
今回取り上げるのは日産・ローレルの7代目となるC34型です。1993年の登場時のカタログとなります。
C34ローレルは全車3ナンバーとなったボディが特徴で、これは前年に登場した最大のライバルである90系マークⅡ/チェイサー/クレスタと共通です。またこれまで通りスカイラインと基本コンポーネンツが共通でR33スカイラインとは姉妹車関係になります。旧型のC33ではセフィーロとも姉妹車関係でしたが、翌年にモデルチェンジしたA32セフィーロではFF化されて全く別のプラットフォームとなりました。
しかし販売面ではマークⅡ3兄弟にこそ届かなかったものの、ある程度健闘したC33と比べても惨敗とも言うべき結果になってしまいました。
理由は主にデザイン面が原因とされ、元々C33同様のバブル期に流行した背の低い4ドアハードトップとしてデザインされていたものを販売側から「もうちょっとボディ拡大して、幅を広く、背を高くしろ」といった要望があり、それを取り入れた際に大元のデザインを変えずに無理矢理ボディを拡大したため不格好と見られたことが原因とされています。
そのためデビュー翌年の1994年には2度もマイナーチェンジで前後のデザインを変更していますが、元々のデザインが無理矢理仕立てたものであったためか販売回復には繋がりませんでした。
あとは主力となる車種がセダンからミニバン・RVに移行しつつある時期であったことも原因だと思われます。これに関してはセダン全般に言えることなので何とも言えませんが…
当時のCM集です(中期型・後期型のも入っていますが)。登場時のCMソングにはロマンセという曲が使われ、これは荻野目洋子さんが歌うものととおおたか清流さんが歌うものの2種類が使われました。
またイメージキャラクターには松方弘樹さん・本木雅弘さんを起用しました。

コンセプトのページです。当時のキャッチコピーは「すっきりが、いい」でした。
むしろデブくなってるし真逆な気もするが…
でも確かにC33と比べてプレスラインや装飾が少ないのですっきりしたという意味なのかもしれません。この年は1968年に初代ローレル登場からちょうど25年目でのフルモデルチェンジでした。
そしてこの10年後にはティアナへの移行で消滅することになる訳です…最も今やティアナですら放置プレイで風前の灯火ですが…

イメージ写真のページです。ラグジュアリー系グレードとなるメダリストです。最も多く売れたグレードと思われます。今見るとそこまで不格好には見えませんが背の低い5ナンバーの4ドアハードトップに見慣れた当時では違和感あったのでしょうね…

イメージ写真のページです。インテリアはC33と比べて直線基調のシンプルなデザインとなっています。なおこの時点では専用設計のステアリングでしたが後のマイナーチェンジではコストダウンのため汎用品に変更されてしまいます…

イメージ写真のページです。C33ではピラーレスハードトップでしたが安全性やボディ剛性の確保を理由にピラー付きのハードトップに変更されています。これにより国産車におけるピラーレスハードトップは消滅しました。

イメージ写真のページです。スポーティ系グレードとなるクラブSです。

イメージ写真のページです。最上級グレードとなるメダリストVです。

インテリアのページです。クラブSには高級スエード調のエクセーヌが使用されています。この頃は高級車でも本革シートがまだ珍しい時代でした。ただしC34の場合メーカーオプションで設定自体はあります。

メダリストV Gセレクションのページです。最上級グレードのメダリストVに装備を追加したパッケージオプション的なものです。

3ナンバー化によるボディサイズ拡大をアピールするページです。この時期はモデルチェンジによる3ナンバー化が相次いだ時期でしたね…

オーディオなどのページです。6スピーカーのローレルサウンドシステムを採用しています。専用のトランクにCDチェンジャーがあるのが時代を感じさせますね…

装備のページです。旧型に引き続きアナログ時計を装備しています。雰囲気づくりには最適なアイテムですね。このマルチリモートエントリーシステムというのはごく普通のリモコンキーのことで、現在のインテリジェントキーのようなドアハンドルのボタンでの施錠やスイッチでのエンジン始動などは出来ません。

安全性のページです。運転席・助手席ともにエアバッグが装備された写真がありますが、この時はまだメーカーオプションの扱いでした。翌年のマイナーチェンジで標準装備となります。
この数年後に乗用車の全車に運転席のエアバッグを標準装備したことを盛大に宣伝していましたね…ちょうど倒産寸前で死にかけていた時期でしたし、トヨタに対抗するために必死だったことが伺えます。

エンジンとホイールのページです。全車直6エンジンを搭載しています。ツインカム・2.5LのRB25DE・ツインカムで2LのRB20DE・ワンカムのRB20E・ディーゼルのRD28の4機種となります。

メカニズムのページです。スーパーHICAS・DUET-EAといった装備があるのがルノーの影響を受ける前の日産車らしいところですし時代を感じさせますね…
そう言えばリアの写真はここで初登場になるんですよね…のっぺりしたようなデザインで個人的には後期型の方が好みです。

ディーラーオプションの紹介です。なお今回オプションカタログは持っていないため紹介出来ません…navanのオプションがあるのがいかにも90年代の日産車らしいですね。結構短命だった気がしますけど…
ちなみにnavanと書いてナヴァーンと読みます。

グレード一覧です。最廉価のグランドサルーンはまさかのまさかの鉄チンホイールです…また木目調パネルやアナログ時計といったこだわりの装備もこれだけ装備されません。
どういったユーザーが購入したのか気になるところですね…

主要装備一覧とパッケージオプション一覧です。パッケージオプションは豊富に設定されており、マルチAVシステムの設定こそないもののテレビのオプション設定はあります。

ボディーカラー・シート地の一覧と主要諸元のページです。基本的にはブラウン系とグレー系のシートとなります。

裏表紙です。1938年の日産自動車としての発足から60周年を迎えていたことから60周年記念のマークがあります。まあ日産というのは合併の連続で出来ているような企業なので一番古いのだともっと古く明治まで遡る訳ですが…
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Posted at
2019/11/05 18:12:33