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2020年03月02日 イイね!

カタログ ホンダ アクティバン


今回紹介するカタログはホンダのアクティの3代目バンです。

3代目のアクティは1999年に前年の軽自動車の規格改正に伴う11年ぶりのフルモデルチェンジで登場しました。どのメーカーも軽トラ/軽バンは乗用車と比べて遅れてモデルチェンジしましたが、アクティはその中でもかなり遅れての発売でした。
乗用モデルはそれまでのストリートからバモスへと名称が変更されており、アクティとはボディこそ同じながら大きく差別化されたものとなりました。

衝突安全確保のためにかつてのT360以来となるセミキャブオーバーへと変更されましたが、MR(ミッドシップ)やド・ディオンアクスル式リアサスペンション、荷台までフレーム一体式のモノコック構造といったアクティ独自のメカニズムは引き継がれています。

↑当時のCMです。エノケンこと榎本健一さんの生前の映像を合成したものらしいです。

しかしセミキャブへの変更に伴い設置されたクラッシャブルゾーンが他社よりも大きかったことから安全性ではトップレベルだった一方で車内はかなり狭いものとなってしまいました。
後方にスライド出来る空間があるバンはまだしも、特にトラックではかなり深刻なレベルで狭いものとなってしまいました。某アンサイクロペディアではホビット族専用車とまで書かれていましたし…
当然のことながら商用車では重要な部分となる荷室・荷台も狭くなってしまいます…

さらに安全性にもこだわった上に独自のメカニズムを装備するとなると当然のことながら価格も他社より高めとなってしまいます。そしてバリエーションも他社より少ないことなどから販売は伸び悩みました。
この手の軽トラ/軽バンでは安全性よりも実用性と耐久性、そして何より価格の安さが重視されるにもかかわらず、そこから大きくずれたものとなってしまったのです…それでも一定の需要があったために生産は続けられました。

2009年をもって特に深刻だったトラックが先にフルモデルチェンジしてキャブオーバーに回帰しましたが、バンと乗用モデルのバモスは生産を続けました。
ホンダの軽自動車がそれまでのライフやゼストからNシリーズへと移行していく中でほぼ放置プレイ状態のまま生産が続けられましたが、2018年にN-BOXをベースにバンに仕立てたN-VANが登場したことでようやく生産終了となりました。
残るトラックも2021年をもって生産終了とのことなので、アクティの名は完全に消滅してしまうことになります…サンバーと並んで個性派メカニズムのトラックとして頑張ってきただけに非常に残念ですね…


コンセプトのページです。ちなみにこのカタログは2009年発行ですが、構成自体は1999年の登場から2018年の絶版に至るまで20年近くもほとんど変わりませんでした。
キャッチコピーのスモール・ビジネス・ムーバーというのは90年代当時のホンダがRVをクリエイティブムーバーと称していたので、それに便乗したものだと思われます。時代を感じますね…
このデザインも長く生産されたためにだいぶ見慣れたものですよね…ただシルバーよりはホワイトの方が多い気もします。

積載性のページです。商用バンで一番需要な部分ではありますが、キャブオーバーからセミキャブオーバーとなって積載量が減少したこともあり、助手席を倒して長尺物を載せられるようになっています。全車ハイルーフのため天井が高く広々としています。

メカニズムのページです。アクティ最大の特徴でもあるMR(ミッドシップ)レイアウトやド・ディオンアクスル式リアサスペンションを引き続き採用しており、これにより農道のNSX農道のフェラーリといった名称でも知られています。
しかしまさかのアクティトラック生産中止が決定してしまったので、この伝統も途絶えてしまうのは本当に残念ですね…

エンジンはE07Z型というエンジンで、元は1988年トゥデイの3気筒化(丸目から角目への変更もこの時)の時から使用されているため非常に設計の古いエンジンとなっていますが、今のアクティトラックにも未だにこのエンジンが搭載されています。
しかしこれも2021年の生産中止によって幕を下ろすことになってしまったため、33年に渡るE型エンジンの系譜も途絶えることになる訳です…

トランスミッションは5速MTを基本に、2WDのみに3速AT・4WDのみに4速ATを搭載していますが、この4速ATはシビック用のものを流用しており、わざわざエンジンを縦置きに搭載しているのも特徴です。
4WDシステムはCR-Vあたりから使われるようになった悪名高いなんちゃって4WDのリアルタイム4WDです。デュアルポンプ式スタンバイ4WDと呼ばれるものですがタイムラグが長くいざと言う時にはあまり使えないんですよね…

インテリアのページです。インパネは2001年のマイナーチェンジで変更されており従来のトラックの共通のものから専用のデザインとなりました。これはバモスも同様の変更を受けています。
ミッドシップのため床の高さが低く乗り降りしやすいものとなっています。パワーウィンドウも全車標準装備となっています。

安全性のページです。余裕のあるクラッシャブルゾーンを装備しており、1999年の登場時は軽バン最強レベルの安全性を誇っていました。

グレード一覧です。4人乗りのSDX、パワステレスとしたSDX-N、2シーターのPRO-A、ルートバン仕様となるPRO-Bの4種類となります。なお以前はSDXより上級となるTOWNもありましたが、右下にあるバモスホビオプロの登場で廃止となりました。SDX-NとPRO-Bもこの後のマイナーチェンジで廃止されます。

バモスホビオプロはバモスをベースにアウトドア向けに仕立てバモスホビオの4ナンバー貨物仕様となるモデルで、他社で言うとエブリイジョイン・ハイゼットカーゴクルーズなどに相当します。

主要装備・主要諸元です。

裏表紙です。モザイクのところは名入れの図となりますが、書き込みがあるためモザイクをかけています。


オプションカタログです。トラックと共通となっています。

トラック用オプションです。幌がアオリまで伸びているのは珍しいですね。インパネは木目調パネルやカーボン調パネルまで設定されており軽トラとしては充実しています。現行型にはこれらのオプションは無いんですよね…

バン用オプションです。何気にモデューロのアルミホイールまで設定されていますが、これはバモスと共通だからであると思われます。
クロームメインのラインも設定されていますが、装着している個体を見たことが無いんですね…

バン用オプションです。スライドレールシステムと呼ばれるオプションが設定されており、レール上にパーティションやトレイを設置することが出来ます。

インテリアのパーツです。バモス用と思われるヘアライン調のパネルをバンに装着することが出来ます。まだ義務化される前であったためかリアシートベルトもオプションとなっていました。
ハンズフリーキットが軽バンに設定されていたのはかなり意外ですが、90年代らしいもので時代を感じさせますね…実際PDCやCDMAoneといった第2世代の古い携帯向けですし、当然ながら今のスマホの接続なんて出来ません…
よく見たらこれは以前紹介したアプローズのオプションカタログに掲載されていたものと同じですね…

コーティングとチャイルドシート、トラック用オーディオのページです。トラックは1DINのスペースしかいないため2DINのオーディオやナビは装着出来ません。設定されているオーディオも90年代チックのものが多いですね…
そう言えばこのマルチコントロールコンポはドマーニOEMのジェミニにも同じ物がついていて、ちゃんとISUZUのロゴが入っていました。

バン用オーディオのページです。2DINのサイズはありますがナビの設定はありません。ただバモスには設定があったので装着自体は可能となっています。
まだオーディオがそこそこ需要があった最後の時代ですね…2000年代らしいメタリックデザインのオーディオが懐かしく感じます…

オプション一覧表です。

裏表紙です。
Posted at 2020/03/02 15:25:59 | コメント(0) | トラックバック(0) | カタログ ホンダ | 日記
2020年03月02日 イイね!

カタログ いすゞ ビッグホーン 2代目後期


今回紹介するカタログはいすゞの2代目ビッグホーンの後期型です。

2代目ビッグホーンは1991年のモーターショーでコードネームの960として参考出品された後、同年末より販売開始されました。
初代登場以来10年ぶりのフルモデルチェンジで登場した2代目は3ナンバーサイズの大型ボディが特徴で、ピックアップの派生としての色が強く武骨だった初代よりも迫力と高級感のあるものとなりました。

途中の1993年には販売不振と経営悪化に伴い乗用車から撤退しSUVと商用車に絞るという苦境の中でしたが、90年代のRVブームにおいてランクルやパジェロには及ばなかったものの一定の需要と販売台数を保ち、いすゞの主力車種として販売され続けました。
その後1998年にビッグマイナーチェンジが行われ、今回紹介するカタログはこの時のモデルとなります。新デザインのフロントデザインやDdエンジンと呼ばれるコモンレール式ディーゼルエンジンを採用しています。
本来なら同年登場のウィザード・ミュー同様にフルモデルチェンジしたかったらしいですが、バブル崩壊による業績悪化とRVブームの終息によって販売台数が減少していたことからビッグマイナーチェンジに留まりました。

↑当時のPVです。全て北米向けのトゥルーパーを使用しています。

↑当時のCMです。上記のPVを短縮したものになります。

その後2002年にSUVからも撤退しトラック・バスに集中したことから国内販売を終了し、2004年には海外向けの生産・販売も終了しました。

ビッグホーンは初代・2代目共にいすゞと同じGMグループの様々なメーカー・ブランドにOEM供給された上、国内においても本格SUVを持たなかったスバルとホンダにOEM供給されたため、同じ車なのにかなり多くの車名がありました。恐らく1車種でここまで多くのブランド・車名を持つ例は他に無いはずです…

まあ、、中の人が知っているだけで、
・いすゞ ビッグホーン
・いすゞ トゥルーパー(輸出名)
・いすゞ カリベ442(初代の南米向けの輸出名)
・スバル ビッグホーン
・ホンダ ホライゾン(2代目のみ)
・アキュラ SLX(2代目のみ)
・シボレー トゥルーパー
・ホールデン ジャッカルー
・ホールデン モントレー(2代目のみ)
・オペル モントレー(2代目のみ)
・ボクスホール モントレー(2代目のみ)
・サンヨン コランドファミリー(初代のライセンス生産車)


とこれだけある訳です…これら全て同じ車の車名なんですよ…恐るべし…
ちなみにウィザード・ミューもビッグホーンよりは若干少ないですが同じように様々なメーカー・ブランドにOEM供給されていました…
このため、日本車のシェアは低いと言われるヨーロッパ、とりわけドイツにおいてもオペルで販売されていたおかげで日本車にしては結構見かける方らしいです…
画像検索してみたところ現地ではパトカーとしても使われているようですが、ヨーロッパらしい石畳の街並みにビッグホーンがいる姿は違和感バリバリですね…

ちなみに本家いすゞでもビッグホーンの車名は日本でしか使われず、海外では初代の南米向けがカリベ442と名乗っていたのを除けば全てトゥルーパーという車名で販売されていたのですが、、、これにも深い理由があって……

ビッグホーンというのが英語圏でデッカいオ〇ン〇ンという意味の隠語だからなんです……

信じられないですよね……他に日産のホーミーも似たような理由で沖縄では販売されず代わりにキャラバンが販売されていましたし、同じSUVの三菱のパジェロもスペイン語圏でアウトな名前ってことでモンテロという名前で販売されてます……

まあこれはあまり関係無いかもしれませんが、いすゞは何故か国内と海外で名前を分けることが多いんですよね…
ピアッツアはインパルスでしたし、ジェミニはIマークとかスタイラスという名前でしたね…またトラックは型式名そのままで販売されています…


コンセプトのページです。コモンレール式ディーゼルエンジンをDdエンジンとしてアピールしていたため、Ddビッグホーンという名称を使用していました。

イメージ画像です。大人の優雅な雰囲気…といったところでしょうか…でもビッグホーンはライバルよりも大人しく上品なデザインだったためかそこまで違和感は無いですね…

イメージ画像です。

イメージ画像です。やっぱりこういう荒れたところを走るのがビッグホーンらしく思いますね…このショートボディはこの後のマイナーチェンジで消滅してしまいました…

イメージ画像です。画像は最廉価グレードのLSです。

ディーゼルエンジンのページです。前述した通りコモンレール式ディーゼルエンジンのDdエンジンを搭載しています。これはウィザード・ミューとも同じエンジンで3.0Lの4JX1型となります。
J型エンジンというシリーズになり、元は4代目エルフの中期型で登場したエンジンで、設計の古くなった現在でもエルフ用として生産が続いています。見開きのページとなっているので詳細は次のページで紹介します。

ディーゼルエンジンのページです。コモンレール式高圧燃料噴射システムを採用しており、インジェクター内の燃料を加圧し、直接燃焼室に超高圧で噴射します。
噴射量とタイミングは電子制御によってコントロールされ、全回転域で高い燃焼効率を発揮し、燃費の向上とうCO2の大幅な低減を実現させています。またバランサーシャフトの採用によってディーゼルエンジン特有の騒音も低減させています。

ガソリンエンジンのページです。V6・3.5Lの6VE1型というエンジンで1991年の2代目ビッグホーン登場に合わせてクロスカントリー車初のV6・DOHCエンジンとして登場しました。その後SUV撤退に伴い生産を終了しています。

イメージ画像です。こちらも見開きのページとなっています。

4WDシステムのページです。TOD(トルク・オン・デマンド)と呼ばれるシステムで1995年のマイナーチェンジから搭載されるようになりました。
正式名称は電子制御トルクスプリット4WDシステムと呼ばれ、後輪駆動をベースに、電子制御により路面状況や走行状態に応じて必要な駆動力を前輪にも配分するシステムです。
さらに必要に応じて前後輪のトルク比を50:50まで近づけ、4WDならではの駆動力と走破性を発揮することも出来ます。
ただし電子制御4WDではあるものの、現在のようにダイヤルやボタンでワンタッチで操作出来るものでは無く、昔ながらのトランスファーレバーを使って2WDと4WDの切り替えを行います。

メカニズムのページです。トランスミッションは4速ATと5速MTを設定しています。それにしてもこういった透視図ってカッコイイですよね…今のカタログでは見かけなくなりましたがこの時代でも珍しかったのではないでしょうか。

インテリアのイメージ画像です。

インテリアのページです。電動本革シートを最上級グレードのロータスSEにオプション設定しています。フィールドセンサーという方位、気圧、標準高度、相対高度、外気温の5つの情報を表示するモニターを装備しています。こういう装備はいかにも4駆らしくていいですよね。
インパネは1995年に一度変更されていますが、モデルライフを通してオーディオスペースは1DINのままで基本的にナビを装着することが出来ませんでした。ここはビッグホーンの中でもかなりの欠点と言われていますね…

実用性のページです。フルフラットにすることも出来ます。

安全性のページです。デュアルエアバッグを全車標準装備としています。

グレード一覧です。ハンドリング・バイ・ロータスはその名の通りロータスによるチューニングを施したグレードです。
以前はオペル傘下のチューニングメーカーであるイルムシャーによってチューニングされたイルムシャーもあったのですが、このビッグマイナーチェンジの際に廃止されています。
最上級グレードのハンドリング・バイ・ロータスSEはロングボディ・7人乗りのみの設定で木目調パネルを装備し、オプションで電動本革シートも設定しています。ハンドリング・バイ・ロータスは若干装備を落としたグレードで、ロングボディのみですが5人乗りと7人乗りが設定されます。

グレード一覧です。プレジールはお買い得グレードで、モデルライフの途中から追加されました。ロングボディとショートボディから選べる上にロングボディは5人乗りと7人乗りから選べるなど充実しています。プレジールⅡはさらにABSやTODを追加したグレードでロングボディのみの設定となります。

グレード一覧です。LSは最廉価グレードでカラードピラー・鉄チンホイールなど質素な見た目が特徴となっており、5人乗り・ロングボディのみの設定となります。
ロータスSEの高級感ある見た目もいいですが、この素のままのLSの見た目も味がありますね…まあ主に業務用といったところでしょうが…
スポーツパッケージはプレジールのみに設定され、ジェミニなどでもお馴染みだったレカロシートが装備される上、本革ステアリングやシートヒーター、LSDなど充実させています。

装備のページです。このリアフットレストが装備されているのは快適でいいですね。

オプションのページです。今回はオプションカタログを持ってないので紹介出来ないのが残念ですがネットで見る限り、かなり豊富に設定されていたそうですね。
(いすゞ車体)によるキャンパー仕様も用意されています。限られたスペースではりますがコンロやシンクも装備していて中々本格的です。
ところでいすゞ車体はトラックの特装車を作る子会社というイメージが強かったのですが、かつてはこのようにSUVの特装車も作っていたのですね。実際にこのカタログにあるロゴがトラックに貼られているのをよく見ますし…

主要装備です。

主要諸元です。

裏表紙です。
Posted at 2020/03/02 14:29:00 | コメント(0) | トラックバック(0) | カタログ いすゞ | クルマ
2020年03月02日 イイね!

カタログ いすゞ ジェミニ 3代目


今回紹介するカタログはいすゞの3代目ジェミニです。

この3代目ジェミニは1990年に5年ぶりのフルモデルチェンジで登場し、先代の大ヒットを受けて開発費不足で長寿になりがちないすゞの乗用車としては珍しく通常の間隔でのフルモデルチェンジとなりました。
ボディタイプは4ドアセダン・2ドアクーペ・3ドアハッチバックと歴代モデルで最も充実したバリエーションとなりました。2ドアクーペと3ドアハッチバックはセダンよりも遅れて登場しています。

開発にあたっては親会社のGMの意向が強く反映され、北米において新ブランドのジオにおいてストームとして販売することを主幹に開発されました。
そのためかグリルレスでかなり丸みを帯びたアクの強いデザインとなり、日本人の好み(メッキギラギラで高級感のあるもの)とは大きくずれたものとなり先代の大ヒットから一転して販売不振となってしまいました…

CMは先代同様のカーアクションのCMでしたが、先代が街の遊撃手というキャッチコピーでクラシックに合わせて踊るような優雅なCMだったのに対し、3代目では才なクルマというキャッチコピーでカップルに見せて話すCMだったのですが、何かずれている感じがしますね…先代のCMがCM史に残る程に素晴らしく偉大過ぎたのもありますが…

一方で北米でのジオ・ストームは元々アメリカ人好みのデザインであったことや湾岸戦争による原油高から小型車の需要が伸びたこともあり人気車種となりました。なおストームは日本のジェミニとは異なるデザインで、姉妹車のPAネロはこれを日本に導入してヤナセで販売したものとなります。しかし日本ではPAネロも好みの違いから販売不振になってしまいました。

1991年にはピアッツァが10年ぶりにフルモデルチェンジしましたが、本来ソアラやプレリュードクラスのクーペだったはずが、これも大衆車のジェミニクーペの顔を変えただけの姉妹車となってしまいました。まあ今見ると結構カッコイイのですがもちろんこれも売れませんでした。そりゃ元がジェミニと同じクルマなのに200万以上もした訳ですから…

これらの販売不振によって1991年10月期決算において大幅な経常赤字となってしまい、翌年になってマイナーチェンジでグリル付きの顔に変更して日本人好みの顔にするなど改良を行いましたが好転はしませんでした。
その結果1992年10月期決算においても再び大幅な経常赤字を記録したことによって、ビッグホーンなどのSUVとお得意のトラック・バスといった商用車に絞ることになりジェミニやピアッツァといった乗用車からの撤退が決定してしまいました…
そのためこの3代目が最後のいすゞ自社製のジェミニとなり、4代目・5代目はホンダからドマーニのOEMを受けることになります…

この撤退には赤字によるものだけでなく、「GMの下請けのようなクルマ造りには意味がない」「ウチのメインはあくまでトラック」といった悪い意味でいかにもいすゞらしい現場の声もあったからだと言われています。

その後結果的に国内ではSUVからも撤退し今や大型車専門メーカーになってしまいましたね…いすゞという会社自体は「いすゞのトラック~」の曲で有名なCMのおかげで知っていても、乗用車も作っていたことは知らない人も多いことでしょう…
一応海外ではピックアップのD-MAXをベースにしたMU-XやパンサーといったSUVがあり、完全にいすゞ乗用車の系譜が途絶えた訳では無いんですよね…
モーターショーにはたまにこれらが展示されていますし…限定でもいいので日本に入れて欲しいものです…

コンセプトです。当時のCMにも使われた才なクルマというキャッチコピーですが、何かちょっと違う気がしますね…先代の街の遊撃手というキャッチコピーと比べるとやっぱりインパクトに欠けてしまいます…

イメージ画像です。当時流行りのグリルレスデザインでしたが、どれも失敗に終わりましたね…しかしメーカーの乗用車撤退まで追い込んだジェミニはその中でも一番大きな失敗例だったかもしれないです…後でマイナーチェンジでグリル付きになりましたがどう見ても無理矢理感が強かったですし…

イメージ画像です。フロントとは異なりリアは先代を丸くさせたようなデザインですね。当時いすゞのロゴは現行のロゴに変わる過渡期であったため、このトランクリッドガーニッシュのロゴのみ現行ロゴですが、それ以外はまだ旧ロゴのままでした。
これは同年マイナーチェンジしたエルフも同様でフロントガーニッシュのロゴのみ現行ロゴになっていました。

イメージ画像です。もう30年も前のデザインとは思えない程斬新なデザインですね。このデザインはカプセルシェイプと呼ばれるそうで、Wikipediaによるとこれによって銘打った一体型ボディ構造を持ち、強度重視で厚い鉄板を使用したため、当時の1,600ccクラス車としては車重は重い部類に入るそうです。

イメージ画像です。

またまたイメージ画像です。バブル期の車種らしくひたすらイメージ画像を載せたページが多く凝っていますね。

インテリアのページです。エクステリアとは異なりインテリアは先代のイメージをだいぶ引き続いでいますね。メーター周りに配されたサテライトスイッチは80年代~90年代初頭のいすゞ車に共通していましたね。
ピアッツァに始まりジェミニやエルフ、さらには大型トラックの810や路線バスのキュービックに至るまでこのサテライトスイッチが装備されていました。

インテリアのページです。先代のニューテックシートをさらに進化させたファニチャーシートと呼ばれる独特な形状のシートが特徴です。人間工学に基づいて少し固めの座り心地らしいです。また前後部別のハイトアジャスターを装備していました。

メカニズムのページです。1500ccガソリンの4XC1型と1700ccディーゼルの4EE1型を設定しています。4XC1型は先代の2代目ジェミニから搭載されるようになったエンジンで、アスカで初登場したX系エンジンの1.5L版となります。GMグループ共通設計でシボレーやオペルなどの車種との共通部品が多いらしいです。

4EE1型は2代目ジェミニの1500ccディーゼルの4EC1型をサイズアップしたもので、いすゞの乗用車撤退後もファミリアのディーゼル車用エンジンとしてマツダに供給されたり、同じGMグループのオペル用に供給されていたため比較的近年まで生産していました。ただしこのディーゼル車の4速AT車は凄く燃費が悪かったらしいです…

またサスペンションには「ニシボリック・サスペンション」と呼ばれる4WŞ機構付きのサスペンションを使用していました。

変な名前…と思うかもしれませんが、、、西堀さんが開発したサスペンションだからニシボリック・サスペンションと言うんですよね…マジで。
これは当時流行りだった4WS(四輪操舵)の一つにはなるのですが、他社と大きく違う点として電子制御を使うことなく、サスペンション自体の構造で四輪を動かそうとしていたことが特徴で、いすゞはこれをナチュラル4WSと呼んでいました。
しかしこれによって動きの制御が難しく、だいぶオーバーステアになってしまったそうです…

メカニズムとインテリアのページです。トランスミッションは4速ATと5速MTが設定され、先代にあったAMTのNAVI-5の設定はありません。ATは当時流行りの電子制御式ではなく油圧式となっており、これは単純にコスト削減のためと言われています。
カプセルシェイプと呼ばれるフォルムは包み込むような丸いフォルムとなっており、クラスを超えたクオリティを表現したとされています。

グレード一覧です。C/C・C/C-L・C/C-Xの3種類となります。ジェミニと言えばイルムシャーやハンドリング・バイ・ロータスといったスポーティグレードが有名ですがこれらは別冊となっていました(中の人は持っていないので今回は紹介出来ません…)。
先代にあった最上級グレードのG/Gや商用グレードのT/Tはこの時点ではまだ無く、後に追加されます。

装備です。オプションでサンルーフやアルミホイールも設定されていました。またこの年にクラリオンがアゼストブランドをスタートさせたためか、オーディオにはアゼスト・クラリオンの2ブランドが混在しています。

ディーラーオプションと装備一覧、スポーティグレードの紹介です。イルムシャーとその最強版のイルムシャーR、ハンドリング・バイ・ロータスの3種類がありました。
これらには標準車に無いテンロク(1600CC)の4XE1型とそのターボ版となる4XE1-T型が搭載されていました。

スポーティグレードの紹介を開く主要諸元となります。

裏表紙です。
Posted at 2020/03/02 14:19:32 | コメント(0) | トラックバック(0) | カタログ いすゞ | クルマ

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