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2012年06月19日 イイね!

NV350キャラバンに乗ってきました

NV350キャラバンに乗ってきました 私のブログのメインコンテンツの一つだった新車試乗記ですが、私が仕事を変わったりなどいろいろなことがあって昨年8月のポルシェパナメーラの試乗記以来お休みしています。試乗記をやめるつもりはないんですが、実際に車に乗ってスペックなどを調査して感想をまとめ、さらに出来上がった文章を推敲して…というと相当な時間がかかってしまい、最近は仕事のストレスや子供の面倒を見ないといけないということもあり、そこまでのエネルギーがないな~という状態でした。
 たまたま何かのきっかけで新車に乗ることがあれば、それについては書いてみようかな…という感じで、この一年間注目の車がたくさん登場したにもかかわらずスルー状態でした

なぜか今回だけはスルーできない、私的には妙に気になる車が出たので乗ってみざるを得ませんでした。

 というわけで、前置きが長くなりましたが、先日日産から登場した
NV350キャラバン
に乗ってみました。


 キャラバンは1973年の初代登場以来の長い歴史を持つワンボックスで、先々代E24系まではコーチと称するワゴンと商用バンを並立させ、エルグランドが登場して以降の先代E25系からはほぼ商用モデルに特化したラインナップとなっています。
 新型キャラバンは他の日産商用車と同様のサブネームが付き「NV350キャラバン」の呼称となりました。

 試乗車のグレードは、4ナンバーバンの中でも個人ユーザーの使用を想定したグレードであるプレミアムGX・2輪駆動・2ℓガソリンエンジン、ボディカラーはタイガーアイブラウン(濃い目のこげ茶メタリック)です。

 ライバルであるハイエースもそうなのですが、NV350も車体サイズ・駆動方式・エンジン・乗車定員(積載量)・ドア数などで仕様が細かく区分されています。

グレードの区分 :バンは豪華仕様の「プレミアムGX」と基本仕様の「DX」(DXにカラードバンパー、メッキグリルなどを装備した「EXパック」の設定あり)、ワゴンは「GX」と「DX」
車体の長さ   :ロング(4695㎜)、スーパーロング(5080㎜)
ルーフ高さ    :標準(1990㎜)、ハイルーフ(2285㎜)
床高さ       :平床(ホイールハウス逃げなしのフラットフロア)、低床
乗車定員     :バン(3/6/9人乗り、2/3/5人乗り)、ワゴン(10人乗り)
エンジン     :ガソリン(2L・2.5L)、ディーゼル(2.5Lターボ)
駆動方式     :後輪駆動、4輪駆動
トランスミッション:5速MT、5速AT
ドア        :5ドア(左右スライドドア)、4ドア(左側のみスライドドア)
※設定されていない組み合わせもあり

 仕事柄、200系ハイエースガソリンスーパーロングワイド(2TR-FE型 2.7ℓ)、100系ハイエースディーゼル(3L型 2.8ℓ ・ 5L型 3ℓ・1KZ-TE型 3ℓターボ )、E24系キャラバンディーゼル(QD32型 3.2ℓ)に乗ることがあるのですが、特にガチライバルの200系ハイエースとを重点的に比較したいと思います
 

○だった点
・快適性の高いドライブフィール

 試乗車は1・4ナンバー仕様の中でも特に乗用車色の強い2.0ℓガソリンの「プレミアムGX」でしたが、ドライブフィールは極めて乗用車的です。積載物はなく空荷の状態でしたが、ギャップでポンポン跳ねるようなこともなく、逆に足が柔らかすぎて腰砕けになるような感じもありません。
 また、室内の静粛性はハイエースよりも高く感じます。ハイエースは運転中、運転席右側のドライバー耳元あたりで車外の音がドアの隙間から透過してきているような印象があったり、エンジン音が室内にこもる感じでしたが、NV350は快適です。
 オートマチックトランスミッションはハイエースの4速に対してNV350は5速とスペック的に大きなアドバンテージがあります。実際に運転しても、特にアクセルを踏み込んだ時のレスポンスが優れています。試乗車は車重1810㎏で完全に空荷の状態でしたが、5速ATがきめ細かく変速し、少なくとも街乗りにおいて力不足を感じる状況は全くありませんでした。高速走行や重量物を積んで走る機会が多いのでなければ、2ℓ車で十分と思いました。
 ハイエースは燃費対策もあってか、巡航時の回転数が低く抑えられており、素早い加速を得るためにはアクセルを思った以上に踏み込まなければなりません。トヨタの車のATらしくキックダウン時の変速ショックがごく少ないのはいいのですが、
「ぶも~~~~ぉぉぉん」
という大げさなエンジン音をたてる割には加速が悪くイラッとさせられます。

・座り心地の良いシート
 運転席シートはハイエースよりも座面・背もたれとも厚みのある快適なシートです。
 座面については、ハイエースは厚みがない反面妙にクッションが固いので反力が強過ぎ、1時間程度乗っているとお尻が痛くなってくる上、座面前端が低いので運転しているとだんだんお尻が前にずれてダラッとした運転姿勢になってしまいます。さらにツルッとして滑りやすいシート表皮が拍車をかけます。
 NV350のシートは座面前端が適度に高く、表皮がザックリした生地で滑りにくいので、適切な運転姿勢をサポートしてくれます。
 また背もたれについては、ハイエースで適切なポジションに合わせようとすると、背もたれ上部1/3ほどが妙に遠くて背中から離れ、それが嫌でもっと背もたれを立てると今度は腰が圧迫されるという、どう調整しても適切に決まらないポジションですが、NV350は適切な運転姿勢がすんなり決まりました。
(試乗が短時間だったため、疲れやすさについては確認できなかったのが残念ですが・・・)
 後席については、この車の場合そう重要ではないかもしれませんが、少なくともプレミアムGXに関してはシートサイズも十分で、商用車であることを感じさせない座り心地です。シートのアレンジや収納性ばかりを考えて、シート本来の機能を犠牲にしている最近のミニバンや軽自動車などよりよほど優秀です。

・運転席足元の広さ
 試乗車のプレミアムGXにはハイエースには設定のないプッシュエンジンスターターが標準装備されていて、高級感・乗用車感があるのですが、これを装備しているお蔭で特に右膝の足元スペースが広く、乗降性が向上しています。ハイエースは運転席足元パネル形状のせいで足元空間に余裕がなく、身長175㎝の私が適切な運転姿勢を取ると、膝がパネルギリギリ、姿勢によっては当たってしまうのですが、NV350はよく考えられています。

・質感の高い内装
 商用車で内装の質感云々いうのもおかしいのですが、それでも試乗車のプレミアムGXに関しては、ミニバンもかくやという質感の高さです。ダッシュボード・シートともデザインに高級感はないのですが、ハイエースの内装の質感や作り・素材が今一つなので、NV350が特に良く感じられます。
 一昔前は、ワゴン的で高級感があり質感の高い100系ハイエースからE24系キャラバンに乗り換えると、あまりにも商用車丸出しの貧相な内装に、「あ、これじゃハイエースにやられるわ・・・・」と痛感させられたものですが、時代は変わりますねぇ・・・


もう少し頑張ってほしい点
・やっぱハイエースに似過ぎ・・・

 昨年の東京モーターショーに参考出品されていた時から言われていましたが、実車を見てもやはり、ズバリ!「現行ハイエースそっくりだなぁ・・・」と思ってしまいます。ボディサイドのキャラクターラインやウインドゥグラフィックなどで多少の違いを出そうとはしているのですが、シルエットが酷似しているので違いを感じません。
 歴代キャラバンとハイエースは永遠のライバルともいえる関係ですが、ワゴン的でスマートな外観のハイエースに対して、ちょっと無骨だけど質実剛健で男っぽいキャラバンと、日産らしさ・キャラバンらしさがあったように思いますが、NV350は「ライバルとは違うものを作ろう」という努力をメーカーが放棄しているように感じます。
 車体外寸の制約や室内(特に荷室)寸法の確保、衝突安全性の向上など、様々な条件をクリアすることを考えると自然と同じようなデザインをせざるを得ないのでしょうが、日産のデザイン力ならもう少し違ったものが出せたのではないかと思うと残念です。

・運転席からの周辺視界の悪さ
 運転席からの直接目視による視界が悪いことが気になります。特に気になるのが直前で、ウインドゥ下端が高いうえフロントアンダーミラーにミラー本体のステーが映り込んで見えにくいため、狭い所での取り回しにやや気を遣います。
 このアンダーミラーを含めた左側ミラーについてですが、ハイエースがスーパーGLなど外観のカッコよさ優先のグレード以外は、昔ながらの金属ステーに左側ミラーと丸い凸面鏡が付いた実用的なミラーで見やすいのに対し、NV350は実用グレードのDXであってもスタイリッシュなミラーです。見やすさや破損時の交換の容易性を考えると、実用グレードであればハイエースのようなミラーの方がいいと思うのですが・・・
 また先代までに比べるとNV350は外観のカッコよさ優先になったせいか、ピラーの傾斜が強まって太くなったり、各ウインドゥ下端が高くなっているのか、側方・後方視界もあまり良くありません。(これは100系→200系ハイエースに乗り換えても感じることなのですが・・・)
 衝突安全性を考慮するとやむを得なかったのかもしれないのですが、全方向見切りの良かった先々代E24系キャラバンと乗り比べると、数段大きな車に乗っているように感じます。

・オートエアコンの設定がない
 ハイエーススーパーGLには装備される前席オートエアコンがNV350には全グレード設定されていません。マイナーチェンジ時の追加設定を期待したいところです。

・ワイドボディが欲しい
 今年冬頃発売予定のようですが、現時点ではまだハイエースにあるような標準車プラス190㎜拡幅したワイドボディ車の設定はありません。ハイエースのワゴン10人乗りは広い車幅を生かして通路を確保した余裕のあるレイアウトであるのに対し、NV350の10人乗りは車幅が5ナンバー枠のまま、後席をオフセットして配置してなんとか人が通れるようにしたという苦しいレイアウトなので、ワイドボディならば楽でしょう・・・
 ハイエースの広幅・ショート・ミッドルーフのワゴンGLはなかなかかっこいいですし・・・

・8年差があることのアドバンテージはない
 実に11年ぶりのフルモデルチェンジとなったNV350ですが、確かに先代E25系に比べると大きく進化した印象を受けるのですが(プラットフォームはキャリーオーバーだそうですが)、2004年登場の200系ハイエースに対して8年のアドバンテージがあるかと聞かれると正直「??」という感じです。装備・使い勝手などハイエースをよく研究しているなと感じますが、ネガティブな点はすぐにハイエースが改善してくるでしょうし、そうなったら先代E25系同様競争力を失ったまま店晒しにされかねないなと危惧してしまいます。

総評
 昔のキャラバン(と名前が違うだけの兄弟車・ホーミー)はハイエースの双璧ともいうべき良きライバルでした。販売台数でもキャラバン/ホーミーはハイエースとほぼ互角でしたが、先代E25系にモデルチェンジした頃からのキャラバンの凋落は激しく、ここ5年ほどはキャラバン2割弱:ハイエース8割強という惨憺たる有様だったようです。
 E25系惨敗の要因は、前方衝突安全対策でノーズ部を延長したことにより荷室空間を狭めてしまったことなどキャラバン自体の問題、90年代終わりから2000年代初頭にかけての日産の経営難による販売力の弱体化、ハイエースが200系にモデルチェンジして魅力が高まったことなどが考えられますが、NV350は発表の時点で日産自動車の志賀COOが少なくとも4割のシェアを確保すると明言して、徹底的なテコ入れ姿勢を明確にしたようです。
 特に200系に切り替わってからのハイエースは、乗用車的なスタイリッシュな外観やスクエアなボディによる広い荷室空間、従来型にはなかったワイドボディなど幅広いラインナップ・・・と、キャラバンの追随を許さない、非常に魅力的な車になった一方で、先代である100系に比べるとコストダウンされ100系ほどの耐久性はないとされて言われています。
 余談になりますが、私の職場にある100系ハイエースは走行距離の少ないもので30万キロ、多いものだと平成7年式で72万キロという個体があります。(もういい加減捨てろやって思いますがwwwww)  たまに電装品が壊れたりといった細かい部分の不調はあるのですが、エンジン・トランスミッション・車体はどの個体も絶好調で、100系の極めて高い耐久性を思い知らされます。
 ハイエースが200系になってこの高い耐久性を捨ててコストダウンに走ったといわれるのは、トヨタ自体が常に乾いた雑巾を絞るようなコストダウンを念頭に置いているということもありますが、強力なライバルが不在で「この程度の作りでも大丈夫だろう、ハイエースはブランドだし」とタカをくくっている部分もあったのでしょう。
 が、こういうことをやっていて特に新興国・発展途上国でハイエースの耐久性に疑問符が付くと、近年急速に進歩した韓国車や中国のコピー車に取って代わられ、最終的にはユーザーに見放されてしまう恐れがあります。ハイエースが特に過酷な環境のアフリカや中南米、中近東を始めとする世界中で支持されてきたのは、別にスタイルがカッコいいからではなく極めて高い耐久性があったからだと思うのですが、それを自ら捨ててしまうのは自殺行為としか思えません。キャラバンの品質がハイエースに対してどの程度のものか、現時点では全くわかりませんが、日本車全体の競争力向上のためにも、国内メーカーの強力なライバルがトヨタの慢心に対する抑止力として存在することは非常に重要です。
 現時点においてはハイエースのネガティブな点をよく研究しているNV350はなかなか魅力的ですが、ハイエースが圧倒的に不利になったともいえないように思います。本文中にはハイエースに不利な記述が多かったのですが、正直どちらを買っても損はないでしょう。

 その他気が付いた点としては、ガソリン車とディーゼル車の価格差が同じグレードでおよそ60万円もあります。(ちなみにハイエースもほぼ同じ価格差)
 60万円の価格差を走って取り返そうとすると・・・
JC08モード燃費:ガソリン車(QR20DE)・・・9.7㎞/L、ディーゼル車(YD25DDTi)・・・12.2㎞/L、実用燃費はこの9掛けと考える。
燃料単価(gogo.gs調べ、6/18時点岡山県内平均):ガソリン・・・137円、軽油・・・117円
・・・と計算すると、約12万キロ走れば元が取れます。
 2ℓガソリンでも実用上問題ないとはいえ、高負荷時のディーゼルのトルクフルな走りは魅力です。反面騒音・振動や交換スパンの短いエンジンオイルなどディーゼルゆえのデメリットもあります。どのような使用用途なのかを考慮の上選択されてはいかがでしょうか。

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Posted at 2012/06/19 23:06:30 | コメント(5) | トラックバック(0) | 新車試乗記 日産編 | 日記
2011年05月09日 イイね!

モコに乗ってみました

モコに乗ってみました 日産モコに乗ってみました。
 グレードは3種類あるうちの中間、自然給気モデルでは上位のX( オーディオ&バックビューモニター付)、ボディカラーはアーバンブラウン(PM)です。写真が撮れなかったのでメーカー公式サイトからの転載です。


○だった点
・かっこいいタッチパネルオーディオ

 新型モコ/MRワゴンの売りは何と言ってもこれ、市販車としては初めて採用されたタッチパネル式オーディオです。iPhoneやiPadを思わせる使い勝手で、いかにも先進的でかっこいいです。

・Aピラーの死角の改善 
 先代モコ/MRワゴンはAピラーが大きく傾斜しているうえに太いため、交差点の右左折時の死角の確認に気を遣わされました。新型はピラー自体の太さはあまり変わらないように思うのですが、傾斜角が弱められてピラーが立ったようなデザインになったため、視界は改善しています。軽自動車は街中や自宅近くの狭い道、スーパーの駐車場などを走る機会も多いと思いますが、そういった状況で視界が良いことは重要です。

・室内空間の広さ 
 もともと室内空間は十分だったのですが、新型はホイールベースが先代比で65㎜も延長され、室内がますます広くなりました。後席にはスライド機構があるのですが、いっぱいに後ろに下げれば足元空間はリムジンのようですし、最前端までスライドさせてもなんとか座れる空間はあります。その際には荷室空間に余裕ができます。
  また、前席についても上記の通りAピラーがかなり立ったデザインになって空間的余裕が出来、快適性が向上しました。乗員からフロントガラスまでの距離が遠くなったため圧迫感が軽減し、いかにも軽っぽいせせこましさが少なくなりました。

・カラフルなボディカラー 
 歴代モコ/MRワゴンにはピンク、アプリコット、マルーンブラウン、ミルクティーベージュ、ターコイズ、ミントグリーンなど個性的なボディカラーがラインナップされてきましたが、新型にもモコベリー、アーバンブラウン、ミルクティーベージュなど個性的でかわいらしいボディカラーがラインナップされています。
 最近は軽でも威圧的に見せたいのか、黒や濃い紫のボディカラーの車が目立ちますが、いい意味で軽らしいモコのボディカラーは本当に好感が持てます。


気になった点
・シートのポジションがおかしい

 ここ最近のスズキの軽に共通した傾向ですが、前席座面前端が少し低い上、シート表皮の素材がツルツルと滑りやすいため長時間座っているとお尻が前にズレて行きます。もう少し座面前端を高くするか、前端のクッション硬度を上げた方がいいのではないかと思います。
 短距離・短時間走行が前提になっている軽自動車のシートに多くを望むのは酷かとは思うのですが、スイフトのように安い車であってもシートの出来の良い車もあるだけに、軽のシートの出来の悪さにはスズキのダブルスタンダードというか不誠実さが感じられて残念です。

・スペアタイヤが積めない 
 モコに限らず、最近はスペアタイヤがなくパンク修理キットが積まれている車が多いです。少し前までならパンク修理キットが積まれていても、スペアタイヤが収まるような丸いスペースが荷室床下にあった車が多かったのですが、モコはそのスペースすらありません。
 スペアタイヤがないことは、タイヤがスローパンクチャーではなくバーストしたときに問題が生じるのではないでしょうか。釘を踏んで生じたような小さな穴はパンク修理キットで塞がりますが、バーストしたり大きく裂けたりした場合には走行不能になる恐れがあります。平時にはそういう状態になってもJAF等ロードサービスを呼べばすぐ来てくれるかもしれませんが、特に今回の震災のように道路に大きな凹凸が出来た際に、軽のハイトの低いタイヤは痛みやすく、またタイヤさえ交換すれば走れる程度のことなのに走行不能になってしまうのは問題があります。

・カーオーディオとしては不向きなタッチパネルオーディオ 
 長所のところでタッチパネル式オーディオがかっこいいと書いたのですが、タッチパネルは自動車のオーディオ用としては向いていないですね。カーオーディオは運転中に前方から視線を外さずに手探りでボタンやダイヤルを操作することもあると思いますが、タッチパネルだと手探りでの操作がまず不可能です。
 その上全然関係ないところを触ってしまって誤動作する可能性もありますし、タッチパネルだと操作はすべてタップ&フリックとなりボタンを押した「カチッ」「プチッ」とした操作感がないため、きちんと操作できたかどうか不安になります。(「ポン」という操作音はあるのですが、走行騒音で聞こえないこともある。)
 

総評
 一昔前まではこの車のようなハイト系の軽自動車はアクセル踏んでも走らない、アクセル踏むと燃費が極端に悪いと、完成度が低かったのですが、モコは最新型の軽らしく、パワーのない自然給気仕様でもまずまず納得できる走りと経済性を両立させています。完全停止から一気に60km/h程度まで加速するような街中主体の試乗コースだったのですが、この程度ならば速くはないがそれほど不満のない動力性能ですし、燃費も燃費計表示値で17km/L弱と優秀な数値でした。高速や山岳走行が多いとちょっと厳しいかもしれませんが、そうでなければ自然給気モデルで十分でしょうし、不満ならばエコカー減税のターボモデルもあります。

 先日試乗記をアップしたデリカD:2同様、この車もスズキの車のOEMですが、モコは初代が2002年登場と既に10年近い歴史を持っている上、既に本家であるMRワゴンの販売台数を上回るに至っています。モコのデビュー当時は、「日産が軽!!??その上スズキのOEM!!??日産も落ちたなあwwwww」と驚愕した覚えがあるのですが、今やスズキにとっては、日産に完成車を供給することで不得意な都市部で拡販して新たな需要を開拓できましたし、日産にとっては人気のある軽自動車を低コストで品揃えして、今まで取りこぼしていた需要を拾うことができるというWin-Winの関係となりました。トヨタが自社ブランドでの軽自動車販売に参入することが取り沙汰されていますが、モコの成功も影響を与えているのでしょう。


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Posted at 2011/05/09 00:01:07 | コメント(5) | トラックバック(0) | 新車試乗記 日産編 | 日記
2011年04月10日 イイね!

リーフに乗ってみました。

リーフに乗ってみました。 なんだかずいぶんブログアップをサボってしまいました。仕事の忙しさは3月で一段落したはずなんですが・・・


 さて、日産の電気自動車・リーフに乗ってみました。
 グレードは二種類あるうちの廉価グレード「X」、ボディカラーはホワイトパールです。Xと上級グレード「G」の違いですが、Gにはソーラーパネル付きルーフスポイラー、クルーズコントロール、バックモニターなどが備わります。


○だった点
・航続距離が長く実用性が高い
 リーフの航続距離はJC08モードで200kmと発表されています。試乗当日は気温が10度程度と低いものの晴天の日中で、電気を食う暖房はつけずに済みましたが、100kmほど走行して、まだ残り航続距離が60kmありました。高速道路や山道を飛ばしたりと、電気自動車にとって有利とは言えない状況でこの航続距離なら、十分に実用的と言えますね。 
 三菱の電気自動車・iMiEVを同様の条件で走行した時には、80km程度でバッテリー残量が怪しくなってきて途中で急速充電したのですが、リーフは充電しようという気になりませんでした。
 このぐらいの航続距離であれば、よほどの遠出以外十分実用になりそうです。

・低重心で安定感のある走り
 床下全面にバッテリー、インバーター等の重量物の搭載していて重心が低いため、走りに安定感があります。全高が1545mmと高いため一見フラフラ走るのかな〜と思いがちですが、見た目とは裏腹です。
 また重量物が分散して搭載されていることも、走りに好影響を与えているように思います。 
 車重が1520kgと、電気自動車としては標準的だが車格の割には重く、また脚回りのセッティングも柔らかいため、挙動は穏やかですが、脚を固めてタイヤのグリップレベルを上げていけば相当スポーティな車になりそうです。

・高い快適性
 電気自動車なので、室内の静粛性が高いのは当然なのですが、インバーターから発せられる「キーン」「ヒューン」という高周波音が少なく、音質の点でも快適です。
 プリウスは窓を閉めていても減速時に「キーン」音が室内に聞こえてきて、正直かなり耳障りなのですが、リーフは遮性音が優れているだけでなく、音の発生そのものが少ないです。

・室内空間と機器類スペースの両立
 電気自動車と言えば大量のバッテリーを搭載しなければなりませんが、リーフは床下にバッテリーを搭載することにより、室内空間と電気自動車関連機器スペースの両立を図っています。
 日産は電気自動車・燃料電池自動車に対しては経験豊富で、1998年には既にステーションワゴン「ルネッサ」をベースとした電気自動車が市販化されていました。ルネッサはガソリン車のボディシェルも電池を搭載することを前提とした高床構造で、これによって室内が狭いなど不評ではあったのですが、こういった先例でノウハウを積み重ねたことによって、リーフでは満足のいく室内空間を確保できています。


もう少し頑張ってほしい点
・あまりかっこ良くない外観
 リーフの最大の欠点はここではないかと思います。外観はあくまでも個人的な好みの問題かな~とも思うのですが、それにしてもポコッと飛び出したカエルのようなヘッドライト、角を落としたティーダのようなムラーノに似てるような中途半端なスタイル、全幅がかなり広い(1770㎜)割にドデッと背が高く見えたりと、お世辞にもカッコイイとは言えません。
 あまりかっこよくなくても、いかにも未来っぽい・電気自動車っぽいスタイルならまだいいのですが、エンジンが入ってないにもかかわらず普通の大きさのボンネットがあるので、パッと見普通の車と変わらない印象です。
 あと余談ですが、充電はボンネット先端のリッドを開けてやるのですが、充電している姿はまるで鼻から点滴チューブを挿されているようですwww もうちょっとなんとかならなかったのでしょうか?

・シートの出来が良くない
 シートの出来はごくごく普通の日本のコンパクトカーという感じで、小一時間程度運転しているとなんとなく姿勢がずれてきて、腰やお尻が痛くなってきます。EVとしてはせっかく世界最高レベルの性能を持っていながら、自動車の本質的な部分がおろそかにされているのは残念です。 

・仕方ないけど効かない暖房 
 EVの暖房には大きなエネルギーを消費します。(場合によっては、走行することよりも暖房に要するエネルギーの方が大きい)
リーフは三菱iMiEV同様、電気ヒーターによってクーラントを熱して、それをヒーターコアへ循環させて温風として吹き出すという形式ですが、暖房の効きは良くありません。内燃機関自動車はエンジンで熱せられた冷却水をヒーターコアへ循環させることにより、エンジンの排熱を利用して暖房も行うという非常に効率的な仕組みが確立していますが、リーフやiMiEVは本来であれば電気自動車には必要ないLLCを、わざわざ暖房のためだけに搭載し、それをわざわざ電気を使って熱するという非効率さです。もう少し効率の良い暖房システムが開発されないものでしょうか。

 
総評 
 電気自動車には依然として、航続距離の短さや初期コストの高さという問題があります。それはよく出来ているこのリーフとて例外ではありません。普段満タンで900km近く走ることができるスイフトに乗っていると、i-MiEVよりも圧倒的に長くなったとはいえ180km程度の航続距離は不満がありますし、現状では補助金込みでないと極めて高価な価格も、購入に対する心理的な障害になります。
 ただ、それらの問題がクリアになる方ならリーフは大いにお勧めできる車です。毎日充電するならば全く不満のない航続距離、ガソリン車やプリウスなどハイブリッド車よりも快適な乗り心地、優れた動力性能等に加え、時代の最先端を行く電気自動車に乗っているという優越感もあります。ハードの出来自体は現時点では文句なしです。

 リーフの問題点は車自体のハード面よりも、車を走らせるためのインフラや社会環境にあると言えます。
 電気自動車には必須の急速充電器ですが、先日東名高速各SAに設置されることになったというニュースが流れたように、各所に設置される動きが広まってはいるものの現状ではまだまだ十分とは言えませんし、今後電気自動車の普及が進めば、ガソリン車の給油よりも時間がかかるだけに出先で充電しようとしても充電ステーションが混雑しているという恐れもあります。
 それから、電気自動車といえば当然電気が必要になりますが、福島第一原発事故によるエネルギー政策の転換で、原発の新設や休止中の原発の運転再開が困難になると思われます。こういった状況は電気を使う電気自動車の普及の足かせになろうことは想像に難くありません。
 また、今回のような大地震後のインフラ復旧において、電気は比較的早く復旧するとはいえ、それでも完全に遮断されてしまうこともある中、自動車の動力源まで電気に依存してしまうのはいかがなものかと思います。
 現に今回の地震で、家庭のオール電化を進めた挙句、地震による停電で家電が使えないばかりか、都市ガス・プロパンガスを廃止しているがために湯も沸かせない・風呂も入れないということになってしまった家庭が多かったようです。エネルギー源を電気一本に集約してしまうのは、非常時に困るのではないでしょうか。
 今回の地震ではガソリンの供給難が大きくクローズアップされたことから、電気自動車が注目されつつありますが、個人的には「ちょっと待てよ!?」という印象です。

 ちなみに最近普及が進む家庭用太陽光発電ですが、シャープと京セラに確認したところ、太陽光による自家発電システムは外部電源が停電によって停止すると、「自立運転機能」に切り替えたうえで、別系統の電源プラグによってソーラーによる電力供給ができるようです。
 しかし、当然夜間など日射量がない場合は発電ができませんし、発電量が限られている上に不安定なため、電気自動車の充電には向いていないようです。

 前途洋々に見えた電気自動車に思わぬところで難題が降りかかってきましたが、限りある化石燃料を有効に利用するためにも電気自動車の普及は今後の世界において必然でしょう。発電手段の多様化を進め、電気の安定供給を進めることが重要になってきますね。


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Posted at 2011/04/10 22:24:37 | コメント(5) | トラックバック(0) | 新車試乗記 日産編 | 日記
2010年12月20日 イイね!

新型セレナ乗ってみました

新型セレナ乗ってみました 注目の新型セレナに乗ってみました。グレードはハイウェイスター(2WD)、ボディカラーはブリリアントシルバーメタリックです。


○だった点
・エコ性能の向上
 
 新型セレナの最大のポイントは環境性能が向上している点でしょう。マーチに続いてアイドリングストップ機構が備わっていますが、マーチ同様ちょっとした時にもアイドリングが止まるのでかなり燃料を節約出来ている気分になれます。
 また、メーター内のエコ運転インジケーターもカラフルで面白いです。
 試乗時は市街地のゴーストップが中心でしたが、燃費計表示値で11km/Lと、走り方や1.6トンを超える車重を考慮すると非常に優秀です。

・高級感の出た内装
 先代セレナはファミリーカーらしくシンプルでクラス相応でしたが、新型はデザイン性を増して高級感が出ました。
 あと、先代はオートマチックのセレクターの動作ストロークが短くて操作しにくかったのですが、新型はオーソドックスなタイプになっています。

・先代譲りの取り回しのしやすさ
 全長4685mm×全幅1695mmとも小型車枠ほぼいっぱい(ハイウェイスターは全長4770mm×全幅1735mmの3ナンバー)という大柄な車体ですが、ボディサイズを感じさせない取り回しのし易さです。
 特にウインドウエリアが広くてウインドウ下端が低いため、車両感覚が掴みやすく、車両直近の死角が減らせて安全です。ミニバンは主婦など女性の方が運転する機会も多いですが、小柄な女性の方が運転する際にも負担が減らせそうです。
 窓が大きいことは後席に座る子供達にとっても、周りが見渡せて退屈しないというメリットがあります。
 最近はミニバンなのに、窓が小さくて周りが見えにくいというトンチンカンな車もありますが、さすがミニバンの王道・セレナだけにぬかりはありませんね。

・5ナンバー枠を堅持していること
 売れ筋のハイウェイスターは先代以来3ナンバーサイズですが、標準グレードは依然として5ナンバーサイズを堅持しています。取り回し性に大きな差はないにせよ、5ナンバーと3ナンバーの心理的な差は大きいです。このクラスのミニバンは5ナンバーであるべきでしょう。


もう少し頑張ってほしい点
・よく考えたら結構デカい
 
 ミドルクラスミニバンの代表格たるセレナですが、ミドルクラスの車と考えるとやはり相当大きいです。全長4685㎜×全幅1695㎜と5ナンバー枠一杯ですし、ハイウェイスターはさらにそれよりも85㎜×40㎜大きいです。
 これより全長が小さいと室内空間を狭めてしまいそうですし、これだけの広い室内空間にも関わらず5ナンバーサイズを堅持したことは素晴らしいのですが、もう少しコンパクトでもよかったかなと思います。
 こう大きくなってくると、日産からホンダのフリードのようなコンパクトミニバンが出ると、一気にそちらに人気が移行するかもしれませんね。

・色々付けると価格が高くなる  
 試乗車は売れ筋グレードのハイウェイスター(2WD)にHDDナビ、HIDライトがオプションで付くという、セレナの中で最も一般的と思われる仕様でしたが、本体価格は300万円を超えます。
 この価格のナビはメーカーオプションのナビの中で最も安いものだったのですが、最も高額なものだと64万円以上します!
 今時の車はどれもナビを付けるとドカンと高額になりますが、2リッター級のファミリーカーに諸費用込で350万円近いというはちょっといい値段ですね・・・


総評
 新型セレナは基本的に、大ヒット作となった先代のブラッシュアップ版という位置づけです。先代のネガティブな部分を極力つぶしながら、時代性に合わせたということでしょう。新型セレナのキャッチフレーズ「エコモデルチェンジ」という言葉がよく理解できる仕上がりです。
 現在先代に乗っている方も、新型に対してあまり劣等感を抱かなくてもいいでしょうし、もし在庫車が大幅値引きされるなら、先代を買っても損はないでしょう。
 

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Posted at 2010/12/20 12:52:53 | コメント(6) | トラックバック(0) | 新車試乗記 日産編 | 日記
2010年08月26日 イイね!

エルグランドに乗ってみました

エルグランドに乗ってみました 新型エルグランドに乗ってきました。

 グレードは350ハイウェイスタープレミアム(2WD)、ボディカラーはオーロラモーヴです。

 

○だった点
・FF化したこと
 新型エルグランドの大きなトピックといえば、この車の先祖であるキャラバンコーチ/ホーミーコーチ以来連綿と続いてきた後輪駆動レイアウトを捨て、ついに前輪駆動化されたことでしょう。
 ライバルのアルファード/ヴェルファイアの影響や、2011年から発売される日産の北米専売車・クエストとのプラットフォーム共有化などが主な理由です。
 先代は車高が高かったのですが、床下の駆動系機器類の影響でフロア高も高く、「よっこらしょ」という感じで乗り込むような高さでした。
 新型は前輪駆動化によって床が低くなり乗り降りがし易くなりました。これは家族で乗る機会も多いミニバンとして非常に重要なことだと思います。

・マルチリンク式リアサスペンションによる良好な乗り心地
 最近は大衆車だけではなくアルファードなど大型ミニバンでも、コストダウンや室内スペースの確保などの点からトーションビーム式リアサスペンションが採用される例が多くなっていますが、新型エルグランドはマルチリンク式のリアサスペンションです。
 コストが余分に掛かるにも関わらずマルチリンク式を採用していることで、大型高級ミニバンらしいしっとり落ち着いた、フラットライドな乗り味を実現しています。
 直接のライバルであるアルファード/ヴェルファイアが、トーションビーム丸出しのコツコツポコポコした乗り心地であるのに比べ、エルグランドは明らかに乗り心地が良いです。
 先代E51系と比べても、どこかトラックベースを思わせる、バネ下の重い感じのドタドタモッサリした走りだったE51系に対し、新型は乗用車らしい高級感のある乗り味に進化しています。


もう少し頑張ってほしい点
・少し狭い3列目と荷室
 全長4915mm×全幅1850mmの堂々たる外寸ですが、そのわりには室内は広くありません。特に3列目シートの空間と荷室スペースは、格下のセレナよりも小さいのではないかと思えます。
 絶対的には狭くありませんが、アルファード/ヴェルファイアには劣っている点です。

・FF化したこと
 長所でFF化したことと書いたのですが、逆に残念な点でもあると感じます。
 私個人としては、本当に高級な車はやはり後輪駆動でなければならないと思うのですが、新型エルグランドはライバルのアルファード/ヴェルファイアの影響で先代までの後輪駆動を捨ててしまいました。
 前輪駆動であると前軸荷重が過大になり、鈍重なハンドリングになりがちだったり、アクセル開度によるセルフアライニングトルクの変動とあまり高級車らしくない動きが出がちです。アルファード/ヴェルファイアとの差別化のためにも後輪駆動にこだわってもよかったのではないかと思います。
 日産にはフーガやスカイライン用の後輪駆動プラットフォームがあるのですから、それを流用できなかったのでしょうか。

・2.5Lの4気筒化
 先代の途中で追加された2.5Lですが、先代はVQ25DE型6気筒エンジンだったのに、新型は4気筒のQR25DE型エンジンになりました。エンジン単体重量の軽減、フリクションの軽減、実用域での性能等を考慮すれば4気筒化は避けられないのでしょうけど、高級ミニバンならば6気筒にこだわってほしかったです。
 今回は残念ながら2.5Lに乗ることができませんでしたが、機会があれば試乗してみたいです。

・何かに似てる外観
 外観デザインはこれまでのエルグランドと雰囲気を変えてきたのですが、結果的に他車、具体的に言うとホンダのエリシオンプレステージに似てしまいました。
 このクラスの車に求められる貫禄を表現しようとするとデザインテイストが似てくるのでしょうけど、これまでのエルグランドが独自性のあるデザインだっただけにちょっと残念です。

・エアロ仕様偏重のラインナップ
 最下級グレードの250XL以外はハイウェイスター、ライダーなど派手なエアロ付きの仕様です。確かにカッコはいいのですが、ユーザー層を限定してしまうような気がします。
 ハイウェイスターは確かに売れ筋だったと思いますが、E51系はそんなに標準車は売れてませんでしたっけ???
 ライバルのアルファード/ヴェルファイアはラインナップの半数以上がエアロなしのグレードなので、もう少しハイウェイスター以外のベーシックな外観のグレードを拡充してもよいのではないでしょうか。

・ボディカラーの選択肢が少ない
 ボディカラーのバリエーションはたった5色しかありません。上級車ならばもっと選択肢を持たせるべきではないでしょうか。

・低い販売目標
 これはエルグランドの車自体には関係ないのですが…
 この車の報道向け発表会で日産の志賀俊之COOはこのクラスのミニバンのトップを取りたいと語りましたが、そのわりには月販目標台数は1900台とアルファード/ヴェルファイア連合の販売実績(2010年1~6月平均8,539台)の2割強という低い目標です。
 どうも最近の日産の車は、販売台数の目標を低く設定しておいて、目標の○倍受注した!絶好調だ!と喜んでいることが多いように思いますが、いかがなものかと思います。


総評
 8年振りのモデルチェンジだけに、先代からは走りや使い勝手を中心に大幅に進化しています。フラッグシップミニバンらしく充実した装備と広大な室内空間、さらに新型になってから内外装等の造りが良くなり、また先代ではどこかトラック的で粗さがあった乗り心地や静粛性が飛躍的に改善されています。
 アルファード/ヴェルファイアと比較しても遜色はなく、むしろ乗り心地など快適性では上回っており、買って損はない車です。

 先々代E50系エルグランドの時代には、販売面で当時のトヨタのライバルであったグランビアを圧倒していました。モデルライフの途中でグランビアが大幅マイナーチェンジして威圧的な外観デザインになったり、兄弟車のグランドハイエースを追加したりしてエルグランド追撃に必死でしたが、結局エルグランドの牙城を崩すことができませんでした。
 ところが2002年にトヨタが満を持してアルファードを発売してから立場が完全に逆転して、エルグランドが後塵を拝することになってしまい、エルグランドは2.5Lを追加するなどして対抗しましたが、結局アルファードに販売台数で圧倒的な差を付けられてしまいました。
 新型エルグランドは先代よりも造り込まれて出来が良くなっているうえ、ライバル車の一台であったホンダエリシオンが生産中止となり、大型ミニバンマーケットがエルグランドとアルファード/ヴェルファイアの寡占状態になるため、新型エルグランドは先代よりも販売面では盛り返してくるでしょう。

 ただ、ライバルのアルファード/ヴェルファイアの影響を大きく受けて、前輪駆動化・2.5Lは4気筒化と、ちょっと安っぽくなったような印象は否めません。
 「アルファード/ヴェルファイアは大衆車と同じ前輪駆動・4気筒ですが、エルグランドは高級車と同じ後輪駆動・6気筒ですよ!」という売り方をすれば、アルファード/ヴェルファイアよりも上級なイメージを得ることもできたのに…と思います。
 また、どうせ前輪駆動・4気筒化してコストダウンを図るなら、価格をもう少し下げるべきではなかったかと思います。
 最下級グレードの250XLの価格は307.65万円ですが、アルファード/ヴェルファイアの最低グレード(300万円)よりも高いです。298万円ぐらいにするとインパクトがあってよかったのにと思います。
 これらの点に、やっぱり日産はつくづく商売が下手だなあと感じます。
 
 ともあれ、車の出来自体は十分満足いくものだと思います。先代、先々代エルグランドからの買い替えやセレナ等からのステップアップ、セダンからの買い替えでも満足度は高いのではないでしょうか。



↓↓関連試乗記こちらも是非↓↓
アルファード2.4L試乗記
ヴェルファイア3.5L試乗記
ティアナ試乗記
ステップワゴン試乗記
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Posted at 2010/08/26 22:48:56 | コメント(8) | トラックバック(0) | 新車試乗記 日産編 | 日記

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