(仲間内メモ)各種補正と触媒
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ロータリーエンジン、特に2ローターの
ターボは多くのチューナーが繊細で
気をつかうと考えておられます。
近年ではレシプロでも難しいような
高出力を可能にするRE車両も登場して
きましたが、エンジンの作り手、
セッティング担当者、ドライバー、
メンテナンス担当者。
まだまだ関わる人間の経験を
必要とするエンジンだと思っています。
なので、一般的な普通のユーザーさんで
充分なパワーの改造を楽しみたいけど、
常識的な耐久性もキープしたい、
そんな場合は選択するパーツは充分に
吟味して、作り手とセッティング担当者
は、簡単に選ばないほうが無難だと
思っています。
耐久性確保のためにこだわるべき
パーツは。。。
アペックスシール
コーナーシール
FC前期8.5ローター
ターボ系の単純化
高性能なブーストコントローラー
大容量な冷却系
吸排気系
燃料系
点火系
フルコン
。。。とまあ、いろいろとあるわけ
なんですが。
これらハード面がいくら良くても、
繊細なREはセッティングが悪いと、
壊れる時はあっけなく壊れるから
恐ろしいです。
良いセッティングをしてくれる
チューナーさん探しは簡単では
ないし、ここでは何が正解なのか?
どこにもっていくべきなのか?
そんな事を語るつもりはないのですが。
個人的に思うのは。。。
誰に頼もうが。
エアポンプ、触媒付きのストリート
仕様それでそのままサーキットも走る。
こういう仕様で大パワーを狙うのは、
本音を言うと作り手はイヤだろうなと
僕は思っています。
なんでか。。。
サーキット走行中になんらかの
理由で水温あるいは吸気温が上昇し、
危険な状態になったとします。
この時の処置はいろいろとある
でしょうが。
よくあるのが。
補正をかけてエンジンを保護します。
燃料を濃くする(A/Fを濃くする)。
点火を遅くする。
これでエンジン本体は確かに
保護されるのですが。
実はこの処置をすると
エキマニ、タービン、
フロントパイプ、触媒、これらに
余剰の燃えていないガスが多く
流れていきます。
排気温度も上がります。
特に。。。
エアポンプ付きの触媒などは
大変なことに。
バーベキューの火おこし状態です。
エンジン本体に優しくすると
その後段はみんなきびしくなる
わけです。
触媒が割れて粉々。
あるいは溶けてしまうかも。
いずれのパターンも発生すると
恐ろしく排圧は上昇します。
タービンのブレードだって
熱と排圧で壊れるかもしれません。
エキマニから触媒のエリアは
バーベキューの火おこし状態
ですから、周辺のパーツへの
ダメージも可能性大となります。
壊れた部品がエンジン本体を
傷めるかもしれません。
運が悪ければエンジン本体も
壊します。
そんなわけで。
もし触媒を装着したままサーキット
本気走行というのは、かなり難しい
ことが容易に想像できるかと。
(チューナーさんとしては、お客さん
に言われるまでもなく、燃料濃いめで
点火時期で無理しない方針をとりたい
のに、安全マージンの取り過ぎが
できないわけです)
もちろん水、油、吸気、燃料の
温度などを充分に下げておき、
補正そのものをできるだけ
使わないようにすれば、
無駄な補正をかけないですみます。
(この観点からすると、よく冷える
ラジエター、オイルクーラー、
インタークーラーは間違いなく
大きなメリットとなります)
でも、万が一補正かけたい状況で、
それを充分にかけられるか?
そうでないか?
この差は果てしなく大きいと
僕は思うわけです。
そう思うので、僕は今の仕様では、
ストリート移動時は触媒やマフラーに
注意して合法性はキープするけれども、
触媒付きマフラーの状態での、全開時
ベストセッティングとかは、潔く
捨てています。
(そもそも、大パワーに対応した
触媒など皆無なので、全開など
諦めています)
触媒付きマフラーでの移動時は
ドライバーが決して踏まない前提の
セッティング、それで充分です。
(アイドリングからチョイ正圧くらい
まで、普通に快適に街乗りできれば
概ねOK。多少ぐずったりしても、
ドライバー側でフォローします!!
みたいな覚悟はできています)
チューナーさんにもセッティング時点で
その旨を充分に伝えてあるので。
触媒付きマフラーでの公道移動時は、
僕が決して全開なんてしない前提で、
最低限の確認、そんな方針です。
(まあ、それでも普通に乗るには
充分に快適なんですけどね)
サーキットまでの移動は、このような
触媒付きマフラーでゆっくり移動。
そして現地でマフラー交換。
あるいは現地まで積載車で移動する。
これを厳守するという約束で。
触媒が無い競技専用のマフラーで
本気のセッティングはしてもらって
おりますが。
こちらのセッティングはハイパワーで
全開可能なように入念に調整、確認
してもらっています。
触媒がなくて、太い競技用
マフラーですから、排圧の低さは
もちろん、触媒付近に熱がたまる
ことも皆無です。
このため、エンジンが危険な状態なら
躊躇することなく。
濃い目の燃料補正。
点火時期の遅角。
こういった安全制御をかけることが
可能になります。
あと燃料補正には薄くする補正と
いうものも存在します。
たとえば。。。
O2センサーによるフィードバック補正。
吸気温度補正。
これらは通年ストリートで実用的な
燃費を保つために、無駄な燃料を
絞るためには素晴らしい機能なんですが。
気温の低い特定のシーズンにしか
サーキット走行しないような
車両にとっては、特定条件下で
A/Fを変に薄い方向に引っ張る
危険性もあるので、かなり気持ち
悪い機能ともいえます。
最新のフルコンは通年ストリートで
快適に走れるようセッティングできる
各種補正機能は実装されていますが。
自動車メーカーがやるような長期間の
本格的テストはさすがにショップ
レベルでは難しいはずですよね。
なので、現実的コストでハイパワーで
壊れない車両を目指す場合は。
本気で踏む季節を限定したり。
勝ち負けに関係ないストリートでの
スペックや使いやすさは妥協する。
こういうことを打ち合わせ時に、
チューナーさんに伝えておくことに
より、いっそうサーキットモードの
完成度、安全性がアップする
可能性があるかと。
ユーザーさん側からすると、
触媒付きの合法マシンで通年
ストリートもサーキットも走れる
万能仕様でお願いします。
こんな風に言ってしまいがちですが、
なんでもできる仕様はターゲットが
不明確で、中途半端になりかねない
という感じですね。
もし、あえて通年仕様を目指すならば、
セッティング回数が増えてコスト高に
なるとしても。
真夏と真冬の両方で各パラメーターの
確認をおこなってもらう。
こういう気持ちで取り組まないと
難しい気がします。
(それでも前述の触媒付きで
フルパワーはなかなかの難問ですが)
フルコンやブーストコントローラーの
各種補正機能はとても便利では
ありますが。
作り手の想定外のことがおこった時に、
けっこうリスキーな状態になる原因
にもなりえます。
使用条件が絞りこめる車両の場合は、
それらをキャンセルしたり、
安全方向にしか働かなくしたり、
そんな工夫も有効だったりする
ようです。
とまあ、いろいろと書きましたが、
上記のようなことを考慮しますと、
僕は自分のクルマではよりモデルを
単純化して、あえての手動補正。
自動補正の排除で、本当のギリギリを
狙ってみたかったりします。
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