
日産自動車ではパルサーを6年ぶりにフルモデルチェンジする。
今回の新型パルサーは日本や欧州・豪州などではパルサーとして販売されるが、北米ではセントラハッチバック、中国などではティーダ、ロシアなどではアルメーラハッチバックとして販売される。
主に欧州市場をメインターゲットとしており、走行安定性の大幅な向上やスポーティな走りが特徴となる。
新型パルサーはこれまでと比べてロー&ワイドのスポーティなフォルムが特徴で、歴代モデルで引き継がれてきた軽快なミドルセダンとしてのコンセプトを受け継ぎ、スポーティでアグレッシブなものになった。空気抵抗を低減しcd値はGT-Rと同等の0.26を実現している。
さらに近年の日産のデザインの象徴である「Vモーション」を導入し、より迫力のあるフロントデザインとした。デザインコンセプトは上級の新型ティアナと共通の「エモーショナルジオメトリー」と呼ばれるデザイン言語で作られ、サイドは静止しているときでも動きを感じさせるダブルウェストラインを採用している。
ターンシグナルランプは中国仕様と同様クリアレンズとなっている。デイタイムランニングライトを搭載したLEDプロジェクターヘッドランプやLEDフォグライトをS以外に標準装備とした。

インテリアもスポーティなものとしており、3つの吹出口を備える空調システムは利便性を向上させ、設定により左右のフロントシートとリアシートにそれぞれ送風することができる。
フロアコンソール・パワーウィンドウスイッチ周りのパネルにはピアノブラックパネルを採用する。
また本革シートの場合は運転席・助手席共に8wayパワーシートとなり、さらにクイックシートヒーターも標準装備される。
日産の先進技術である「NISSAN INTELLIGENT MOBILITY」を採用し、安全装備としてインテリジェント エマージェンシーブレーキ・踏み間違い衝突防止アシスト・インテリジェント LI・VDC・インテリジェント BSI・踏み間違い衝突防止アシスト・ヒルスタートアシスト・標識検知機能・車両接近通報装置 ・フロント&バックソナー・SRSエアバッグシステムを全車標準装備としている。
さらに同一車線自動運転技術のプロパイロットと駐車支援技術のインテリジェントパーキングアシストをクラス初採用し、最上級グレードの20Gには標準装備としている。
エンジンは15S・15Xに1.5LのHR15DE型を、それ以外には2.0LのMR20DD型を採用する。全車アイドリングストップが標準装備となる。トランスミッションは1.5LではCVTのみなのに対し、2.0LではCVT以外に6速MTも採用する。
これは1500ccが基本的には日本と他のごく一部の地域のみなのに対し、2000ccはMT車の需要が高く本車種でのメインターゲットでもある欧州でも設定されるためである。
なお欧州を含めた海外向けには1.6LのHR16DE型を設定するが、日本では税制面で不利になることから設定されず、代わりに1.5LのHR15DE型を設定する形となった。欧州向けの1.6L車にはCVT以外に6速MTも採用する。
ボディサイズは大きく拡大され、全長4,641 mm・全幅1,815 mm・全高1,450 mm・ホイールベース2,712 mmとなる。これにより歴代トップとなる広々とした空間を実現した。
プラットフォームは日産とルノーが共同開発した新世代エンジニアリングアーキテクチャーのCMFを採用し、その中で中型車用のCMF-C/Dを採用した。
生産は国内向けの場合はこれまで通り神奈川県の追浜工場で行われる。北米向けは北米日産会社キャントン工場で、欧州向けはイギリス・サンダーランドの英国日産自動車製造会社で、中国向けは東風日産乗用車公司で、台湾向けは裕隆汽車製造股?有限公司で、南米向けはメキシコ日産自動車会社で行われる。
*ボディカラー
全7色が設定される。ただしNISMOではインペリアルゴールドは設定されない。また特別塗装色は44,000円となる。

カーマインレッド(CM/特別塗装色)

プレミアムコロナオレンジ(PM/特別塗装色)

ダークブルー(P)

インクブルー(M)

インペリアルアンバー(P/特別塗装色)

ブリリアントホワイトパール(3P/特別塗装色)

ブリリアントシルバー(M)

ダークメタルグレー(M)

ダイアモンドブラック(P)

カーマインレッド(CM)× ダイヤモンドブラック(P/2トーン/特別塗装色)

ブリリアントホワイトパール(3P)× ダイヤモンドブラック(P/2トーン/特別塗装色)

プレミアムコロナオレンジ(PM)× ダイヤモンドブラック(P/2トーン/特別塗装色)
*インテリアカラー
スエードクロスの場合はブラックのみだが、本革シートの場合は4色が設定される。

・ブラック(スエードクロス)

・ブラック(本革)

・ホワイト(本革)

・ブラウン(本革)

・ボルドー(本革)
*グレード
全6グレードとなる。基本的にはベーシックなS、若干装備が充実したX、最上級グレードのG、コンプリートモデルのNISMOの4種類となる。なお今後プレミアムなコンプリートモデルのオーテックやかつてのパルサーのスポーティグレードであるGTI-Rの設定も計画されている。

・15S
ベーシックグレードで、スエードクロスのシートや17インチアルミホイール、本革ステアリング、デュアルオートエアコンなどを装備する。トランスミッションはCVTのみとなる。

・15X
1500ccの上級グレードで、専用エアロバンパー・エクステンションや専用ナビゲーションシステムや4色から選べるインテリアカラー、スエードクロスのシート、運転席・助手席シートヒーターなどが特徴となる。メーカーオプションで電動本革シートも設定する。トランスミッションはCVTのみとなる。


・20X
2000ccのグレードで、18インチアルミホイール、スエードクロスのシート、運転席・助手席シートヒーター、・SRSカーテンエアバッグシステム&サイドエアバッグシステムなどを装備する。トランスミッションは6速MT/CVTとなる。

・20G
最上級グレードで、専用エアロバンパー・エクステンション、運転席&助手席8ウェイパワーシート・本革シート・プロパイロット・インテリジェントパーキングアシスト・インテリジェント DA・SRSカーテンエアバッグシステム&サイドエアバッグシステムなどを装備する。トランスミッションは6速MT/CVTとなる。

・NISMO
コンプリートモデルで、専用のフロントバンパー・サイドスカート・リアバンパーなどの大型エアロ・専用19インチアルミホイール・専用のレッドステッチ入りのインテリア・となる。エンジンは前述した通り2000ccとなる。トランスミッションは6速MT/CVTとなる。

・NISMO RS
NISMOの装備に加えて、専用ボディ補強や専用チューニングコンピューター、専用ディスクブレーキ、赤塗装ブレーキキャリパー、専用チューニングRECARO製スポーツシートなどを追加したモデルで、トランスミッションは6速MTのみとなる。
*欧州仕様

*acenta
メインターゲットとなる欧州向けのモデルでは、visia、acenta、N-connecta、tekna、nismoの5グレードとなる。
これは基本的に先代モデルのグレードを引き継いだ形となっている。
また日本仕様とは数多くの違いがあり、teknaやN-connectaに専用デザインのアルミホイールやブラックヘッドライトなどを装備する一方で、visiaには15インチホイールキャップやウレタンステアリングなどでコストダウンを図るなどの違いがある。
そして日本仕様では設定されるグレードが限られている6速MTが全グレードに設定されている。またCVTではなく代わりに7速DCTが設定されている。NISMOはMTのみの設定となる。
エンジンは1.3LターボのHR13DDT型と1.6LのHR16DE型、1.6LターボのMR16DDT型を設定する。
グレード一覧

・visia
15インチホイールキャップ、ウレタンステアリング、インテリア樹脂パネル、ファブリックシートなどを装備する。写真をナビゲーションシステムはオプションとなる。エンジンは1.3LターボのHR13DDT型を設定する。

・acenta
18インチアルミホイール、ジャガード地シート、本革巻ステアリング、ナビゲーションシステムなどを装備する。エンジンは1.3LターボのHR13DDT型と1.6LのHR16DE型を設定する。

・N-connecta
専用デザインの19インチアルミホイール、専用デザインのジャガード地シート、スポーツサスペンションなどを装備する。エンジンは1.3LターボのHR13DDT型と1.6LのHR16DE型、1.6LターボのMR16DDT型を設定する。

・TEKNA
最上級グレードで、運転席&助手席8ウェイパワーシート・本革シート・プロパイロット・インテリジェントパーキングアシスト・インテリジェント DA・SRSカーテンエアバッグシステム&サイドエアバッグシステムなどを装備する。
エンジンは1.6LのHR16DE型と1.6LターボのMR16DDT型を設定する。

・NISMO
専用ボディ補強や専用チューニングコンピューター、専用ディスクブレーキ、赤塗装ブレーキキャリパー、専用チューニングRECARO製スポーツシートなどを装備する。エンジンは1.6LターボのMR16DDT型を設定する。