
三菱自動車では、RVRを2022年4月に12年ぶりにフルモデルチェンジした。
新型RVRは先代モデルよりもややコンパクトなサイズとなったのが特徴で、これはエクリプスクロスの登場によってそれとの競合を避けることや、よりコンパクトなサイズのSUVの需要が高まっていること、さらに日産車とのプラットフォーム共通化によるコスト削減といった3つの原因によるものである。
プラットフォームはルノー・日産グループ入りに伴う日産車とのプラットフォーム共通化に伴い、キックスやジュークと同じBセグメント車向けのCMF-Bプラットフォームとなっており、アウトランダーやギャランフォルティスといったCセグメント車共通のGSプラットフォームを用いていた先代モデルと比べて1クラス下のプラットフォームとなっているが、サスペンションなどのチューニングによって乗り心地の低下を防いでいる。
なお先代と同等の室内空間とすべくキックスやジュークよりもやや全長が長めであり、同プラットフォーム採用車の中では大きめのサイズとなっている。
またキックスやジュークはシティ派路線のクロスオーバーSUVで2WDモデルがメインであり悪路走破性を考慮したSUVでは無いのに対し、同じプラットフォームでもこの新型RVRは4WDモデルがメインで舗装道路のみならず悪路での走破性も考慮したオフロード志向のSUVとなっており、大きく路線が異なっているのも特徴である。また4WDシステムは三菱独自のものとなっていることや三菱らしくラリーアートのモデルが設定されているのも特徴である。

エクステリアデザインは格上のアウトランダーとも似たシャープなデザインとなっており、アウトランダーの弟分的な意味合いを持つモデルともなっている。これは海外向けモデルの場合、地域によってアウトランダースポーツの名称でも販売されるためで、よりスポーティな弟分としての先代モデルのキャラクターを引き継いだためである。
フロントグリルは近年の三菱車共通のデザインコンセプトであるダイナミックシールドが当然ながら採用されている。しかしフロントグリルとヘッドライトのデイライトを一体化させたデザインとすることで近未来感とスタイリッシュさを演出した。
三菱自動車の世界戦略車であり非常に重要なモデルであることから先代モデルのイメージは引き継ぎつつも、よりアグレッシブで軽快感のあるコンパクトSUVに相応しいフォルムとした。一方でSUVらしい野性味も色濃く残しており、三菱のDNAとオフロード志向のSUVらしいキャラクターも表現している。

インテリアは水平基調としインパネに表皮を貼った上質で落ち着いた空間となっている。先代モデルの弱点であった質感の低さを向上させるべく、パネルには表皮・カーボン・ピアノブラックを組み合わせてコーディネートされたコンパクトSUVの中でもかなり質感の高い空間となっており、より上級のクラスの車種にも負けない質感となっている。
ステアリングホイールもアウトランダーと共通の質感の高いものとなっている。

シートはモノフォーム構造のシートが標準になった。また新たに防水シートを採用しており、アウトドアでのニーズにも応えたものとしている。
フロントシートは手動式の調整だがメーカーオプションで電動シートを用意する。リアシートにはトランクスルーとカップホルダー付きのセンターアームレストを標準装備している他、新たにスライド機構を装備しており、荷物を多数積み込む場合と足元を広々させたい場合で使い分けることが可能となっている。
これはかつての初代や2代目のRVRで装備されていたもので、トールワゴンに近い路線だったそれらのモデル程では無いものの、このクラスとしての広々とした足元のスペースを確保することが可能となっている。
・安全装備
先進安全装備としてはマイパイロットをGに標準装備としており、他にもエマージェンシーブレーキや踏み間違い衝突防止アシスト、LDW、VDCなどを全車に標準装備とし、さらにインテリジェントクルーズコントロール、インテリジェント LI、BSWなどをG・Mに標準装備・Eにオプション設定とする。
・メカニズム
プラットフォームは先述した通り、キックスやジュークと同じ、CMF-Bを採用する。
将来の電気自動車化にも対応した新世代プラットフォームで、従来のBプラットフォームと比べてモジュール化により下のクラスの車種とコンポーネンツを共用することによるコスト削減やプラットフォーム刷新に伴う軽量化を図っている。
エンジンは直4・1.5LターボのMR15DDT型を設定している。このMR15DDT型は、可変圧縮比エンジンのVCターボを採用し、コンパクトで高出力、そして高い燃焼効率を実現した。コンパクトなボディであることもあってクラストップのパワーであり、悪路でも力強い走りを発揮することが出来るようになっている。
トランスミッションは6速スポーツモード付のCVTのみとなっている。駆動方式はE・Mに2WDと4WDの両方を設定するが、最上級グレードのGとスポーツグレードのラリーアートは4WDのみとなっている。
4WDシステムは三菱独自の開発となっており、電子制御4WDシステムを装備し、ダイヤル式セレクターにより、燃費のよい2WD、通常の4WD、あらゆる走行環境に適応できる4WDオート、より力強いトラクションが得られる4WDロックの4種から選択出来る。ただしアウトランダーなどの上級車種に設定されるS-AWCはコストの都合上から設定されていない。
・ボディカラー
モノトーン10色・2トーンカラー3色の13色となっており、豊富なカラーバリエーションとなっている。RVRのみの新色として水色のクリアスカイブルーパールを用意した。
なおラリーアートのみホワイトダイアモンド・レッドダイアモンド・チタニウムグレーメタリック・ブラックマイカの4色のみとなっているが、他のグレードでは全てのボディカラーが選択出来る。

ホワイトダイアモンド

レッドダイアモンド

チタニウムグレーメタリック

ライトニングブルーマイカ

クリアスカイブルーパール

オリーブグリーンメタリック

クォーツブロンズメタリック

ブラックマイカ

サンシャインオレンジメタリック

ブラックマイカ×ホワイトダイアモンド

ブラックマイカ×クリアスカイブルーパール

ブラックマイカ×サンシャインオレンジメタリック
・グレード

*E
エントリーグレードで、15インチフルホイールキャップ・ウレタンステアリング・ルーフレールレス・防水クロスシート・前後クロスドアトリム・オートエアコンなどを装備する。

*M
売れ筋グレードで、ルーフレール・フロントシートヒーター・防水クロスシート・本革巻ステアリング・16インチアルミホイール・ルーフレールレス・防水クロスシート・前後クロスドアトリム・オートエアコンなどを装備する。

*G
上級グレードで、ルーフレール・合成皮革シート・全席オートパワーウィンドウ・本革巻ステアリング・前後合皮ドアトリム・合皮コンソール・前後シートヒーター・16インチアルミホイールなどを装備する。また4WDのみの設定で2WDの設定は無い。

*ラリーアート
コンプリートモデルで、専用グリル、専用エアロ、専用16インチアルミホイール、専用マフラー、専用電動本革シートなどを装備する他、エンジンやサスペンションに対して、専用のチューニングが行われているのが特徴である。
Posted at 2022/01/23 04:42:30 | |
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