*旧ブログからの移行記事です。

今回紹介するカタログは1993年8月発行のトヨタ・トヨエースG25・G35(2t系)のカタログです。
このトヨエースは5代目となるモデルで6年ぶりのフルモデルチェンジを行い1985年に登場しました。従来は独立したモデルで1tと1.5t積みしか無かったバリエーションが、ダイナとの姉妹車化により今回カタログでも紹介する2t~3.5tがラインナップに加わりました。ただしダイナとは異なりシルバー基調のオリジナルのフロントパネルを装備しています。
またハイエーストラックとも姉妹車となりましたがキャブが共通なだけでフレームなどの設計は異なります。
現行型のトヨエース2t系はデュトロの姉妹車となり開発も日野中心の共同開発、生産も日野の羽村工場で行われていますが、この頃はトヨタの単独開発で生産は岐阜車体工業で行われていました。
今回のカタログが後期型なのに対し中期型になりますが当時のCM(1990年)です。この代は姉妹車のダイナ・ハイエーストラックと合同のCMでした。
ちなみにこの代は丸目ライトの前期・角目になった中期・ヘッドライトの脇がカラード化された後期の3つに分けることが出来ます。

コンセプトのページです。そして、もちろんこんなにもスタイリッシュと書かれていますが、93年でこの顔は当時のライバル車種と比べてちょっと古臭く逆に底抜けなさもあるように見えます…他社はすでに90年代のモデルに世代交代してましたし…まあ一応91年にマイナーチェンジで外観は細かくではありますが変更されているんですけどね…
当時のトヨタの商用車は1BOX・ライトバンといったバン系の車種は、乗用車との設計共通化というのもあるのでしょうが他社よりも先に且つすぐにモデルチェンジを繰り返すのに対し、トラック系は逆にモデルライフも長くモデルチェンジも他社より遅れていたように思います。同時期のタウンエース・ライトエースもバンは顔も中身もコロコロ変わっていたのに対し、トラックは登場以来10年間ほぼ変わりませんでした…
ちなみにこの写真、ロケ地は幕張メッセのイベントホール前だと思われます。

キャブ内のページです。インパネは当然のことながらいかにも80年代らしい設計でランクル70に何となく雰囲気が似ている気がします。各メーターが独立しているのが時代を感じますね。
ですがこの時期よりDIN規格のスペースを横に2つ並べているのは中々先進的で実用性の高い設計だと思います。

装備のページです。エアコンの新冷媒採用をアピールしているのが90年代前半らしいです。しかしエアコンはディーラーオプションでありベンチレーターがあるのが時代を感じさせます。
内装色やシートがグレーになったのもこの後期型からで、確かそれまでは薄い茶色だったと思います。そのためにシートだけは90年代チックになってますね。
メーカーオプションではデリバリーキャビンと呼ばれる配送仕様の設定もされていました。確か80~90年代まではどの車種にもあった気がします。

エンジンや安全装備のページです。現行型はガソリンエンジン以外全て日野製ですがこの頃はトヨタ製ディーゼルエンジンの設定もありました。ただし、シリーズ最大となる120馬力の1W型は既に日野製でした。 ABSの設定もこの頃からだったのですね。
ただ当時、エルフやキャンターといったライバルと比べパワー不足が目立ったという話もあるみたいです…

シャシー・荷台装備のページです。かるがるゲートなんて名称があったようです。このように2t車で荷台のことを細かく書くカタログは珍しい気もします。
しかしどうやらエンジンだけで無くシャシーも弱いなんて言われていたらしいですね…特にタイタンと比べると全然ダメだったとか…

バリエーション解説です。イラストでの紹介は珍しいです。

バリエーション一覧です。ダンプやハイエーストラックまで載ってますがこれらは別カタログとなります(中の人は持ってないです…)。

標準キャブ・フルジャストローの紹介です。この頃よりAT車も設定されるようになってきました。

標準キャブ・ジャストローの紹介です。

標準キャブ・高床の紹介です。

標準キャブの中では特殊な高床ロングデッキと低床の紹介です。低床の荷台は4代目のダイナから使われているものです。

ワイドキャブ・フルジャストローの紹介です。

ワイドキャブ・超ロングデッキフルジャストロー、ジャストローの紹介です。

ワイドキャブ・高床の紹介です。

ダブルキャブ・標準キャブの紹介です。

ダブルキャブ・ワイドキャブの紹介です。

ダブルキャブ低床とトリプルキャブの紹介です。このダブルキャブ低床の荷台はデュトロの姉妹車になった現在でも使われています。
トリプルキャブが純正特装車としてカタログに載るのは珍しいです。ちなみにTECS(テックス)はトヨタの特装車の総称ですが今とロゴが違いますね。

4WD車のページです。現行型では簡易的なフルタイム4WDしかありませんが、この頃は全車がオフロードも走れる本格的なパートタイム式4WDでした。4WDの追加は1989年でライバルよりも遅めになります(最初に設定したタイタンが1985年、エルフは1987年)。個人的にはこのパートタイム式の方がいかにも4駆らしくて好きですね…ただ本格的な分そのための機構にスペースをとられて2人乗り(ダブルキャブは5人乗り)になってしまいますが…

4WD車・標準キャブの紹介です。

4WD・ダブルキャブとカスタム、オプションのページです。ダブルキャブの4駆のみハイルーフとなりまた後方に伸びているのも特徴です。
現行型では上級グレードの名称が他社と異なりGパッケージという名称ですが、この頃は他社と同じカスタムという名称でした。電子選局式のラジオが特別装備なのが時代ですね…今では標準グレードだけの装備ですから…
オプションではこの代よりメッキパーツを装備出来るようになりました。ただあまり装着車は見たことが無いです。

標準キャブの主要諸元表です。

標準キャブの主要装備表と特装車のページです。特装車のうち車両運搬車とウイング車が気になりますね。どちらもネット上ですら見た記憶が無いですし…

ワイドキャブの主要諸元表その1です。

ワイドキャブの主要諸元表その2と主要装備表です。

裏表紙です。カラーリング表も掲載されており、現行型ではダイナのイメージカラーだったターコイズと、トヨエースのイメージカラーだったブルーの両方がありますが、この頃はブルーのみでした
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Posted at
2020/01/04 02:02:47