
今回紹介するカタログは日産のY12ウイングロードです。
2005年に6年ぶりのフルモデルチェンジで登場し、従来のY11型と比べても個性的で丸みを帯びたデザインが特徴です。エクステリアデザインは「
超高速で移動する流星の残像をイメージした」と言われており、サイドウィンドウの中央部が盛り上がって抑揚が付けられているのが特徴となっています。
出たばかりの頃に近所の家がカルディナからの乗り換えでこのウイングロードを購入したのですが、
何か変な形の窓だな…って思ってましたね…見慣れるまでには時間がかかりました。
ターゲットは20代の男性で、自由自在に使えるワゴンを目指したそうです。また同年にアベニールやプリメーラワゴンが生産終了し本車種に統合されたこともあってかラゲッジルームも拡大されてかなり大きいものとなっています。
当時は各車種ごとにSHIFT_ワードと呼ばれるキャッチコピーがあり、SHIFT_○○○○、○○○○をシフトするといった形でしたが、ウイングロードでは「SHIFT_FUNction 機能で遊びをシフトする」となっていました。
登場時のCMです。
プラットフォームは従来のB15サニーと共通のMSプラットフォームに代わり、ティーダと共通のCプラットフォームを採用しています。これはルノーとの部品共用化が進んだことを意味しており、プラットフォームのみならずエンジンなどに至るまでコンポーネンツそのものが完全に一新されています。
また2年後の2007年にはウイングロードの商用モデルでもあるライトバンのADがフルモデルチェンジして、本車種ベースに切り替わりました。商用バンに似合いませんが流星をイメージしたとされる特徴的なサイドウィンドウの盛り上がりもそのままとなっています。
ただし4WD車はさらに遅れて2008年にフルモデルチェンジしています。
登場時、日産のステーションワゴンはコンパクトクラスのウイングロード以外にミドルクラスのアベニールやプリメーラワゴン、ラージクラスのステージアと上から下まで揃えていましたが、アベニールやプリメーラワゴンは入れ替わるように2005年に生産終了し、ステージアも2007年に廃止されたため、たった2年で日産のステーションワゴンはウイングロード1車種のみという寂しい状態となってしまいました…
それでも大掛かりなマイナーチェンジをして以降に大ヒットした先代に続き、登場から5年目ぐらいまでは安定した売れ行き…だったのですが、、、
下手くそなマーケティングと国内市場軽視による日産のやる気の無さ、捕まる前のゴーンの方針などにより、モデルチェンジが行われず、5年目を過ぎた頃からほとんど放置プレイ状態となってしまいました…
ステーションワゴンの市場は縮小したとは言え、カローラフィールダーやフィットシャトルは好調の売れ行きでしたので、対抗するためにもちゃんとモデルチェンジするべきだったと思います…どう考えても…
それでも日産唯一のステーションワゴンだったこともあり、業務用としての需要もあったためか細々と生産は継続されました。中の人も日産のラインナップをホームページで見てもウイングロードだけ10年以上前のままなので、これいつまで作ってんだろ…と思って見ていました…
しかし13年目を迎えた2018年に生産終了し、とうとう日産のラインナップからステーションワゴンが絶滅しました…
全盛期にはセドリックワゴン・グロリアワゴン・ステージア・ルネッサ・プリメーラワゴン・アベニール・ウイングロード…と上から下まで隙間なく揃えていた時代もあっただけに寂しいものですね…

コンセプトのページです。フロントデザインはADとだいぶ似ていますが、フロントバンパー・グリルのみならず実はヘッドライトの形状も異なっており、ADと比べて若干横に伸びているのが特徴です。

イメージ画像です。リアはADと比べてテールランプが横長に伸びています。

インテリアのページです。メタル調のパネルがあちこちに貼られているのが特徴ですが、これは先代と共通で、先代ではメタルのオモチャというキャッチコピーでした。
2005年当時の水準ではこのクラスのワゴンとしてはそこそこの質感がある方だと思います。

荷室のページです。ラゲッジルームのレバーで簡単にリアシートを倒せるようになっています。さらに助手席はテーブルのように倒せるようになっているので、これを使えばかなり長い荷室を実現出来ます。
商用バンにも使われるために、荷室の容量はかなり大きいものとなっています。

インテリアのページです。リアシートのリクライニングやフルフラットにすることも出来ます。

実用性のページです。インテリジェントキーを装備していますが、エンジン始動は現在のようにボタンではなくダイヤル状のイグニッションを回して行うタイプです。日産車でこのタイプの物が最後まで残っていたのもこのウイングロードでした。
助手席を倒してテーブルにすることも出来ます。これは商用バンのADにも装備されているものです。

メカニズムのページです。エンジンは直4・1.5LのHR15DE型と直4・1.8LのMR18DE型を設定しています。どちらもティーダ用として初登場したエンジンで、従来のQGエンジンに代わるものとなります。
トランスミッションは15Sと4WD車全車が4速AT、15M・15MオーセンティックがCVT、18G・18Gオーセンティックがマニュアルモード付のCVTとなります。
4WD車はマーチから採用されるようになったe-4WDを搭載しています。これは後輪をモーターで駆動するもので、モーターは日立の洗濯機と同じものらしいです…

安全性のページです。

グレード一覧です。基本的には標準と上級版のオーセンティックの2種類で構成されます。1500ccでCVT搭載の15M・15Mオーセンティックのみ環境対応車に指定されています。
15S・15M・15Mオーセンティック・18G・18Gオーセンティックの5種類となります。これに1500cc車には4WD車もラインナップされています。

カラーバリエーションと福祉車両です。登場時はイエローなどもあったはずですが廃止されています。

主要装備です。

主要諸元です。

コンプリートモデルのライダーです。専用のフロントグリルやエアロが特徴でフロントのエンブレムレスとなっています。インテリアも専用のステアリングやシートとなっており、さらにスポーツサスなども装備しています。

裏表紙です。

特別仕様車の15M Vリミテッドです。2010年に登場した特別仕様車ですが、ほぼ通常グレードのような感じで2018年の生産終了まで設定されていました。

この特別仕様車はアウトドア向けの特別仕様車となっており、エクストレイルと同様のウォッシャブルラゲッジボードを装備しているのが特徴となっています。またイージーラゲッジベンチと呼ばれるものも装備しており、これはリアハッチを開けた際にベンチとして使えるようになっています。

裏表紙です。

オプションカタログです。

オーセンティック用のドレスアップパーツなどです。SUV風のアンダーカバーを装備することが出来ます。またフロントグリルやバンパーにメッキのラインを装備出来ます。
2000年代まではどんな車種でもメッキパーツのオプションを細かく設定していましたよね…今はあまり設定されなくなりました…

標準用のドレスアップパーツなどです。オーセンティック同様にフロントグリルやバンパーにメッキのラインを装備出来ます。

インテリアのパーツです。かなり意外ですがMOMOステも設定されています。木目調パネルは明るめのパネルを設定していますが、この時期の日産車に設定されている木目調パネルってみんな上から貼り付けるタイプのものなんですよね…
特にノートは両面テープで貼るものだったらしいですが…

ナビのページです。また現在の日産コネクトではなくカーウイングスでしたが、このウイングロードには全く似合わないスマホ連携対応をアピールしています。Gmail読み上げやSNS連携もあるようです。
ウイングロードが出た2005年はまたガラケー全盛期ですからね…iPhoneもまだ出てないですし…

ナビラインナップです。全てメモリーナビとなっておりHDDナビなどの設定はありません。ただし全てフルセグ対応、SDカードやウォークマンの再生も可能としています。

オーディオ・ETCラインナップです。この時期はまたオーディオの設定も豊富にあったようですね…まあ登場した2005年当時はナビ装着が当たり前って程では無かったですし…
2DINタイプは録音メモリー機能付きのものとMDの再生が可能な物で2種類あります。1DINタイプもUSB対応と非対応で2種類あります。またディスプレイラジオと呼ばれるものもありますが、これはいわゆる今流行りのディスプレイオーディオとなります。

セキュリティ関連のパーツやキセノンヘッドライトなどです。今やLEDが当たり前になったのでキセノンヘッドライトも無くなりましたね…

運転支援関連のパーツです。バックモニターやサイドモニターはありますがアラウンドビューモニターの設定はありません。

ラゲッジマットなどです。

実用品などです。ただしアルカンターラの車検証入れやユーロホーンも設定されています。

NISMOパーツです。専用エアロやサスなどが設定されています。

裏表紙です。