生きれないけど、なんて!!!』」

从; ー 从「『私はずっと生きてたいの!!!そんなしみったれた現実なんか』」

从;ー;从「『この力で全部、《なかったこと》になるんだからぁあああああああああ!!!!』」


ネジを両手に、おぼつかない足取りで。
嘘つき少女はこちらにむかってきた。

573 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/25(月) 23:52:49.14 ID:51cP0YmvO


/ ,' 3「『じゃあお前が消えれば万々歳じゃろうが。回りにあたるなバカモンが。』」

从;ー;从「『え?』」


渡辺の背後から

その小さく膨らんだ左胸に

心臓を貫通するように

ネジが飛び出ていた。

598 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/25(月) 23:56:44.24 ID:51cP0YmvO
( ゚ω゚)「……」

/ ,' 3「『んー、この能力はいまいちだな。やっぱいらねぇ』」


/ ,' 3「捨てよう」



( ^ω^)「………」

渡辺が死に、アンサートーカーが消えた。
しかし、まだまだ考える事はたくさんある。

/ ,' 3「おい坊主。さっきの言葉、ワシに言ってたんじゃろ?『くるならこい、躊躇わない』って、二回も言って」

( ^ω^)「あんた、何者だお」

/ ,' 3「老人」

( ^ω^)「それはアンサートーカーがなくてもわかる」

609 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/25(月) 23:59:49.52 ID:51cP0YmvO
( ^ω^)「なんであんた、割り込んできたんだお」

/ ,' 3「ああ、いやぁな?お前、ワシとちょっと似た匂いがしてなぁ」

( ^ω^)「……それはちょっと、僕も感じてるお」

/ ,' 3「自己紹介をしておく。ワシは荒巻スカルチノフ。」


――――お前と同じ、主謀者《オリジナル》じゃよ。

その言葉を吐き捨て、老人は去っていった。

630 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/26(火) 00:04:02.80 ID:Vh67slpSO
( ^ω^)「………」

主謀者《オリジナル》
実を言うと。先ほどのアンサートーカー中に老人は既に見ていた。
ついでなので『老人の能力は?』という答えも導いていたのだ。

彼、荒巻の能力は

【都合のいい模写《コピーアンドペーストテイク》】

他人の好きなものをコピーし、自分にペーストするコピペの能力。

能力だけでなく、身長や声帯などもコピペ出来るようだ。


そしてその能力からは、どこか自分と似た匂いがするのだ。

642 : ◆BnhUepkPaA :2010/10/26(火) 00:06:52.12 ID:Vh67slpSO
( ^ω^)「………」


あと、10秒渡辺が死ぬのが遅かったら。

全ての答えを導けたのかも知れない。

しかし………そんな事を考えるのは不毛だと思う。

過去を《なかったこと》にしてもう一度やり直すなんて、誰にも出来ないんだから。



第四話、終わり。

Posted at 2011/07/31 19:25:16 | コメント(0) | トラックバック(0) | ブーン系小説 | 日記

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