日本はＤＮＡと言えば片付く？

昨日の日経新聞朝刊に載ってた記事ですが、日本ではＤＮＡという言葉が氾濫しすぎて間違った使われ方をしているという内容です。まさにその通りで、読みながら「そうだよ」「そのとおり」とかブツブツ言ってしまいそうでした。

昔の殺人事件で服役中の人のＤＮＡ鑑定が間違っていたことを指摘しています。ＤＮＡ型が違うことが分かったわけですから、即刻釈放すべきと書いています。その通りです。決定的物証が間違っていたわけですから、即釈放して冤罪補償しなければなりません。ＤＮＡ鑑定はどうやってやるのか知らない人間が、精度も分かっていないのに、言葉だけが一人歩きした典型かと思います。警察がとりあえず、犯人を逮捕したかったというのもあるでしょう。あの組織は検挙率が下がるのを嫌がります。犯罪抑止力として、検挙率は絶対に下げたくないのです。たとえ冤罪をつくってでも。

ＤＮＡ鑑定というと、
検体からＤＮＡを抽出し、ＰＣＲで増やして、制限酵素で目的の個所で切断して大きさの異なる複数種類の断片とし、電気泳動でＤＮＡ断片の分子量に応じて分離し、色素で染めるなりしてバンドの場所と濃さで同じかどうか判定するわけです。ＤＮＡの塩基配列が人によって異なる場所で切る制限酵素を複数選んでこないと、別人でも同じ電気泳動結果になることがありえます。昔はそんなこともあったのでしょう。（冤罪の件など）　　犯罪捜査のＤＮＡ鑑定結果って公表されてるんでしょうか。少なくとも、第何染色体上の何々遺伝子の多型を利用して、どのような制限酵素を使って行い、何人に一人の確率で誤判断を行なう可能性があるのかを公表すべきです。「何人に一人の確率」ということだけで論じられることが多いですが、その手前の手法が重要です。

著者は、社風とか家訓のことをＤＮＡと言ってみたりするもの間違っていると論じ、最後に、人の気質をＤＮＡで論じるのは危険であると言っています。元官房副長官の言葉も使い方が間違っていると書いています。そのとおりです。

街に溢れるＤＮＡという言葉、疑ってみる価値はありますよ。
そいうえば、ＤＮＡ－ＧＰ　むかしもらい物で使ってたな。
このＤＮＡも意味不明だな。