2011年07月16日
118 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/05(日) 00:04:14.28 ID:GMBJgpWuO
~園庭~
キャーキャー ワーワー
川*゚ -゚) セッセ セッセ
(´・ω・`)「クーちゃん、砂でお城作るの上手だね」
川*゚ -゚) テレテレ
グシャッ!!
川;゚ -゚)(;´・ω・`)「!!」
(#゚;;-゚)「……ごめん、足元、みてなかった」
(;´・ω・`)「う、うそつき! 今、しっかりこっち見て……」
(#゚;;-゚)「ふん」
川 ; -;)
(#゚;;-゚)「なに泣いてんの。泣けば、なんでも丸くおさまるとおもってんの?」
123 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/05(日) 00:10:50.50 ID:kqJi/X9jO
(*'A`)「ショボン、クーちゃん、水もってk……」
(;'A`)「! どうしたの!?」
( ^ω^)「何やらきな臭いな」
(;´・ω・`)「今、でぃちゃんがクーちゃんのお城をこわしたんだ」
(#゚;;-゚)「あやまったじゃん」
(;´・ω・`)「でも!」
川 ; -;) フルフル
(;´・ω・`)「クーちゃん……」
川 ; -;)「も、もういっかい、つくる……」
(#゚;;-゚)「せーぜーがんばれば?」スタスタ
川 ; -;)
(#´・ω・`)「……なんなんだよ、あの子! プギャーたちよりイジワルだ!」
( ^ω^)「……」
130 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/05(日) 00:16:21.16 ID:kqJi/X9jO
(#゚;;-゚)「……」キィキィ
( ^ω^)「お前」
(#゚;;-゚)「!」
(#゚;;-゚)「なに、あの子のしかえし?
ブランコから飛び蹴りしてあげようか」
(;^ω^)「やめろよ……何なのそれ流行ってんのマジで」
(#゚;;-゚)「で、なに?」
( ^ω^)「何故あんなことをした?」
(#゚;;-゚)「……たまたまだってば」
( ^ω^)「……」
(#゚;;-゚)「あっち行ってよ」
( ^ω^)「……クーが羨ましいのか」
(#゚;;-゚)「……!」
132 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/05(日) 00:20:21.29 ID:kqJi/X9jO
(#゚;;-゚)「……なに言ってんの」
( ^ω^)「お前はいつも1人きりだ。
この間までのクーのように」
(#゚;;-゚)「……」
( ^ω^)「羨ましいのか? 友達が出来たクーが」
(#゚;;-゚)「――そんなんじゃない!!」
タッタッタッタ…
( ^ω^)「……ふむ」
134 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/05(日) 00:27:22.26 ID:kqJi/X9jO
~家~
( ФωФ)「でぃちゃん? ……というと……あの傷だらけの子か」
( ^ω^)「うむ」
( ФωФ)「皆が言うには、いつも駆け回っていて元気がいいとか」
( ^ω^)「たしかに、やたら走り回っているのは見る」
( ФωФ)「そのおかげで生傷が絶えないそうである」
( ^ω^)「たしかに、やたら転ぶ――」
( ^ω^)「……だが……」
( ФωФ)「?」
( ^ω^)「……」
136 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/05(日) 00:34:25.51 ID:kqJi/X9jO
ξ゚⊿゚)ξ「みんな、今日は文字の練習として、お父さんやお母さんに手紙を書きましょう」
(´・ω・`)「クーちゃん、字、きれいだね」
川*゚ -゚) テレテレ
( ^ω^)「ふん。俺には敵わんな」
(´・ω・`)「漢字だ! すごーい」
('A`)「でも、『す』と『ま』が左右反対だ」
( ^ω^)「男は細かいことは気にしない」
川*゚ -゚) クスクス
138 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/05(日) 00:42:07.24 ID:kqJi/X9jO
(#゚;;-゚)「……」グシャグシャ ポイッ
(#゚;;-゚) ガタッ
ξ゚⊿゚)ξ「でぃちゃん、どこ行くの?」
(#゚;;-゚)「こんなのより、外であそぶほうがいいもん」
ξ゚⊿゚)ξ「でも――」
(#゚;;-゚)「……こんなの、やだ」
ξ゚⊿゚)ξ「でぃちゃ……」
ガラッ ピシャン
タタタタ…
ξ;゚⊿゚)ξ「行っちゃった……。……みんな、いい子にして待っててね。
先生はでぃちゃん追い掛けるから」
カララ パタン
(´・ω・`)「変な子」
川;゚ -゚) アワワ
( ^ω^)「……」
141 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/05(日) 00:50:26.38 ID:kqJi/X9jO
(#゚;;-゚)「……」ポンポン
ξ゚⊿゚)ξ「でぃちゃん……」
(#゚;;-゚)「……」
ξ゚⊿゚)ξ「砂で、お城作ってるの?」
(#゚;;-゚)「……」
ξ゚⊿゚)ξ「……上手だね」
(#゚;;-゚)「……ょ」
ξ゚⊿゚)ξ「ん?」
(#゚;;-゚)「クーちゃんのほうが、うまいよ」
ξ゚⊿゚)ξ「そうなんだ」
(#゚;;-゚)「うん……」
147 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/05(日) 00:55:47.34 ID:kqJi/X9jO
ξ゚⊿゚)ξ「……どうして、お手紙書きたくないの?」
(#゚;;-゚)「……」
ξ゚⊿゚)ξ「……」
「――素直になれないのだろう」
(#゚;;-゚)「……!」
( ^ω^)「お前、正直に話すのが苦手なのだな」
ξ゚⊿゚)ξ「ブーン君」
( ^ω^)「ここに、先程貴様が丸めて捨てた、書きかけの手紙がある」ピラリ
(;゚;;-゚)「ちょっ……か、かえしてよ!!」
150 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/05(日) 01:06:14.13 ID:kqJi/X9jO
( ^ω^)「『かわいがって』……書かれているのは、それだけだ」
(;゚;;-゚)「……っ」
ξ゚⊿゚)ξ「かわいがって?」
( ^ω^)「お前の親は、恐らく、あまりお前に構ってくれないのだろう」
( ^ω^)「だから――お前は、怪我をする。
親の気を引きたくて、わざと」
(# ;;- )「……」
( ^ω^)「俺には分かる。……かつて、お前と同じだった」
( ^ω^)「わざと転んで、怪我をして、泣いて。
……だが、そうすると、『奴ら』は俺を叱った。うるさいと」
153 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/05(日) 01:16:01.31 ID:kqJi/X9jO
( ^ω^)「お前の親は、お前が怪我をすると怒るのか?」
(# ;;- )「……おこらないよ。
でも、はじめは、心配してくれたけど……最近は、またか、って顔する」
(# ;;- )「わかんない。パパもママも、わたしのこと、好きじゃないの?」
(# ;;- )「いっぱいケガしても、もう、気にならないの?」
(# ;;- )「どうやったら――わたしを、かわいがってくれるの?」
ξ゚⊿゚)ξ「……でぃちゃん……」
( ^ω^)「……お前は、素直になれない。
だから親に直接言えないし、いつも1人でいるのだな」
(# ;;- )
( ^ω^)「どうやらそれは、親譲りのようだ。
――安心しろ。お前の親は、お前を愛している」
(#゚;;-゚)「……え……?」
( ^ω^)「親も、素直になれないだけだ。
でなければ、始めだけとはいえ心配などするものか」
( ^ω^)「それでも信じられないなら――そうだな、ちょっと耳を貸せ」
(#゚;;-゚)「……?」
155 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/05(日) 01:20:48.81 ID:kqJi/X9jO
~夕方~
(,,゚Д゚)「でぃ、帰るぞ」
(#゚;;-゚)「……パパ」
ξ゚⊿゚)ξ「でぃちゃん、ほら」
(#゚;;-゚)「うん……」
(,,゚Д゚)「?」
ξ゚⊿゚)ξ「今日、文字を書く練習で、お手紙を書かせたんです」
(,,゚Д゚)「ふうん……ぐしゃぐしゃだな……」ガサガサ
(,,゚Д゚)「……」
(,,゚Д゚)「『かわいがって』?」
( ^ω^)「それがお前の娘の、一番正直な気持ちだ」ヌッ
(,,゚Д゚)「うわっびっくりした」
160 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/05(日) 01:29:43.93 ID:kqJi/X9jO
( ^ω^)「怪我をするほど元気なのは、たしかに親からすれば、
多少不安はあれど喜ばしいことだろう。
傷が元気の良さの象徴となるからな」
( ^ω^)「だが――その怪我が、自ら付けるものとなれば話は別だ」
( ^ω^)「途端に、それは目に見える叫び声となる」
(#゚;;-゚)「……」
( ^ω^)「お前は何も言われなくとも、人の気持ちが分かるのか?」
( ^ω^)「お前が子供のとき、頭を撫でられなくとも、褒められなくとも、
親の愛を信じて疑わなかったのか?」
(,,゚Д゚)「――!」
( ^ω^)「想っているだけで、愛は伝わるものだと言うのか?」
( ^ω^)「……まるで、でぃ本人のようにぼろぼろになってしまった手紙」
( ^ω^)「そこに書かれた言葉こそ、こいつの真実の気持ちだ」
( ^ω^)「よく考えることだな」
165 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/05(日) 01:40:40.73 ID:kqJi/X9jO
(;,゚Д゚)「……あ……」
( ^ω^)「ほら――手紙は、受け取ったら返事をするものだろう」
(,,;Д;)「あ、ああ……でぃ、でぃ……!」
(#゚;;-゚)「パパ……」
(,,;Д;)「ごめん、ごめんな……父さん、好きとか、愛してるとか……
そういうのを言うのが、苦手なんだ。なんだか、恥ずかしくて……」
(,,;Д;)「そうだよな、みんながみんな、しぃみたいに、
俺の意図を汲んでくれるわけじゃない……」
(,,;Д;)「しぃの子だからとか、家族だからとか、俺、甘えてた……。
ごめん、でぃ、……大好きだ。
いつも、お前のこと、大事に思ってるよ……」
(#゚;;-゚)「……うん」
(*゚;;-゚)「わたしも、パパと同じだよ……」
166 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/05(日) 01:44:57.65 ID:kqJi/X9jO
ξ゚ー゚)ξ「すごいじゃない、ブーン君」
( ^ω^)「ふん。
放っておいたら、でぃの奴、またクーにちょっかいかけてただろうからな」
( ^ω^)「そしたらクーが泣いて、結局面倒なことになるだろう」
ξ゚ー゚)ξ「そういうことにしといてあげる」
ξ゚ー゚)ξ(……しかし……)
ξ;゚ー゚)ξ(この子、本当に5歳児なのかしら……)
169 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/05(日) 01:52:10.56 ID:kqJi/X9jO
川 ゚ -゚) ポムポム
(´・ω・`)「うわあ、今までで一番おっきなお城だ! すごいよクーちゃん、新記録!」
川*゚ -゚) ホコラシゲー
(#゚;;-゚)「クーちゃん」
川;゚ -゚)「!!」
(#´・ω・`)「また壊しにきたの?」
(#゚;;-゚)「……」
(#゚;;-゚)「いっしょにあそんで、いい?」
(;´・ω・`)「――え」
(#゚;;-゚)「だめ?」
(´・ω・`)「……クーちゃん、どうする?」
川 ゚ -゚)「……」
川*゚ -゚)「……いいよ」
172 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/05(日) 02:00:51.13 ID:kqJi/X9jO
(#゚;;-゚) ポムポム
川 ゚ -゚) ポムポム
(#゚;;-゚)「……わたしね」
川 ゚ -゚)「?」
(#゚;;-゚)「いつもひとりぼっちで……さみしかったけど、
クーちゃんもひとりぼっちだったから、安心してた」
川 ゚ -゚)「……」
(#゚;;-゚)「でも、クーちゃん、ブーンくんたちとなかよくなったでしょ?
……うらやましかった。クーちゃんだけ、ずるいって思った」
(#゚;;-゚)「……いじわるして、ごめんね」
川 ゚ -゚)「……」
川 ゚ -゚)「おこってないよ」
川*゚ー゚)「だから……ともだち、なろう」
(*゚;;-゚)「――うん!」
174 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/05(日) 02:09:56.61 ID:kqJi/X9jO
~夜~
ξ゚⊿゚)ξ「今日は一段とお迎えが遅いね」
( ^ω^)「親父は、俺を養うために頑張っているからな……。
仕方のないことよ」
プルルルル プルルルル
ξ゚⊿゚)ξ「あら電話」ガチャ
ξ゚⊿゚)ξ】「はい、VIP保育園です」
『――ツン先生であるか! 我輩、杉浦である!』
ξ゚⊿゚)ξ】「あ、杉浦さん。どうなさいました?」
( ^ω^)「親父?」
『実は仕事をどうしても抜けられそうになくて……。
大変申し訳ないが、ブーンを家まで送ってはもらえぬか』
ξ゚⊿゚)ξ】「構いませんよ、もう残ってるのはブーン君だけですし」
『ありがたい! 今度お礼をするである!
家の鍵はブーンが持っているから、送るだけで良い。
――っとっと、戻らねば。いつもすまない、ありがとうである。では!』
プツッ ツー、ツー
175 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/05(日) 02:15:58.31 ID:kqJi/X9jO
ξ゚⊿゚)ξ「ブーン君、今日は先生と帰りましょ。お家の鍵は持ってる?」
( ^ω^)「うむ」
ξ゚⊿゚)ξ「じゃ、ちょっと待ってね。ちゃちゃっとお仕事終わらせるから」
~~~~~
ξ゚⊿゚)ξ⊃⊂( ^ω^)テクテク
ξ゚⊿゚)ξ「最近めっきり冷え込んできたわねー」
( ^ω^)「こんなもの、適温の内よ」
ξ゚⊿゚)ξ「ふふ、そうですか。
――風邪引かないようにしなきゃね」
( ^ω^)「俺は強い。風邪など引かぬ」
ξ゚ー゚)ξ「そう。羨ましいな」
182 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/05(日) 02:23:12.99 ID:kqJi/X9jO
( ^ω^)「ここを右に抜ければ近道だ」
ξ゚⊿゚)ξ「右ね。……真っ暗。ちょっと恐いな」
( ^ω^)「俺がついているだろう」
ξ゚ー゚)ξ「そうだったわ。なんて頼もしいのかしら」
ξ゚⊿゚)ξ⊃⊂( ^ω^)テクテク テクテク
ξ゚⊿゚)ξ「ねえ、ブーン君」
( ^ω^)「何だ」
ξ゚⊿゚)ξ「私って、良い先生やれてるかな?」
( ^ω^)「……唐突だな」
ξ゚⊿゚)ξ「ブーン君に比べたら、私、何も出来てない気がするの」
( ^ω^)「……」
ξ゚⊿゚)ξ「こんな私がみんなの先生で、いいのかな……」
186 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/05(日) 02:35:15.38 ID:kqJi/X9jO
( ^ω^)「……優しくて、厳しくて……とても強い」
( ^ω^)「親父に負けないぐらい、良い人だと思うぞ」
ξ゚⊿゚)ξ「……そっか」
ξ*゚ー゚)ξ「ブーン君がそう言うなら、先生、自信出てくるよ」
(*^ω^)「……」
――ガサガサッ!!
ξ;゚⊿゚)ξ「!?」
(;・∀・)「ひ、ひひひ……運がいい、俺の好みど真ん中な女だ……!」
( ^ω^)「……?」
(;・∀・)「おっと、子持ちか? そんな歳には見えねえが……ったく、ビッチが。
まあいい、フヒッ、お、おい、女、こっち来い」
189 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/05(日) 02:48:05.22 ID:kqJi/X9jO
ξ;゚⊿゚)ξ「あ、あなた、誰ですか……? 一体何を――」
(;・∀・)「この状況で分かんねえのか?」
(;*・∀・)「――ああ、見れば見るほど可愛いな。たまんねえ……」
ξ;゚⊿゚)ξ「……っ」
ξ;゚⊿゚)ξ「ブーン君、逃げて!」
( ^ω^)「なっ……」
ジャキッ!!
(#・∀・)⊃+―「おおっと動くなよガキ!」
(;^ω^)(――ナイフ……!)
(#・∀・)「女が抵抗したり逃げる素振りを見せたりすれば、ガキを刺す。
ガキが逃げれば、女を刺す」
(#・∀・)「坊や、こいつが死んでもいいのかい」
ξ;゚⊿゚)ξ「くっ……!」
(;^ω^)「卑怯な……」
(#・∀・)「卑怯でも構わねえ! 童貞を最悪なレベルでこじらせっとこうなるんだ!
お前は将来こうなるんじゃねえぞガキィ!!」
195 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/05(日) 02:55:19.56 ID:kqJi/X9jO
ξ;゚⊿゚)ξ
ξ;-⊿-)ξ「……ブーン君。目を閉じて……耳を、塞いでて」
(;^ω^)「先生――」
ξ;゚ー゚)ξ「だ、大丈夫。大丈夫だから……」
(;^ω^)「……!!」
(;*・∀・)「ひひっひひひ! いい子だ!」
(; ω )(先生、泣きそうだった。戦わないと。あいつを倒さないと)
(; ω )(だが――倒せるか? 勝てるのか?)
(; ω )(同年代のプギャー達にさえ負ける俺が、ナイフを持った大人に)
(; ω )(俺は、俺は……)
(; ω )(……弱い――)
197 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/05(日) 03:00:00.66 ID:kqJi/X9jO
――……分かるか! 貴様が武器を持とうと――
( ω )
ξ;-⊿-)ξ
(;*・∀・)「さ、さあ、服を脱g――」
(#^ω^)「――待つお、この屑野郎!!」
199 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/05(日) 03:11:47.20 ID:kqJi/X9jO
(#・∀・)「……ああ?」
ξ;゚⊿゚)ξ「ぶ、ブーン君!?」
(#^ω^)「武器を持たなきゃ満足に闘えない弱者が!
真の強者に勝てると思ってるのかお!」
(#・∀・)「漫画の読みすぎか? チビ! ガキが出しゃばんじゃねえ!!」
(#^ω^)「――お前が武器を持とうと、僕の拳には敵わない!
お前の身勝手な我が儘が!
僕の、大事な先生を守る力に敵う筈がないんだおぉおおお!!!!!!」
――ゴズン!!
( ∀ )
(#^ω^)
ξ;゚⊿゚)ξ
ξ;゚⊿゚)ξ「……玉……」
( ∀ )「それは……アカンて……」
206 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/05(日) 03:21:14.73 ID:kqJi/X9jO
~それからそれから~
__[警] ∧∧
( ) (;∀;)
( )Vノ )
| | ><
(*ФωФ)「えらいである、ブーン!」
(*^ω^)「おー……」
ξ*;ー;)ξ「ありがとう……大好きよ、ブーン君」
(*^ω^)「先生が助かって良かったお」
(*ФωФ)「今日は唐揚げパーティーである!!」
(*^ω^)「本当かお!」
(*ФωФ)「先生も是非」
ξ*゚ー゚)ξ「ええ、喜んで」
208 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/05(日) 03:27:47.06 ID:kqJi/X9jO
(*^ω^)「うれしいお……――ふあぁ……」
( ФωФ)「眠いか。家に着くまで、我輩の背中で寝るといい」
(*‐ω^)「そうするお……」
(*‐ω( ФωФ)「よっこらショット」
(*‐ω( ФωФ)「さ、スーパーで材料を買っていくである」
ξ*゚ー゚)ξ「はい!」
(*‐ω( ФωФ)テクテク テクテク
(*‐ω( ФωФ)テクテク…
(*‐ω( ФωФ)(――姉さん、義兄さん)
(*‐ω( ФωФ)(あなたたちの子供は、とても強い子に育っているであるよ)
211 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/05(日) 03:38:22.26 ID:kqJi/X9jO
( ^ω^)「ブランコで遊ぶおー」
(´・ω・`)「ブーンくん、しゃべり方変わったねー」
( ^ω^)「言葉で強がる必要は無いって分かったんだお」
川*゚ -゚)「……そのしゃべりかたのが、好き……」
( ^ω^)「そうかお?」
(#゚;;-゚)「ブーンくん、ブーンくん!」
( ^ω^)「ん? でぃ、どうしたお?」
(#゚;;-゚)「ドクオくんが、年長さんにオモチャを取られた」
(##)A;)「とりかえそうとしたけど、負けちゃった……」
( ^ω^)「おっお。自ら立ち向かうなんて、成長したお、ドクオ」
(##)∀;)「へへ……がんばったよ、おれ」
( ^ω^)「それじゃあ――後は、僕に任せるお。
僕の拳で、取り返してやるお」
212 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/05(日) 03:41:49.84 ID:kqJi/X9jO
――僕は、強い、拳の王になるんだお!!
(#::#)ω^)「ブランコ撤去しない?」
ξ;゚⊿゚)ξ「あらまあ……」
( ^ω^)が拳の王となるようです
おわり
Posted at 2011/07/16 06:54:49 | |
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ブーン系小説 | パソコン/インターネット
2011年07月16日
9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/04(土) 19:42:33.01 ID:e+ze5D2JO
( ^ω^)(――世の中、武器でも使わなきゃ満足に闘えない弱者ばかりだ)
( ^ω^)(真の強者は、己の拳のみで勝利を掴む者)
( ^ω^)(俺は、真の強者になる)
( ^ω^)(この拳で敵を捩伏せる)
( ^ω^)(――拳の、王になる)
ξ゚⊿゚)ξ「こらこらブーン君、お昼寝の時間でしょ。
ジャングルジムから下りて、みんなとお昼寝しましょうね」
( ^ω^)「くくく……」
――内藤ホライゾン、あだ名、ブーン。
5歳――
( ^ω^)が拳の王となるようです
13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/04(土) 19:54:01.87 ID:e+ze5D2JO
(´・ω・`)「ブーンくん、どこ行ってたの?」
( ^ω^)「ショボンか。何、己の胸に決意を固めただけよ」
(´・ω・`)「? どういうこと?」
( ^ω^)「ふ、幼子には理解し難いか」
ξ゚⊿゚)ξ「ブーン君も幼子でしょ。はい、お布団かぶって寝ましょうね」
( ^ω^)「眠くなどない」
ξ゚⊿゚)ξ「もう……じゃあ、ブーン君が寝るまでお話でもしようか」
( ^ω^)「そんな子供だまし、我には効かぬ」
ξ゚⊿゚)ξ「いいから。――むかーしむかし、あるところに――」
~数分後~
( ‐ω‐)ウツラウツラ
ξ゚ー゚)ξ「よしよし」
14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/04(土) 20:04:39.65 ID:e+ze5D2JO
~園庭~
キャーキャー ワーワー
(;A;)「えーん、えーん」
( ^ω^)「どうした、ドクオ」
(;A;)「ブランコ、順番なのに、並んでたのに」
( ^ω^)「解せぬ」
(´・ω・`)「ドクオくんがブランコに乗る番だったのに、ニダーくんが、わりこんだの」
( ^ω^)「愚図が。ちんたらしているからそうなるのだ」
(;A;)「うう……」
( ^ω^)「……待っていろ。今、俺が奪い返してやる」
(;A;)「え……」
( ^ω^)「――この、拳で、な」
18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/04(土) 20:07:38.12 ID:e+ze5D2JO
:(#::#)ω;):「あの野郎ブランコから飛び蹴りしてきやがった」
(;´・ω・`)(弱―――――――!!!!!)
20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/04(土) 20:14:17.98 ID:e+ze5D2JO
ξ゚⊿゚)ξ「はい、おとなしくしてね」
(#::#)ω;)「いた、痛い、消毒液痛い」
(;A;)「ブーン、痛い? ごめんね、おれが弱いから、ごめんね」
ξ゚⊿゚)ξ「ほら、ブーン君が痛がると、ドクオ君の心も痛くなっちゃう」
(#::#)ω;)「む……」
(#::#)ω⊂)グシグシ
(#::#)ω^)「ふん、こんなもの、屁でもない」
(;A;)「ほんと?」
(#::#)ω^)「俺はお前と違って強いのだ」
(;A;)「良かった……」
ξ゚ー゚)ξ「ん、えらいね」
25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/04(土) 20:19:05.61 ID:e+ze5D2JO
~それからそれから~
<#;#)∀;(##>「ドクオごめんニダ」
(;'A`)「えっ、……え? ニダーくん? 顔がパンパンだけど」
<#;#)∀;(##>「ツンせんせいに怒られたニダ」
:(;^ω^):
:(;´・ω・`): ガタガタガタガタブルブルブルブル
:(;'A`):
28 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/04(土) 20:30:18.03 ID:e+ze5D2JO
~夕方~
(゚、゚トソン「ショボン」
(*´・ω・`)「あ、ママー」
(゚、゚トソン「先生、今日もありがとうございました」
ξ゚⊿゚)ξ「いえいえ。お仕事お疲れ様です。
ショボン君は今日もいい子でしたよ」
(゚ー゚*トソン「あら。ショボン、えらいですね」
(*´・ω・`)「えへへ。先生、またね」
ξ゚ー゚)ξ「また明日ー」
(*´・ω・`)「ブーンくん、またあした!」
( ^ω^)「うむ」
カラカラ ピシャン
ξ゚⊿゚)ξ(……今日も、ブーン君が最後まで残ったか)
30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/04(土) 20:36:40.70 ID:e+ze5D2JO
ξ゚⊿゚)ξ「ブーン君、先生と遊ぼっか」
( ^ω^)「軟弱な女と何をして遊べというのだ」
ξ#゚ー゚)ξ
(;^ω^)「せんせー積木しよー!!」
カチ カチ カチ カチ …
ξ゚⊿゚)ξ(もう、外も真っ暗……)
( ^ω^)「……」
ξ゚ -゚)ξ、(ブーン君、寂しそう)
カラカラ
(*^ω^)「!」
(;ФωФ)「すまん、ブーン! 待ちくたびれたであるか!」
( ^ω^)「ふんっ、あと少しで、この女を俺のものにするところだったのにな」
(;ФωФ)「妙なこと言うな! 先生、すみません」
ξ゚⊿゚)ξ「いえいえ」
35 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/04(土) 20:48:31.70 ID:e+ze5D2JO
( ФωФ)「いつもいつも助かってるのである」
ξ゚ー゚)ξ「ブーン君は面白い子だから、私も楽しいです。
それに、今日は、いじめられちゃったお友達を
助けてあげようとしたんですよ」
(*ФωФ)「ほう! えらいぞブーン! さすが、我輩の子である!!」
(*^ω^)「な、撫でるな。子供扱いするんじゃない!!」
ξ*゚ー゚)ξ クスクス
(;ФωФ)「あ……これはお恥ずかしいところを」
ξ*゚ー゚)ξ「いいえ。
悪いことをしたら叱って、良いことをしたらたっぷり褒めてあげて下さい。
子供にとって、それが一番良いですから」
( ФωФ)「むう、成る程。ではブーン、今日のご飯はお前の好きな唐揚げにしよう」
(*^ω^)「……親父にしては、気がきくではないか」
( ФωФ)「何なのその言い方……。では、失礼します」
ξ゚ー゚)ξ「はい。また明日ね、ブーン君」
( ^ω^)「俺と会えるのを楽しみにしているがいい」
カラカラ ピシャン
39 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/04(土) 21:04:22.33 ID:e+ze5D2JO
ξ゚ー゚)ξ
ξ゚⊿゚)ξ「……」
ξ-⊿-)ξ(――杉浦ロマネスクさん。ブーン君の、本当のお父さんじゃ、ない)
ξ-⊿-)ξ(ブーン君のあの振る舞いは、強がりなのかな)
ξ-⊿-)ξ(赤ちゃんの頃に御両親を亡くして……寂しいのかもしれない)
ξ-⊿-)ξ(それでも、捻くれずに、いい子に育ってる。……ちょっと変な子だけど)
ξ-⊿-)ξ(きっと、杉浦さんの育て方が良かったのね)
ξ-⊿-)ξ(私も、ブーン君が優しいまま育ってくれるよう、頑張らなきゃ)
(*ФωФ)⊃⊂(*^ω^)
42 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/04(土) 21:13:52.87 ID:e+ze5D2JO
ワーワー キャーキャー
川 ゚ -゚)「……」キィ、キィ
( ^ω^)「むっ、珍しくブランコが空いているな」
川 ゚ -゚)「!」
(´・ω・`)「あ……」
( ^ω^)「どうしたショボン」
(´・ω・`)「クーちゃんだ」
川 ゚ -゚)「……」
(´・ω・`)「……そっか、だからブランコあいてるんだ……」
( ^ω^)「何故クーがいるとブランコが空くのだ」
川 ゚ -゚)「……」
(´・ω・`)「……えっと」
44 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/04(土) 21:17:02.34 ID:e+ze5D2JO
川 ゚ -゚)「……」スクッ
タタタタタ……
( ^ω^)「……園の中に入ってしまった」
( ^Д^)「あいついなくなったぜ。やっとブランコであそべるなwwプギャーwwwww」
_
( ゚∀゚)「だなーwwwww」
( ^ω^)「……お前ら、どういうことだ」
( ^Д^)「だってあいつ気味悪いもんwww暗くてさーwwwww」
_
( ゚∀゚)「ちかくに寄ると、ネクラがうつるwwwww」
(´・ω・`)「……」
( ^ω^)「……」
( ^Д^)「んだよ、じっと見てwwwww」
( ^ω^)「……女々しいな」ボソッ
_
( ゚∀゚)「あ?」
49 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/04(土) 21:30:36.16 ID:e+ze5D2JO
( ^ω^)「たかだか無口な女に、そうも怯えるとはな」
(#^Д^)「何だって!?」
(;´・ω・`)「ぶ、ブーンくん……」
( ^ω^)「『根暗で気味悪くて恐いから』近寄らないのだろう?
逃げてるだけではないか」
( ^ω^)「男はな、すぐ隣に恐るべき脅威が居たとしても!」
( ^ω^)「まったく動じず、そこに鎮座し、腕組み豪快に笑ってやるものだ!!」
_
(#゚∀゚)「てめえ!!」
「――そ、そうだ!」
( ^ω^)「!」
(;'A`)「く、クーちゃんが、おまえらに何かしたわけでもないのに、
お、おまえら、か、かか、かってにバカにして! 男らしくないぞ!」
(#^Д^)「……こいつら、うっぜえ……」
51 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/04(土) 21:33:39.75 ID:e+ze5D2JO
( ^ω^)「……くくく、ドクオ、見直したぞ」
(;'∀`)「へ、へへ……おれ、ブーンみたいになりたいんだ……」
( ^ω^)「良かろう。ならば――」
( ^ω^)「手始めに、奴らを懲らしめてやろうではないか。
――拳でな」
(;'A`)「お、おう!!」
(#::#)ω;)「何なの? ブランコから飛び蹴りするの流行ってるの?」
(##)A;)「痛いよう……」
(;´・ω・`)「きみたちってヤツは……」
58 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/04(土) 21:43:12.86 ID:e+ze5D2JO
川 ; -;)
ξ゚⊿゚)ξ「みんな、クーちゃんとあんまりお話ししないから、
クーちゃんのこと、よく知らないだけなのよ。
クーちゃんが悪いんじゃないからね?」
川 ; -;)) コクン
(;´・ω・`)「せんせー! せんせー!」
川 ; -;)「!」
ξ゚⊿゚)ξ「どうしたの?」
(;´・ω・`)「ブーンくんとドクオくんがケガした!」
(#::#)ω;)「これは敗北などではない。勝利への道の一部だ」
(##)A;)「わかった……」
ξ;゚⊿゚)ξ「あーあー」
川;゚ -゚) アワアワ
62 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/04(土) 21:51:31.13 ID:e+ze5D2JO
ξ゚⊿゚)ξ「はい、ちょっと染みるよー」
(#::#)ω;)「お前は『ちょっと』という言葉の意味を知っているのか?」
ξ゚⊿゚)ξ「消毒液やってー、絆創膏貼ってー。
はい次、ドクオ君ね」
(##)A;)「うー……しみる……」
ξ;゚⊿゚)ξ「……あっ、絆創膏足りない……」
川;゚ -゚)「!」
川;゚ -゚) ゴソゴソ
川;゚ -゚)⊃[□] パッ
ξ゚⊿゚)ξ「あ、クーちゃん絆創膏持ってるの? 分けてもらっていい?」
川;゚ -゚)) コクコク
(##)A;)「ありがと……」
(#::#)ω^)「備えあれば憂い無し。褒めてやろう、クー」
川 ゚ -゚)「!」
川*゚ -゚) テレテレ
70 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/04(土) 22:03:15.78 ID:e+ze5D2JO
ξ゚⊿゚)ξ「で、今度は何があったの? ドクオ君まで怪我して……」
(´・ω・`)「ブーンくんたちね、クーちゃんを悪く言ったプギャーくんたちと
ケンカしたの」
川 ゚ -゚)「!!」
ξ゚⊿゚)ξ「……あら」
(#::#)ω^)「あやつらの心根の腐った言葉と笑い声が耳障りだっただけだ」
(##)A`)「ブーン、すごく怒ってたよ」
ξ゚ー゚)ξ「……そう。かっこいいね、2人共」
川 ゚ -゚)「……」クイクイ
(#::#)ω^)「何だ」
川 ゚ -゚)「……ぁ」
川*; -;)「ぁ、ありがとう……」
(#::#)ω^)「別にお前のためにしたわけではないわ」
ξ゚⊿゚)ξ「こーら」
(#::#)ω^)「……どういたしまして」
71 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/04(土) 22:12:56.86 ID:e+ze5D2JO
(##)A`)「クーちゃん、いっしょにあそぼう」
川*ぅ -;)) コクコクコクコク
(´・ω・`)「なにしてあそぶ? おそとに行く?」
川*゚ -゚)「ん、んと、えっと……」チラチラ
(##)A`)「ブロック?」
川;*゚ -゚)「ぶ、ブーンくんたちがあそびたいやつでいい……」
(#::#)ω^)「……あの馬鹿共のせいで体が痛む。
外で駆け回るのは遠慮したいな。
――室内で、"神々の創造破壊遊戯(ブロック遊び)"でも、するか」
川*゚ -゚)「! う、うん!」
ξ゚ー゚)ξ「……ふふ」
75 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/04(土) 22:18:52.53 ID:e+ze5D2JO
ξ゚⊿゚)ξ「じゃ、みんな仲良く遊んでてね。
先生はちょっとプギャー君達をシメt……叱ってくるから」
(#::#)ω^)「シメてくるって言いかけなかったか」
ξ^⊿^)ξ「ん?」
(#::#)ω^)「何でもないお!」
:(;##)A`):
:(;´・ω・`): ガクガクガクブルブルブル
:川;゚ -゚):
77 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/04(土) 22:29:00.57 ID:e+ze5D2JO
~夜~
(;ФωФ)「また最後か……すまん、ブーン」
( ^ω^)「のろまめ」
ξ゚ー゚)ξ「今日はですね、女の子をカクカクシカジカ」
(*ФωФ)「おお、えらいである!」
(*^ω^)「……ふん」
(*ФωФ)⊃⊂(*^ω^)テクテク
(*ФωФ)「我輩自慢の子であるよ、ブーン」
(*^ω^)「……おっおー」
82 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/04(土) 22:39:38.21 ID:e+ze5D2JO
(*^ω^)「だって、ロマ、言ってたお……。
男は強くなれって……。強くなれば、弱い人を助けられるって……。
だから、僕、強くなりたいんだお……」
( ФωФ)(素になっておる……眠たいのであるな)
(*^ω^)「ロマは強いお。僕を助けてくれたお。
僕、ロマみたいになるお……」
(*ФωФ)「……ははは、そうであるか」
(*^ω^)「おー……」
( ФωФ)「ブーン、おんぶしてやるである」
(*^ω^)「おんぶ……」
(*^ω( ФωФ)「よいしょ」
(*^ω( ФωФ)テクテク テクテク
(*‐ω( ФωФ)テクテク テクテク
スヤスヤ
(*‐ω( ФωФ)テクテク テクテク
(*‐ω( ФωФ)「……実の息子ではないのに、こうも可愛いものであるか」
(*‐ω( ФωФ)「強くなるであるよ、ブーン」
87 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/04(土) 22:52:41.95 ID:e+ze5D2JO
( ;ω;)『いたいお、いたいお』
――この愚図が
( ;ω;)『おーん、おーん』
――泣くな! うるさいったらありゃしねえ!
( ;ω;)『お、お……うー……』
――ったく、姉さんの子供だからって引き取るんじゃなかったよ
――おいガキ、お前のせいで、お前の親は死んだんだよ
――そのせいで俺達まで困ってんだ
――全部お前のせいなんだぜ
――わかってんのか?
( ;ω;)『ご、ごめ、なさい、お……』
――俺が良いって言うまで、そこで正座してろ
( ;ω;)『おーん……』
90 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/04(土) 23:01:56.76 ID:e+ze5D2JO
ピンポーン
――ちっ、誰か来たな。おとなしくしてろよ、クソガキ
( ;ω;)『うう……』
ガチャ
バタン! ガタッガタン
ギャアギャア ガタガタッ
( ;ω;)『……なんだお……?』
ドタドタ
バン!!
( ФωФ)『……見付けた』
( ;ω;)『おっ……!?』
( ФωФ)『君がホライゾンであるな。……傷だらけではないか』
( ;ω;)『だ、だれですかお……?』
( ФωФ)『杉浦ロマネスク。……君の母親の、弟である』
91 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/04(土) 23:13:14.94 ID:e+ze5D2JO
( ;ω;)『ろま……?』
――おい、兄貴! 久々に顔見せたかと思えば、何なんだよ!
( ФωФ)『久々に顔を見たかと思えば……とんだ屑に成り下がっていたな、弟よ』
――姉さんの葬式にも来なかった癖に……!
( ФωФ)『我輩は親父に嫌われているからな、
姉さんが死んだことさえ知らされなかったである。
――さて、ホライゾンは我輩が引き取らせてもらう』
――はあ?
( ФωФ)『生前から姉さんは言っていた。
もしも自分達に何かあったら、我輩に息子を任せると。
決してお前に渡してはならぬと。
その「もしも」が現実になったことに気付くのが、遅れてしまったがな』
――今更何を――
( ФωФ)『何なら姉さんが書いた書面も見せてやるぞ。
……ホライゾン、おいで』
94 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/04(土) 23:21:08.90 ID:e+ze5D2JO
( ;ω;)『お……』
――ふざけんじゃねえよ!!
( ФωФ)『……』
バキィッ
( ;ω;)『おっ!?』
――い、ってぇ……!
( ФωФ)『兄に向かって椅子を振りかぶるか。
とことん見損なったぞ、この阿呆が』
(#ФωФ)『……分かるか! 貴様が武器を持とうと、我輩の拳には敵わぬ!
貴様の身勝手な我が儘が、
我輩の、大事な甥を――否、「子供」を守る力に敵う筈がないのだ!!』
98 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/04(土) 23:34:18.71 ID:e+ze5D2JO
( ФωФ)⊃⊂( ^ω^)テクテク
( ФωФ)『……ホライゾン』
( ^ω^)『はいお』
( ФωФ)『姉さん……お前の母は、とても体が弱かった。
お前を産んだことで、たしかに死んでしまう程に衰弱した』
( ФωФ)『だが、彼女は、自分の命が危ういことを知っていながらお前を産んだ』
( ФωФ)『自分の身をなげうっても、お前に、この世界を見せてやりたかったのだ』
( ФωФ)『……どちらにせよ、姉さんは長生き出来ぬ体であったからな』
( ^ω^)『……よく、わかんないですお……』
( ФωФ)『お前が産まれた「せい」で死んだのではない』
( ФωФ)『お前が産まれた「おかげで」、喜びの中に死ねたのだ』
( ФωФ)『ホライゾンは、姉さんに最大の幸せをあげたのであるよ』
101 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/04(土) 23:44:41.37 ID:e+ze5D2JO
( ФωФ)『そして、君の父は、心がとても弱い人だった。
妻を失って正常を保てるような人では、なかったのである』
( ФωФ)『彼が自ら命を絶ったのは、彼自身の、弱さのせいだ』
( ФωФ)『それでも、お前を道連れにはしなかった』
( ФωФ)『彼も、お前を愛していたのである。
絶望の中にも、お前を想う気持ちはあったのだ』
( ФωФ)『だーれも、お前のせいで不幸になった者など、いないであるよ』
( ^ω^)『……』
( ФωФ)『分かったであるか?』
( ^ω^)
( ;ω^)
( ;ω;)『……はいお』
111 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/04(土) 23:53:51.99 ID:e+ze5D2JO
( ФωФ)『体が弱い人や、心が弱い人。
そんな人達が、世界にはとても多い』
( ФωФ)『だから強くなるである、ホライゾン』
( ФωФ)『体も心も強ければ、弱い人を守り、助けることが出来る』
( ФωФ)『何より、自分を守れる』
( ФωФ)『いいであるか?』
( ;ω;)『……つよく、なるお……』
( ;ω;)『ぼく、つよくなるお……』
( ФωФ)『……うむ。やはり、お前は姉さんの子である』
( ФωФ)『強い心は、最初から備わっていたであるな――』
Posted at 2011/07/16 06:51:55 | |
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ブーン系小説 | パソコン/インターネット
2011年07月11日
526 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /06(火) 20:54:01.91 ID:IkGv3Ac2O
彼は王様になりました。
使用人を見つけました。
コックを見つけました。
庭師を見つけました。
商人を見つけました。
彼は、自分の目標としていた王様になったのです。
531 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /06(火) 20:55:58.74 ID:IkGv3Ac2O
ξ゚⊿゚)ξ「それで?」
( ^ω^)「……」
ξ゚⊿゚)ξ「あなたの本当の願いは、」
王様が、本当に、本当に、願っていたことは、
ξ゚⊿゚)ξ「叶ったの?」
( ^ω^)「……まだだお」
未だに叶ってはいませんでした。
532 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /06(火) 20:58:08.71 ID:IkGv3Ac2O
ξ゚⊿゚)ξ「……」
( ^ω^)「……」
こうして魔女と話す事は何回目でしょう。
毎回おんなじ内容です。
「あなたの願いは叶ったの?」
答えはいつも同じでした。
535 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /06(火) 21:00:17.43 ID:IkGv3Ac2O
ξ゚⊿゚)ξ「ま、どうでもいいけどね」
( ^ω^)「……」
ξ゚⊿゚)ξ「でもね、」
( ^ω^)「……」
ξ゚⊿゚)ξ「時間はどんどん近づくわ」
( ^ω^)「わかっているお」
終わりはいつもこの会話。
そうして魔女はどこかへ行ってしまうのです。
538 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /06(火) 21:03:08.58 ID:IkGv3Ac2O
( ^ω^)「……」
王様一人の部屋に、響く音。
コンコン、げほげほ、
コンコン、げほげほ、
( ω )「……」
王様の、咳込む音でした。
誰にも聞かせていない、音でした。
542 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /06(火) 21:05:38.90 ID:IkGv3Ac2O
(*゚ー゚) 「ねえ王様!今日はお皿をピカピカにしたんですよ!」
( ^ω^)「これは凄いお!輝いているお!」
それでも毎日は続きます。
(*゚ー゚) 「今日はお部屋の隅々まで磨いたんですよ!」
( ^ω^)「おおう!滑ってしまいそうだお!」
毎日は、続きます。
545 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /06(火) 21:08:14.87 ID:IkGv3Ac2O
<ヽ`∀´> 「王様!新しいキムチ料理ニダ!」
( ^ω^)「おっお!これは辛くて美味しいお!」
王様はそんな毎日を、
<ヽ`∀´> 「王様!キムチ以外の料理を作ったニダ!」
( ^ω^)「流石我がコックだお!これで僕もより一層偉くなるお!」
いつしか好きになり、
548 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /06(火) 21:10:36.06 ID:IkGv3Ac2O
(´・ω・`)「どうですか王様」
( ^ω^)「流石ショボンだお。美しい庭だお」
いつしか大切に思うようになり、
(´・ω・`)アイカッチュー
(;^ω^)「ん?」
(´・ω・`)「いえ、なんでもないです」
いつしか、
550 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /06(火) 21:12:09.98 ID:IkGv3Ac2O
/ ゚、。 /「今日は美味しいお肉ですよ」
( ^ω^)「素晴らしいお!夕食が楽しみだお!」
そんな毎日が、
/ ゚、。 /「まあキムチ……」
( ^ω^)「キムチ……」
何より愛おしく思うようになりました。
552 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /06(火) 21:13:19.17 ID:IkGv3Ac2O
でも、
561 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /06(火) 21:15:04.72 ID:IkGv3Ac2O
大切で
愛おしくて、
かけがいの無いものでも、
563 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /06(火) 21:16:39.67 ID:IkGv3Ac2O
王様の願いには変わりません。
コンコン、げほげほ、
コンコン、げほげほ、
( ω )「……」
だから、だから、
だから王様は……
566 :ゴメン「アイカッチュー」はただのパロ:2010/07 /06(火) 21:20:21.45 ID:IkGv3Ac2O
( ^ω^)「おまえら全員クビ」
(*゚ー゚)
<ヽ`∀´>
(´・ω・`)
/ ゚、。 /
( ^ω^)「野垂れ死ねバーカ」
そういう道しか選べなかったのです。
571 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /06(火) 21:22:49.48 ID:IkGv3Ac2O
*****
「しつもんがありまーす」
「なんだい?」
「魔女は伝説だとききました」
「そうだね」
「どうして伝説なのですか?」
「それはね、」
573 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /06(火) 21:25:11.91 ID:IkGv3Ac2O
「坊やに、魔女は願いを叶えると教えたね」
「はい、教えてもらいました」
「大抵の願いってのはね、」
「はい」
「魔女に頼む必要なんて無いんだ」
「?」
578 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /06(火) 21:30:34.32 ID:IkGv3Ac2O
「地位が欲しい男は魔女を呼ぼうとした」
「……」
「だけど魔女を呼ぶよりも、努力して偉くなる方がずっと簡単だったんだ」
「……」
580 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /06(火) 21:32:48.46 ID:IkGv3Ac2O
「お金が欲しい男がいた」
「……」
「だけど同じような伝説の錬金術を探すほうが、」
「……」
「ずっとずっと簡単だったんだ」
「……」
「魔女には代償として来世が奪われるからね、みんなそっちを選んだ」
586 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /06(火) 21:35:16.93 ID:IkGv3Ac2O
「じゃあ、じゃあどうして王様は魔女を選んだんですか?」
「……世界のどこにもね、」
「……」
「人を生き返らせる伝説はなかった」
「魔女なら?」
「魔女でも無理さ」
「じゃあどうして!」
「魔女はね、自分が無いんだ」
「自分が?」
591 :>>583ゴメン「が」だった:2010/07 /06(火) 21:40:17.32 ID:IkGv3Ac2O
「魔女を呼び出すために必要な、悲しみの香辛料、呼び出す者の生き血、」
「……」
「その中にある、気持ちから魔女は、姿を作る、顔も性格も、」
「……」
「魔女の姿がここの文献に無いのはそういう理由なんだ」
「じゃあ、王様は」
「……」
*****
592 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /06(火) 21:42:12.71 ID:IkGv3Ac2O
その5
王様の話
599 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /06(火) 21:47:54.85 ID:IkGv3Ac2O
それは彼がまだ、幼かった日の事です。
( ^ω^)「僕は王様になるお!」
ξ*゚⊿゚)ξ「ふーん」
( ^ω^)「そしたらツンはお妃様だお!」
ξ*゚⊿゚)ξ「……ありがとう」
( ^ω^)「約束だお!」
ξ*゚⊿゚)ξ「うん……」
それは子供達の約束、
どこにでもある、小さな約束。
603 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /06(火) 21:51:09.98 ID:IkGv3Ac2O
二人はとても仲良しでした。
ξ*゚⊿゚)ξ「お花の飾りはこうやって作るの」
( ^ω^)「おおー、ツンは物知りさんだお!」
ξ*゚⊿゚)ξ「ふ、普通だよ」
( ^ω^)「それでも僕は知らなかったお!だから凄いお!」
ξ*゚⊿゚)ξ「ありがとう……」
毎日のように二人は遊びました。
二人は毎日を輝くような笑顔で過ごしていました。
606 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /06(火) 21:53:55.14 ID:IkGv3Ac2O
やがて二人が大人に近づいていって、
関わり方が変わっても、
( ^ω^)「今日はお仕事だお!」
ξ゚⊿゚)ξ「……気をつけてね」
( ^ω^)「おっおwwwwツンにそう言って貰えるだけで百人力だおwww」
ξ*゚⊿゚)ξ「バカ……」
二人はとても仲良しでした。
607 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /06(火) 21:55:46.45 ID:IkGv3Ac2O
だけど……そんな日々は続きませんでした。
611 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /06(火) 21:57:12.89 ID:IkGv3Ac2O
西のお城と、
東のお城と、
南のお城と、
北のお城が、
みんながみんな、
戦争を始めたのです。
617 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /06(火) 21:59:59.99 ID:IkGv3Ac2O
二人は離れる事になりました。
男は戦場へ、
( ^ω^)「待っててくれお」
ξ;⊿;)ξ「絶対…帰って来てね……」
( ^ω^)「もちろんだお!」
彼女を守るために、
戦場へ。
622 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /06(火) 22:03:38.33 ID:IkGv3Ac2O
殺しました、
何人も何人も、
(# ω )「うおおおおお!!」
ただ、ただ守りたかったから、
ただ、ただ彼女の下へ帰りたかったから、
( ;ω;)「うおおおおお!!!」
その、一心で、
何人も、何人も、
殺しました。
627 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /06(火) 22:05:38.35 ID:IkGv3Ac2O
だけど、だけど、
戦争が終わって、
ようやく、ようやく戦争が終わって、
630 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /06(火) 22:07:07.02 ID:IkGv3Ac2O
( ω )「……」
彼が自分の居た場所へ帰った時には、
633 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /06(火) 22:11:01.60 ID:IkGv3Ac2O
( ω )「どうして無いんだお……」
( ω )「僕の家も、向かいのおじさんの家も」
( ω )「となりのおばさんの家も、公園も、僕の町も」
( ω )「ツンの、家も……」
( ω )「どうして……」
( ;ω;)「どうして何も無いんだお!!!」
「どうして!!!!!」
636 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /06(火) 22:12:10.36 ID:IkGv3Ac2O
何も、残ってはいませんでした。
641 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /06(火) 22:15:48.26 ID:IkGv3Ac2O
「あの村?」
「ああ襲われたんだって?」
「きっとみんな■■ちゃいないよ」
「みんなみんな■■じまった」
「酷いことをするよな」
645 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /06(火) 22:18:43.24 ID:IkGv3Ac2O
不快な言葉を何度も聞きました。
何度も、何度も、
( ω )「生きてるお」
だけど彼は、
( ω )「きっとツンは生きてるお」
( ω )「死体が無いお、墓が無いお」
(# ω )「だから絶対に生きてるお!」
それを信じようとはしませんでした。
648 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /06(火) 22:20:22.70 ID:IkGv3Ac2O
彼は探しました。
ツンを、大切な人を、
西へ東へ、
南へ北へ、
彼は探しました。
649 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /06(火) 22:22:03.30 ID:IkGv3Ac2O
だけど、
( ω )「見つからないお」
西も東も、
( ω )「見つからないお」
南も北も、
(# ω )「どうして見つからないんだお!!!」
どこにも彼女はいませんでした。
651 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /06(火) 22:24:40.97 ID:IkGv3Ac2O
( ;ω;)「……」
西にも東にも南にも北にも、
どこを旅しても、
彼女はいませんでした。
( ;ω;)「ツン……」
悲しみに沈みそうな、
そんな時でした。
彼がそれを、
思い出したのは。
656 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /06(火) 22:26:47.15 ID:IkGv3Ac2O
「僕は王様になるお!」
「ふーん」
「そしたらツンはお妃様だお!」
「……ありがとう」
「約束だお!」
「うん……」
それは幼い日の約束。
658 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /06(火) 22:28:46.52 ID:IkGv3Ac2O
( ^ω^)「僕は、」
もしも偉くなったら、
もしも王様になったら、
彼女が僕を、
彼女が僕を見つけてくれるかも知れない。
( ^ω^)「王様に、なるお」
もう一度、会えるかも知れない。
664 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /06(火) 22:33:57.73 ID:IkGv3Ac2O
彼女を探す旅で彼は色々な事を知っていました。
魔法のような事だって、
錬金術だって、
なんだって知っていました。
だけど、
それでも彼は、
( ^ω^)「へいへい!魔女さん!願いを叶えてくれお!」
ξ゚⊿゚)ξ「……いいけど、わかっているの?」
魔女を、呼びました。
667 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /06(火) 22:38:09.60 ID:IkGv3Ac2O
もしかしたら、
もしかしたら、彼はわかっていたのかも知れません。
彼女が、
彼女が、もういない事を。
それでも彼は、王様は、
いびつに歪んだ夢を、それだけを信じて、
(; ω )「ガハッ!ガハッ……ツン」
生きてきたのです。
673 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /06(火) 22:43:48.13 ID:IkGv3Ac2O
(; ω )「……」
ξ゚⊿゚)ξ「……」
それはもう何回目かすらわからない会話の時でした。
ξ゚⊿゚)ξ「このまま、終わる?」
(; ω )「……」
ただ、
ξ゚⊿゚)ξ「まだ二つ、願いを叶えられるのに……」
(; ω )「……」
今日は少しだけ違いました。
677 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /06(火) 22:48:25.30 ID:IkGv3Ac2O
それは彼の記憶が魔女に影響したのかもしれません。
ξ゚⊿゚)ξ「このままだと、死んじゃうよ?」
( ω )「……」
ξ゚⊿゚)ξ「ねえ、それでもいいの?」
( ω )「……」
ξ;⊿;)ξ「ねえったら!」
それは、
まるで、彼女が言うような言葉、
682 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /06(火) 22:51:22.90 ID:IkGv3Ac2O
だけど、
( ω )「……いいんだお」
ξ;⊿;)ξ「……」
( ω )「もう……いいんだお魔女さん……」
( ω )「ツンは、ツンはきっと、」
王様は、彼は、
( ;ω;)「死んでしまったんだお……」
疲れてしまっていました。
685 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /06(火) 22:54:19.80 ID:IkGv3Ac2O
ξ;⊿;)ξ「……」
( ω )「もう叶えられる願いなんて、しらないお」
ξ;⊿;)ξ「……」
( ω )「……彼等に、」
ξ;⊿;)ξ「彼等?」
( ^ω^)「僕が、追い出してしまった彼等のために、」
「使ってくれお」
687 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /06(火) 22:55:30.87 ID:IkGv3Ac2O
ふたつめの願いは、
家臣達の幸せ
691 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /06(火) 22:59:57.30 ID:IkGv3Ac2O
/ ゚、。 /「無くしたい事?」
ξ゚⊿゚)ξ「そう、無くしたい事」
ダイオードは城を追い出されても商人でした。
魔女の存在を知っても、
「ああ、そうだったのか」
と納得するだけでした。
いくら願いでも無条件に幸せには出来ません。
だから、代わりに彼等の、
後悔した事や、
忘れたい記憶を、
無くすことにしたのです。
694 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /06(火) 23:04:22.97 ID:IkGv3Ac2O
だけど、
/ ゚、。 /「無いよ」
ξ゚⊿゚)ξ「無い?」
ダイオードはそれを断りました。
/ ゚、。 /「ああ、私に消したい事なんて無いんだ」
ξ゚⊿゚)ξ「……」
/ ゚、。 /「忘れたい過去はあるけどね」
/ ゚、。 /「……でも、それは忘れちゃいけない事だ」
ξ゚⊿゚)ξ「……」
/ ゚、。 /「絶対に、忘れちゃいけない事なんだ」
699 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /06(火) 23:07:03.54 ID:IkGv3Ac2O
ξ゚⊿゚)ξ「そう……」
/ ゚、。 /「ああ、だから他な奴のとこへ行きなよ」
ξ゚⊿゚)ξ「……わかったわ」
そういって、魔女が別の家臣の下へ行こうとした時です。
/ ゚、。 /「ああ、代わりと言ったらなんだけど」
ダイオードは言いました。
701 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /06(火) 23:08:14.22 ID:IkGv3Ac2O
/ ゚、。 /「王様を幸せにしてやってくれ、彼は私と同じだから」
703 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /06(火) 23:10:41.73 ID:IkGv3Ac2O
(´・ω・`)「消したい事?」
ξ゚⊿゚)ξ「そう、消したい事」
次は庭師のショボンです。
彼もまた、事情を話すと、
「ああ、知ってるよ」、と言いました。
708 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /06(火) 23:13:21.78 ID:IkGv3Ac2O
でも、
(´・ω・`)「消したい事なんて無いよ」
ξ゚⊿゚)ξ「……」
ショボンもまた、
消す事を、断りました。
(´・ω・`)「無いんだ、消したい事なんて」
ショボンの両目は、全てを見透かしているようでした。
714 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /06(火) 23:19:04.14 ID:IkGv3Ac2O
(´・ω・`)「後悔している事はあるけれど」
ξ゚⊿゚)ξ「……」
(ねえショボン!僕は星がいいなあ!)
(ショボン、四角とかはできないかなあ)
その時、魔女にも、声が聞こえました。
(´・ω・`)「声の大切さに気づけた、だから、いらないよ」
ξ゚⊿゚)ξ「そう……」
そうして魔女が他の家臣の下へ行こうとした時です。
(´・ω・`)「ああ、代わりに頼みたいんだけど」
ショボンが言いました。
718 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /06(火) 23:20:51.80 ID:IkGv3Ac2O
(´・ω・`)「王様を幸せにしておくれ、また声が聞こえたのは彼のおかげみたいな物だから」
723 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /06(火) 23:26:07.57 ID:IkGv3Ac2O
そうして次はコックです。
「いまさら何しに来たんだよ!」
<ヽ;`∀´> 「ごめんなさいニダ。本当に、すみませんニダ」
だけれど魔女は彼に近づけません。
彼が沢山の人に謝っていたから。
ずっと、ずうっと。
729 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /06(火) 23:29:18.78 ID:IkGv3Ac2O
「これ、お詫びの料理ニダ……キムチじゃないニダ……」
「いらねえよ!そんなもん!」
そんなやりとりを何回もニダーはしていました。
何回も何回も、
そして、
「……まあ、受け取ってやるよ、二度と盗みなんてするなよ」
<ヽ*`∀´>「ありがとうございますニダ!」
許してくれる人も、
出てきました。
740 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /06(火) 23:32:27.27 ID:IkGv3Ac2O
そうして、ようやく話せるようになりました。
<ヽ`∀´> 「消したい事?」
ξ゚⊿゚)ξ「そう、消したい事」
ニダーも魔女の事を聞いても驚きませんでした。
「王様は凄いから何でも出来るニダ」、と言うだけでした。
ただただニコニコしてました。
747 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /06(火) 23:35:44.34 ID:IkGv3Ac2O
そして、
<ヽ`∀´> 「消したい事なんて無いニダ」
ξ゚⊿゚)ξ「何も?」
<ヽ`∀´> 「なあんにも無いニダ」
ニダーも二人のように、
<ヽ`∀´> 「後悔している事はあるニダ」
<ヽ`∀´> 「でもそれを忘れちゃいけないニダ」
言ったのです。
755 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /06(火) 23:38:28.00 ID:IkGv3Ac2O
<ヽ`∀´> 「さ!まだまだ謝る人は沢山いるニダ!」
ξ゚⊿゚)ξ「そう……」
<ヽ`∀´> 「頑張るニダ!」
ξ゚⊿゚)ξ「……」
そうして魔女がまた別の家臣の下へ行こうとした時です。
<ヽ`∀´> 「あ!もしよければ!」
ニダーが言いました。
759 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /06(火) 23:39:48.64 ID:IkGv3Ac2O
<ヽ`∀´> 「王様に幸せを!王様はウリを助けてくれたニダ!」
768 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /06(火) 23:43:36.02 ID:IkGv3Ac2O
(*゚ー゚) 「消したい事?」
ξ゚⊿゚)ξ「そう、消したい事」
最後は使用人のしぃでした。
(*゚ー゚) 「……」
ξ゚⊿゚)ξ「……」
彼女は、
(*゚ー゚) 「あるよ、消したい事」
ξ゚⊿゚)ξ「それは、なに?」
(*゚ー゚) 「……」
彼女だけは、
770 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /06(火) 23:44:41.96 ID:IkGv3Ac2O
「王様と会ってからの記憶を消して欲しいな」
消す事を、願いました。
776 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /06(火) 23:47:53.74 ID:IkGv3Ac2O
(*゚ー゚) 「あんな楽しい毎日なんてなかった」
ξ゚⊿゚)ξ「……」
(*゚ー゚) 「もう、来ない日々なら、消して欲しい」
ξ゚⊿゚)ξ「……いいの?」
(*゚ー゚) 「うん……」
ξ゚⊿゚)ξ「……わかった」
(*゚ー゚) 「……」
そうして、魔女が魔法を唱えようとしたときです。
790 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /06(火) 23:52:40.84 ID:IkGv3Ac2O
「……!!!」
ξ;゚⊿゚)ξ「……!!!!」
無理矢理に口を押さえ付けられました。
ξ;゚⊿゚)ξ「ちょっと!何するの!」
(*;ー;)「駄目っ!絶対に駄目っ!」
ξ;゚⊿゚)ξ「あなたが望んだのよ!?」
(*;ー;)「忘れたい!忘れたいけど!」
「それでも毎日は本当に楽しかった!」
801 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /06(火) 23:55:48.50 ID:IkGv3Ac2O
ξ;゚⊿゚)ξ「……」
(*;ー;)「私…楽しかった……本当に…楽しかった……」
ξ;゚⊿゚)ξ「……」
(*;ー;)「ごめんなさい、わがまま言って」
(*;ー;)「私…やっぱり何も、消したく無い……」
(*;ー;)「忘れたく、ない……」
ξ;゚⊿゚)ξ「……」
804 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /06(火) 23:58:35.12 ID:IkGv3Ac2O
ξ;゚⊿゚)ξ「じゃあ、何も、望まないのね?」
(*;ー;)「……うん」
ξ;-⊿-)ξ「……わかったわ」
ああ、またか、
そう思い、城に魔女が戻ろうとした時です。
(*;ー;)「もし、もしよかったら!」
しぃが叫びました。
806 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /07(水) 00:00:21.29 ID:zQYqJEL4O
(*;ー;)「王様に幸せを!あの人が拾ってくれたから楽しい日々に会えた!」
807 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /07(水) 00:01:51.64 ID:zQYqJEL4O
そうして、
商人と、
庭師と、
コックと、
使用人な願いを抱いて、
魔女は城へ戻りました。
818 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /07(水) 00:06:43.09 ID:zQYqJEL4O
( ω )「……」
そして、
( ω )(なんだお……)
そして王様の病は治り、
( ω )(なんだか…暖かいお……)
「…!……!!」
( ω )(何か、何か聞こえるお……)
「…様!王様!」
( ω )(みんなの…声?)
そして彼の周りには、
826 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /07(水) 00:10:14.76 ID:zQYqJEL4O
(*;ー;)「王様!王様!」
使用人の少女と、
<ヽ*`∀´>「起きたニダ!」
泥棒だったコックと、
(´・ω・`)「よかった……」
心の読める庭師と、
/ ゚、。 /「……」
過去と向き合う商人と、
836 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /07(水) 00:13:51.59 ID:zQYqJEL4O
「本当に、」
彼が聞いた声は、
( ω )(え……)
( ω )「……まさか」
そして、
「本当に王様になったんだ……」
そしてそれは、彼が求め続けていた、
844 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /07(水) 00:15:10.01 ID:zQYqJEL4O
ξ*゚ー゚)ξ「おめでとうブーン」
849 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /07(水) 00:16:13.43 ID:zQYqJEL4O
彼女の、声でした。
856 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /07(水) 00:18:53.14 ID:zQYqJEL4O
そこで王様は目覚めました。
(;゚ω゚)「ツン!」
聞いた、確かに聞いた。
彼女の声を、求めつづけた、
彼女の声を。
(;゚ω゚)「……」
だけど、彼の周りには誰もいませんでした。
あんなにも、あんなにもリアルに、
声が聞こえたのに。
863 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /07(水) 00:21:57.05 ID:zQYqJEL4O
( ω )「やっぱり……」
嗚呼、何も、何も無いんだ。
僕には、何も、無い。
再び王様が悲しみに染まり始めた時です。
(*゚ー゚) 「王様」
そこに使用人の少女が、いました。
872 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /07(水) 00:27:53.35 ID:zQYqJEL4O
( ω )「しぃかお」
(*゚ー゚) 「悲しい、夢を……見たんですか?」
( ω )「……そうだお、悲しい、とても悲しい夢だお」
( ω )「僕に、何も無い事を、実感してしまう……」
( ω )「悲しい…夢だお……」
(*゚ー゚) 「王様」
( ω )「なんだお」
(*゚ー゚) 「私には家族がいません」
(*゚ー゚) 「戦争で失いました」
(*゚ー゚) 「コックのニダーさんも、そうらしいです」
( ω )「……」
878 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /07(水) 00:32:54.16 ID:zQYqJEL4O
(*゚ー゚) 「でも、でも私は、手には、まだ残っている物があります」
( ω )「……」
(*゚ー゚) 「王様、あなたがくれたのです」
(*゚ー゚) 「私だけじゃない……」
(*;ー;)「ニダーさんや、ショボンさんや、きっとダイオードさんだって!」
(*;ー;)「王様がくれた物を持ってるはずです!」
( ω )「……」
(*;ー;)「王様……それでも、あなたには、あなたの手には、」
(*;ー;)「何もありませんか?」
883 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /07(水) 00:34:41.10 ID:zQYqJEL4O
ぽたり、と
涙が落ちました。
893 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /07(水) 00:39:43.68 ID:zQYqJEL4O
( ;ω;)「……あるお」
( ;ω;)「僕には…沢山の物が、まだ……」
ハラハラと、王様の目からは涙が落ちていました。
泣いて、泣いて
泣いて。
部屋には二人の泣く音だけが響いていました。
それと、
895 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /07(水) 00:40:48.31 ID:zQYqJEL4O
<ヽ;`∀´>「王様泣いてるから励ましに入るニダ!」
(;´・ω・`)「やめなよ」
/;゚、。 /「やめといた方が……」
<ヽ;`∀´> 「な、なんで?」
(´・ω・`)/ ゚、。 /「空気を読んで」
部屋の外では不安そうにしている彼等もいました。
904 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /07(水) 00:45:34.96 ID:zQYqJEL4O
一番に取り戻したい、無くした物は帰って来ませんでした。
しぃとニダーの家族、
ショボンのチャンス、
ダイオードの出会った少女、
だけど、だけで、
( ;ω;)
(*;ー;)
<ヽ`∀´>
(´・ω・`)
/ ゚、。 /
彼等には、まだ残っている物もありました。
906 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /07(水) 00:46:48.06 ID:zQYqJEL4O
そして
909 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /07(水) 00:49:32.37 ID:zQYqJEL4O
ξ゚⊿゚)ξ「最後の願いが決まった?」
( ^ω^)「そうだお」
家臣が城に帰ってしばらくした日の事です。
魔女と王様はいつもとは違う話をしていました。
ξ゚⊿゚)ξ「まあいいけど、どんな願い?」
( ^ω^)「それは」
915 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /07(水) 00:53:40.10 ID:zQYqJEL4O
*****
「魔女はね、可哀相なんだ」
「魔女がですか?」
「呼び出した者から奪うだけ、」
「……」
「魔女には何もないんだ、何も」
「……王様は、どうしたんですか?」
「それはね」
*****
919 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /07(水) 00:56:51.54 ID:zQYqJEL4O
( ^ω^)「魔女さん、あなたに」
ξ゚⊿゚)ξ「私に?」
( ^ω^)「『自分』を作ってあげたいお」
( ^ω^)「それが三つ目の願いだお」
そう、王様が言った時でした。
ξ;゚⊿゚)ξ「あ……」
魔女を、光が、包んだのです。
926 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /07(水) 01:02:25.99 ID:zQYqJEL4O
そして、魔女は、自分を手に入れて、
ζ(゚ー゚*ζ「……」
( ^ω^)「ツンに妹がいたらこんなんだおね」
ζ(゚ー゚*ζ「……ありがとう」
( ^ω^)「おっおwwwたいした事ないおwww」
ζ(゚ー゚*ζ「私に頼った人は少ないけど、こんな願いあなたが始めてだよ」
( ^ω^)「おっおwwww」
ζ(゚ー゚*ζ「……お礼に、奪わないであげる」
( ^ω^)「お?」
次の瞬間には、魔女はもうそこにはいませんでした。
934 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /07(水) 01:07:17.64 ID:zQYqJEL4O
*****
老人に近い男は子供に童話を話していた。
話しは時期に終わりそうで子供は興奮し、鼻息を荒げ、話しを聞いていた。
「それで!?それから王様達はどうなったんですか?」
「実はなあ、この先はなあ……」
「ええ!?わからないんですか?教えてくださいよ!王様!」
「おっおwwwwすまないおwww」
だってこのお話は、
937 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /07(水) 01:08:23.50 ID:zQYqJEL4O
( ^ω^)「僕もよくわからないんだおwwww」
終わっていないのですから。
942 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /07(水) 01:10:35.86 ID:zQYqJEL4O
むかしむかしのお話です。
周りの人の事など考えない。
自分のためだけに王様になった男がいました。
だけど、男はみんなに慕われて、
みんなからこう、言われました。
「あの王様は最高だよ!」
945 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /07(水) 01:11:28.62 ID:zQYqJEL4O
( ^ω^)は最低な王様になるようです
おしまい
Posted at 2011/07/11 22:54:59 | |
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ブーン系小説 | パソコン/インターネット
2011年07月10日
278 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /05(月) 21:45:56.30 ID:A55ZIUfWO
ある日の事です。
(*゚ー゚)「王様、買い出しに行ってきますね」
( ^ω^)「行ってくるお」
<ヽ`∀´>「王様、キムチの材料買ってくるニダ」
( ^ω^)「行ってくるお」
(´・ω・`)「王様、僕も買い出しに行ってきます」
( ^ω^)「行ってくるお」
283 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /05(月) 21:50:28.89 ID:A55ZIUfWO
( ^ω^)「……」
( ^ω^)「お城って、もっとこう」
( ^ω^)「買いに行くんじゃなくて」
( ^ω^)「確か商人とかが…」
( ゚ω゚)「そうだお!全然商人とかがこの城きてないお!」
(;^ω^)「ぬかったお!」
(;^ω^)「こうなったら一流の商人を捕まえてコキ使ってやるおおお!」
(;^ω^)「……」
(;^ω^)「と、とりあえず探しに町にいくお」
285 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /05(月) 21:52:11.15 ID:A55ZIUfWO
その4
商人の話
288 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /05(月) 21:56:25.84 ID:A55ZIUfWO
ダイオードは商人です。
西から東、南から北、
注文があればどこへだって行きました。
/ ゚、。 /「はい、ご注文の物を2キロね」
「ありがとう商人さん!」
/*゚、。 /「いえいえ」
あの町この町、
色々な町でかけられる「ありがとう」がダイオードは大好きでした。
290 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /05(月) 22:02:37.60 ID:A55ZIUfWO
「ダイオードさん!ダイオードさん!」
/ ゚、。 /「ん?」
l从・∀・ノ!リ人「こんにちはなのじゃー」
/ ゚、。 /「こんにちは」
ある日、一人の少女に声をかけられました。
少女はいいます。
l从・∀・ノ!リ人「私もダイオードさんみたいに笑顔を届けたいのじゃ!」
/*゚、。 /「照れるな」
l从・∀・ノ!リ人「私も商人になるのじゃ!」
嬉しいことです。
ダイオードはなんだか暖かい気持ちになりました。
291 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /05(月) 22:05:19.38 ID:A55ZIUfWO
/*゚、。 /(笑顔を届ける、か)
帰り道で少女の言葉を思い出します。
その度にダイオードの顔には微笑が浮かびました。
/*゚、。 /(ずっとこんな毎日ならいいな)
そう、ぼんやりと思いました。
297 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /05(月) 22:10:55.79 ID:A55ZIUfWO
けれども不穏な気配がありました。
/ ゚、。 /「槍、ですか」
「ああ槍だ!沢山頼むよ!」
/ ゚、。 /「一体なんのために…」
「なあに、ちょっと城の警備を強くするだけだよ!」
/ ゚、。 /「……そうですか」
始めは西のお城の注文でした。
ダイオードはその要望に応えます。
それが商人の仕事だから。
300 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /05(月) 22:14:26.48 ID:A55ZIUfWO
次は東のお城です。
/ ゚、。 /「弓矢、ですか?」
「ああ!弓矢さ!とびきり精度の良いものを頼むよ!」
/ ゚、。 /「一体どうして…」
「なあに!城で狩猟が流行っているだけさ!」
/ ゚、。 /「……そうですか」
何かがおかしい、そうダイオードは思いました。
けれどもダイオードは商人です。
それ以上は、何も言えませんでした。
303 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /05(月) 22:17:36.81 ID:A55ZIUfWO
北のお城も
「剣を頼む!とびきり切れ味が良いものを!」
南のお城も
「鎧を頼むよ!どんな攻撃にも耐えられるやつをさ!」
みんな、普段とは違いました。
/ ゚、。 /(嫌な気持ちだ……)
ダイオードは不安でいっぱいでした。
307 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /05(月) 22:22:15.42 ID:A55ZIUfWO
けれどもダイオードは商人です。
深入りなんて出来ません。
/ ゚、。 /(きっとこの仕事が終われば)
/ ゚、。 /(いつも通りさ)
そう思いました。
いや、そう信じたかったのです。
ダイオードは荷物を運びます。
西から東、南から北へ
312 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /05(月) 22:26:33.91 ID:A55ZIUfWO
「ありがとう!助かったよ!」
「ありがとう!これで大丈夫だ!」
「ありがとう!百人力だ!」
「ありがとう!これで安心だ!」
西のお城も、東のお城も、
南のお城も、北のお城も、
みんな笑顔で「ありがとう!」といってくれました。
だけど、
314 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /05(月) 22:28:50.20 ID:A55ZIUfWO
/ ゚、。 /(嫌な気分)
その「ありがとう」がダイオードには、
/ ゚、。 /(言葉はおんなじなのに、)
とても、とても、
/ ゚、。 /(二度と、聞きたくない)
嫌な言葉に聞こえたのです。
316 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /05(月) 22:30:48.26 ID:A55ZIUfWO
そうして迎えたある日の事です。
324 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /05(月) 22:36:14.87 ID:A55ZIUfWO
「大変だよ!大変だよ!」
/;゚、。 /「どうしたんですか一体」
商人仲間が大慌てでダイオードの下へ走って来ました。
息も絶え絶えで辛そうです。
なんとか落ち着かせよう、そう思った時でした。
「戦争だよ!戦争が始まったんだ!」
それはダイオードの視界すら歪めてしまう言葉でした。
327 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /05(月) 22:40:26.35 ID:A55ZIUfWO
/ ;、。 /「戦争…ですか…」
何でも無い、そう言っていたのに。
その言葉を信じて、いや……信じたかったのに。
「ああ!西も東も南も北も!」
「みんな戦争を始めてしまった!」
/ ;、。 /(わかっていた……)
/ ;、。 /(こうなることを私は……)
ダイオードの目からは、ぽろぽろと涙が落ちていました。
330 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /05(月) 22:45:52.80 ID:A55ZIUfWO
戦争は全てを奪っていきました。
ある少女からは家族を、
(* ー )
またある男からも家族を、
<ヽ ∀ >
みんな奪っていきました。
333 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /05(月) 22:47:42.05 ID:A55ZIUfWO
やがて戦争は終わり、
西からも東からも南からも北からも、
335 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /05(月) 22:49:08.78 ID:A55ZIUfWO
お城は見えなくなりました。
339 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /05(月) 22:53:59.95 ID:A55ZIUfWO
/ ゚、。 /「……」
焼け落ちた町は復旧の兆しを見せています。
とんてんかんかん、とんてんかん。
とんてんかんかん、とんてんかん。
釘をうち、新しく家を建てる音も聞こえます。
でも、
/ ゚、。 /(誰も笑顔じゃあ…無い……)
みんな悲しそうな顔をしていました。
344 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /05(月) 23:00:16.72 ID:A55ZIUfWO
/ ゚、。 /(私は……)
その時、いつかの言葉が頭に過ぎりました。
(私もダイオードさんみたいに笑顔を届けたいのじゃ)
/ ゚、。 /(笑顔を、届ける……)
/ ゚、。 /(私に出来る事は……)
347 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /05(月) 23:03:41.19 ID:A55ZIUfWO
ダイオードは立ち上がり、動き出しました。
/ ゚、。 /(私は笑顔を、)
/ ゚、。 /(届けたいんだ)
西へ東へ
南から北へ
ありとあらゆる場所へ行きました。
351 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /05(月) 23:07:49.81 ID:A55ZIUfWO
/ ゚、。 /「これ、注文されてた医療品です」
「おおお!ありがとう!」
そうして色々な場所へ行くうちに、
/ ゚、。 /「ご注文のお水です」
「まあ!ありがとう!助かるわ!」
人々にも笑顔が見えはじめました。
352 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /05(月) 23:13:14.54 ID:A55ZIUfWO
「ありがとう商人さん!」
/*゚、。 /「どういたしまして」
行く先々で人々の、笑顔が見えるようになったころのことです。
ボロボロだった町も大分復旧していました。
/ ゚、。 /(次の仕事は、)
/ ゚、。 /(ここは……)
356 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /05(月) 23:17:34.10 ID:A55ZIUfWO
(私もダイオードさんみたいに笑顔を届けたいのじゃ!」)
/ ゚、。 /(あの時の女の子がいた町……)
/ ゚、。 /(思えば私が頑張れたのもあの子の言葉のおかげだ)
思い出すだけで、じんわりとダイオードは心が暖かくなりました。
/*゚、。 /(また、会えるといいな)
ダイオードはウキウキしていました。
あの子になんてお礼を言おう。
私は笑顔を届けられているだろうか?
そんな事を考えました。
362 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /05(月) 23:25:21.28 ID:A55ZIUfWO
町ではやはり暖かい声がダイオードを迎えてくれました。
(*´_ゝ`)「やあやあどうもダイオードさん!相変わらず美しいね!」
(´<_`;)「兄者…ダイオードさんは男だぞ……」
( ´_ゝ`)
(´<_`;)
(#´_ゝ`)「し、知ってるよ!男に美しいって言ってもいいだろ!」
(´<_`;)「兄者…キモいぞ……」
/;゚、。 /「と、とりあえずご注文の食料です……」
特徴的な兄弟でした。
兄弟は一人を二人に分けたようなうりふたつの外見でした。
366 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /05(月) 23:30:57.46 ID:A55ZIUfWO
(*´_ゝ`)「おお!どうもありがとうございます!」
(´<_` )「ありがとうございますダイオードさん」
/ ゚、。 /「いえいえ」
そうだ、この二人にあの女の子の事を聞いてみよう。
そう、ダイオードは思いました。
特に深い理由などなく、ただ、なんとなく。
/ ゚、。 /「すみません、お二人さん、ちょっと女の子を知りませんか?」
聞いてみたのです。
370 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /05(月) 23:36:09.08 ID:A55ZIUfWO
( ´_ゝ`)「女の子ですか?」
(´<_` )「兄者に聞けばわかりますよ、リスト作ってるくらいだし」
( ´_ゝ`)「何故知っている……」
(´<_` )「昨日母者が見つけて燃やしてた」
( ´_ゝ`)「嘘だろ……俺のリストが……」
(´<_` )「諦めろ」
/;゚、。 /「あ、あの語尾に、のじゃー、って言ってた女の子なんですが」
( ´_ゝ`)「……ああ」
(´<_` )「妹者か……」
373 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /05(月) 23:39:19.06 ID:A55ZIUfWO
( ´_ゝ`)「妹者は俺と弟者の」
(´<_` )「妹でしてね」
兄弟はぽつり、ぽつりと話し始めました。
/;゚、。 /「……」
ダイオードは不安を覚えました。
何か、何か二人の雰囲気が変わったように感じたのです。
378 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /05(月) 23:44:20.19 ID:A55ZIUfWO
ダイオードには
「妹者は■■■ね」
「屋根が燃えて■■■■■」
辛い、辛い、
「それの下■■で」
「■■■■■くて」
事実が待っていました。
「■■■しまったんだ」
385 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /05(月) 23:49:12.03 ID:A55ZIUfWO
気づけばダイオードは泣いていました。
胸が、痛んで、涙が、あふれました。
/ ;、。 /
「あんたは何も悪くないよ」
「ダイオードさんはみんなに笑顔を届けているさ」
泣きじゃくるダイオードを兄弟は励ましました。
あなたは悪くない、ありがとう、と
/ ;、。 /(それでも、それでも私は)
390 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /05(月) 23:54:50.32 ID:A55ZIUfWO
/ 、 /(自分が許せない……)
/ 、 /(私が、私があの子を、)
/ 、 /(殺してしまったような物だから)
(私もダイオードさんみたいに笑顔を届けたいのじゃ!」)
/ ;、。 /(君には、笑顔、届けられたのかな?)
393 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /05(月) 23:57:21.10 ID:A55ZIUfWO
ダイオードはそれからも、それでも商人を続けました。
「ありがとうねダイオードさん!」
/ ゚、。 /「いえいえ」
それは贖罪でした。
ごめんなさい、ごめんなさい。
ダイオードの心はいつもそれでいっぱいでした。
399 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /06(火) 00:01:36.82 ID:IkGv3Ac2O
そうして町が完全に復旧したとき、
/ ゚、。 /(私は……)
/ ゚、。 /(これから何をすればいいのだろう…)
ダイオードには、
/ ゚、。 /(私は……)
何もありませんでした。
生きる目的も、理由も、
ただ、商人という仕事だけが彼にはありました。
401 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /06(火) 00:06:02.35 ID:IkGv3Ac2O
ただ町に行き、
ただ注文を聞いて、
ただその通り商品を運ぶ、
そんな、そんな毎日でした。
商品を受け取る人は笑顔でも、
「ありがとう!」
/ ゚、。 /「いえいえ」
ダイオードは笑顔ではありませんでした。
402 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /06(火) 00:08:05.37 ID:IkGv3Ac2O
そんな、ある日の事です。
407 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /06(火) 00:14:29.01 ID:IkGv3Ac2O
ダイオードの下へ一人の男がやってきました。
( ^ω^)「君は商人かお!」
/ ゚、。 /「そうですよ」
( ^ω^)「みつけたお!」
( ^ω^)「商人さん商人さん!僕のお城で働いてくれお!」
/ ゚、。 /「嫌です」
( ^ω^)「あ、えと」
/ ゚、。 /「絶対、嫌です」
( ^ω^)
413 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /06(火) 00:20:35.89 ID:IkGv3Ac2O
ダイオードはお城が嫌いでした。
大嫌いでした。
/ ゚、。 /「お城があって、領地があって、そんなのがあるから、人と人がバラバラになって」
/ ゚、。 /「そんなんだから」
( ^ω^)「……」
/ 、 /「戦争が…起こったんだ……」
/ 、 /「あの子が、いなくなっちゃったんだ」
ぽつぽつと、
ダイオードの感情がこぼれました。
415 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /06(火) 00:22:49.95 ID:IkGv3Ac2O
/ 、 /「あの子はなにも、」
/ 、 /「何も……」
/ ;、。 /「悪くなかったのに……」
( ^ω^)「……」
王様はただ、黙ってそれを聞き、
( ^ω^)フー
ひとつ小さく息を吐き、
( ^ω^)「商人さん」
言いました。
422 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /06(火) 00:29:25.91 ID:IkGv3Ac2O
( ^ω^)「それでもお城に来てくれお」
/#゚、。 /「だから私は!」
( ω )「僕は!偉くならなくちゃいけない!」
( ω )「誰よりも!他の奴らなんかより!ずっと!」
( ω )「僕の!僕の目的は!」
/;゚、。 /
( ω )
王様は、ダイオードにそっと耳打ちをしました。
428 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /06(火) 00:34:40.56 ID:IkGv3Ac2O
/ ゚、。 /「……」
( ^ω^)「……」
/ ゚、。 /「あなたは、」
( ^ω^)「なんだお」
/ ゚、。 /「とても哀れな人だ」
( ^ω^)「なんとでもいえお」
/ ゚、。 /「そんな理由で王様に、偉くなろうと?」
( ^ω^)「そんな、理由じゃないお」
( ^ω^)「それだけ、の理由だお」
/ ゚、。 /「……」
432 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /06(火) 00:39:02.72 ID:IkGv3Ac2O
/ ゚、。 /「待っていてください」
そう言うとダイオードはいそいそと支度を始めました。
( ^ω^)「来てくれるのかお!?」
/ ゚、。 /「……あなたは、私と同じですから」
( ^ω^)「来てくれるならなんだっていいお!」
こうして商人は、
王様の下へ。
435 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /06(火) 00:41:18.14 ID:IkGv3Ac2O
「ただいまだお!商人を連れて来たお!」
「あ、王様、買い出し一年分終わりました」
「キムチも一年分買ったニダ!」
「ハサミも……」
「お!?おおお……」
(私は必要なんだろうか……)
437 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /06(火) 00:42:37.13 ID:IkGv3Ac2O
その4
商人の話 終わり
Posted at 2011/07/10 21:12:17 | |
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2011年07月09日
122 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /05(月) 17:31:23.76 ID:A55ZIUfWO
ちょきちょき、ちょき。
(私はハートの形に切ってほしい)
ぱちぱち、ぱちん
(僕は綺麗に切り揃えて欲しいんだ、そのままの姿がいいんだよ)
123 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /05(月) 17:34:49.42 ID:A55ZIUfWO
「わかってる、わかってるよ」
じゃきじゃき、じゃきん
(ありがとう)(こんな風になりたかったんだ!)
(´・ω・`)「どういたしまして」
126 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /05(月) 17:36:40.32 ID:A55ZIUfWO
僕は心を読めた。
人や、花や、木々の
どんな風に切れば木々が喜ぶかだって知っていた。
128 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /05(月) 17:38:12.43 ID:A55ZIUfWO
嗚呼、だけど、
あなたの、あなたのためならば、
その3
庭師の話
130 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /05(月) 17:42:51.72 ID:A55ZIUfWO
ショボンは心が読めました、
彼は庭師の息子に生まれ、
いつしか毎日仕事に励むようになりました。
(´・ω・`)「どうしたいのさ」
(星にしておくれよ、あの空に浮かぶ星に)
(´・ω・`)「わかったよ」
じゃきじゃき、じゃきん
(わあ嬉しいな!ありがとうショボン!)
(´・ω・`)「どういたしまして」
132 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /05(月) 17:46:35.84 ID:A55ZIUfWO
植物の心を聞いて、切っていくと、
不思議と景色に彼等は溶け込んで、
世界を彩ってくれました。
「やあ!これは綺麗な庭だ!」
「きっと良い庭師がいるんだろうね!」
そんな声がよく聞こえてきました。
(*´・ω・`)(嬉しいな…)
ショボンもまんざらではありませんでした。
136 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /05(月) 17:49:39.74 ID:A55ZIUfWO
ある日の事です。
ショボンはある良家の家に雇われました。
ショボンの腕を見込まれて、の事でした。
(;´・ω・`)(緊張するな……)
そこで彼は、
142 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /05(月) 17:53:53.62 ID:A55ZIUfWO
「紹介しておこうか、こちらが娘のクーだ」
川 ゚ -゚)「よろしく」
(*´・ω・`)「あ、よろしくお願いします」
(*´・ω・`)(綺麗な人だな)
始めての恋をしました。
144 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /05(月) 17:57:07.94 ID:A55ZIUfWO
しかし所詮、彼は庭師。
身分違いの恋に夢見る事など彼には出来ませんでした。
(´・ω・`)「どうする?」
(私はシルエットが三角形になるようにしてほしいな!)
(´・ω・`)「はいはい」
ちょきちょき、ぱちん
いつものように庭の手入れをしていた日の事です。
145 :以 下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 18:02:22.96 ID:A55ZIUfWO
(綺麗な庭だな)
(;´・ω・`)(あ、)
声が、聞こえました。
それはこの家の、
川 ゚ -゚) 「……」
お嬢様の心の声でした。
146 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /05(月) 18:06:22.24 ID:A55ZIUfWO
ショボンは恋い焦がれました。
嗚呼、どうしたらあの人に見てもらえるだろう。
嗚呼、どうしたらあの人の心に触れられるだろう。
毎日、そんな事ばかり考えていました。
ちょきちょき、ちょき……
(-@∀@)「どうしたショボン?元気ないぞ?」
(´・ω・`)「いや、ちょっと疲れただけだよ、大丈夫」
仲間の庭師にもそんな事を言われてしまいました。
148 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /05(月) 18:10:37.96 ID:A55ZIUfWO
ある日、思いきってショボンはお嬢様に尋ねました。
午後の、彼女が庭でお茶をするときに勇気を出して。
(´・ω・`)「お嬢様」
川 ゚ -゚) 「ん?」
(´・ω・`)「お嬢様は、その、どのような庭がお好きですか?」
川 ゚ -゚) 「?」
川 ゚ -゚) 「私は今の庭が好きだぞ?」
(´・ω・`)「そうですか」
会話はそれだけ、ただそれだけでした。
でも、
149 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /05(月) 18:13:53.86 ID:A55ZIUfWO
(この庭は好きだ)
(しいて言うなら、)
(私が好きな庭は……)
(こんな……)
(それで……)
その会話の中で、
お嬢様の心を覗きました。
どんな庭が好きなのか、
それをショボンは理解したのです。
152 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /05(月) 18:17:47.33 ID:A55ZIUfWO
あなたが望むならそうしよう。
ちょきちょき、ちょき。
あなたがそれが好きならば、
ぱちぱち、ぱちん。
あなたが少しでも喜んでくれるなら、
じゃきじゃき、じゃきん。
例えそれが報われない思いでも、
155 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /05(月) 18:20:50.70 ID:A55ZIUfWO
(´・ω・`)「……」
(待ってくれ!なんでそんな形に!)
じゃきじゃき、じゃきん。
(´・ω・`)「……」
(私はハートの形がいいの!どうして!?)
ぱちぱち、ぱちん。
あなたが、あなたが望むなら。
ショボンは植物達の声を無視し続けました。
163 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /05(月) 18:35:33.57 ID:A55ZIUfWO
ショボンは心を読まなくても優秀な技術を持っていました。
じゃきじゃき、じゃきん。
ぱちぱち、ぱちん。
(´・ω・`)(お嬢様の好みはこんな庭なんだな)
少し、心が痛みました。
植物達の声を無視して、勝手に切っていく事は、
まるで暴力を振るっているようでした。
164 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /05(月) 18:38:11.60 ID:A55ZIUfWO
やがて、
(頼むよ!どうして急に!)
彼には、
(聞いて……!いるん……!!)
ショボンには、
(……!……!!)
何も、
(…………)
何も、
165 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /05(月) 18:40:24.23 ID:A55ZIUfWO
(´・ω・`)「静かだ……」
(´-ω-`)「とても、とても」
(´-ω-`)「押し潰されそうなくらい」
心の声が聞こえなくなりました。
169 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /05(月) 18:44:38.44 ID:A55ZIUfWO
やがて時が経ち、
お嬢様が結婚することになりました。
(´-ω-`)「……」
わかっていました、報われない、
元から叶わぬ恋なのです。
でも、一つだけ、一つだけショボンは望んでいました。
171 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /05(月) 18:49:13.01 ID:A55ZIUfWO
結婚式では雇われている者たちが皆でお嬢様に贈り物をするのです。
コックは料理を、
使用人たちは職人に美しいネックレスを頼んだそうです。
そして、
そして庭師は、
「ひとつ、何か植物のオブジェを作ろうじゃないか!」
これがショボンの目標でした。
174 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /05(月) 18:53:34.86 ID:A55ZIUfWO
オブジェは庭師が全員で作ります。
ただ、それを先導するリーダーは一人です。
長い間仕えました。
長い間庭の手入れをしてきました。
長い間お嬢様の望む庭を作ってきました。
(´・ω・`)(リーダーは、僕だ……)
ショボンはそう信じていました。
それで、それで僕の恋は報われる。
179 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /05(月) 18:59:14.79 ID:A55ZIUfWO
でも、
「オブジェを作る、リーダーは」
その願いは、
「アサピーだ」
(*-@∀@)「本当ですか!?」
「ああ、君だ」
(*-@∀@)「頑張ります!」
水泡に消えました。
180 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /05(月) 19:01:47.09 ID:A55ZIUfWO
(;´・ω・`)「……え?」
誰よりもお嬢様の好みを理解した。
誰よりもお嬢様好みの庭にした。
ずっとずっと、
たくさんの声を無視してまで、
(;´・ω・`)「……」
ショボンは呆然と立ち尽くすだけでした。
187 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /05(月) 19:06:57.45 ID:A55ZIUfWO
(´・ω・`)「……」
夜に一人で庭の木々を見ていた時です。
とても懐かしい、彼等の声が聞こえてきました。
(アサピーは望んだように切ってくれたよ)
(私達の声は聞こえなかったけどね)
(彼は私達を見てくれていたよ)
いやだ、聞きたくない。
ショボンは耳を塞いでうずくまりました。
ずっと、ずっと。
190 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /05(月) 19:12:04.35 ID:A55ZIUfWO
あなたのために切っていた。
あなたのために声を聞かなくなった。
あなたの望みを叶えたくて、
叶えたくて、
(´;ω;`)「……」
しくしくとショボンは泣くだけでした。
194 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /05(月) 19:15:47.06 ID:A55ZIUfWO
結婚式の時です。
お嬢様と目が合いました。
川 ゚ -゚)
(´・ω・`)
とても透き通った目で、
ショボンには見つめる事など出来ず、
(;´・ω・`)「……」
思わず俯いてしまいました。
まるで、
まるでお嬢様の目が、
195 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /05(月) 19:16:39.05 ID:A55ZIUfWO
「あの時の庭は素敵だったのに」
と、語りかけてくるようで、
199 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /05(月) 19:25:04.84 ID:A55ZIUfWO
それからショボンは腑抜けてしまいました。
何をしてもぼんやりとして、
仕事にも身が入らなくなりました。
そして、
(´・ω・`)「さようなら……」
「さようなら」
ショボンは庭師を、
解雇されてしまったのです。
203 :すみませんなんか回線?が重いです:2010/07 /05(月) 19:34:58.30 ID:A55ZIUfWO
小さい時から庭師の仕事だけを教えられてきました。
ただそれだけをやってきました。
それ以外の仕事なんて知りません。
色々な家の庭師になりました。
色々な家の要望に応えてきました。
「いまいちだなぁ……」
(´・ω・`)「……」
「他の人のがいいや」
いくら望みに応えても……いや、応えようとすればするほど、
ショボンからは魅力の無い物ばかり生まれました。
204 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /05(月) 19:38:03.55 ID:A55ZIUfWO
いつしかショボンはふらふらと、
ふらふらとふらふらと、
あてもなく、旅をするようになりました。
目的も何も、何も残っていないのに。
206 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /05(月) 19:41:18.41 ID:A55ZIUfWO
そんな毎日を何年も繰り返したある日の事です。
(;´・ω・`)「うわぁ……」
とても、とても汚いお城を見つけました。
城のあちらこちらにツタが張り、
木々は伸び放題。
ちっとも手入れがされていないようでした。
(;´・ω・`)「これはひどい」
208 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /05(月) 19:45:36.85 ID:A55ZIUfWO
(;´・ω・`)「……」
それは体に染み付いていたのかも知れません。
気がつけばショボンはハサミを手に持っていました。
伸び放題の木々をすこしづつ切り始めます。
ちょきちょき、ちょき。
ぱちぱち、ぱちん。
(;´・ω・`)「……」
何も考えず、ただ思うがままに切って行きます。
ショボンはそれをとても懐かしく感じました。
212 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /05(月) 19:48:10.05 ID:A55ZIUfWO
それは誰にも頼まれなかった事、
ぱちぱち、ぱちん。
それは自分で始めた事。
ちょきちょき、ちょき。
それは……
じゃきじゃき、じゃきん。
215 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /05(月) 19:50:12.71 ID:A55ZIUfWO
(……)
(´・ω・`)「……」
(……!)
そしていつしか、
(ねえ……!…!)
(´・ω・`)「……」
無くしたはずの、
218 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /05(月) 19:53:11.67 ID:A55ZIUfWO
(僕はまあるくなりたいんだ!)
(私はハートがいいの!)
(綺麗にしてくれよ!伸び放題でうんざりなんだ!)
無くしたはずの声達が、
(((頼むよ!ショボン!)))
(´;ω;`)「うん、うん……」
帰ってきたのです。
226 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /05(月) 19:56:54.36 ID:A55ZIUfWO
それはいつしか忘れていた気持ち、
ちょきちょき、ちょき。
ぱちぱち、ぱちん。
じゃきじゃき、じゃきん。
彼等は話します。
どんな風に変わりたいか。
どんな風になりたいか。
(ショボン、君はどうしたい?)
(´;ω;`)「僕は……」
233 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /05(月) 20:00:50.76 ID:A55ZIUfWO
(´;ω;`)「僕は……」
ずっと庭師として育てられた。
ずっと庭師として生きてきた。
だけどそれがずっと続いてきたのは、
(´;ω;`)「庭師として…生きていたいよ……」
それが本当に好きだったから。
235 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /05(月) 20:03:06.33 ID:A55ZIUfWO
そんな時です。
「な、なんか城が綺麗になってるお!」
「凄いですねー」
「魔法みたいニダ!」
(´;ω;`)「ん……?」
何やら城から声が聞こえました。
237 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /05(月) 20:10:06.71 ID:A55ZIUfWO
( ^ω^)「ん?」
(*゚ー゚) 「あら」
<ヽ`∀´>「ニダ」
(´;ω;`)「……人がいる?」
放置されていると思っていた城から、
人が出てきたのです。
(ここの人だよ)
(太った人は王様なんだ)
植物達が教えてくれました。
241 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /05(月) 20:14:09.42 ID:A55ZIUfWO
( ^ω^)「これ、君がやったのかお?」
(;´・ω・`)「ええ…まあ……」
( ^ω^)「ふむふむ」
王様は考えました。
( ^ω^)(きっと彼は一流の庭師なんだお)
( ^ω^)(僕が城に引き止めれば彼の雇い主はとっても困るに違いないお!)
( ^ω^)(クックック…ノーとは言わせないお)
( ^ω^)9m 「君!」
(;´・ω・`)「は、はい!」
( ^ω^)9m「ここの庭師になりたまえだお!」
247 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /05(月) 20:17:53.28 ID:A55ZIUfWO
「え、いいんですか、やります!」
「え!?あ、もちろんだお!」
「わー凄いですね」
「綺麗な庭ニダ!」
(何かおかしいお……まあいいお……)
248 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /05(月) 20:18:43.70 ID:A55ZIUfWO
その3
庭師の話 終わり
250 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /05(月) 20:21:29.78 ID:A55ZIUfWO
(´・ω・`)「……」
(´・ω・`)(ありがたい話しだ、本当に)
(´・ω・`)(でも、だからこそ、)
(´・ω・`)(気になった事がある)
(´-ω-`)(さっき少しだけ王様の心が読めた)
(´-ω-`)(王様、あなたは、)
(´-ω-`)(あなたはどうしてそんなにも……)
252 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /05(月) 20:22:52.69 ID:A55ZIUfWO
(ずっと悲しんでいるのですか?)
その3
庭師の話 今度こそ終わり
Posted at 2011/07/09 10:34:28 | |
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