EKシビック…
1995年に登場し、モデルチェンジごとに愛称がついていたシビックの法則を踏襲し、「ミラクルシビック」という名称でした。今も大人気の車ですよね…まあそれはほぼタイプR限定に近いですが凄いプレミアついてますし…
この手のホットハッチはいざ乗ったらさぞかし楽しそうな車な気がします…
え、何でいすゞってタイトルにあるのにホンダ車の解説しているのかって?
まあそれは後で話します…
さてこのEKシビック、兄弟車・バリエーションがめちゃくちゃ多い車であることは意外と知られていないのではないでしょうか…

まずは基本となる通常のハッチバックです。タイプRは今もよく見ますがこれはまあ見なくなりましたね…
普通の大衆車としての3ドアハッチバックというの自体が国内向けでは実質これが最終でしたし…まあ後ろ席乗りにくいのは不便ですし廃れてしまうのは仕方ないのかもです…

そしてこれが最速のEK9タイプRです、まあ今の時代EKシビックといったらたぶん8割くらいはコレのことを指すのではないかと…
色んなサイトで取り上げられて説明不要だし本題では無いので当ブログでは省略…

セダンのシビックフェリオです。詳しくは後述します。

北米製のシビッククーペもあります。日本に正規輸入されたのはこの代までだったりします。

そしてワゴンのオルティアとライトバンのパートナー、名前こそ違いますがこれらも立派なEKシビックの兄弟でフロントドアとインパネは共通です。
ここからが本題に入っていきます。このEKシビックフェリオは顔違いの兄弟が何と
5つもある6兄弟なんですよ…
ホンダブランドだけでも3兄弟、OEM含めて国内向けでは4兄弟、海外向け含めて6兄弟…という複雑さなんです…

まずは本家シビックフェリオ。比較のために前期型かつ先ほどのSiとは違う標準グレードのものにしました。
これはドノーマルの後期型のシルバーのタマが地元にいますね。
意外と3ドアハッチバックよりこっちの方が見る気もします…まあ3ドアなんて今や不便ではあるでしょうし…4ドアなら後ろの人も楽でしょうから…
地味な小型セダンかと思いきややはりシビックなので割とカスタムして乗っているタマも見ますし…タイプRは流石に無かったもののSiというテンロク積んだスポーツグレードもありましたからね…
カスタムして乗る若い人や大人しい小型セダンに乗りたい老人まで幅広く愛されている気がします。

次にドマーニ。元々ドマーニはローバーとの共同開発で小さな高級車と呼ばれたコンチェルトの後継なのでシビックフェリオよりも高級・上質な位置づけとなっています。
先代はバブル期開発なだけあってEGシビックフェリオベースながらドマーニ専用の上品なデザインでしたが、この代ではボディは同じでフロントとテールのデザインを変更する程度に留めています。
内装も木目調パネルを使うなどコンチェルト以来の小さな高級車という独自のキャラクターを守っています。
意外にも当時としては高価なこのマルチナビの設定は兄弟全てにあったとか…
そして変態なことにこのEKドマーニだけでも3兄弟あるんです…EKシビックフェリオの6兄弟のうち3つはドマーニと同じ顔ですね…

そしてだいぶマイナーなインテグラSJ。名前こそインテグラと名乗っていますが、あのタイプRで有名なバカっ速いインテグラとはあまり関係はありませんw
本家インテグラのような過激さとは違うごく普通の小型大衆セダンのラインナップが欲しいベルノ店のために、顔面をオルティア用のものに変更しただけというものですね。さっき触れたようにオルティアもEKシビックの仲間だからこそできた技です。
当時のホンダは販売店が3種類あり、中身は同じ車でありながらプリモ店でシビックフェリオ・クリオ店でドマーニ・ベルノ店でインテグラSJだった訳で、まだまだ小型セダンの需要もあって販売チャネルがあった時代だったからこその3兄弟展開だった訳なので今思えばいい時代でしたね…
SJというのはセダン・ジョイフルの略なんだとか…そしてこれが今回一番取り上げたいのとも関係しています…
中の人は一度も実車を見たことがありません…

アキュラ向けのアキュラEL。勿論国内販売はされていません。
アキュラブランドのエントリーモデルという位置づけで(レクサスCTのようなもの)、顔も共通ですしドマーニをベースとしながらウインカーをオレンジにするなど北米向けにアレンジされています。
内装も元がシビックなのに木目調のみならず本革シートまで使うなどプレミアムブランドの車種に相応しい高級感のあるものとなっています。正直内装だけ見たらプレミアムセダンの内装と勘違いしそうです…
なので日本におけるシビック上級版のドマーニの顔を流用するというのは真っ当な流れではありますよね。

ここから
ホンダでは無くいすゞになります。結果的に最終型となってしまった5代目のジェミニです。
2代目のFFジェミニで「街の遊撃手」と呼ばれパリでカースタントをするあの一世を風靡した有名なCMでお馴染みだったジェミニも、次の3代目が爆死して乗用車の自社生産そのものから撤退したことで93年からはドマーニのOEM車となってしまいました…
2世代続いてドマーニのOEM車となっており、基本的には同じですがグリルをオリジナルのデザインとし、ウインカーもクリアからオレンジにするなど僅かながらいすゞ車としての個性を出そうとしてはいます…
結果的に上記のアキュラELにもそっくりな顔つきになったことでUSDMのベースにする人もいるとかいないとか…
これも地元に緑のタマがいますけど見る度に気になってしまいますね…大体はいすゞのトラックを使ってる企業の社用車かいすゞ関連企業向けかいすゞディーラーのお得意様だと思われますしそっち系でしょうか…
そして、ようやく本題になります。長引いて申し訳ありません…!
これが知る人ぞ知るEKシビックの兄弟、いすゞバーテックです!!!!!
え、インテグラSJのいすゞ版もあったの?
そうなんですよ、インテグラSJのいすゞ版で正解です…!
見ての通り顔面は全く共通ながら勿論エンブレムはHからISUZUに変更されています。ジェミニとは異なりいすゞ専用のグリルまでは作られていません。
何とこのバーテックはタイ限定販売です!そりゃあ知られているはずもありません…
販売期間は1996年から2001年という5年間で、スペルはvertexと書きます。ベルテックスと読めますがバーテックと読みます。
タイにおいていすゞは現地工場もありますしピックアップでのシェアが昔からめっちゃ高く人気なので、そのラインナップを補充すべくという事だとは思われますね…
名車揃いだったこともありいすゞの乗用車のファンは今も多いですが、恐らくこれはほとんど知られてないはずでは…
一応凄く細かい余談を言うと、インテグラSJ自体は日本での販売店区分によって生まれた車種である以上、国内専売ですので、タイ生産のシビックセダン(フェリオとは名乗らない)のいすゞ向けOEM車に、日本でのオルティアやSJと同じ顔面をつけた…が真の正解だったりしますw

内装も標準向けグレードらしい地味めのデザインです。このインパネ自体は数あるEKシビックの兄弟全てに共通していますが、やはりバブル崩壊後の車種らしいコストダウン感は出ていますよね…

エンジンはSOHCの何と1600ccです!国内向けは1500ccなのでここは大きな違いですね…!やはり税金区分の違いによるのが大きいのでしょう…VTECの文字も見えますね…タイ語はさっぱりわかりませんが…
トランスミッションは4速ATと5速MTがあるようです。

ボディカラーは5色あったようです。グレードは4グレードあったそうですが詳細不明です。

なお1998年に本家がマイナーチェンジすると、バーテックも同様にマイナーチェンジを受けてリアデザインが変更されましたのですが…
本家でホンダのエンブレムがあった位置にVのエンブレムがつきます…(正直ダサい)
ちなみに国内向けジェミニの場合、この部分は何も無いすっからかんの状態となっています。
日本のメーカーでいすゞだけマーク的なエンブレムが無く、「ISUZU」の文字のエンブレムしか無いからこうなってしまうんですよね…

他社からいすゞへのOEM車だとマークがあった位置に空白が出来ますし…

逆にいすゞから他社へのOEM車だと文字のロゴを無理矢理はめてますから…
ここはいすゞも提携先に配慮してマーク的なエンブレムを…それこそ昔の矢羽マークを復活させるべきだと思うのですが…
話が脱線しましたが、このまま生産が続き2001年をもって生産終了となりました。後継車は無くそのままタイでのセダン車販売からは撤退しました。
しかしタイでは人気のあるいすゞ車なだけあって比較的販売は好調だったと思われ、「ISUZU VERTEX」で検索すると結構な量が出てきます。

また現地では逆にいすゞからホンダへピックアップトラックのロデオを、ホンダ・ツアーマスターとしてOEM供給していたので、これとセットで語られることも多いとか…
新興国攻めるならピックアップトラックはあった方が良いですし、このOEM関係復活しても良いのでは…
カスタムした例も結構出てきており、

こんな風にオルティア用のグリルに交換したものや、

ジェミニの顔面に交換した上でオールペンとローダウンした中々攻めたものまであります…
誰かインテグラSJをいすゞバーテック風にカスタムする猛者は出てきませんかね…
まあそもそもインテグラSJ自体がかなり珍しいですが…