Leclairのブログ一覧

昨日、家の物置を片付けしていて、昭和４０年代のキリンラガービール缶（身入り）を発見したが、もう少しアカデミックなものも発見した。
我が家の棟上式で頂いた祝儀の控えと支出のリストだ。
確かに、登記簿を見ると大正９年になっていたが、当時の記録を見たのは初めてで、内容を読みふけってしまった。

祝儀リストには、今でも近所にある苗字の名前が並び、両親は、「あ、これは○○のところの○○さんのお爺さんや」とか楽しんでいた。
近所の人の多くは、「酒壱舛」を祝儀に持って来てくれていた。その他には、コノシロ、コチ、ボラ、鮭、などのめでたい魚を持参してくれていた。
門司や丹波の親戚からは金５円等。（当時の貨幣価値は現代の１０００～１５００倍）
入用控えでは、大工棟梁には５０円、副棟梁には３０円、大工と左官には１円の祝儀を出したと書いてある。
後は、油屋、とうふや、魚屋、などからの納品記録が書いてあった。
米１俵や鯛を買っているので、棟上式に供えたのだろう。

調べてみると、大正５年～８年の３年間で物価が２倍になっており、
大正９年３月には世界大恐慌が発生している。

今の家は、高祖父が神戸で働いて稼いだ金で、建てたと聞いている。
三井物産と書かれた服を着た高祖父の写真も出てきているので、どうやら三井物産関係の神戸港の事業所で働いていたと思われる。
当時の神戸港は、日本有数の国際港であったので、第一次世界大戦の大戦景気で賑わっていたことだろう。
ところが、大正９年３月の戦後恐慌で事態は一変し、給与は減り、物価は上昇という状況に直面した可能性がある。業績悪化で解雇された可能性もあるだろう。
金より物という風潮もあったと思われる。
そして、勤めて蓄えた金で現在の地に土地を買い、家を建て、農業を生業としたのではないだろうか。

当時から引き継がれている土地は約１町歩（約１００００平米・３０００坪）
車を放置するには丁度良いのだが、もう周囲は宅地化されてしまい、水田や畑は孤立状態。
もう、この場所で農業の時代が来るとは思えない。利用方法を考えていきたい。誰か買いませんか？駅まで徒歩５分ですよ。