
日野自動車は、大型観光バスのセレガを19年ぶりにフルモデルチェンジする。
先代モデルに引き続きジェイ・バスでの日野といすゞ共同開発ながら、日野が開発を主導し、いすゞへもガーラとして供給されるモデルとなる。
生産はジェイ・バス小松工場にて行われる。
ただしセレガ・ガーラの差別化は先代モデル以上に徹底され、新型セレガでは
ガーラとは全く異なる水平基調のフロントデザインを採用している。
・エクステリア

新型セレガは、新生日野の新デザインテーマである“シャークウイングライン“を採用したデザインとなり、
従来からのラウンドフォルムを表現した日野デザインを進化させた美しいフォルムを特徴とし、
一目見て新型とわかりつつセレガらしさを守った画期的なものとした。
新たに採用される“Sライン“のアクセントピラーは、従来のJピラーでは省略されてしまうことが多かったことから、デザイン性を強調しつつより実用性にも配慮した形状とした。
車名の由来となる「セクシー」&「エレガント」のコンセプトに合わせた美しさを表現している。
Sラインのカラーは通常においてはクリスタルシルバーとなるが、オプションでシャンパンゴールドやメッキを選ぶことも可能である。
リミテッドエディションなど廉価版以外では一体感のあるウィンドウモールを装備している。
これによりサイドビューにおいても新型であることがわかりやすくなり、上質感も演出している。
リアは車名ロゴを大きく配置して存在感あるものとした。
全体的に先代と比べて直線的なデザインとなり、ガッシリと存在感を強調させた機能美あるフォルムとした。
またヘッドランプ・テールランプともにLED式を標準装備としている。
ただし、同時にモデルチェンジされた
メルファが26年ぶりのモデルチェンジ故にボディ・シャシーなどが完全に新設計であるのとは異なり、
前後のデザイン・設計は旧型とは全く別の物となり、特徴的な直結式冷房やリアスポイラーも一新されるなど、大掛かりな変更を受けているものの、
ボディの骨格やシャシー自体は旧型をキャリーオーバーしつつ大幅に改良したものとなる。
・インテリア

インテリアは新開発のヴォールト天井を上級グレードに設定し、バスの車中とは思えない程に開放感溢れる上質な空間を実現した。
このヴォールト天井は特急用の鉄道車両での採用例はいくつかあるものの、観光バスでは初の採用となる。
ヴォールト天井の場合は関節照明となり、ほのかな光を照らす上質な空間となる。
またマジカルイルミネーションもオプション設定されており、機種によるものね最大で20色まで設定出来る。

画像は基本的なグレードとなるコンフォートでの一例である。
スパイラルサポートと呼ばれる中折れ式のシート骨格を採用し、体をバランス良く支え、長時間のツーリングにおいても疲れにくい構造としている。
シートはグレードごとに異なり、オプションでオットマンやフットレストの装備にも対応している。
またテーブルはグレード問わず(リミテッドエディションなど非装備車は除く)全車でサイズを拡大させ、ノートPCを置いて作業しても問題無いサイズ・許容重量とした。
コンセント・USBポートはシートバック・アームレストの両方で設置可能である。
またサイドパネルにくぼみを設け、窓側の席においてもゆとりを持たせ、アームレスト変わりにもなることで、より快適な空間とした。
エントランス/運転席周り

*モダン グレード:プレミアム

*シック グレード:コンフォート
インパネやエントランスも一新され、水平基調かつ収納スペースを拡大して、より使いやすい空間とした。
インパネ周りのカラーは、ベージュとブラウンを用いたモダンと、
ブラックとグレーを用いたシックの2つのバリエーションを設定し、
客室のコーディネートに合わせて選ぶことが出来る。
カーボン調アクセントパネルとピアノブラックパネルを装備し、上質感溢れる空間とした。
プレミアムの場合は本革巻ステアリングを標準装備とする。

運転席シートは上記の画像通りのバリエーションが設定され、用途に合わせて選択可能である。
新開発の高機能シートはサスペンションロック付きのエアサスシートで、シートベンチレーション/シートヒーター機能を備えている。

他にシートスライド・リクライニング・シートの傾き調整・アームレスト・サスペンションロック・シートクッションの前後位置調整・シートの高さ調整・サスペンションのかたさ調整・ショルダー調整・サイドサポート・上下連動型ランバーサポートの調整機構を備える。

運転席後部のモニター設置部分は、予め大型モニターの設置を考慮した設計となり、24インチモニターや2画面LCDを設置しても余裕があるスペースを確保している。
・メカニズム
エンジンは引き続き、高出力版にA09Cエンジン、標準仕様にE13Cエンジンを設定する。どちらも直6のインタークーラーターボとなる。
新たに、ボタン1つで高速道路上における手放しも可能な準自動運転を実現した、トラフィッククルーズを観光バスでは世界で初めて設定し、運転中のドライバーの疲労軽減を実現した。
観光バス・高速バスともに、高速道路を長距離走行するうえ、
2024年問題を踏まえてさらにドライバー不足が深刻化していくことから、
需要が見込まれるために設定されたもので、プレミアムなど上級グレードでは標準装備となり、それ以外においても全車に設定される。
・ボディバリエーション
:スーパーハイデッカー

観光 メーカーオプション装着車

観光

夜間高速
:ハイデッカー

観光

高速

夜間高速

リフト付き車

リミテッドエディション
:ハイデッカーショート

観光
・インテリアバリエーション/グレード
*観光/高速路線

:プレミアム
特別仕様を除いた最上級仕様で、ヘッドレスト、本皮コンビシート、オットマン、センターアームレスト、シートヒーター、フットレストを標準装備する。
セットオプションで電動リクライニング&オットマン動作とカクテルテーブルを設定する。

:ハイエンド
上級仕様で、ヘッドレスト、サポート付きシート、センターアームレストを標準装備する。
オプションでオットマン、フットレスト、シートヒーターを設定する、

:コンフォート
基本となる標準仕様で、リクライニングシート、上級モケット、サイドサポートを装備する。
オプションでヘッドレスト、オットマン、フットレスト、シートヒーターを設定する。

:エコノミー
リムジンバスなどに適した廉価仕様で、オーソドックスなリクライニングシートを装備する。補助席付きが標準となる。
オプションでシートヒーターとフットレストを設定する。

:ベーシック
大学・支援学校のスクールバスなど、極めて短距離の送迎に適した最廉価仕様で、非リクライニングのシートとなり、読書灯やスポット空調も省かれる。