『トンネルのムコウに連れてって…』
久しぶりに深夜パトロールをしようと0時過ぎに家を出て、いつものおばあちゃん市に向かいました。
自宅を出て終電後の踏切を渡ると、何やらお婆さんらしき人がキャリーバッグを引いて歩いてるではないですか。
「あれ、こんな時間に散歩かな…」
気になりつつ、そこから1時間ほどかけておばあちゃん市へ。
おばあちゃん市に着いて、コーヒーを飲み帰路へ。
例の踏切から3キロ程地点の山道を下っていると、あれ!?対向車線をなにやら人影が登ってくる…さっきのお婆さんだ!

(ドラレコの実際の映像)
あれは間違いなく徘徊お婆さんだ、と思い、警察に連絡するかどうするか暫く悩み、取り敢えず引き返してみることに。
暗闇をえっちらおっちら歩くお婆さんの前に車を止めて、声をかけた。
会話が出来なかったらすぐ警察を呼ぼう…と。
「大丈夫ですか?何か困ってませんか?」
『困ってるの…道に迷ってしまって、そこのホテルに泊めてもらおうと思ったら閉まってて…』
思ってたより会話もスムーズだ。
「よかったら乗りますか?」
『そうさせてもらえると助かる』
…もう少しいろいろ会話はしたけれど、とにかくしっかりしていて認知症の類の雰囲気が全くない。
車に乗せて、自宅の場所を聞くと、
『この先のトンネルを超えたらすぐだから』
ん?トンネルなんてこの先あったかな?取り敢えず車を出し、数キロ走り、突き当りのT字路に。
「こっちで合ってますか?ここは左?右?」
『うーん、わからないわね』
お、ヤバい。
しかし、住所を聞いたらはっきりと番地まで答えてもらえた。
聞いたことがない町名だな…
ナビに入力すると、隣の市。距離はそこから10キロ以上離れてる。
「けっこう遠いし歩いていくのはさすがに無理ですよ!ご自宅にご家族はいらっしゃいますか?」
『家族はいる。犬が一匹。』
そうか!とにかくその住所に向かう。20分ほどの道中、いろいろ聞くと、今日はお友達と待ち合わせをしたがすれ違いで会えず。帰ろうにも道に迷って帰れなくなった。携帯は持ってない、とのことだった。
しかし、時間は午前二時。
一体何時間彷徨い歩いていたのだろう。
伝えられた住所につくと、そこは確かに市の境にある大きなトンネルを過ぎてすぐの場所だった。
無事、おうちに送り届けることができました。
しかし、歩いていたのは自宅とは違う方角。あのままだとどうなっていたのか…
たまの深夜パトロールが、少し人の役に立った、という話。
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2023/05/28 12:18:18