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2011年04月30日 イイね!

デリカD:2乗ってみました。

デリカD:2乗ってみました。 三菱デリカD:2に乗ってみました。
グレードは3種類ある中間グレードのX(2WD)、ボディカラーはパールホワイトです。 

 皆様ご承知のとおり、この車は三菱デリカを名乗ってはいますが、スズキの軽自動車・パレットをベースとした乗用車・ソリオのバッジエンジニアリング車で、中身は、というか外身も何もかもスズキの車です(笑)


○だった点
・広くて使い勝手のいい室内空間
 この車のベースになったスズキパレットや、同様のパッケージングのダイハツタントなどは、軽自動車の枠内にある狭い横幅の割に室内高があるため、高さと幅のバランスが悪くて頭上がなんとなくガラ~ンとしています。
 D:2は室内長・室内高はパレットとほぼ同じですが、全幅はパレット比+145㎜、室内幅は+135㎜と拡幅されているため、幅と高さのバランスが良く、広い上に乗っていて不自然さがありません。全幅そのものは小型車枠をかなり下回る1620㎜とコンパクトですが、室内に狭苦しさは全くありません。
 シートのアレンジも、後席スライド・リクライニング、前席フルフラットをはじめ、スズキの軽譲りの助手席シートバックを前倒ししてフラットな空間を作り出せる機構など、ボディサイズ以上に空間を有効に活用できます。

・軽自動車に比べて余裕のある走り
 パレットは軽自動車としては相当な重量級のため、街中走行でも常に重さを感じますが、D:2(ソリオ)は余裕があります。
D:2(X・2WD)       :車重…930kg 出力…54PS パワーウエイトレシオ…17.22kg/PS
パレット(SW・XS・2WD):車重…1030kg 出力…91PS パワーウエイトレシオ…11.32kg/PS
…と、普通車ならではのゆとりがあります。
 パレットやタントなど軽の超ハイトワゴンは、自然吸気モデルだと動力性能に全く余裕がなく、ターボ付きだと燃費が悪いというジレンマを抱えていましたが、この車に乗ると車重相応のエンジンを載せるのがやはり自然だなあと感じます。燃費についても市街地中心の走り方で燃費計表示値が17.1km/Lと良好でした。
 高速道路・山岳部走行や多人数乗車の機会が多い方は軽よりもD:2にされることをおすすめしたいです。


気になった点 
・なんでこれをデリカと呼ぶ?
 軽自動車にはスズキワゴンR=マツダAZワゴン、スズキパレット=日産ルークス、三菱ekワゴン=日産オッティなどメーカーを超えたバッジエンジニアリング車が多いのです。別にバッジエンジニアリングが悪いことではないと思うのですが、D:2の場合もう少し外観を変えるとかやり方がなかったんでしょうか?
 上記に挙げた車はフロントグリルやテールランプなどを変えて、少しでもそのメーカー・ブランドらしさをアピールしようという努力が見られるのですが、D:2とソリオの違いは前後のメーカーバッジだけという手抜きぶりです。
 また、「デリカ」という名称は、代々ワゴン車でありながら中身は本格的四輪駆動車という車に付けられてきた名前なのに(現行D:5は違いますが…)、他社OEMでなおかつ軽自動車ベース、その上メーカーのバッジが違うだけのこの車に安易にデリカの名前を与えるのは、三菱ファンはどう感じているんでしょうか?せめてもう少し三菱独自のエクステリアにすればよかったのに…

・軽なのに普通車のデメリットも兼ね備えているような印象がある
 全長・全幅がスイフトやフィットなど通常のコンパクトカーよりも小さいにも関わらず、室内空間が圧倒的に広いのは、ベース車であるパレットのパッケージングの優秀さだと思うのですが、裏を返せば幅の狭ささえ我慢すれば別に軽でいいじゃんということになります。
 ボディサイズとエンジン排気量以外はほぼ軽という車にも関わらず、高速料金や税金は普通車で、私が住んでいるような田舎であれば、軽には不要な車庫証明を取得しなければならないなど、軽なのに普通車のデメリットを持っているように思えてしまいます。

・重い、というか渋いステアフィール 
 電動パワステのセッティングの問題か、ステアフィールが重いというよりも妙にフリクションが大きくて渋い感じです。軽のステアリング機構そのままでタイヤが太くなったりトレッドが拡がっている弊害なんでしょうか?

・ちょっと小さいシート 
 前席背もたれを倒すと後席とフルフラットになるのは良いのですが、フルフラットにしようとしたためか前席背もたれがやや小さく、軽っぽさ丸だしです。ヘッドレストを最上端まで伸ばしても、身長175cmの私の適切な位置(ヘッドレストの中心が耳の高さに来る)になりません。普段、コンパクトカーなのにたっぷりした大きさのシートのスイフトに乗っているだけに、ちょっと気になります。 
 それから、最近のスズキの車に多いのですが、シート表皮の素材がツルツルと滑りやすくて、運転しているうちにお尻が前にずれてくるのも困りものです。

・違和感のあるCVTの制御
 パレットやワゴンR、スイフトなど最新スズキ車に採用されている副変速機付きの新型CVTがこの車にも採用されていますが、このCVTはゼロ発進時にアクセルを踏み込むと一瞬息つきのようなタイムラグがあるのが気になります。

・リヤシートの背もたれはもう少し倒れた方が… 
 リヤシートのリクライニング角度はかなり大きいのですが、最も倒した状態でもまだ余裕があります。車中泊や災害時の避難のことを考えると、もう少し倒れてフラットに近くなってくれた方がよりよいと思います。


総評 
 一応「新車試乗記 三菱編」のカテゴリーに入れた今回のデリカD:2試乗記ですが、何から何までスズキソリオなので、三菱のカテゴリーに入れるのは迷いがありました(笑)
 車自体の出来は、ベースとなったスズキパレットの広大な室内空間と空間効率の高さ、質感の高さを受け継いでソツなくまとまっています。なおかつ、パレットではいかにも苦しかった動力性能も、ソリオでは車重相応の1200ccエンジンで、軽自動車よりもはるかに余裕のある走りになりました。

 このようにハード自体には不満の少ない車だと思うのですが、それ以外の部分、特に「スズキ ソリオ」としてでなく、「三菱 デリカD:2」としてはやや疑問な点があります。
 まず名称の「D:2」ですが、本家デリカD:5の「D:5」ってデリカの5代目という意味だったはずですが、なんでこの車が「D:2」になるんでしょうか?世代と車格がいつの間にかごっちゃになってますね。
 それから本文にも書きましたが、あまりに安直にソリオそのままという外観もいかがなものかという感じです。
 三菱のコンパクトハイトワゴンと言えば、2002年まで販売されていたミラージュ ディンゴが思い浮かびます。ディンゴは広い室内、余裕のあるシャシー性能による安定感のある走り、視界の良さなど、三菱らしい真面目なコンパクトカーでした(外観はブサイクでしたがww)。これだけのコンパクトカーを作る能力がありながら、安易にOEM車に頼ってしまうのは残念です。デリカスターワゴンやスペースギア、パジェロがバンバン売れてた頃の三菱にはスズキからOEM車を供給してもらって、それをそのまま売るなんてチャンチャラおかしいってとこだったのでしょうが、今や完全に立場が逆転しています。正に諸行無常・盛者必衰ですね…


↓↓関連試乗記 こちらも是非↓↓
パレットSW試乗記
ワゴンR試乗記
タントカスタム試乗記
ラクティス試乗記
キューブ試乗記
Posted at 2011/04/30 22:34:30 | コメント(6) | トラックバック(0) | 新車試乗記 三菱編 | 日記
2010年06月15日 イイね!

iMiEV乗ってみました 電気自動車のある生活編

iMiEV乗ってみました 電気自動車のある生活編 三菱の電気自動車・iMiEV(アイミーブ)に乗ってみました。

 昨年iMiEVにはちょっと乗って新車試乗記を書いたんですが、今回は岡山県が実施している電気自動車体験カーシェアリング事業のお陰で丸一日お借りすることができ、市街地や高速道路、山道、流れの速いバイパス等をたっぷり走行してみました。
 前回の試乗記との内容の重複もありますが、今回は使い勝手や電気自動車を使用する上でのインフラストラクチャーについても検証したいと思います。


○だった点
・電気自動車を一般化したこと
 ここ最近、環境意識の高まりや原油価格の高騰のため、電気自動車が急速にクローズアップされてきましたが、電気自動車は特にここ最近のものではなく、世界的には100年以上、日本国内でも戦後すぐから販売されてきたという長い歴史があります。
 電気自動車は長い間、動力性能がバッテリー容量に左右されていました。蓄電性能が高くない頃には大量の鉛バッテリーを搭載しなければならないため、バッテリーを運搬するために走っているような状態で、鈍重な動力性能と短い航続距離がつきものでした。
 ところが近年、携帯電話にも用いられるリチウムイオンバッテリーのおかげで蓄電能力が向上して航続距離が伸びたことにより、電気自動車の普及に弾みが付き、このiMiEVや日産リーフのように一般に広く販売することを想定した電気自動車が登場してきました。
 走行時に二酸化炭素を排出せず、また発電から走行までの総過程においても内燃機関自動車の%程度、さらには騒音等の公害の少ない電気自動車が一般ユーザーの選択肢に加わったことは非常に意義深いことだと思います。

・ガソリン車以上の動力性能
 iMiEVとガソリンi(ターボ)の0→400m加速を比較すると、iMiEV:20.6秒、ガソリンi:20.9秒とiMiEVの方が速いようです。
 実際に走らせてみるとその性能差は数値以上で、ゼロ発進から最大トルクを発生する電気モーターの特性を生かして、スタートダッシュは異次元の感覚です。絶対的なモーター出力が限られているので、高速域ではガソリン車の方が有利ですが、ゼロ発進や街中での中間加速においてははるかに格上の車も凌駕する性能です。
 また、バッテリーを床下に搭載していることによる低重心化でコーナーリングが安定しており、背の高い軽自動車独特のフラフラ感とは無縁のスポーティーな走りです。

・車内の快適性の高さ
 当然ながらエンジンがなく騒音を発生しないため、特に低速時において静かで極めて快適です。またガソリンiに比べて遮音対策が優れているのか、ロードノイズや風切り音も少ないです。
 さらに重いバッテリーが搭載されていることで車の動きがどっしりと安定したものになっていて、いかにも軽自動車的なヒョコヒョコした感覚は全くない落ち着いた乗り味です。 

・回生発電量の改善
 昨年iMiEVの先行仕様(電力会社等との走行実験で使われていたモデル)を運転したときに、アクセルオフ時の回生発電がほとんど行われていない事が気になったのですが、今回乗った市販仕様はアクセルオフでの回生発電が明確に行われていて、航続距離の延長に貢献していました。
 ちなみにシフトセレクターの「D」よりも「ECO」、「ECO」よりも「B」の方が回生発電される度合が大きく、試乗中はほとんどECOモードで走行していました。

・ベース車であるiの魅力
 電気自動車とはいえ車はかっこよくないといけないと思うのですが、iMiEVはベース車iのかっこよさそのままの未来的なスタイルです。
 電気自動車はガソリン車のレイアウトの概念から離れて、バッテリーやモーターなどを自由に配置できるはずですが、後発の日産リーフはなんだかガソリン車と変わり映えのしない、正直あんまりかっこよくないスタイルです。一方、iMiEVはベースとなるiがデビューしてからすでに4年以上が経過しているにもかかわらず、未来的で斬新な、いかにも次世代の自動車であると感じるスタイルです。


もう少し頑張ってほしい点
・充電インフラの整備
 現時点で電気自動車を使用する最大の問題点はここでしょう。出先でバッテリーの容量が少なくなった場合、30分で充電できる急速充電スポットは、例えば岡山県内には3ヶ所しかありません。
(ちなみに岡山県の3ヶ所というのはまだ多いほうで、岡山よりも人口規模の大きい県でもゼロとか1ヶ所だけというところも多いです。)
 日本国内における自動車の一日の走行距離から勘案して、長距離を走行する機会はそう多くなく、毎日自宅や所属事業所で充電すればよいという考え方なのでしょう。しかし、うっかり充電を忘れていたり思わぬ長距離を走ったりすると、たちまち運転を継続することが困難になってしまいます。以下に短距離での使用を前提にしているとはいえ、いつでもどこへでも行くことができるのが自動車の機能であり、それを大幅に制限されるのは厳しいものがあります。

・航続距離の絶対的な短さ
 この車の満充電での走行距離はカタログ数値で160kmですが、実質80km程度が相場のようです。これではあまりにも短すぎます。走行中に回生発電をうまく使えば多少走行距離を伸ばすことができますし、走り方によっては電池残量をほとんど減らさないこともできますが、それでも短いことに変わりはありません。ガソリン車でいえば燃料の残量警告灯が点灯した状態のままず~っと走っているようなもので、心臓に悪いです(笑)

・普通充電の時間がかかりすぎ
 急速充電は約30分で0から80%の充電量になりますが(バッテリーの保護のため急速充電だと80%でストップする。)、200Vだと満充電まで約7時間、100Vだとなんと約14時間もかかります。家庭に少なくとも200Vの充電設備を新設することが前提になっているのだと思いますが、新たな負担を強いられますね。

・暖房の使用により航続距離が極端に変わること
 一般的な自動車はエンジンの冷却水の余熱を利用して暖房を行いますが、電気自動車であるiMiEVは当然冷却水がエンジンの熱で温められないため、電気ヒーターで熱してそれに送風して暖房する仕組みです。ところがその電気ヒーターに大量の電力を必要とするようで、暖房使用時には冷房時よりも燃費の悪化度合いが大きいようです。ガソリン車だと走行性能にほとんど影響がなかったはずの仕組みが、電気自動車になると大問題というのは困りますね。
 ちなみにこの車は暖房用にLLCが搭載されていますが、冬場しか使わないものをずっと乗せて走っているのも何か非効率ですね…

・パドルシフトが欲しい
 航続距離を伸ばすためにはDレンジに入れっぱなしではなく、減速時はBレンジで回生発電を積極的に行うべきなのですが、シフトゲートがギザギザのスタッガード式のため、減速ですかさずBレンジに入れるというのがやりにくい面があります。パドルシフトが備わっていれば素早いシフト操作が可能なのに…と思います。

・シートの出来が悪い
 見た目は大人っぽくセンスの良い黒のファブリックで、サイズも成人男性にも十分なのですが、出来はあまりよくなく、1時間程度の走行でも腰が痛くなってしまいました。車自体が魅力的なのですから、このような運転が苦痛になってしまう点は要改善です。
 
・ガソリン車がベースなこと
 iMiEVのベースとなっているiは2006年の登場から4年以上が経過していて、正直目新しさはありません。そのためか、iMiEVで走っていてもそれほど注目度は高くありません。試乗車はボディサイドに「でんきじどうしゃ」というデカールが貼られていたため、それによって見られることもあるといった程度で、こんなに先進的な車に乗ってるのに・・・と思うと、外観での注目度の低さはちょっと寂しかったです。

・荷室の狭さ
 おそらくガソリンiと荷室の大きさは全く同じだと思うのですが、A型ベビーカーが積めず、小さな子供がいる我が家としては不便でした。電気自動車はバッテリーにスペースを食われるため荷室など室内空間が狭くなるイメージがありますが、iMiEVの場合はバッテリーはすべてフロア下に納まっており、ガソリンiならばエンジンがある荷室下にはコンパクトなモーター・トランスミッションとインバーター・DC/DCコンバーターがあるだけで、機器類の容積はiMiEVの方がむしろコンパクトです。iMiEVの車体がEV専用設計ならフロア高を下げて荷室を広げることが出来、「電気自動車なのに荷室が広い!」というインパクトがあったのではないでしょうか。


総評
 今回の試乗ではチョイ乗りではわからない電気自動車の良し悪しを体感することができ、非常に有意義でした。
 このiMiEVをはじめとして日産リーフやテスラロードスターなど、ここ最近高性能な電気自動車が続々登場していますが、化石燃料を用いる車がすぐになくなってしまうことは恐らくなく、電気自動車が自動車の主流になるのはまだ先の話でしょう。
 日本国内での自動車の使用形態は通勤や買い物等近距離が多く、iMiEVの航続距離で十分カバーできます。しかし、一般的なガソリン車の航続距離は満タン一回で400~700Km以上で、一度ガソリンを給油したらしばらくほったらかしにできるのに対し、電気自動車だと毎日帰宅後に充電しなければならない手間があります。
 それに400~700km走れる車で例えば50km走ることと、80kmしか走れない車で50km走るのは気持ちの余裕が全く違います。
 さらには、充電が残っているのにチマチマ継ぎ足し充電をすると電池の寿命を短くしてしまうという問題があります。

 しかし、これらデメリットを差し引いてもiMiEVは非常に魅力的な車でした。電気自動車なので音が静かで乗り心地が良いというメリットはもちろんのこと、「電気自動車」や「エコカー」という言葉のイメージからかけ離れた優れた動力性能は、ガソリン車にはない新たな自動車の魅力・楽しさです。
 現代の自動車であるが以上、快適性が高くかつ動力性も優れていないと、いくら環境性能が高くても自己満足に過ぎないと思っていますが、iMiEVはそれを高次元で両立させていて、自動車として・商品として極めて魅力的です。
 現状ではまだまだ価格が高く、車両本体価格398万円、補助金適用後でも284万円と軽自動車はおろか普通車と比較しても、価格の高さをランニングコストの低さでカバーするには至りません。しかし、これから一般に広く普及することによって量産効果が高まり、価格が下がっていくことは期待したいです。
 私個人としてはiMiEVの現状の性能なら、250万円を切ったら買ってもいいと思っています。まだまだスイフトを乗るつもりですが、次の買い替えでは本当に電気自動車を検討する可能性が高いです。

 iMiEVのような高い実力を持った電気自動車が登場して、それが社会に浸透していくという、歴史の転換点を目撃することができたことは、一人の車好きとして嬉しく思います。今後はiMiEVの更なる性能の改良、また他社からも魅力的な電気自動車が登場して市場が活性化することを期待しています。


↓↓フォトギャラリーに写真があります↓↓
iMiEV乗ってみました 外装編①
iMiEV乗ってみました 外装編② 
iMiEV乗ってみました 内装編
iMiEV乗ってみました 機構編
iMiEV乗ってみました 使い勝手編
iMiEV乗ってみました ドライブ編


↓↓関連試乗記↓↓
iMiEV試乗記(チョイ乗り編)
ガソリンi試乗記
プリウス試乗記
旧型プリウス試乗記
CR-Z試乗記
Posted at 2010/06/15 20:14:54 | コメント(4) | トラックバック(0) | 新車試乗記 三菱編 | 日記
2010年03月20日 イイね!

RVR乗ってみました

RVR乗ってみました 三菱の新コンパクトSUV・RVRに乗ってみました。グレードは3種類のうち最上級のG(FF)、ボディカラーはカワセミブルーメタリックです。


○だった点
・コストパフォーマンスが高い
 1.8L級のSUVでありながら車両本体価格が178.5万円からと低価格です。もちろん最低グレードの最低価格だとオーディオすら付いていませんし、グレードやオプションによっては300万円近い価格になりますが、基本的にリーズナブルです。
 試乗車のGグレード・FFだと本体価格約219万円でHIDライト、フルオートエアコン、17インチアルミホイール、キーレススタート、オートライト、クルーズコントロール、カラー液晶のインフォメーションディスプレイが標準装備と非常に豪華です。

・質感の高い内外装や乗り味
 価格が安いからといって安っぽさ丸出しではなく、クラスを超えた質感を持っています。
 この車の兄貴分であるアウトランダーは外観は非常にスタイリッシュなのですが、プラスチック丸出しのダッシュボードや、カチャカチャと安っぽい感触のシフトノブ&ウインカーレバー、ガサツなエンジン音、ややラフな乗り心地と、三菱が苦しい時期に開発された車であることを感じさせる、「意あって力足らず」といった車でした。
 RVRはプラットフォームをアウトランダーと共用していますが、アウトランダー登場後4年以上立って熟成されているようで、クラスは下にもかかわらず乗り味が洗練されています。
 内装にも、ダッシュボードにソフトパッドを用いるなど質感向上の努力が見られます。

・大きなガラスルーフ
 Gグレードにメーカーオプションで大型のガラスサンルーフ(パノラマガラスルーフ)が設定されています。開閉式ではないのが残念ですが、フロントウインドウフレーム上端から後席頭上までと面積が大きく開放感があります。
 また、ガラスルーフの左右に配されたLEDイルミネーションもユニークですね。 


もう少し頑張ってほしい点
・古臭いCVTの制御
 少し前までのCVT車は停車直前の引っ張られ感というか、ドライバーである自分が意図している以上に減速して違和感がつきまといましたが、最近はそれが気になる車は少なくなってきました。
 ところがRVRは昔ながらの引っ張られ感があります。この特性は4年以上前に登場したアウトランダーと同様なのですが、CVTを改良しないのでしょうか?  

・前方視界が良くない
 ボンネットが厚くてフロントガラス下端位置が高いため、車両直前の死角が大きくて視界に圧迫感があります。せっかくコンパクトなボディサイズなのに二回りぐらい大きな車を運転しているような印象を受けます。

・圧迫感のある後席空間
 アウトランダーとの外観デザインの差別化の必要性からか、キャビン後半が絞り込まれていますが、この影響で後席空間には圧迫感があります。
 頭上空間は最小限で側頭部はギリギリ、膝前にも余裕がないうえ、側窓が小さくて視界が悪いという、快適性に乏しい空間です。

・なんとなく没個性なジェットファイターグリル
 ギャランフォルティスランエボ、アウトランダーローデストに続いて、フロントグリルが逆スラントしたジェットファイターグリルが採用されていますが、これって三菱の車のアイデンティティとして定着してないような気がするんですが…
 他の車と同じ顔なので、なんとなく没個性な気がしますね。
 ヘッドライトやバンパー、フェンダーなどフロントセクションのパーツを共用化してコストダウンするのが目的なのかなとも思ったのですが、別物のようなので余計理解しにくいです。

・初代RVRほど自由な感じがない
 初代RVRといえば背が高くて広い室内とスライドドア、当時としては珍しかった後席の超ロングスライド、背面スペアタイヤやグリルガードを装備したスポーツギアなど、乗用車とワゴン車、四駆を組み合わせたような、今で言うクロスオーバーのはしりのような車で、何か全く新しいジャンルの車が出てきたなあという印象を受けたものでした。
 新型RVRはよくまとまってはいるものの、初代ほどのインパクトはなく、しばらく経ったらライバルの間で埋没しそうです。

・変なCM(笑)
 カワセミが水面にとまったと思うと、水の中からRVRがザバッと現れるという変なテレビCMです。環境イメージを訴えているのかもしれませんが、どう考えても逆効果です(笑)
 

総評
 欠点をいろいろ書いたのですが、基本的にはなかなかよく出来た車です。デビュー当初は「どうせ全長を縮めただけのアウトランダーだろ…」と思ってたのですが、アウトランダーの欠点を極力潰し、コンパクトSUVならではの取り回しのしやすさと非常に充実した装備が魅力的な車です。
 ただ、この車はメーカーの三菱自身が日産デュアリスがライバルであると言っているようですが、デュアリスのヨーロッパ車譲りの剛性感あふれるキレのいい走りにはちょっと及びません。ライバルと公言するなら、デュアリスのあのレベルの高い走りも見習ってほしかったのですが…
 ともあれコンパクトさと充実装備、それにリーズナブルな価格は大いに魅力です。ここ最近販売が苦戦し、プジョーシトロエンとの資本提携が破談になるなど悪いこと続きの三菱に少しでもプラスになるといいですね。


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フォルティススポーツバック試乗記
パジェロディーゼル試乗記
トヨタFJクルーザー試乗記
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Posted at 2010/03/20 22:50:49 | コメント(5) | トラックバック(0) | 新車試乗記 三菱編 | 日記
2009年07月23日 イイね!

iMiEV乗ってみました

iMiEV乗ってみました 超注目の三菱の電気自動車・
iMiEV(アイミーブ)
に乗ってみました。
 ボディカラーはレッドソリッド/ホワイトソリッドです。

 最初にお断りしておきますが、試乗車は先日発表になった市販仕様ではなく、三菱自動車と全国の電力会社との走行実証実験でも使われている、三菱自工所有の先行仕様です。機関部分に違いはないそうですが、ヘッドライト・テールレンズの意匠他、細部に違いがあります。

 まず運転方法ですが、基本的には通常の内燃機関自動車と同じです。
 エンジンスターター(スマートキー)を捻るとメーター内に「READY」のインジケータが点灯し走行可能になりますが、このあたりはハイブリッド車の経験がある人なら違和感はないと思います。
 電気自動車で気になる充電方法・充電時間ですが、満充電までは家庭用100V電源で14時間、200V電源で7時間、専用急速充電器で約30分です。
 この急速充電システムは自治体や電力会社などの協力のもと、ショッピングセンターなどに設置される予定とのことです。


○だった点
・電気自動車を一般向けに発売したこと
 電気自動車そのものは非常に長い歴史がありますが、航続距離の短さや充電時間の長さ、車重の重さ、バッテリーの持ち、車両価格の高さなどの問題から、限定した範囲内での使用や行政機関等が購入することが大半でした。
 iMiEVも今のところ行政機関などに対してリース販売が中心のようですが、まもなく一般ユーザーからの申し込み受付を開始するようです。
 車両価格や航続距離など、iMiEVはまだまだガソリン車・ハイブリッド車に太刀打ちできるものではありませんが、このような革新的な車を一般向けにも販売の窓口を開いたことを評価したいですね。

・異次元の加速
 加速感がこれまでの内燃機関自動車では経験したことのない、全く異次元のものです。
 従来の車の加速が自分の足で地面を蹴っている感覚とすれば、iMiEVの加速感は空母から戦闘機を発進させる際のカタパルトに載っている感じというか、車の前方から巨大な手で掴まれて引っ張られているような感じです。
 iのガソリン(ターボ)仕様はもとより、遥かに格上の車も凌駕する加速感です。
 
・静粛性が高い
 電気自動車ですから当然のことですが、エンジン音が全くなく非常に静かです。アイドリング(?)や停車時はもちろんですが、例えばハイブリッド車ならそろそろエンジンがかかるなという領域でもエンジン音はして来ず、どこ速度域でも静かです。
 アクセルを踏むと「クーン」というか「ヒューン」という音が聞こえてはきますが、ごく小さいレベルで気になるものではありません。
 これだけ走行音が静かなら、ロードノイズや風切り音が気になるところですが、それらの遮音も軽自動車としてはかなり高いレベルです。


もう少し頑張って欲しい点
・航続距離を伸ばす努力を
 公称航続距離は満充電で160キロです。これでもちょっと厳しいかなと思うのですが、エアコンを使用するとかなり悪化するようです。冷房を使って悪化するのはまだ理解できるのですが、この車は暖房が水を電熱ヒーターで温めるという方式で電力消費が多いため、暖房使用時に航続距離が著しく短くなるようです。
(100キロも走らないのでは?という話もあるようです。)
 機構上燃費の悪化はやむを得ませんが、今後さらに航続距離を伸ばすための研究開発をお願いしたいものです。
 
・やや車重を感じる走り
 車重が1100kgもあるため、走っていると時折車重を意識させられる場面があります。加速性能については上記の通り極めて優れているのですが、路面のギャップを乗り越えた際に、ガソリン仕様のiでは全く感じられない「ドスッ」という感じの動きがあります。(決して不快なレベルではありませんが)
 また、コーナーではロール速度が緩やかで、良く言えばゆったり、悪く言えば慣性マスの大きさを感じる鈍重な動きです。
 この車重の悪影響が最も大きいのがブレーキ時で、ガソリンiより明らかにブレーキの効きが悪いです。ガソリンiは前後重量配分の特性上、ハードブレーキング時でも車の姿勢が非常に安定していますが、iMiEVはそこまでの安定感はありません。
 ブレーキシステムがガソリン仕様と共通かどうかは確認できなかったのですが、共通ならばもう少しブレーキを強化してほしいものです。

この車重による前後重量配分の改善のおかげで、ガソリンiは前軸荷重が少ないため、コーナーでブレーキを踏んで荷重をかけてやらないと、思いの外アンダーステアが出たり、高速走行時に横風でフラフラするということがありましたが、iMiEVは常に安定しています。

・走行中の充電はほとんどされていない?
 メーターパネル内にハイブリッド車のようなパワーメーターがあり、アクセルを踏み込んだ際にはパワーゾーン、アクセルを戻した際には回生発電により充電されていることを示しますが、街乗りにおいては針がゾーンを示すことはほとんどありませんでした。
 これぐらいアクセルを戻せばプリウスならかなり回生発電されるだろうなあ…という状況でもほとんど充電されないようで、何やら貴重な電気を無駄遣いしているようです。
 

総評
 非常に乱暴な結論を言ってしまうと、まだまだiはガソリン車やハイブリッド車の敵ではありません。購入時の助成金を含めてもガソリンiの2倍以上の価格、ガソリンiの3分の1程度の航続距離、充電にかかる時間の長さと急速充電ができる拠点の少なさから、現時点では実用性に大きな問題があると言わざるを得ません。
 ただし、この車は今まで行政機関や一部の企業向けだった電気自動車を一般の人間にとって一気に身近なものにしました。ハイブリッドだけではない環境対応車の選択肢が増えることは歓迎です。
 電気自動車は技術革新が急速で、来年以降日産から低価格の電気自動車が発売されるようです。三菱は先行者として引き続き技術革新を続けていただきたいものです。
 率直に言って現状のの価格(本体約460万円、助成金込み約320万円)はまだ高いです。私個人としては現在の性能ならば、250万円なら出してもいいかなと思います。
 
※リンク↓
i(ガソリン仕様)試乗記


Posted at 2009/07/23 23:00:32 | コメント(6) | トラックバック(0) | 新車試乗記 三菱編 | 日記
2008年12月11日 イイね!

フォルティススポーツバックに乗ってきました

フォルティススポーツバックに乗ってきました 三菱ギャランフォルティスに追加されたスポーツバックに乗ってきました。
 グレードはツーリング(2WD)、ボディカラーはライトニングブルーマイカです。

 ←それにしても私、写真撮るセンス悪いですね!この角度からだとセダンかスポーツバックか全くわかりません(笑)

 他の角度からの写真は、以前地元の三菱自工水島製作所付近で撮った輸出仕様のものをご覧下さい。
   ↓
フォトギャラリー

 昨年セダンが登場した時に、標準的なグレードの「エクシード」に乗ってきたのですが、そのときに印象とも比較したいと思います。


○だった点
・結構かっこよく見えるデザイン
 先代ランサーは妙に屋根が高く見えて不恰好な上、度重なるマイナーチェンジでどんどん妙なスタイルになって行きましたが、ギャランフォルティスは直線基調の結構かっこいいデザインです。
 また名車・E39A型ギャランを思わせる逆スラントノーズもアグレッシブでいいですね。

・取り回し性がよい
 全長4,585mm×全幅1,760mmの大柄なサイズのわりに、街中での取り回しは問題ありません。特に全幅については3ナンバー化を感じさせず、狭い道でも先代ランサーと変わらない感覚で運転できます。
 また最小回転半径が5mと小さく、狭い道でも取り回しは良好でした。18インチという大径のタイヤを履くスポーツでも最小回転半径は5mというのは評価できると思います。


もう少し頑張ってほしい点 
・名前
 この車はランサーの後継車ですが、ランサーシリーズは過去に、ランサーEX、ランサーフィオーレ、ランサーセディアなどいろんなサブネームを付けては捨て、先代でやっとランサーに落ち着いたかなと思ったら現行型はギャランを名乗るというところに、なにか迷走しているような感じが否めません。
 さらに北米ではこの車はランサーを名乗り、ギャランは北米専売車として別に存在します。
(そういえばギャランΣ(シグマ)、ギャランΛ(ラムダ)という車もありましたね。)
 三菱はもう少しブランドを大事にしてはいかがでしょうか。

・タイヤが大きすぎる
 ベースグレードのツーリングは16インチ、スポーツやラリーアートに至っては18インチというのは実用セダンとしてはちょっとやりすぎではないでしょうか。ラリーアートはともかく、スポーツは154PSの実用セダンなんですから・・・
 ボリュームアップしたボディとのバランスを取るために見た目を優先したのでしょうが、タイヤは消耗品なのですから、交換時に思わぬ高額に目ん玉が飛び出るということにならないようにしていただきたいものです。

・減速時のCVTの引っ張られ感
 今時のCVTらしく、あまり違和感はないのですが、減速中、特に停止直前に後ろから引っ張られているようなやや不自然な減速感があり、改善して欲しいところです。

・後席が狭い
 大柄なボディサイズの割に後席の居住性はそれほど良くありません。足元空間はごく標準的なのですが、頭上空間が全く余裕がなく、175cmの私(座高は普通www)が普通の姿勢で座って、天井(正確にはハッチゲートの上端)に後頭部が触れそうになります。
 セダンではもう少し余裕があったと思うので、スタイル重視のスポーツバックゆえに頭上空間が狭くなってしまったのでしょうが、実用車でこの程度のスペースしかないのはちょっといただけません。
 
・後方視界が悪い
 セダンも高いウエストラインのためあまり後方や側方の視界が良くないのですが、スポーツバックはさらに、テールゲート下端が高いうえCピラーが太いので、後方確認が非常にやりづらいです。最近はナビにバックモニターが付いてるから、それで補えばいいとメーカーは考えているのかもしれませんが、車の周囲の安全確認は目視が基本であり、機械に頼るのは本末転倒です。


総評
 昨年セダンが登場した時には結構カッコイイなと思ったのですが、販売はあまり芳しくないようです。
 この車、ギャランを名乗ってはいますが、実質はランサーの後継車です。三菱としては、ランサーのボディサイズを拡大してギャランを名乗ることで、Dセグメントのギャラン/レグナムのユーザーと、Cセグメントのランサー/ミラージュのユーザー両方を取り込みたいという考えだったのでしょう。
 しかし、Dセグメントでアコードやアテンザなどと比べると小柄で高級感がなく、Cセグメントでカローラやティーダと比べると大柄で排気量が大きくて不経済と、中途半端な車になってしまったように思います。経営再建中の三菱にC・Dセグメントの車をそれぞれ開発する余力がなかったのかもしれませんが、結局虻蜂取らずになってしまっているのが残念です。

 今回ボディバリエーションとして5ドアのスポーツバックが追加されましたが、上記で述べた通り、実用性にやや難があります。三菱としては実用一点張りのセダンではなく、スポーティなスタイルと実用性を兼ね備えた車であると主張したいのでしょうが、スポーツカーやプレミアムカーではなくあくまで実用車である車が、室内空間に不満があったり後方視界が悪かったりするのはちょっと困りものです。
 私はこの車の製造工場である三菱自工水島製作所の所在する岡山県倉敷市在住で、税収や雇用をもたらしてくれている企業にこんなことを言うのも何なんですが、もう少し緻密な車作りをしないと三菱の未来は明るくないように思うのですが・・・
 三菱には例えばiMievのような素晴らしい車もあるだけに残念です。
Posted at 2008/12/11 20:29:21 | コメント(5) | トラックバック(0) | 新車試乗記 三菱編 | 日記

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