
トヨタ自動車では、小型セダンのカローラアクシオと小型ステーションワゴンのカローラフィールダーを9年ぶりにフルモデルチェンジし、2021年1月より発売した。
なお本項ではカローラフィールダーについてのみ記述するため、カローラアクシオについてはこちらをご覧ください↓
トヨタ 新型カローラアクシオ E180系
これまでカローラが5ナンバー、それより上のプレミオ/アリオンも5ナンバーであったが、カローラはフルモデルチェンジで3ナンバー化したため大型化した。
新型への移行に伴い従来のカローラアクシオ/カローラフィールダーは数年の併売期間を経て絶版になる予定であったが、若返りには成功した一方で1800ccにまで大型化したことで法人ユーザーやシニアユーザー、および販売店から反発の声も強く、それらの伝統的なユーザーやニーズを取り逃がす可能性もあった。
また国民的大衆車というイメージの強いカローラを3ナンバー化したことによるユーザー離れの懸念もあった上、従来型はトヨタとしては1世代前の旧式の設計であることから、カローラアクシオ/カローラフィールダーの新型を開発するに至った。
型式はE180系となる。
なお1800ccで3ナンバーのカローラ/カローラツーリングを上級志向・個性派・スポーティ路線といったニーズに特化させ、この1500cc中心で5ナンバーのカローラアクシオ/カローラフィールダーはファミリーニーズやシニア層、法人ユーザーをターゲットとしたことで差別化を図っている。
このため、一応カローラフィールダーにおいてエアロツアラーと呼ばれるエアログレードも用意はされるものの、それを除いて全てにおいてオーソドックスなセダン・ワゴンのみの設定となっている。
TNGA戦略において最後発となる、GA-Bプラットフォームを採用しており、既に販売しており年間1位を獲得する程に好評なコンパクトカーのヤリスをベースに、セダン・ワゴンに仕立てたものである。従って構造面では先代同様、本流である210系カローラとの共通性は無く、全く別の車種となるが、小型セダン・ステーションワゴンとしてのイメージ上の理由から引き続きカローラを名乗り、型式もカローラ系のEを引き続き名乗っている。
これはヤリスの先代にあたるヴィッツをベースとしていた先代アクシオ/フィールダーと共通の成り立ちであり、これにより日本の狭い道でもコンパクトで運転しやすい5ナンバーサイズを実現した。

エクステリアデザインについてはベースとなったヤリスとの差別化のため、より直線的でシャープなデザインとし、上級の210系カローラとも似た雰囲気のデザインとしているが、複雑なラインで個性を表現している210系とは異なり、シンプルなラインで構成されており、車格差とターゲット層に配慮したものとしている。
HIDヘッドライトは1.5L車とハイブリッド車に標準装備となる。
なおテールランプやガーニッシュはアクシオ/フィールダー共通となっており、コスト削減を図った。またフロントドアまでのフロント部分も共通である。

インテリアデザインもベースとなったヤリスとは異なり、直線的でオーソドックスなカローラらしいデザインとなっている。ただし同車の特徴でもあるホワイトのアクセントパネルは同じく装備されている(一部非装備グレードも有)。
セダン・ワゴンらしくアームレスト兼用のコンソールボックスを装備しており、1500cc車では表皮を装備した上に前後スライドが可能となっている。
助手席の表皮パネルをはじめとした、各部の表皮・ピアノブラックパネル・シルバーパネルといった加飾の有無でもグレードごとの差別化を図っている。
パーキングブレーキもステッキ式のみのヤリスとは異なり、電動式とステッキ式の両方が設定されている。電動式装備車の場合は小物入れが増えるのも特徴である。またメーターパネルもガソリン車とハイブリッド車で異なる他、ガソリン車の廉価グレードはタコメーター無しの単眼メーターとなる。
エンジンは直3・1.5LハイブリッドのM15A-FXE型と、直3・1.5LガソリンのM15A-FKS型を設定する。先代に設定されていた1.8Lは廃止され、1.8Lは210系カローラツーリングが担うことになる。
トランスミッションは1.0LがSuper CVT-iと5速MT、1.5LガソリンがダイレクトシフトCVTと6速MT、1.5LハイブリッドとLPG車が電気式無段変速のみとなる。なおMT車は210系カローラで採用されている自動ブリッピング機能が付与される「iMT」ではない。
1.5LのAT車のみガソリン車・ハイブリッド車問わず全グレードに4WD車が設定されており、4WDシステムはハイブリッド車の場合、さまざまな走行状態に応じて2WDから4WDへ自動的に制御し、安定した操縦性・走行の安定性および燃費の向上に寄与するE-Fourとなっている。
一方でガソリン車の4WDシステムはエンジン出力をプロペラシャフトを介して後輪に分配するオーソドックスなものとなる。
サスペンションは1.0L車のみ前:ストラット・後:トーションビームとなるが、それ以外の1.5L車では全て前:ストラット・後:ダブルウィッシュボーンとなっており、リアサスペンションが全車トーションビームだった先代アクシオ/フィールダーと比べて乗り心地・走行安定性を大きく向上させた。
先進安全装備は「X」を除く全車に第2世代の最新版のToyota Safety Senseを標準装備し、装備されないグレードにおいてもメーカーオプションで設定されている。
昼夜の歩行者にも対応できるミリ波レーダー+単眼カメラ方式の自動ブレーキであるプリクラッシュセーフティのほか、時速30km/h以上で作動するレーダークルーズコントロール(1.5L車のみ)、先行車発進告知機能、オートマチックハイビーム、ロードサインアシスト、レーンディパーチャーアラートなども含まれる。
ボディカラーは以下の通りとなる。
なお1.5XはスーパーホワイトⅡ・シルバーメタリック・ブラックマイカ・ホワイトパールクリスタルシャイン・センシュアルレッドマイカ・ダークブルーマイカメタリックのみとなる。

*スーパーホワイトⅡ

*シルバーメタリック

*ブラックマイカ

*ホワイトパールクリスタルシャイン

*センシュアルレッドマイカ

*ダークブルーマイカメタリック

*アバンギャルドブロンズメタリック

*クールボルドーガラスフレーク(1.5G・1.5S・1.5エアロツアラー専用)

*シアンメタリック(1.5S・1.5エアロツアラー専用)

*オレンジメタリック(1.5S・1.5エアロツアラー専用)

*グレーメタリック
グレードは以下の通りとなる。
*1.5X

:エクステリア

:インテリア
15インチホイールキャップ・メッキグリル・T-connectナビ・フロント分割式シート・リアアームレスト・ホワイトパネル・ピアノブラックエアコンパネル・フロントドア表皮・マニュアルエアコンとなる。
インテリアカラーはブラックのみとなる。

:なお安全装備のToyota Safety Senseのレスオプション車も設定されており、この場合安全装備のレスオプションの他にも樹脂製グリル・蓋無しコンソール・ボディサイドウインカー・樹脂製ミラー・トヨタCIエンブレムとなる。
*1.5G/ハイブリッド1.5G

:エクステリア

:インテリア
15インチホイールキャップ・2段メッキグリル・T-connectナビ・フロント/リア分割式シート・リアアームレスト・トランクスルー・ホワイトパネル・シルバーパネル・ピアノブラックパネルセット・フロント/リアドア表皮・上級タイプクロスシート・オートエアコン・本革ステアリング・電動パーキングブレーキ・HIDヘッドライトとなる。
インテリアカラーはブラックとベージュから選べる。
*1.5S/1.5S

:エクステリア

:インテリア
17インチアルミホイール・ブラックピラー・カラードドアハンドル・T-connectナビ・フロント分割式シート・リアアームレスト・ホワイトパネル・シルバーパネル・ピアノブラックパネルセット・フロント/リアドア表皮・インパネ表皮パネル・ピアノブラックパネルセット・電動パーキングブレーキ・シートヒーター・オートエアコン・本革ステアリング・レーダークルーズコントロールとなる。
インテリアカラーはブラックとベージュから選べる。
*1.5エアロツアラー/1.5エアロツアラー

:エクステリア

:インテリア
専用エアロパーツ・専用17インチアルミホイール・ブラックピラー・カラードドアハンドル・T-connectナビ・フロント分割式シート・リアアームレスト・ホワイトパネル・シルバーパネル・ピアノブラックパネルセット・カーボンパネル・フロント/リアドア表皮・ピアノブラックパネルセット・インパネ表皮パネル・電動パーキングブレーキ・シートヒーター・オートエアコン・本革ステアリング・ステアリングヒーターとなる。
インテリアカラーはブラックとホワイトから選べる。